転生先はエーテリアス   作:YEX

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ドーモ、無事に儀玄を手に入れた人です

ボリューム多くて胃もたれしそう....


雲霞の行き着く処

「.....」

 

ホロウがゆったりと光って見える夜――何処か古きつくりを感じさせる建物....『適当観』に突っ立っている人物がいた....その人は『儀玄』、つくづくはアキラ達やタンザナイトの師匠となる人物だ。

 

儀玄は何かをふけっていると、過去の映像が映り込む。

 

『姉さま!』

 

「......フゥ」

 

儀玄はゆっくりと目を開けて、ため息を一つ吐いた。そしてそのまま座り込み、朝までずっと見つめた。

 

「お師匠さま~!....あれっ今日は早起きですね。もしやっ...寝てません?」

 

と、ここで儀玄に近い黄色のジャケットをきた虎のシリオン、橘福福(チー・フーフー)がやってきた

 

「悩み事とかでしたら....」

 

「いや...ただ――夜明けの空に吉凶を見ていた.....ぼちぼち()()()を迎えに行く頃か。此度は私自ら行くとしよう」

 

 

~~~~

 

『RandomPlay』

 

アキラから儀玄の件で連絡が入り、タンザナイトはすぐに『RandomPlay』に向かい、市長とモニターごしで対面するのだった。

 

「市長さん、紹介して頂いた調査員さんに会ってきました」

 

「うむ。子供たちよ、彼女たちについてどう思ったかね?」

 

「えっと、個性的なやり方をする人だなぁ...と思いました」

 

『一回試合で戦ってみたけど、雅と同格な強さだった』

 

「「何してんのあんた!?」」

(あはは...)

 

「.....聞く限りでは、君達とはうまくやれているようだ。よろしい」

 

(そう聞こえたのか....?)

 

そう思ってしまうアキラであった。

 

「彼女には少々奔放なところがあるが、疑う余地のない実力者だ。過去、数々の重大な事件において、彼女の所属する『雲嶽山』は常に信頼に足る協力者でいてくれた。今回の調査も、君達には雲嶽山と協力してもらう」

 

「具体的に、何を調査することになるんですか?」

 

「ホロウ調査協会から知らせがあった。このところ、ラマニアンホロウ内部の観測データに異常な数値が出ているそうだ」

 

『ラマニ...アン?』

 

「その中で最も状況が深刻なのは、衛非地区に存在する遺跡付近だ。あの場所にはいま、TOPSか管理する輝磁の生産センターがある」

 

『輝磁...?』

 

「タンザナイト!?」

(大丈夫!?なんか顔が歪んでるけど!?)

 

と、初めて聞く単語にタンザナイトは宇宙になっていた。

 

「えっとね....輝磁って言うのはエーテルの遮断に使われている、特殊な材料なんだ」

 

『なるほど...特殊な材料ねぇ....』

 

「にしても、ラマニアンホロウの中に産地があったなんて.....」

 

「その通り。ホロウの観測データに大量の異常が確認され、輝磁の供給にも遅滞が発生している状況だ。生産のプロセスに何か問題が起きたのかと思っていたが....特殊なルートから、『とある写真』を手に入れたことでそれは間違いだと分かった」

 

『写真?』

 

「今そちらに送ろう....そこに写っている人物を、君達ならよく知っているはずだ」

 

送られてきた写真に写っていたのは、眼鏡をかけたエルフ耳の人物であった。

 

『これは....?』

 

「ま、まさか...!カローレ、先生....?」

 

カローレ!?マジで!?』

 

「そんな馬鹿な、僕たちの先生は、もう......」

 

驚いている三人に市長がこの写真について言及した。

 

「私もまずフェイクの可能性を疑った。遺体が見つかったわけでもないとはいえ、彼女は旧都陥落時に亡くなったものと.....だが、専門家が鑑定した結果、この写真が偽造の類ではないことは判明している....惜しむらくは、撮影者を調べる術がないことだ」

 

「唯一確かなのは、写真が衛非地区にほど近いラマニアンホロウ....その内部にある輝磁生産エリアから流れてきたという」

 

