とある建物の中のラボ――
「はぁ...はぁ...流石は隊長ね...あの身のこなし....昔と変わらない...本当に眩しいわ。私、あの人の『
「....」
すると、Aと呼ばれたアンビーに似たマスクをつけた人物が治療する。
「痛っ....!『欠陥品』中の『欠陥品』が....口の次は神経まで使えなくなったの?もっと丁寧にやりなさい!」
「.....」
眼帯の人物に怒られたのか、Aと呼ばれた人物は悲しそうにしょげる。
「どうして痛みって、
「.....」
「こんな難しい質問、貴方に答えられるわけないよね。馬鹿だから」
「....」
そう言うと、『ゴメン...』と言いそうな顔で目を閉じるAだった。
「もういいわ、そんな情けない声出さないで。それより、私達の『実験体』は....まだ生きている?」
「....」
Aは、11号が監禁されてるところへ案内する。
「ふふっ...ここにいのね。今の名前は...『11号』だったかしら。可愛くない名前。でも...お顔は本当に可愛い。可愛らしくて...可哀想。今の私とあなたに共通点があるとしたら、この顔だけね。もっとも、あの愚図は顔すら似てないけど....」
「......」
「あなたと違って、ツイッギーに手足はもうないの。私はもう、『シルバー小隊の完璧な隊員』じゃない。実験のためには、完全な体じゃないといけないの。だから、貴方が必要なのよ....あとあの愚図も。」
そう言い、11号の顔を触るツイッギー。
「どうしてこうなったかって...知っているでしょう?あの日、あなたが来なかった日....アンビー隊長はね、自分と引き換えにあなたを助けたのよ。彼女ほど強い人でも....一人しか助けられなかった。なんで、助かったのはあなたなの?どうしてツイッギーじゃなかったの?ねぇ、教えて?どうして?」
「みんな死んだ。私は.....いくつもの死体に押しつぶされた。発見された時、私の手足は侵蝕が進んでいてね....動けなかったの!抵抗もできなかった!私は
「....」
急に現れたAにツイッギーは驚いた。
「ビックリさせないで!死にたいの!?」
「....」
「はいはい、分かっているわよ。あいつらが今日ののブツを取りに来たんでしょ?ちょっと片付けてくるわ。話の続きは....後にしましょう」
~~~~
同時刻、ラボの外。霧で覆われた冷たい扉に体を寄せたアンビーとトリガー、タンザナイトは、険しい表情で中の動向に耳を澄ませている――
「『11号』はここに閉じ込められているようですね。ここからのプランでは、どう動きますか?」
『ステルス作戦』
「『プロらしく』――潜入して11号を救助」
しばらく無言が続いた。
「.....えっ?続きは」
「以上よ」
「.....ステルス作戦は?」
『透明化で11号がいる所まで行く』
「....あの、どうやって透明に?まさか、光学迷彩とかですか?」
『もっと簡単なことだ....俺しかできないが――『
すると、タンザナイトは結晶を構築させ、透明に変化する。
「....見えませんが、匂いで分かります...成分が違うエーテル結晶を纏ってますね」
『ああ、光を反射する
「.......なんでもありですね、あなたって」
『よく言われる』
「.....では、いつでも連絡できるように、通信を繋いでいます。アンビー、タンザナイト、決して無理はしないでください。もしあなたたちに何かあれば――」
「私達だけでは『11号』を助けられない、でしょう。大丈夫、気を付けるわ」
「....あなた達を気遣う言葉をかけるつもりでした....必要ないのであれば、忘れてください....」
『よし、行くぞ!』
こうして、タンザナイトとアンビーは建物に侵入し、目的の場所へと向かった.....
~~~~
透明化で難なく着々と進んでいると、目的の場所まで着いた。
「ここは...とても寒いのね」
『そうだな...冷房か?』
「外からでもわかります。空気の匂いも妙ですね」
「ドンドドドンドン....」
すると、遠くから誰かがやって来る声が聞こえた。
「!」
『アンビー、手を...離れんなよ』スゥゥゥ....
