ホロウから出てきたタンザナイト達は、一旦『RandomPlay』へ戻ることになった....
「せっかくビデオ屋に来たのですから、パエトーン様に映画でもお勤めして頂いては?」
「俺は、自分の画廊のことでやらねばならないことが二三あるのでね。それでは諸君、これにて失礼する」
「えっ、画廊もやってるの?」
「諸々の事情から、社会的に都合がよい身分が入り用だったのだ。
「わかりました、わたしはもう少しパエトーン様達とここにいるとします。ですがヒューゴ、あなた最近妙に忙しそうにしているのです。まさか、わたしに隠れて何かしていませんよね?」
「ははは....それについては心配はいらないさ」
と、ヒューゴはいつもの含みのありそうな笑みで言うと、この場を去った....その後、中に入り、ビビアンは恥ずかしそうにリンに言う。
「....えっと、パエトーン様?何かわたしに聞きたそうなのです?あまり見つめると、わたし...恥ずかしいのです////」
「えっと、『運命の人』ってあれは....」
「あ、あれは....わたしたちはずっとあなたと手を組みたいと考えていましたから.....!ヒューゴは曰く、あなた様達はプロキシとして大変優れていると....まさか、その正体がパエトーン様とタンザナイト様だったなんて知らなかったのです。だからその....えっと....」
「『?』」
「う...『運命に定められたプロキシ』.....だから『運命の人』なのです....////」モジモジ
と、赤面しながら、ビビアンは説明した....その答えにタンザナイト達は――
「....うん、いいと思うよ、それ」
『....とてもいい解釈だな』
(わたしもそう思うよ)
「やめてぇぇ!!わたし今でも恥ずかしいと思ってるんです!!/////」
生暖かい目でビビアンを見ていた。
『さてと....これからどうしようかな?時間はまだあるし』
「うーんそうだな.....そうだ!」
「....?」
リンは何か思いつくと、ビビアン達を連れて、外に出た。
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『ルミナスクエア』
「....あのパエトーン様...これは一体?」
「折角だからビビアンのこと、もっと知りたいからさ...一緒にいろんなところ見てまわろうよ!」
『へーいいね、それ』
(わたし、リチャードティーミルクに行ってみたーい!)
「なっ...!」(これってつまり....おおおお『推しとデート』って事ですかぁぁぁ!?)
「ほら、さっそく行こうよ!」
「は...はいっ!」(ああ....今日は絶対、興奮して眠れません....)
こうして、ビビアンと一緒に色々なところへまわって行った。
そうして、興奮したビビアンは、夜風で頭冷やそうと思い、海が見渡せる場所で眺めていると、ふと言葉が漏れる。
「ふぅ.....どうして、わたしは苦しみしか見えないのでしょう?幸せや喜びのような....
『...ビビアン』
「運命は.....変えられないのかもしれませんね。不幸な人々の運命を、何度も何度も変えようとしたのです。本当に運命を変えられたんだって、
「....ビビアン!」ヨシヨシ
ビビアンが心からの感謝を言うと、リンはビビアンの頭を撫でる。
「ほ、ほわぁぁっ!?ぱぱぱぱ、パエトーン様!?」
「今まで、よく頑張ったんだね....」
『.....』ヨシヨシ
(私も―!)ヨシヨシ
タンザナイト達も便乗して、ビビアンの頭をヨシヨシする。
「あっあっあっ.....
