『見せてあげるわ....『理想郷』の力を....!』スッ
『っ!?』
ディナが杖を振るうと、ディナの周りが荷物や二人共々宙に浮かす。
「うわわっ!?こ、これは...重力!?」
『チッ....『時空モード』!』オォォ...
タンザナイトは、青色から紫色に変わり、ディナに向けて、攻撃を放つ。
『『時空真拳
『!』スカッ
デコピンから放たれる『押し出す余波』でディナを攻撃するが、ギリギリのところで避けられる。
『ちっ...ここでも反抗するなら――あなたから叩きのめすだけよ!』ブンッ
『うおっ!』ブォン
ディナは杖を下へ向けると、タンザナイトは勢いをつけて、下へ落下させる。
「タンザナイト様!」
『っ『
『何っ!』
タンザナイトは、ホロウの裂け目を作り出し、中に入ったことで落下ダメージを防いだ。
『....どこ行った?』
『...』ヒョコ
『なっ!?』
タンザナイトが現れたのは――ディナの頭上だった。すかさず、タンザナイトはその場で回転し始める。
『『時空真拳
『ぐぅ...ガハッ!?』
タンザナイトは踵落としで攻撃し、ディナに一撃を叩き込む。怯んだ影響で、重力の力が途絶え、浮かせたものが落ちて行った。
「おとと....重力がとけたのです....」スタッ
『ふぅ...』スタッ
『ぐっ....このぉ!』スッ
次にディナは、辺りのコンテナを浮かせ、二人目掛けて攻撃する。
『つぶれろ!!』
「き、来たのです!!」
『『時空真拳
ズドォォォンッ!!
迫りくるコンテナをタンザナイトは手のひらから『押し出す余波』で吹き飛ばす。
『無事か、ビビアン』
「は、はいなのです!タンザナイト様が守ってくれたおかげで...って来たのです!」
『!』
ビビアンの呼びかけで前を向きなおすと、高速で接近するディナが迫っていた。
『くたばれっ!!』
『はぁっ!』
バリリリリリッ!!
ディナの杖から放たれる『斥力』とタンザナイトの手のひらから出る『押し出す余波』がぶつかり、触れてもいないのに紫と黄緑の火花が散り、衝撃が周りに響き渡る。
「す...すごい衝撃....!」
「勢いで....見てられない...!」
『『うぉぉぉぉぉっ!!』』
バカァァァンッ!!
と、物凄い衝撃音が響き渡り、お互いに吹っ飛び着地する。
『くっ...!』
『っ.....『
タンザナイトは『亜空間』を作って手に突っ込むと、突っ込んだ先から腕が数十メートルぐらいに巨大になる。
「うわっ!?でっっっかぁ!?」
『なっ...!』
『ふんっ!』ブォンッ
ドコォォォォォンッ!!
『ぐぼあぁぁぁっ!?』
タンザナイトは握りこぶしを作り、そのままディナ目掛けて、地面に叩きつけた。
「す...凄いのです!まさか腕が大きくなるなんて....」
『まぁな...っ!』
『ぐっ、この....』ガララ....
ディナはガラガラと音をたてながら立ち上がると、ディナが手を差しだし、タンザナイトを引っ張り上げる。
『うおっ!?』ズォッ
「タンザナイト様!」
『ぶっね!』サッ
『ちっ...』ガッ
タンザナイトはなんとか、ディナの手を手でつかみ、攻撃を回避するが....
『けど...まあいいわ、これでも
『?....っ!』ズズッ
ディナがそう言うと、タンザナイトの体に異変が感じた。
『うらっ!』ゲシッ!
『グッ...』ガッ
その瞬間、タンザナイトは足蹴りでディナに攻撃し、咄嗟にビビアンがいた所まで下がった。
「タンザナイト様、ご無事でしょうか!」
『ああ...いまは何ともないが....くそっ、こいつエーテルエネルギーを吸い取ったな...!』
『ふふ...いいわねこれ、少しだけ吸い取ったけど....今までとは段違いねっ!』ギュオオオオッ!
『!!』
ディナの杖先から、『引力』の重力を使い、そこら辺の瓦礫やらコンテナやらをかき集めて圧縮させ、巨大な弾を作り出す。
『つぶれろ!!』
『っ....!――ビビアン!』
「ここは...私にお任せを!」バッ
ビビアンは傘を展開させ、ディナの攻撃を防ごうとした。
ズガガガガガガッ!!
「ぐっ...ああっ!」ドンッ!
