初手無量空処撃つのやめてくんない?
ある日、タンザナイトは拠点のホロウで一休みしていた頃....
『暇だな...なんか目ぼしいものがないかな....』
「ふむ....悪くない気だ。こんな気の通りがいいホロウは初めてだ」
『.....えっ?』
タンザナイトが振り返った先には、なんと『
『.......ふぉぉっ!?』
「そんなに驚くことはないだろ?」
『いや誰だって音もなく現れたらビビるだろ!!』
と、いきなり現れた儀玄に起こるタンザナイトだった。
「ふむ...やはり面白いなお前さんは」
『というか、何しにここへ?』
「そうだったな。あの二人に挨拶したし、ついでにお前さんと正式なご挨拶もしようとおもってな....改めて自己紹介しよう。」
「我が名は『
と、儀玄はタンザナイトに正式な自己紹介をする。
『『修行者』....カンフー映画で見たことあるな....まさかマジであるとは思ってもいなかったが...というか雲嶽山って?』
「いたって普通の、修行者が集まる宗門に過ぎない。門下生たちは新エリー都の各地を巡り、また公式の組織とも協力している。かくいう私も今、ホロウ調査員に名を連ねていてな。今回メイフラワーの依頼を受けて、お前さんとあの二人と協力の話し合いに来たというわけさ」
『二人ってことは....アキラとリンのことか?』
「そうだ。メイフラワーがよこした資料を見たぞ...お前さんは自身のエーテルエネルギーを自在に操れると聞いてな。で、他にも空間やら電気やら操れると聞いたと....実はな、その能力....我ら『雲嶽山』一門が修めている『術法』といくつか共通点があるのさ。もちろんあの二人の力も」
『マジっすか!!』
「お前さんが嫌じゃなければ、私はその力を、もっと上手に操る方法を教えてやるぞ」
『っ!』
儀玄の言葉にタンザナイトは考える....そして出した答えは――
『....うん、わかった。もっと強くなるために、ぜひお願いしたいです』
儀玄の修行に賛成したのだった。
「ふふ....やはりお前さんは面白いやつだ....『術法』を教える代わりにちょっとお願い事を頼もうか」
『お願い事?』
「ああ、メイフラワーの案件で、お前さん達には私といくつか調査に参加してもらう。卦の兆しから見るに、色々と絡み合ってなんだか危険なにおいがする。具体的なところは彼の方で調節中だそうだ。近いうちにお前さん達の行くだろう」
『そうか....』
「さて、『術法』を教えると言ったし....お前さん、私と一試合はどうだ?」
『えっ?』
と、儀玄の唐突な発言で、タンザナイトはあっけにとられる。
「お前さんの力を少しだけ見ていたが...まだまだ出力は甘いといえる。これを気にどうだ、今一度自分の実力を確認するのは」
『たしか、儀玄って『虚狩り』に匹敵する力を持っているっていってたな...』
「そうだな。で、やるのか?」
『そりゃ....勿論、お願いします!』
「ふふ、そうでなくてはな」
こうして、タンザナイトと儀玄の練習試合が始まるのだった。
~~~~
「練習試合だか...実力を確かめたいのでな、本気で来るが良い」
『後で重傷を負っても知らねぇぞ!』ジャキ
とねタンザナイトは構えて、駆けだす。
『『羅戦 グングニル』っ!!』ギャルルルルッ
「....」スッ
回転する槍を儀玄は軽々と回避する。
『っ!』ズォォッ!
「っと」フッ
そのまま槍を薙ぎ払うが、儀玄は背をのけぞらせ、回避する。
バッ
『『
「ふっ...」バッ
ドドドドンッ!
次に、後ろに下がりながら、結晶のロケットランチャーを作り出し、発射するが....儀玄の背中から出した墨汁の鳥の翼らしきもので、全ての弾を破壊する。
『なっ...くっ』スタッ
「おっ?」
『『
着地と同時にタンザナイトは右手を巨大な龍の頭に変化させ、儀玄に襲い掛かるが....
「――はっ!!」
バキィィィィッ!!
