転生先はエーテリアス   作:YEX

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昨日の敵は今日の友

しばらく時間が経って...今回同行する仲間たちが揃った。

 

「やっと揃いましたね....ヒューゴ、また遅刻ですよ」

 

「仕方なかろう。どこぞの誰かに絡まれたせいで、時間を無駄にしたのだから」

 

「.....」

 

と、揃ったのはヒューゴとライカンとアンビーだった。

 

「そういえば....今回は馴染みの顔ぶれ以外にこちらお義姉様(アンビーさん)が参加してくださったのです」

 

「ほう...どうやら店長くん達が是非にと言っていた人物とみえる―――ん?今何かルビがおかしかったような....

 

『ヒント、俺の姉さん』

 

「ああ...(察し)コホンッ、お目にかかれて光栄だ、俺のことはどうかヒューゴと呼んでくれたまえ」

 

と、ビビアンの事情を察ししながらもアンビーに自己紹介をする。

 

「どうも情報はプロキシ先生と弟達からもらっているわ。安心して、私は口が堅いから」

 

「では、ホロウに入る前に、改めて今回の目標について確認するとしよう」

 

ヒューゴがそう言うと、目的の点を説明する。

 

「俺達はこれから、ブリンガーのノートに記された座標の一つへ向かい、そこで探し物をする。手がかりをみるに、これらの座標には讃頌会にまつわる秘密が隠されている可能性があるが....これがサプライズとなるか、はたまたサスペンスとなるか、俺達にはまだ分からない。直に調査をしてみないことにはな。諸君。特に疑問がなければ、始めるとしようか」

 

