転生先はエーテリアス   作:YEX

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オークション潜入ミッション:落札と結果

オークション会場に入ると、前半の部には多種多様な品が並んだが『例のもの』はなく、ふと、奇妙でどこかユニークなゴールドボンプ像が目に入った....折角予算があると、リン達はその像を落札しようとする。

 

幸運なことに、ライバルは一人しかいなかった....だが不幸なことにその人物はあのカーティスだった。

 

だったら勝しかない、前回と同じように!

 

すると、どういうわけか、あのビビアンが今回の対決に興味を持ったのか、リン達の隣にやってきた...

 

(たしかこいつ、レイヴンロック家の一員とか言ってた割にこっそり福引に並んでたよね....やっぱあんまお金ないんじゃない?)

 

「まさかこんなところでお前と鉢合わせるとはな...!ここであったが百年目――

 

(これ見てる人が思っている一方的な勝利なので)割愛

 

「おいおい、この品の妥当な価値はとっくに越えてるぞ....もういい、お前達にゆずってやる!」

 

「ちょっとオーバーですけれど、まぁ許容範囲なのです」

 

「やったー!」

 

こうして、リンはカーティスに勝利し、このコレクションを競り落とした....

 

「何はともあれ、落札できてよかったのです。わたしに言わせれば...あの品のデザインはいささか前衛的すぎるかと」

 

『まぁ....感じ方は人それぞれだし....』

 

「....そうですね。人の好みにとやかく言う趣味もないです。結局のところ、芸術のもっとも尊い価値とは、人々がそれに注ぐ愛なのですから」

 

そうしていると、司会者が次の商品へ進む。

 

「次に控えております品は、大変なものでございますよ。ある伝説的な遺作でありまして、()()()()()()()()()()()()()ものでございます!この芸術家の経歴もまた特筆すべきなのですが...生前、彼は無名でした。その作品が偶然見いだされ、評価されたのは彼が世を去ったあとでございます。そのため正真正銘、彼の作品と呼ばれるものは極めて少なく、どれも大変に貴重なもの。ましてこれが()()()()()()()()()とくれば尚更でございます。皆様におかれましては、努々見逃されることなきよう!さて、前置きはこれぐらいにしてさっそく開始いたしましょう!まずは2億ディニーから!」

 

「あれって確か.....」

 

『あのシリオンがビビアンに落札して欲しいって頼まれた絵だったな....』

 

「5億までに落札できれば、たいした損でもない....3億だ!

 

「10億」

 

「...っ!」

 

『っ!』

 

と、ビビアンは一気に値を上げた。

 

「おいおい...いくら遺作とはいえ、たいした出来でもない作品に、いきなり10億というのは....ふん...!おおかた、どこぞのご令嬢が社会勉強にでも来たんだろうな!自分で稼いだこともない金なんて、いくら使おうとただの数字だ....」

 

「あれビビアンじゃない?」

 

『確かに...『オークションは戦場、安易な同情は命取り...』とか言ってたが、こっそり落札してるじゃねぇか』

 

「まぁ、別にこっそりでもなんでもないけれどね。ぶっちぎりの最高額を、堂々と提示しているわけだから....」

 

と、そんなこと言っている中、沈黙が染みわたっていた。

 

「おっと、こちらの高貴なお嬢さんは素晴らしい審美眼をお持ちのご様子!早々に驚愕の入札額が飛び出しました。さぁ、こちらのお嬢さんに挑まれる方はいらっしゃいませんか?将来的に倍の達となるやもしれませんよ!」

 

「やめた方がいいのです」

 

すると、ビビアンが止めに入った。

 

「どれだけ高額になろうと、今夜、わたしは必ずあれを競り落とします

 

「おおっと....このお嬢さん、自信満々です!さて時間も迫ってまいりました。10億です!皆様いかがですか?....我こそはという方は?――それでは、10億での落札です!

