転生先はエーテリアス   作:YEX

221 / 330
VS ヒューゴ・ヴラド・レイヴンロック そして決着へ.....

「ふっ....!」シュッ

 

『ぬっ!』バッ

 

キィィィィンっ!!

 

鎌と槍のぶつかる金属音があたりにこだまする。

 

「やはりやるな....」

 

『っ!』

 

カキンッ――

 

『サンダーストーム』っ!!』ギャルルルルッ!

 

 タンザナイトは弾き飛ばし、すかさず槍先から電気を溜めて放たれた竜巻状の電気エネルギーを放つ―――が....

 

「悪いが.....それはもう見切ったっ!」キラーンっ

 

『っ!』

 

ヒューゴは避けると同時に目を光らせた....するとヒューゴの感覚が研ぎ澄まされ、辺りが遅くなるように感じる....

 

「ふっ....」ダッ!

 

そして、ヒューゴは一気にタンザナイトの傍まで来て、一気に仕掛けに来た。

 

「これで終わりだな....」

 

『.....っ!』クルッ

 

「っ!?」

 

その時、タンザナイトは持ち手をひねり、槍を有無を言わさず地面にぶっ刺し、地面から電撃を放った。

 

『ランスパーク』っ!』バリリリリッ!!

 

「うおぉ!?」バッ

 

これにはヒューゴも驚いて、その場から離れた。

 

「くっ....攻撃を避けた時の咄嗟の判断力....侮れないな」

 

「....先ほどのあれは....すべて本音か?」

 

「ふぅ....勿論だ。どうした、かくも意外だったか?」

 

と、ヒューゴは冷や汗を拭ってライカンに言う。

 

「....おれはモッキンバードが失敗だったとは、一度も思ったことがない。おれ達のしでかしたことは幼稚で抜け目だらけだったが....何かを残せたはずだ。たとえ取るに足らないことだったとしても、決して無意味ではなかった」

 

「....それでも、やらなければならないんだよ!」バッ

 

ガキィィィィンっ!!

 

そう言い、今度はライカンに狙いをつけて、鎌をぶつけるが、ライカンの義足の足技でぶつけた。

 

「そ、そんなの嫌です!きっと何か別の方法が――」

 

「ないのだよ。聞けビビアン。これは俺からの最後のレッスンだ――諦められぬ者は、何もえられない

 

『....諦められないから.....立ち続けてんだろっ!!

 

キィィィィンっ!!

 

「くっ...!」

 

『ぬっ...!』

 

今度はタンザナイトが仕掛け、鍔迫り合いが火花を散らせる.....

 

『っ...』バッ

 

「!」

 

『『『エルブスピアー』っ!』』

 

バリリリリっ!!

 

「うおっ!」バッ

 

その場から離れ、槍を回転し、溜めた電気を槍の形にして、衝撃波を放ったが....ギリギリで避けた―――

 

『ライカン!』

 

「なにっ!?」

 

「ハッ!!」バッ

 

ドコっ!!

 

「ぐふぁぁ....!」

 

が、その隙を突いて、ライカンが未防備のヒューゴの腹に一撃をぶちかました。

 

「ぐっ....中々やるようだな。しかし――」バッ

 

『!』

 

「俺にも、俺なりの手段ってものがある」

 

ヒューゴ駆け出すと....一気にリンの近くまできた。

 

「な、何をするつもりです!?」

 

『まさか....!』

 

近づいたヒューゴは、リンの首を捕まえ、さらにナイフを突き出し、脅し始める。

 

「こういう()()はどうかな?サクリファイスのコアか、最愛の『パエトーン』様か.....」

 

「...!」

 

『なんて卑怯な手を.....てかあんのコアが?』

 

盗ったのだろう。忘れたか?お前に盗みを教えたのがだれか....」

 

「くっ....」スッ

 

『待って』

 

「た....タンザナイト様?」

 

ビビアンは、既に持っていたコアを渡そうとするが....タンザナイトに止められる。

 

『俺が渡す』

 

「えっ...」

 

『大丈夫....必ずリンを助ける』

 

「....タンザナイト様がそう言うなら....」

 

そう言い、ビビアンはタンザナイトにコアを渡す。

 

『....ほら、お望みのコアだぜ』シュッ

 

「.....」パシッ

 

『コアは返した....リンを返せ』

 

「....実に残念だ」

 

『なに?』

 

タンザナイトがコアをヒューゴに投げ渡すと、そう呟く。

 

「この期に及んで、俺がまだ約束を守ると思っていたのかね?

 

『なっ....!』

 

「そうとも!これが....本当の俺だ。どうだ、命は尊いんだろう?殺意が湧いてきたのではないか?」

 

そう言い、段々とリンの首にナイフを近づかせる。

 

「いい加減、聖人君子ぶるのをやめたらどうだ!」

 

「....お前は、やはり.....!」

 

ライカンの目がギロリと光ると同時にタンザナイトがライカンの前へ出る。

 

「!」

 

「?」

 

「っ!タンザナイト様....」

 

『大丈夫。言ったろ....必ず助けるって....!』

 

「助ける?ははっ!いくら『蒼光の騎士』とは言えど、ここからどうやって――」

 

『リン!目を閉じろ!』

 

「っ...!」キュッ

 

「なに?」

 

雷花火(フラッシュボム)』っ!!*1』カッ!