タンザナイト達は、『透明結晶』で透明化し、隠れる。
――そうして現れたのは、ツイッギーであった。
「あら?まだ目覚めていないの、『11号』?あなたの体はけっこう細胞を取ったし、薬の実験もしたけど...このくらいでギブアップなんてしないわよね?ね?末っ子だから...
「......」
11号は虚ろな感じで意識が朦朧としていた。
「そうそう、そうこなくっちゃ。話の続きをしましょう?私、どこまで話したかしら?...ああ、そうだった。手足を失くした私が、
(.....ひでなぁ)
「私は闇市に流れて、色んな商品やいわくつきのブツ、特殊な改造を施されたボンプと一緒に、
「そして私は、彼女と出会った」
彼女...如何やら元軍医らしく、ツイッギーを買い取ると、お腹を切り開いて、臓器を確認した。クローンは麻酔は効かないらしく、その時の苦痛が残るのだ....
その時、彼女は
そかもこの軍医はシルバー小隊のことは良く知っているらしく、何度も手術し、機械の体を手に入れるが戦闘向きではなかった.....唯一無事なのは、ツイッギーの記憶――
独自の伝手で不完全な研究資料をみつけると、ツイッギーの記憶の断片を辿りながら、検証し補って....シルバー小隊の技術を再現したらしい....
そして、その時のツイッギーの顔は
(.....狂ってるぜ.....こんなの....!?)
「それで、私の計画は気に入ってくれた?
『っ!?.....気づいてたのかよ.....』スゥゥゥ....
バレていると知った、タンザナイトは透明化を解除する。
「....!」
「私の子犬がとっくに気づいてたわ。指示を飛ばして、もう人を呼ばせてる」
どうやらAが、気づいていたらしい....
「隊長が会いに来てくれて、本当にうれしい。ちゃんと話しておかなきゃって、ずっと思っていたの!....余計な奴もいたけど」
『それって...おれのことか?』
「ふんっ....」
「彼女を返して。その後で、ちゃんと話を聞くわ」
「...欲しいなら、奪いに来て!」
そう言うと、タンザナイト達はラボを飛び出し、トリガーとの合流場所へ向かった――
「トリガー!」
『すまんバレた!』
「説明不要です、状況は把握しました」
『そう?....ならさっさと倒すぞ!』ジャキィンッ
と、タンザナイトは武器を展開し、現れた敵を数分経たずに倒しきった。
「さっすが、アンビー隊長。こんなクズ共、あなたの剣のサビにしかならなかった」
『お前さっきからなんなん?敵なのか味方なのかどっちかに振り切ってくんない?』
「うるさいわね、愚図。私は
『愚図!?ひどくね!?俺、初対面なのに!?』
「.....」
『愚図!?ひ、ひどいよツイッギー...私だって頑張っているのに...』
『だったら、そのトロトロした動きは止めてくれない?あなた、この中でも一番の『欠陥品』なのよ?もうちょっとしゃんとしなさい!』
『ピエン....』
「....っ」
「初対面?....ああ、そうね、
『?』
ツイッギーはふと、一息つくとアンビーに話しかけた。
「ふぅ...それより隊長、軍の制服はもう捨てちゃった?」
「ツイッギー...」
「私だったら、パジャマに使うわ。毎日、過去の栄光と苦悩に包まれながら眠るのよ。素敵でしょ?」
「ツイッギー、あなたが生きていること...今日まで知らなかった」
「私はいつも戦闘が一番苦手だったから。そんな私が生き残るなんて、隊長が予想できなかったのも当然ね」
すると、アンビーはその言葉を否定するように、訂正する。
「あなたは戦闘が苦手だったわけじゃない。たとえ力が足りなくても、
「そうね。あなたはそう言ってくれたこと、もちろん覚えているわ。私が残すよう研究員を説得してくれたし、『自分の価値を正しく評価して』って励ましてもくれた。そう、私には価値がある。今になって、それを理解したわ。役立たずは簡単に死ねるけど、私は違う。私には大切な価値があるから...そして、それを見出してくれる誰かがきっと現れるの。昔のあなたみたいに」
