side タンザナイト
「う....うーん?」
リンが目覚めると、辺りに見たことの無い赤紫の植物がいたるところに生えた崩壊した建物にいた...すると、そこに俺が立っていた。急いでその場でリンの安否を確認した。
『リン!無事か!』
「う...うん。でもなんか頭がクラクラする...うまいこと空間の裂け目におちられたから、怪我しなくて済んだけど....」
『師匠とはぐれてしまったな....』
「うん、なんとか師匠と合流する方法を考えなきゃ」
リンがそう言って、一緒に先へ進むと....見たことの無い植物がいた。
なんか禍々しいな.....
「これは...何?すっごく変わった見た目してるけど....もしかして、これが資料にあった特殊侵蝕物質...『ミアズマ』?」
『これが?――かーっ気持ちわりぃなんだこれ!』
「たぶんこれ....ミアズマの
『....取り敢えずこれをどうにかしないと先に進めないな』
俺がミアズマのコブに手に触れさせ、ミアズマのエーテル吸収しようとした――っ!?
『っ!?』バッ
「た、タンザナイト!?どうしたの!?」
思わずその場で後ずさりして、手を振り払った.....ここの元人格のインフィニティが『ピリピリした...』と言ってる中、リンが心配した様子で駆けよって来た。
「なんか、びっくりしてさがってたけど...何があったの?」
『あ、ああ....如何やら、この『ミアズマ』っていうエーテルは、俺にとっちゃ相性が悪いようだ....クソッ、手がピリピリしてる』
と、俺の太ももで触った手を拭いてると、リンが驚いた表情で口を開いていた。
「ええ!?じゃあこの空気も大丈夫なの!?」
『いや、そこは大丈夫だ....ただ、あの物体を
「そ、そう?....じゃあほかのルートで行くしかないよね....」
『そのようだな』
一つため息を吐いた後、俺たちは別のルートで先へ進んでいくと、そこで多数のエーテリアスが現れる。
「うわっ!?きたぁ!?」
『隠れてろリン.....っ!』ジャキッ!
武器を展開し、構えを取ると、何処からか雷のような金色の光が降りてきて、エーテリアス達を一掃した....
あたりを見渡してみると、そこには師匠が立っていた!無事だったんだな。
「あっ!師匠!」
「来るぞ!」
『っ!』
師匠が呼びかけると、わらわらと変わったエーテリアスや見慣れたエーテリアス達が現れ、俺も襲ってくるエーテリアス達を退治する。
『爆ぜる槍....『爆戦 グングニル』っ!!』*1バキュゥゥンッ!!
ドコォォォンッ!
『!?』
『羅戦 グングニル』を発動しながら、エーテル爆薬をつけねに生成し、爆発を起こして、エーテリアス達を一掃する。
「ほう...あれからまた更に技に磨きがかかっているな....」バサッ
と、師匠が墨汁のような翼でエーテリアス達を吹き飛ばしながら俺の技を褒める。
....やっぱり師匠から褒められると嬉しいな。
「うわー...やっぱすごいな....」
そんなこんなで襲ってきたエーテリアス達を討伐し、落ち着いたところで師匠が口を開いた。
「やっと見つけたぞリン、タンザナイト。怪我はないか?」
『俺は大丈夫だ』
「わ、わたしも大丈夫!それにしてもナイスタイミング師匠....エーテリアス達も近づいてこれなかったね」
『にしても....なんで急に飛行船が墜落したんだ?』
と、俺はさっきの出来事に疑問に思っていた....師匠たちが乗ってるときは異常はないと言っていたが.....もしそうだとすると――
「リン、タンザナイト、伝えておかなければならないことがある。墜落した飛行船をチェックしてきたが、
『ということは...謎の第三者の手で飛行船を破壊したってことか?』
「そうなるな」
「ええっ!?事故じゃなかったの!?」
と、リンは驚愕した。そりゃそうだ、墜落の理由が事故じゃなくて悪意の手でぶっ壊したとなると驚くのも無理はない....
「ああ、それについさっき、この辺を道巻きに見ているやつが何人かいた。ひとめ面を拝んでやろうかと思ったが、お前さん達の安否が気がかりだったからな....墜落地点に近い裂け目を片端から探したぞ」
『師匠...』
と、黒幕より俺たちの心配の為に駆け付けたらしい....感激だぜ.....
「こんなこともあろうかと、
『おぉ!これがあればすぐに脱出できるな!』
「さっすが師匠、保険に入っただけじゃなかったんだね!――でも....襲ってきたのは一体誰なんだろう....?」
「お前さん達の無事に比べれば、至極どうでもいいことだ。私がそばにいる限り、これ以上妙な気を起こすことはないだろう」
と、師匠はどうでもよさそうに言う。か...かっこいいい....