ヒューゴがそう答えると、早速タンザナイト達はバレエツインズへ入って行った。

 

~~~~

 

「ブリンガーのノートに記された座標が、まさかこの場所だったとは」

 

「なんだ、思い入れがある場所のような口ぶりだな?」

 

「....お前より知っているだけだ」

 

「....プロキシさん、この人たちが騒がしかったら、やっちゃってもいいですか?」

 

『物騒なこと言うね君』

 

と、軽い雑談を交わしながら先へ進んでいくと、閉じられたシャッターがあった。

 

「行く手を阻まれるのはどうにも癪に障る....蹴破っても構わないな?」

 

「できるものならな」

 

『....』スッ

 

「タンザナイト様、その手を下げても大丈夫です....この先にドアの電力を供給できる設備が近くにあります」

 

「まるで、勝手知ったると言わんばかり」

 

と、蹴とばす発言に賛同するかのように拳を構えるタンザナイトをライカンは止める。

....その後近くにあった発電所を見つけたので確認しに行く。

 

「プロキシ様、残念な知らせでございます。こちらの回路に問題が発生したらしく、現在は遮断されている模様.....」

 

「ヴィクトリア家政の誇る執事様が、回路の一つもくっつけられないのかね?」

 

と、ヒューゴの煽りに対して、ライカンは冷静に説明する。

 

「....修理は可能でございます。ですが、少なくとも回路図が必要になるかと。このタイプの回路図であれば、以前に見たことがありますので。とはいえホロウ外との連絡手段がない以上は....」

 

「ちょちょいのちょいだよ、任せて!」

 

『「リン、スマホに回路図を送った。確認してくれ」』

 

「感謝します、プロキシ様。それでは、回路の修理を開始しましょう」

 

そう言うと、リンは素早い手つきであっという間に回路を修理した。

 

「回路の修理が完了いたしました。これであの扉は開くようになったかと」

 

「ああ....さすがパエトーン様.....なんて素早い対応....このビビアン、感動で涙が出てくるのです!」

 

『落ち着けビビアン』

 

「無理もなかろう。憧れの人物と対面してしまってはな」

 

「私も、大好きな映画監督とばったり会ったら、きっとそうなるわ」

 

(へー....お姉ちゃん、そんな感じなんだ)

 

「だが先を急ぐべきだ。ホロウは歓談に適した場所でもないからな」

 

と、興奮してるビビアンの横で落ち着かせるタンザナイトに冷静でその光景をみるヒューゴとアンビーだった。

 

 

先へ進んでいると、ヒューゴがライカンを煽り始める。

 

「ライカン、貴様はいつからすまし顔で戦うようになった?」

 

「人は誰しも成長する」

 

「ハッ、成長だと?お上品ぶっているだけだろう?」

 

『.....もしかしてあれ?ライカンの悪口を言って良いのは自分的な』

 

「......なに?」

 

『そっか....そうだよね。長年見てきた相方だから横やり入れるのしょうがないもんな』

 

「違う!!」

 

(....可愛い一面もあるんですね)

 

(.....もしかして愛してるとか?)

 

と、顔真っ赤にしながらも否定するヒューゴだった。

 

そうやって進んでいると、『Fairy』が連絡が入る。

 

[マスター、助手2号、前方の仕掛けは少々厄介です。通過には、離れた3ヶ所にある装置をそれぞれ起動する必要があります。時間を節約するため、三組に分かれて同時に進行することをお勤めします。]

 

「3ヶ所にそれぞれ行って、仕掛けを解かないといけないの....?」

 

『丁度二人で分けれるし....良いんじゃない?』

 

「さ...三組に分かれるのですか?ど...どうしましょう.....パエトーン様かタンザナイト様...ど、どちらに行けば.....」

 

「.....私は、弟たちと一緒に一か所任せて」

 

『おっそうか?』

 

「で、でしたら私はパエトーン様で!パエトーン様、お守りするのです!」

 

「....ということは、私は....」

 

『ヒューゴと...組むことになるね』

 

と、ヒューゴが不機嫌そうに言う。

 

「.....どういうつもりかね、こんな仕打ちを受ける謂れはないはずだが?」

 

「....ちょうどいいんじゃないかしら?さっきからいがみ合っているばかりで迷惑だし、心を通わせるいい機会だと思う」

 

と、アンビーは正論をぶちかました。

 

「アンビーさんの言う通りなのです。ヒューゴ、あなたはライカンさんと一緒にお行きなさい」

 

「.....ビビアンお前、『パエトーン』様と二人きりになりたいだけだろう?

 

「い、言いがかりなのです!」

 

「....だったらもうちょっと話し合う?不本意そうな人もいるし....」

 

「結構でございます、プロキシ様。やはり迅速に仕掛けを解くことが、いまは急降ですので」

 

と、リンの提案を拒否するライカンだった。

 

「この程度の仕掛けごとき、俺一人で十分だがね。ライカン、俺の足を引っ張らないでくれたまえよ」

 

『大丈夫かな....』

 

「悪役と共闘するバディもの、何本か紹介してあげたいわ」

 

アンビーがそう言うと、その後、3ヶ所に別れて仕掛けを時に行くのであった。

 

~~~~

 

「「よいしょっと!(なのです!)」」

「うう....まさかパエトーン様とこうやって共同作業できるなんて....ああ、次の瞬間には目覚めてしまったらどうしましょう....!」

「大丈夫。私は夢じゃないよ」

「パエトーン様ってばすごいだけじゃなくて優しいのです....善性の塊.....」

「あはは....ありがとう」

「はっ...!つい喋りすぎてのです....ほ、他のメンバーは大丈夫でしょうか....」

「アンビー達は大丈夫だと思うけど.....ライカン達がね....」

「はぁ....取っ組み合いになっていないといいのですが.....」

 

「『えいっ』」

「よかった...怪物はいないみたいね」

『そうだな、じゃあ戻るか』

(.....ライカン達は大丈夫かな?)