「ラマニアンホロウ....先生は、まだそこで生きている...?ううん....もちろん本当であってほしいですけど、それでもやっぱり疑っている自分がいます。結論を出すのは、調査してからでも遅くはないですし」

 

「僕もそう思う。それに、本当に先生がそこにいるなら、なおさら慎重に行動しないといけない。市長さん、僕たちは調査を引き受けます。出発の日時は具体的にいつですか?」

 

「よろしい、さすがはカローレ君の教え子だ。冷静でいてくれて嬉しい限りだよる。儀玄君には特派調査員として、状況を確認するため衛非地区に向かってもらう手はずになっている」

 

「君達は、雲嶽山の『門下生』に扮して彼女と同行するといい。自身の潜在能力を引き出してもらう指導の機会ともなるだろうからな。具体的なプランは彼女に任せよう。ちょうどメッセージが来ていたが、君達と合流したいそうだぞ」

 

「分かりました、儀玄さんと話してみますね!」

 

「ああ、調査のことは君達に任せた。順調にいくことを祈っているよ」

 

そう言い、市長は通信をきった....すると、見覚えのある人物がこの店に入ってくる....その人物は、儀玄であった。

 

「さて三人とも、こうして正式な訪問と相成ったわけだが....メイフラワー曰く、お前さん達調査についてくるらしいな....そうなのか?」

 

『ああ、そうだぞ』

 

「うん、衛非地区の写真にカローレ先生が写ってたって、市長さんが....だからきちんと調査しなくちゃ!」

 

そう言うと、儀玄は聞いた素振りで口を開く。

 

「ああ、それもメイフラワーから大体聞いた。旧都陥落の元凶...世間にそう言われていようと、教え子としてその無実を信じているとな。見上げた師弟の絆だ...我ら雲嶽山としても、調査を共にする以上写真の出所探しにも手を貸してやる」

 

「儀玄さん....!先生が無実だって信じてくれるんだね?」

 

「カローレ・アルナについてはよく知らん。だが、お前さん達がそう信じているのならそうなんだろう。写真の追跡と異常な観測データの調査、この二つは同時に取り掛かれそうだし.......そうなったら、ホロウの道案内にお前さん達の技は欠かせないからな」

 

「安心して儀玄さん、ホロウの中なら私たちにお任せだから!」

 

『ああ、まかせろ!』

 

と、二人は自信満々に言う。

 

「そうそう、お前さん達の潜在能力を発揮してやるとメイフラワーには約束したよ。まぁ、雲嶽山には術法をよそに漏らすなかれという教えがあるが....なにせ今は私が宗主だからな」

 

「三人さえよければ、名目上は雲嶽山の門下生ということにしてやってもいい。なに、あくまで動きやすいからそうするんだ....お前さん達を縛るものでもない。正式に私を師と仰ぐ必要もないし、他の弟子たちのように師匠と呼ぶことも....」

 

『うーん...どうせなら、俺は『師匠』って呼びたいなぁ~....エーテル適性を操る術を教えてもらうからな』

 

「そうだよ。だから私もお師匠さんって呼ばせて!」

 

「正式な弟子ではないとはいえ、僕たちに教えを授けてくれるわけだからね....それに、映画ではみんなそう呼んでいる」

 

と、儀玄を師匠呼びにするのを賛同する三人だった。

 

「まったく気の早いやつらだ...まぁ悪い気はしないが。それに、エーテリアスを弟子にするのは初めてだからな、私自身もどうなるかちょっと楽しみだ。コホン.....私を師と慕う以上は、それなりに見返りがあるぞ。衛非地区にいけば、兄弟弟子やら姉弟子やらが面倒をみてくれるだろうしな。ああそうだ、これを持っておけ」

 

そう言って儀玄は、三人に荷物を渡す。それは.....

 

「これって....雲嶽山の、道義?

 

『俺の分もあるぞ!』

(いいなぁ~)

 

「ああ、名目上とはいえ雲嶽山の門下生に入るわけだからな。着ておけば難癖をつけられることも減る....タンザナイトは知らんが、ルミナスクエアの用事でその道義に着ける飾りを作らせていたんだ」

 

「あの時怪しい取引をしていたのは、この服を準備してくれたからなんだね。それにしても師匠ってば、ずいぶん用意がいいね...ひょっとして、ずっと新しい弟子が欲しかったとか...?」

 