 

「.....」

 

こうして、ビビアンはあの絵を10億で落札することに成功したのだった。

 

「さて、皆様。本オークションはこれにて前半が終了となります!皆様には休憩室にお戻りいただき、しばしの休息ののち、さらに貴重な品々をご覧いただきます。それでは、また後半にお会いしましょう!

 

そして、皆は休憩室へ戻ることとなり、その後、ライカンと話し始める。

 

「あなた様が落札されたこちらのアートですが....確かに一風変わったものでございますね。私も以前、お客様のため、これと似た個性的な彫像を探したことがございます」

 

「お客様って....『あれ』だった頃の?」

 

「...いえ。あなた様が仰るタイミングにおいて、『お客様』という概念はそもそも存在しておりませんでしたから」

 

「はたして落札する価値はあったかな...?」

 

『....えっ?今頃?

 

「ふむ、商業的な価値を踏まえたうえで申し上げれば....あまり損得をお考えになるべきではないかと。あなた様のお気に召したのであれば、それは間違いなく価値があるものと言ってよいはずでございます」

 

「ふーん....そう?」

 

「はい....あちらのビビアン様もこの種のコレクションに対しては大変目利きのできるご様子.....少々、気にかかるところでございます」

 

すると、ビビアンが目に入ったので、タンザナイト達は駆け寄ってみることにした。

 

「...なんなのです。その目は。『口ではあんなこと言っていたけど....根はやさしいタイプなんだ』なんて考えていませんよね?」

 

『正解だけど....よく分かったな』

 

「ふっ、図星なのです。先に言っておきますが、私....あの人を助けるつもりなんてさらさらないのです。さっき落札した品も、彼女にあげたりはしません。あれは()()()()()()()ですから」

 

『えっ....』

 

と、ビビアンの発言に固まる。

 

「さ、詐欺?あの人が詐欺師だって言うの?」

 

「いかに自分の境遇が悲惨かを強調しつつ、競りを無効にする方法があるとほのめかしてきましたね?あなたは一銭も支払わなくていい、なんて言いつつ....ですがそんなルールは存在しないのです。高額で落札したお金はかえってこず、手元に残るのは価値に見合わない品....そうなってしまったら後悔しても時すでに遅しなのです

 

『....でもお前、落札したじゃん』

 

「私が惹かれたのは、あの芸術家にまつわる物語ですから。芸術品の売買というものは、実質的にその品に宿る物語をやりとりしている....そうはおもいませんか?私は、私が代価を払うに値する物語にお金を払うのです――――なんて、これも()なのです。あなた達は信じてしまったみたいですが」

 

「いや、別に信じてはいなかったけど....」

 

『声が震えてるぞ....』

 

「もう一度、ささやかな忠告をしてあげるのです。()()()()()()()()()信じていては、お話になりません。誰もがみな、自分の目的を隠すことに慣れすぎているのです。時には目に見えないものこそが、()()だということもあります」

 

ビビアンは急に距離をつめてきたかと思うと、瞬きをし、声に出さないまま唇を動かした―――

 

「プ・ロ・キ・シ・さん」

 

「『!!』」

 

「次は、あの()()()どもではなく、わたしからの招待状を受け取ってほしいのです。秘密だらけのお友達、またお会いしましょう....なのです」

 

そう言い、ビビアンは後半のオークション会場へと足を運ぶ....タンザナイト達も急いで後半のオークションへ進むのであった。

 

「レディース&ジェントルメン!ようこそお戻りくださいました。続いての品こそ、本オークション最大の目玉―――比類するものなき『勇者の外套』でございます!遥か昔、真に勇気ある者だけが袖を通すことを許されたというこの逸品....さらに驚くべきは、襟元にあしらわれた奇妙な宝石でございます。私もこのようなものを見るのは初めてです....何やら、怪しげな魔力のようなものを漂わせていますね!」

 

司会者が言うと、襟元には()()()()()()()()がキラッと輝くのを見えた。

 