「....ケンカしてるんじゃないの?」

『あり得る....』

 

 

 

 

 

「「.....」」

 

二人は沈黙し、先にライカンが口を開いた。

 

「よって、今は協力して解決にあたる他ないな」

 

「全くもって遺憾だが」

 

「ヒューゴ、ここでお前と争うつもりもない。プロキシ様やビビアン様のいるもう一箇所にできるだけ早く合流しなければならないんだ」

 

「俺も同じことを考えていた。プロキシの顔に免じて、今回だけは背中を預けてやる」

 

「異存はない」

 

「なら行動で示してみせろ」

 

と、ヒューゴが煽る感じで言う。

 

「ライカン、お前が今まで俺に全幅の信頼をおいてこなかったことはわかっている。あの起こる前でさえも、そうだったからな」

 

「......」

 

ライカンは沈黙すると、古い記憶が呼び起こされる....

 

~~~~

 

「俺だけを残したのは、何か話があるからか?じっちゃん」

 

「.....お前とヒューゴが、お互いになんでも話せる仲なのは知っている。だが、これから話すことの一切はヒューゴに言うな」

 

「ヒューゴ....あいつに何が?」

 

「ヒューゴは聡明で、才能のある男だ。俺が教えることを吸収するスピードには、毎度舌を巻く。時が経てば立派に身を立てて、世間が羨むような眩しい存在になるだろう」

 

「ああ、悔しいが、あいつはちょっとばかし俺より物覚えがいい。けどいいんだ。力なら俺の方が強い」

 

「....俺は必ずしも、ああした才能があいつにとっていいものだとは思っていない」

 

と、ジャックは意味ありげなセリフを言う。

 

「どういう意味だ?」

 

「ヒューゴには()()()()()()()がある。あいつが受けた教えや憎しみ、耳や目を穿ったすべてがあいつの血肉と化し、もはや引きはがすことのできないものとなっている。泥濘の中にも美しい花が咲くことはあろうが....その根が吸い上げているのは、悪であり善にあらず、憎しみであり愛にあらず....」

「それは血の中に流れる呪いであり、運命があの男に焼き付けた烙印なのだ....俺はこれまでの人生で、似たような人間を沢山見てきた.....一生をかけて呪いと戦い、最後には一つの例外もなく敗れていった者たちをな」

「光の道は険しく遠いにもかかわらず、暗闇には邪な誘惑が満ちている。わずかな油断が、いとも簡単に深淵へと通ずるのだ。わかるかライカン」

 

「つまり...なんだ。ヒューゴがいつか、悪人になるって言いたいのか?」

 

と、ライカンが長話をかみ砕いて解釈する。

 

「わからん、あいつが自分を失わず、憎しみや野心になびかず、悪しき竜とならないことを願うばかりだ。ただひとつ確かなことは、ヒューゴが罪悪の種子とも呼ぶべきものを受け継いでいるということ。そいつが花を咲かせ、実を結ぶことを()()せねばなるまい」

「とはいえ、俺はこの体だ....お前達といられる時間も、そう長くはないだろう。だからライカン、約束してくれ」

 

「ヒューゴの手綱をとり、放さず、時には止めろ。そして、やむを得ないときには....その綱であの男の首を.....」

 

 

~~~~

 

そして、時は現在.....ライカン達はようやく仕掛けを解いた。

 

「....貴様、衰えたな。それとも、俺を警戒するあまりそんなにすっトロくならざるをえないのか?」

 

「.....」

 

その言葉にライカンは黙ってしまう。

 

「図星のようだな。ライカン、これだけはハッキリさせておく。モッキンバードを裏切り、メイフラワー家についたのは他でもない貴様だ。俺は仲間を裏切らないからな

 

「同じ話を繰り返したくないが....お前は誓いに背くべきではなかった」

 

「俺は道を選んだんだ。これからもこの道を進み続ける」

 

「それが、誤った道だと知ってもか」

 

「貴様に正義を問う資格があるとでも?」

 

「....お前が苦痛に苛まれるなら、その道はきっと誤りだ」

 

「......ライカン、胸糞悪い情けをかけるなよ。俺を殺せるのも、俺を救えるのも....いっだって俺だけなんだ

 

ヒューゴはそれだけ呟くと、元の場所へ戻っていくのであった....

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