「おっと妹弟子さん、それは案外図星かもしれないな....」

 

「そんなわけあるか。妙な勘繰りはよせ....」

 

『やれやれ....』

 

と、呆れるような感じで言うタンザナイト、そしてその理由は儀玄の口から言う。

 

「事前に占っておいた通りになった、それだけだ」

 

「そうそう、師匠の占いなんだからそりゃもう当たるんだよ!私たちの勘違いだったね。兄弟子さん。ちなみに、今回の調査のことも占ったの?」

 

「....それは占いはしたが、正直いい卦象とも言えんな。まぁ安心しろ、準備は万全だ」

 

「準備とは、例えば?」

 

「保険に入った....お前さん達の分もな」

 

『ちょっと!?』

 

「...えっ、それってつまり....そんなに大凶だったの?」

 

すると『Fairy』が突然入り込む。

 

[マスター、緊急のお知らせです。ビックデータをもとに予測した所、今回の調査ではTOPSの利益団体と衝突する可能性あり。90%以上の確率で、予期せぬ事態に遭遇すると思われます。『Fairy』の緊急連絡先に『儀玄』を登録しておくことを推奨]

 

「こら『Fairy』、出てきちゃ駄目じゃないか」

 

「ん?なんだ、お前さん達のところにも占い師がいるのか」

 

「ええと、彼女はただのAIアシスタントだ。名前は『Fairy』という」

 

「そいつの見立ては悪くない、流行りの『びっくでーた占い』とかいうやつか?やはり侮れんな....血液型や性格から運命を導きだすこともできると聞いている流派は知らんが、おいそれと門外には出せない秘術なのだろう」

 

そう言うと、儀玄は少し考え、口を開いた。

 

「ふむ。その『びっくでーた占い』とやらがあるなら....『占術』についてはお前さん達、合格だ。私があえて教えるまでもない」

 

「ちょっと腑に落ちてないけど...ありがと?」

 

『....いや、保険について話しろよ』

 

「まあ落ち着け....卦象はこうも言っていた。波乱多かれど、乗り越えてこそ凶を吉へと転ずる目もあろう....やばかろうが何だろうが、乗り越えればチャンスはあるということだ。何より私がいるんだからな。保険に関しては....まあ後で後悔するよりマシだろう」

 

「それはまあ....師匠がいるのは心強いけれど」

 

と、アキラはぎこちない苦笑いをするのだった。

 

「そうとも。メイフラワーなんて今回の為に、わざわざ空の足を用意してくれたんだ。お前さんの先輩弟子たちと試しに飛んでみたが、快適そのものだったぞ。TOPSに絡まれることもなかったしな。他にも、衛非地区に臨時でH.D.Dとやらを置いてくれたそうだ。端末の同期と調節のために、お前さん達のどちらかは()()()()()()()()()()()()()()()()()....」

 

儀玄がそう言うと、リンが我先にと返事する。

 

「じゃ、私が行くね!一足先に様子をみてくるから、お兄ちゃんは居残りで調節よろしく!またあとで合流しよ!」

 

「待つんだリン。ここは兄として、僕が先に....」

 

「ただのリンじゃないよ、私は妹弟子だもん!ほら、やっぱり私の方がこういうの得意だし...だから私が先!はい決まり!」

 

「そうは言っても.....」

 

「大丈夫だってお兄ちゃん。なんたって師匠もタンザナイトもいるんだし、どんなことがあってもきっと平気だよ」

 

「ああ。師として、弟子を危ない目には遭わせん」

 

『まっ、何が起こってもこのメンバーなら大丈夫だと思うが....』

 

「....わかった。そこまで言うなら僕が残ろう。とはいえ、道中気を付けるんだぞ」

 

と、儀玄やタンザナイトの説得でなくなく折れるアキラ.....そしてリンとタンザナイトは儀玄から貰った道義を着た。

 

「おぉ....」

 

リンの服は中華を感じさせる黒をベースにその上に白色の襟のしたにオレンジの布地が縫ってあり、白黒のボタンに赤い糸でおしゃれに施されていた。

 

「編み笠....和風だねぇ」

 

 

【挿絵表示】

 

 