『なっ..!』
ビビアンは奮闘のすえ、ディナの攻撃をそらすことに成功した。
『ナイスだビビアンっ!』バッ
そう言いながらビビアンの肩をそっと撫で、タンザナイトは足に『押し出す余波』を発生させ、ディナまで急接近を仕掛ける。
『っ!』
『『
ドコォォォォォンッ!!
『ぐがっ....!?』
強力な『押し出す余波』を発生させ、ディナを吹き飛ばした。
「おぉ!やったぁ!」
『ぐっ...このぉ!』ムクッ
「ってまだ生きてる!?」
『はぁ...はぁ....まだよ、まだ....』
「なぜ...何故なんですか....何故そこまでして....」
まだ立ち上がるディナにビビアンは問うと、ディナは口を開く。
『だってそれが....私にとって唯一あなたより特別でいられる部分だったから』
『!!』
「....ディナ様....っ」
『だってそうでしょう?あなたよりお父様に信頼されていて、あなたより役に立つっていう....証明だもの』
『ビビアン....あなた言ってたわね。小さい頃からあちこちを転々として、誰にも受け入れてもらえなかったって....讃頌会に来て、皆に認められて、お父様の手伝いをするようになって....さぞ満ち足りた気持ちだったでしょう。そして最後には利用されていたことに気付いて、裏切られたことに深く傷ついた....そうよね?』
「.....」
『じゃあ....私は?私は小さい頃から、お父様しかいなかった....私は外の世界なんてこれぼっちも知らない。小さい頃から与えられていた一番の役割は、お父様のため『祝福』を授ける人間を選ぶこと...お父様のため、讃頌会のため...それしか、私の存在意義はなかった。』
「.....っ」
『ビビアン。ほかには誰ひとり、なにも私に教えてくれなかったの。だから最初から最後まで、私の価値はそれだけ。なのに、あなたはそれを奪っていった。挙句の果てに....壊しさえした。』
『そう、あなたは勧善懲悪をやってのけたつもりかもしれない。それはあなたにとってほんの小さな世界の出来事.....でもあなたは考えたことある?私にとっては、その小さな世界がすべてだって』
震える声で言うディナに、ビビアンは弁解する。
「私は....本当に、あなたを傷つけるつもりはありませんでした....わたしにとっても、あなたは最初の友達でした。だからわたしは、あなたを救うことができたらと....」
『救う?.....くくくっ......ははは!――馬鹿じゃないの?』
『っ!』ビクッ
その怒りがこもった声に皆が鳥肌が立った。
『どうして誰も分かってくれないの?私にとって、失うことは死ぬよりも辛いって』
「.....ディナ」
『私にはもう.....このわずかに残った憎しみ以外、何も残っていないの。これすら失ってしまったら、あまりにも惨めすぎるじゃない....!』ズズッ
「っ!エーテル活性上昇....気を付けて」
『っ...』スッ
「タンザナイト様...待ってください」
『あっ?』
ビビアンはタンザナイトの前に立ち、止めさせた。
「私に....任せてくれませんか」
『ビビアン?』
「彼女はわたしにとって、初めての友達でした....だから、この決着は私が決めます....!」
『.....分かった』フッ
ビビアンの覚悟を受け取ると、タンザナイトは戦闘態勢をやめる。
『ビビアン、あなたごときでこの私を止められるとでも?』
「....私は決めたのです――結末を変えると」
『なら....死の運命に抱かれて逝きなさい!!』ダッ
「たぁぁぁっ!!」バッ
二人同時に、一斉に駆け出し、お互いに攻撃を仕掛ける。
『「っ!!」』
ズガァァァァンッ......
二人同時に攻撃を放ち、何かがぶつかり合う....
「ゴフッ...」ズブ...
『ビビアン!?』
そこで見たのは、ディナの杖がビビアンの腹を貫通する場面だった。
『あれだけイキってたわりには大した....っ!』
「っ...!」ヂュゥゥゥ....
ビビアンは隠し持っていた注射を躊躇わず自分の腕に刺した。
『何をしてるの!気でも狂ったのかしら!?』
「ハァ....ディナ、あなたは....エーテルエネルギーを吸収することが、できるって言いましたよね?――なら、吸収するには誰だって限度ってものがありませんか?」
『まさか....それを分かってて!っ正気!?』
「言ったはずです.....結末を、変えるって.....」
「ビビアンっ!」スッ
『っ!』ダッ!
リンは立ち上がり、タンザナイトは急いでビビアンに接近する。
「パエトーン様、タンザナイト様......
ありがとうございます。そして、さよなら.....あなた達の記憶では、せめてきれいなままで...」
ビビアンの体から結晶が生え、辺りが、爆ぜた。
ビビアーンっ!