 

バチ――ビィィィィンッ!!

 

リンが目を閉じた瞬間、タンザナイトは、指を弾くと、サクリファイスのコアが、一瞬だけ強い光が輝いた。

 

「うっ...!」

 

「ま....眩しいのです!?」

 

「うぎゃぁぁぁぁ!?」

 

「ぐぁぁぁっ!?」(こ...これは!あの時、ビビアンから()()()()()()に....一瞬にして細工したとでもいうのか!?)

 

急な閃光に思わず皆、目を閉じた...

光に一番近くにいたヒューゴは目がくらみ、ナイフとコアを落とす。

 

カツン――

 

「!」

 

だが、そのコアがそこにいたハルトマンの近くに落ちたことは、誰も知らない.....

 

「くっ....目が.....っ!」

 

ヒューゴの視界が回復した時、ヒューゴの目に映るのは.....足技で攻撃しようとしているタンザナイトの姿だった。

 

「しまっ....」

 

『シルバーブリッツ』っ!バギギギギッ!!*2

 

「ぐほあぁぁぁぁ!?」

 

電撃を纏った足技をヒューゴのドテッ腹にぶつかました。

 

ガンッ!――

 

「うぐっ....」

 

吹っ飛ばされるヒューゴは、手すりにぶつかると、そのまま下へ落下する。

 

『あっ...!』

 

「!」

 

「っ――!」

 

その様子を皆が目の当たりにした―――そして、タンザナイトが急いで手すりまで移動したころには、ヒューゴの姿がなかった.....

 

『....いねぇ』

 

「.....プロキシ様、お怪我はございませんか!?」

 

「うう...私は大丈夫だよ....けど、まさかこうなるなんて....」

 

「パエトーン様....タンザナイト様....ごめんなさい.....」

 

すると、落ち着いたビビアンはリン達に謝罪する。

 

「ヒューゴがまさか....まさかあなたにあんなことをするなんて思いもしなかったのです...!本当に、申し訳ありません!」

 

「今までヒューゴと一緒にいたから、思うんだけど....こんな()()()なことをするような人だったかな、って。なんだか、まだまだ裏がありそうな気がする....」

 

『....実は俺も思った....なんだか、()()()()()()()()ような感じだったが....』(それに....落ちる直前....)

 

タンザナイトが見たのは、ヒューゴが手すりから落ちる時――笑っていたのだ。

その表情に何か意図があるのではないのかと疑問に思っていたのだ....

 

「......」

 

ビビアンは黙って屋上の端まで歩いていくと、しばらくためらったのち、下を見下ろした。当然、そこから何かが見えるはずもなく.....

 

「ヒューゴは....」

 

「下はホロウでございます。もしお望みとあれば、人を手配して....遺体を探させます

 

「....そのつもりはないのです」

 

と、静かに拒否する。

 

「私個人の率直な意見をお許しください、ビビアン様。ヒューゴの裏切りに対して....貴方様はさほど()()()()()()()()()()()()()に見受けられます」

 

「当然、わたしに隠していたことには腹が立っています....けれどこの数年間、ヒューゴは私にとって()()()()()だったのです....わ、わたしはきっと...ヒューゴがまだ生きていると思います」

 

「私も実は、ヒューゴがまた生きているんじゃないかって...」

 

『俺もそう思う.....』

 

「......」

 

ライカンは黙って何かを思いにふけっていると....突然アンビーが入って来る。

 

「みんな、少しいい?あのハルトマンって人が見当たらないわ多分さっきの混乱に乗じて逃げたんだと思う」

 

『あっ完全に忘れてた』

 

「なんたる失態....プロキシ様をお守りすることに執心するあまり、あの男に注意をはらうことを失念していました」

 

「私もよ。でも大丈夫だと思う。あの人が何をしたのか、私たちはもう知っているから.....彼は代償を払うことになるわ

 

と、意味ありげな言葉を呟くアンビー。

 

「ええ。私も後ほど、市長閣下に報告いたします。彼が逃げおおせるとは到底思えません。それではすべて終わったことですし....我々は引き上げるといたしましょう」

 

『そうだな』

 

と、この場から去ろうとするタンザナイト達.....この時、そう遠くない場所に、謎めいた人影があった。

 

「.....また一つ、障害が消えた。彼女もこれを喜ぶでしょう....始まりの主が.....我らをお導きくださてますように......」

 

 

 

『.....?』

 

「どうしたの、タンザナイト?」

 

『....いや何でもない。すぐ行くよ』

 

ホロウから出た後、ライカンは先に別れ、アンビーやタンザナイトもこの場から去り、ビビアンはリンと一緒にビデオ屋に帰ることとなった......

 

ひとまずこれにて、幕は終わった.....多くの疑問と謎を残して.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「.....恐怖、苦痛、絶望.....そして、破滅。それが――私が見えた未来。●●●●●●様――」

 

だがそれは、新たな幕引きの始まりでもあった――赤色に輝く瞳から見えた不穏な結末を目の当たりにして.....

*1
物体に特別な電気を付加させ、タンザナイトを起爆剤とし、物体に付加させた電気を閃光弾のような強い光を発生させる

*2
電気を足に溜め、蹴りと同時に放つ技




アウトロー(上) 完!! あともう少しで200話じゃん....
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。