タンザナイトは金の竜が着色された黒いカンフーのようなズボンと虎柄のマフラーを着ており、上半身は何もつけてはいないが、頭に四方向の紙のような札?が張られた編み笠をかぶっており、それぞれ『吉』『幸』『運』『金』と書かれている。

 

「なかなか似合ってるじゃないか....寸法は間違ってなかったようだ」

 

「リン...コホン、妹弟子さん、弟弟子さん、よく似合ってるじゃないか。」

(ホントホント!)

 

「へへーん!お兄ちゃんも早く着替えてきなよ!」

 

「焦ることはないさ、僕の分はひとまず置いておこう。あとで店の掃除もするし、汚してしまっては困るからな。それに今回は衛非地区でしばらく暮らすことになるから、出発前に荷物をまとめておかないと」

 

『まぁ一理あるな...』

 

と、アキラの理由にタンザナイトは納得する。

 

「そうだリン、衛非地区に着いたらパソコンを起動してくれ。H.D.Dシステムの調整をリモートで手伝ってほしいんだ。今回、いつまで衛非地区に滞在するか分からない以上、ビデオ屋の商売を、いっそ衛非地区にも拡げたほうがいいんじゃないかと思ったんだ」

 

『凄い商売魂だな...』

(だね...)

 

「そういえば....衛非地区にもマスター・ティンがいるみたいで、ちょうど最近、六分街の方のコーヒーの情報交換―に来てたんだ。最初、二人のマスターが並んで話しているところを見て、目がおかしくなったかと思ったよ....そこでよく聞いてみたら、別々の個体だったことがわかった」

 

『...マジ?』

 

と、アキラがティンのことに話して、タンザナイトが驚いた表情で言う。

 

「ああ、この機会を借りて彼に頼んで、店のビジネスに必要なものを持って行ってもらったんだ。そっちに着いたら、彼から受け取ってくれ」

 

「ほんっと、マスターに感謝しないとね....六分街の方も、衛非地区の方も」

 

「とういうわけで、衛非地区の方は君に任せた。君が向こうで落ち着いたら、僕もそっちに行くつもりだ」

 

「すっごく助かるよお兄ちゃん!じゃあ、向こうでおちついたらまた連絡するね!」

 

「....話は済んだか?」

 

儀玄はそう言うと、話を進め始める。

 

「メイフラワーが手配した飛行船はもうついてる。こっちに来るときに試しに乗ってみたが、なかなかのスピードだったからな。衛非地区まではそうかからないだろう」

 

「飛行船は元々、貨物を輸送するためのものだそうだ。今回は調査派遣の名目で特別に微用され、人員輸送用に使われることになったのだと。というわけで....乗客は私たちだけだ」

 

「具体的にいつ出発するかは、私達の都合に合わせてくれるそうだ。お前さん達の準備ができ次第、出発するとしよう」

 

儀玄はそう言い、準備できた二人は一緒に飛行船センターに行って、衛非地区へ向かう飛行船に乗った。

 

 

~~~~

 

飛行船が通る中、巨大なホロウが目の前に見えた。

 

「あれって....ラマニアンホロウ?」

 

『うわー、でっか』

(凄い景色だねー....お姉ちゃんたちにも見せてやりたかったよ!)

 

「もうちょっとで着きそう!ここまで順調だったし、ラッキーだったね」

 

「ああ」

 

『....ちょっと待て、それフラグじゃね?』

 

そんな中、とある場所で武器を構えた人物が立っていた....

 

「目標、予定地点に接近」

 

バシュッ!

 

通信していた人物が言うと、武器をもった人がリン達が乗っている飛行船に向かって、ランチャーを放った!

 

 

ドコォォォンッ!!

 

 

 

「えっ?なに?」

 

『なんだぁ!?』

 

爆発音が響き渡り、着弾した飛行船が揺れ始める。

 

「飛行船が墜落してるぞ!」

 

『はぁ!?』

 

数秒も経たずに飛行船が墜落し、ラマニアンホロウへ入って行った....

 

『フラワーこのやろぉぉぉぉ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「狙撃....成功」

 

と、独り言のようにつぶやいた後、その場に去って行った.....




タンザナイトは『虚空に響く龍虎』を手に入れた
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