「お兄ちゃん、タンザナイト、あの宝石みたいなやつ....私達が探している『アレ』だよね!」

 

「妙だな....あんなに重要なものが、()()()()()()で服のいち装飾になっているなんて....」

 

『確かにそうだな....』

 

「......」

 

「.....仰々しいったらありゃしないのです」

 

「今日は...随分と賑わっているようじゃないか。相応しいものから場違いなものまで、あまねくこの場に寄せ集めてしまったようだな」

 

「『勇者の外套』か....ふん、センスのかけらもない名前だ。だがなんとしても手に入れてやるぞ―――レイヴンロック家の栄光に懸けて

 

すると、どこか遠くから、謎の人物と連絡を取っていた....

 

「....はい、『例のもの』です。どうやら本物のようですが....はっ、見張っておきます」

 

そうして、激しい競り合いの末、残る入札者は二名となった。

リンたちと、レイヴンロック家のハルトマンだった.....

 

だが、最終的にはハルトマンが天文学的な金額で勇者の外套を落札した。

 

「ハハハ...!どうもどうも。やはり最後に勝つのは、俺だったようだ。これにて、こちらの品は俺のものとなった。改めて、皆には心から感謝を―――」

 

「後ちょっとで勝てたのに!悪徳資本家め~....!」

 

と、悔しがっているリンの横で、アキラの方にメールが来る。

 

「ん?ヒューゴさんからDMだ.....」

 

『えっ?』

 

その内容は.....

 

「「『上を見たまえ....?』」」

 

すると、バツンッとオークションの電源が切れた。

 

「な、何が起きたの!?」

 

「明かりが消えた....!?」

 

「......」

 

「何...停電?」

「ママぁ....怖いよぉ....」

 

次の瞬間、陽気な若い男性の声が響き渡った。

 

レディース・アンド・ジェントルメン!オークションを楽しんでいるだろうか?」

 

『!!』

 

「冗長かつ下らん前座に付き合わせてしまったことをお詫びしよう。脳のない奴ほど決まってよく囀るものだ....どうか許してやってくれたまえ」

 

と、仮面と帽子をつけた人物が現れ、言う。

 

「あの人...なんだか見覚えがあるような....」

 

「まさか....」

 

『いやもうそうだろ....』

 

「何を突っ立っている!?不法侵入だぞ!とっ捕まえろ!」

 

「無礼な。俺はただ、俺のものを()()()()()()()だけなのだがね」

 

と、どこからか『勇者の外套』を取り出した。

 

「い、いつのまに!?」

 

『っ!』バチッ

 

「さて、今宵のショーも終わりが近づいている...会場のみな皆様、最後までどうか....素敵な夜をモッキンバードより、心をこめて

 

ピンッと金貨を弾いた瞬間.....

 

ビシャンッ!――――

 

「っ!」ググッ....

 

『逃がすわけ....ないだろ!』バチッ....バチッ....

 

雷の轟音が鳴ったと思ったら、そこには、『勇者の外套』を引っ張り合うモッキンバードと『アレスターボ』を展開したタンザナイトの姿があった。

 

「....やはり、君を招待したのは良くなかったか.....」

 

『とりあえず....それ、離せ!』シュッ

 

そう言い、タンザナイトは蹴りを噛ますが....

 

シュッ――バッ!

 

『!!』

 

「貴公とここで戦うのは分が悪い.....悪いが、退散させてもらうよ」フッ

 

蹴りを避けると同時に、圧倒的な手さばきで、タンザナイトの距離をとり、離れた。

 

『っち....待てよ!』バシャンッ!

 

続いて、タンザナイトも電撃が走った瞬間、その場から移動する。

 

「....やつを追え!あのコソ泥を逃がしてみろ!給料はないと思え!」

 

 

 

 

 

 

 

「タンザナイト行っちゃったけど!?」

 

「.....取り敢えず、ライカンさんに相談しよう!」

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