ビビアンは推しの過剰摂取により茹でタコのような顔色で爆発した。
....なんとか理性を保ったビビアンはヒューゴについて口を開く。
「ハァ...ハァ....ふぅ.....そ、そういえば、前にあなた様達はヒューゴのことを聞いてきましたが....実は私も、彼のことをよく知らないのです。あまり自分のことは話したがりませんから」
『そうなんだ...』
「ですが...」
「『?』」
「目を見た時、なんとなく....彼が名のある一族の私生児であることはわかりました。ヒューゴのお母さまはその目をとても気にしていたらしく、一度は彼を捨てることも考えたそうですが....なぜかその後、一族の方から大金で彼を買い取るという打診があったそうなのです。そうしてヒューゴは、一夜にして借り物のあばら家を出て豪奢な邸宅の子供になりました。ですが彼曰く、その家は地獄だったそうなのです。たぶん、一族の人達には受け入れてもらえなかったのだと思います」
『ひでぇな....』
タンザナイトはあまりの過酷な状況のヒューゴを聞いて、それしか言葉がでなかった。
「とにかく、そこを逃げ出して....すぐにライカンさん、そして二人はお師匠様となる方に出会ったとのことです。そうして共にモッキンバードを立ち上げ、得難く楽しい時を過ごした....それも、ライカンさんが裏切るまでのことだったみたいですが」
「ビビアンは、ヒューゴのことをどう思っているの?」
「彼に出会わなければ、わたしは今でも路頭に迷っていたのです。ヒューゴはわたしにとって....
「....いつか、わたしにも打ち明けてくれる日が 来ると思うのです。それまでは、彼を信じて待つつもりです」
しばらく雑談したあと、ビビアン達にお休みとあいさつをした....タンザナイトはその後、拠点のホロウでぐっすりと休んだ。
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『RandomPlay』
次の日、タンザナイトはアキラから、『ビビアンが分析できた』と報告をうけ、この場に足を運んでくると、そこにビビアンが立っていた。
「パエトーン様、タンザナイト様、おはようございます」
『おう!おはよう』
(おはようビビアン!)
「手短に話します、ブリンガーのノートに記された座標を分析しました。規則性はないのですが....どれも目立たない場所に見えます。そこに何かが隠されていると、ヒューゴは考えているのです。ただ、サプライズかサスペンスかは、蓋を開けてみないとわかりません」
『なるほどな....』
「とにかく、一度調べる必要があるのです。今日の目的地はバレエツインズ....一緒に参りましょう!」
ビビアンがそう言い、タンザナイト達は、バレエツインズへ足を運んだ。
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「如何やら、先に着いたのは私達のようなのです。遅刻の心配をしていましたが、杞憂でした」
と、まだ誰もいない約束場所で立っていると、ビビアンが何か言葉が詰まった。
「うっ...」
「どうしたのビビアン?」
「何ていえばいいのでしょう、これからパエトーン様の仕事ぶりを見られると思うと...なんだかウズウズするような....いえ、バクバクするのです!」
「あはは...そ、そうなんだ」
「わたし、パエトーン様とタンザナイト様のグッズをたくさんコレクションしているのです!」
『えっ、グッズあるの?聞いたことないけど....』
タンザナイトがそう言うと、ビビアンは自信満々に言う。
「もちろん全部わたしの自作なのです!たとえば、これまでにパエトーン様とタンザナイト様がインターノット上に残されたお言葉の数々は、漏れなくスクショしてポスターカードにしてあります!他にもパエトーン様が使用された歴代のアイコンやタンザナイト様が訪れたアイス屋さんに聖地巡礼したり、過去におすすめされたプレイリストなどもすべてまとめてあるのです!」
『うん....よくその長文をスラスラ言えるね....』
と、ビビアンのオタク特有のトーク力でタンザナイト達は引いていた。
「あっ...す、すみません。も、もし機会があれば、パエトーン様とタンザナイト様にもシェアさせてほしいのです!」
「うん、けっこう気になるかも.....楽しみにしてるね!」
『俺も気になるな...それ』
「っ!ほ、本当ですか!では約束なのです!次はわたしのお家で一緒にパエトーン様とタンザナイト様のグッズを眺めましょう!」(ああ....推しと一緒にいられるなんて...ビビアン、感激!)
『そういえば、ライカン達は遅いな....』
と、ふとタンザナイトはまだ来ていないライカン達のことを呟く。
「確かに、あの二人はまだ帰って来てませんね...ホロウで何か準備するとは言っていましたが...ちゃんと進んでるのでしょうか?」
ハァーと、ビビアンほため息を吐くのであった....