『マジかよ!?』
なんと素手で殴って、『皇龍拳』を粉砕した。
「どうした?今のは手加減なのか?」
『な訳ないでしょ!』ブゥンッ
「っ!色が変わったな....」
タンザナイトは『時空モード』に変化し、攻撃を放つ。
『『時空真拳
「おっ」スッ
『押し出す余波』を遠距離で放つが、儀玄はこれを楽に回避する。
『五連打っ!』ドドドドドヒュンッ!
「っとと....」スタタンッ
続いて五回ほどの『押し出す余波』を放つが、これも楽に回避される。
『っ!.....『
「ん?上に投げたぞ?」
今度は黒色の玉を生成すると、タンザナイトは空に向かって投げる――すると、空から黒い光と共に吸引される。
「っ!」フワッ
これには思わず、儀玄は宙に引っ張られる。
『....』ドッ
「お」
宙に引っ張られる儀玄をタンザナイトはその隙を突いて、攻撃する。
『『時空真拳
「ほう...その力を手に纏わせたか...」カカッ
『押し出す余波』を纏わせた攻撃を連続で放つが、儀玄はそれを触らずに手首をそらしながら攻撃をいなす。
『なっ!』
「だが....甘いな」ドコッ!
『ぐがっ....!』
ヒュゥゥ―――ドコォォォンッ!!
儀玄は踵落としで、タンザナイトを地面に叩き落した。
『グッ.....はっ!』
「....」ストッ
タンザナイトの下に墨汁で出来た陣が敷かれており、それが取り囲むように集まると―――
『インフィニティっ!』
(わかってる!)
バシャァァァァァンッ!!
水しぶきがほとばしり、宙に舞う護符と共に、爆発する。
「――むっ、しまった....少々本気を出してしまった。死んではないよな?」
バリリッ――
バズズッ!!
すると、墨汁が突然現れた電気と共に飛び散り、姿を現す―――シルバー小隊の顔にそっくりな姿、『
『まだ終わっちゃいないぞ』バチッ――バチチッ
「.....それでこそ鍛えがいがある」ニッ
『『セントエルモ・バースト』っ!』ザクッ!*2
「っ!」
バリバリバリリリッ!!
タンザナイトが槍を地面に刺すと、電気の柱が辺り一面に散らばる。
「なるほど....これは...厄介だな....」スッスッ
と、地面からでる電気の柱をまるで場所が分かっているように避け続ける。
「行け」ピィィッ!
『っ!『サンダーバード』っ!』バリリッ!*3
儀玄は墨汁でできたワシ並みの鳥を放ち、タンザナイトは自身に電気を纏わせ、人間大の大きさの鳥に変形させ、空を飛ぶ。
ガンッ――ガンッ――ドォォォンッ!!
『ピィィ....』バサッ
そこで、激しいぶつかり合いが発生し、見事、儀玄の墨汁の鳥を倒した。
「ほう....やるなぁ」
『っ!』ドッ
次にタンザナイトは、儀玄へ突っ込み、『サンダーバード』を解除して、槍を回転させる。
『『エルブスピアー』っ!』バリリッ
「―――っ!」グッ
ドコォォォォォンッ!!
二人の攻撃が重なり、辺りに土煙が舞う.....
はれるとそこには―――!
「ふむ、悪くない筋だった....流石、『虚狩り』と互角というだけあるな」
『――っ.....』 ドンッ
地面に倒れている通常に戻ったタンザナイトを儀玄が見下ろしていた。
こうして、勝負の行き先は、儀玄の勝利で幕を閉じた。
~~~~
「ふむ....お前さんと戦ってみて分かったが、相当な修羅場をくぐったようだな」
『....まぁ、伊達に強敵たちと戦っているんで』
「はははっ!ますますお前さんを気に入ったぞ!.....さて、用事は済んだし、私はそろそろ帰るか」
『もう帰るのか?』
「ああ、預けていたいたものを取りに来たついでに寄ったまでさ.....何、まだまだ先は長い....私達はきっとまた会うだろうさ」
儀玄はそう言い、墨汁で出来た翼を纏い、この場から去った....
『....超える相手、増えたな....』
(...だね)
去って行く様子をタンザナイト達は静かに見守るのだった。
強いね、儀玄。きっと雅と同等な強さなんだろうな....新役職と新属性だし。