『.....』
「時々、思うの....私がシルバー小隊じゃなかったら、って。ただの新エリー都市民だったら、今頃はホワイトスター学会にいたかも。『特定のホロウにおけるエーテルの3つの形態』...とか研究してたのかな?私は確かに頭は回るけど、賢さにもいろんなタイプがあってね。利益を奪い合い、嘘を見抜き、限られたリソースでこの世界を生き抜く知恵なんて、シルバー小隊で育った私は、
「辛かったのね。それで、あなたがこんなことをする理由?」
「理由なんて必要ないわ。少なくとも、あなたを説得する必要はないもの。私はただスポンサーを納得させられたら、それでいいから」
「あなたは誰よりもシルバー小隊の罪深さを知ってるはず。こんな技術は二度と使われるべきじゃない....」
その言葉に、ツイッギーは拳に力が入る。
「罪深い?あなたや私、そして姉妹たちが....みんな罪を背負ってるっていいたいの?」
「私達は、罪そのものよ」
「だから、私たちは滅ぶべきだって?」
「すくなくとも、罪の中で生き続けてはいけないわ」
「ああ、なるほど。勉強になったわ、隊長....
ハンバーガーを食べて、映画を観て、仕事を見つけて、人とデートするのが私達のすべきことだった....手足を失くして、痛めつけられて、売り飛ばされて、必死に生き残るべきじゃなかったわけね?アンビー隊長、あなたのことは好きだし、何があっても嫌いになんてなったりしないわ。でもね、だからって私の前で、そんなことを
「私の居場所は分かっている、そうでしょう?」
「......」
アンビーの出した言葉に無言になるツイッギー....
「私がどこに住んでいて、どんなハンバーガーを食べて、どんな映画を観て、どんな人とであっているのか....全部、知っているでしょう?なら....私を探しに来て、ツイッギー」
「....!」
「私はあなたの隊長。あなたにふさわしい罰を、私が直々に与えるわ。そして...一緒に罪を償う」
「隊長....」
「あなたが、
「――だったら....」
「?」
「だったら....『インフィニティ』は――
「っ!」
『?....インフィニティ?』
『インフィニティ』....その言葉にピンとこなかったタンザナイトだが、アンビーの表情が見たことない困惑と冷や汗がでる。
「...下らない冗談はやめて、ツイッギー....インフィニティは――」
「『誰ひとり生還させるつもりのない作戦で姉妹共々死んだ』....でしょ?」
「.....そう、私の目の前で息絶えた....あのインフィニティよ」
「本当にそうかしら?」
「.....何?」
「これを見たらいくら隊長でも、理解するでしょ?」
そう言い、ツイッギーが取り出したのは、一枚の資料だった....それをタンザナイトの顔に叩きつける。
『痛っ!?....もうちょっとソフトに渡せって―――えっ?』
「?どうしました、タンザナイト.....一体何が書かれているんですか?」
『......どういうことだ?』
「....見せて、タンザナイト」
『お、おう』スッ
タンザナイトがアンビーに渡すと、アンビーは絶句した.....
「嘘....これは....嘘よ.....何かの間違い...!」
「間違いじゃないわ....事実よ」
「一体...何が書かれているんですか?」
目が見えないトリガーはタンザナイトに聞いてくる
『....『DNA検査結果 『8号 インフィニティ』、『タンザナイト』 DNA照合結果98%』......これはつまり―――』
「タンザナイトが....インフィニティ?」
「嘘よ...そんなはずない....だって、だって....」
(―――私のせいで死なせてしまったんだよ?)
その時、アンビーはあの悲惨な記憶が蘇る.....
みんなもうすうす気にはなっていたでしょう.....どうやってエーテリアスになったか