「道中の正体は、遅かれ早かれこの手で明らかにする。だがまずは....どうにかしてほろうをでるぞ。衛非地区に向かうんだ」
『おう、分かったぜ!その『キャロット』を読み解けば、俺が『
「なに?そこまでできるのか?いやはや、今回の弟子は豊作だな....」
「むむむ....なんか急にタンザナイトが羨ましくなったな....」
『よせ、多分碌な目に遭わんぞ』
一応ジョークで行ったと思うが念のため、リンにくぎを刺しておく....これ偶然と奇跡的に立っているわけで本来ならやばいからな?
そうして、少し時間をおいて、このホロウの出口までの空間を作り出し、俺が場所の安否を確認した。
『.....うん、なんか町っぽいところが見えたから多分衛非地区に繋がったと思う』
「すまない、助かった」
『いやいや、弟子として当然だ』
「それにしても....今の技、まるで『リフトビーコン』のような感じだな」
『なにそれ?』
「後で教えるが....まぁ、いわゆる『ちぇっくぽいんと』と言った方がいいか」
『なるほど、大体わかった』
「わかったの!?」
と、他愛もない会話をしながらホロウを脱出すると、そこには、遠目で大きなホロウ見え、その下に小さいながらも賑わっている声が遠くまで聞こえる町が目についた。
「さてと....お前さんの姉弟子に迎えを頼んでおいたが、すこし時間がかかるな....」
「姉弟子?そっか...雲嶽山の門下生は私たちだけじゃないはずだし、当然先輩もいるよね」
と、リンは納得した顔をする。
先輩か....一体どんな人が出てくるんだろう。
「あれ、私とお兄ちゃんとタンザナイトは今日入門したばっかだから....ひょっとして、一番下っ端ってこと...?」
『....まぁそうなるな』
「ああ、弟子は何人かいる。入門した順でいえば、たしかにお前さん達が一番下の門弟だが...下っ端だからなんだということはない、普通に接しろ。何かあれば、気楽にあいつらを頼るといい」
「先輩、かぁ...どんな人たちなんだろう?うわ~...気になってきちゃったな!」
と、リンの目が輝かせながら言う。それを師匠が落ち着かせた。
「落ち着け。どうせすぐ会うことになる....っと噂をすれば」
「お師匠さま~!福福がお迎えに来ましたよっ!あれえっ?こちらの方は?....」
そこに現れたのはタレ目がちな目に虎の毛色ににた黄色に白のインナーカラーの髪色。腰ほどの長さがあり、外にはねてるのが特徴的な人物が現れた。
うわっ可愛っ
「あ!きっと、お師匠さまが言ってたお弟子ちゃん達ですねぇ?」
『そうだが....あなたは?』
「あっ...!あたしは『
と、福福さんがぷくっと顔を膨らませた....というかそれしか話してなかったの?
「お弟子ちゃん達、福福がきたからにはもう安心ですよっ!この辺で何かあっても、姉弟子のあたしが全部なんとかしてあげます!」
『じゃあ、姉弟子さん、先にお礼を言っておくよ。何かあったら頼りにさせて!』
「食べ物も、遊びも、修行のことも....なんでもどんどんこいですからねっ!あっそうだ!このへんにいいお茶屋さんがあるんだけど....!」
「福福....おしゃべりは適当観に戻ってからだ。こっちはホロウから出てきたばかりだからな」
と、熱が入った福福さんを師匠が止める....うん、あのままだったら多分止まらなかったな....
「あわわ...ごめんなさいお師匠さま、ちょっとはしゃぎ過ぎちゃいました....すぐに道観へ戻りましょうっ!あっ、でも....帰りついでに、お弟子ちゃん達を案内するくらいならいいですよね?」
「まぁいいか....好きにしろ。じゃあ私は先に戻る。お前さん達も、あまり方々で油を売るんじゃないぞ」
「もちろんですお師匠さまっ!」
福福さんが元気よく言うと、師匠はその場から去って行った。
「さあて....お師匠さまも行っちゃったことですし、誰も福福たちを咎めるひとはいません!ついて来てくださいっ、お弟子ちゃん達!このへん、面白いものがホントにいっぱいなんですから!」
そう言い、福福さんと一緒にこの衛非地区の上層区域の『
蝉の彫刻だったり、ロープウェイに乗ったり、
そんなこんなで、『澄輝坪』の施設を楽しんでいると、急に近くから騒ぎ声が聞こえてきた。
....なんだ?もめ事か?
「約束の賠償金はまだなのか...?あの薬はあてたいんだ。家で病人が臥せってるってのに....いつになったら振り込まれるんだよ?」
「そう焦るな。賠償金の手続きは時間がかかる、もう二日ほど待てとダミアン様が仰っている」
「もう散々待ったのにか?このまま泣き寝入りさせようって根端じゃないだろうな?」
「あんまり人を舐めるなよ...!そっちがその気なら、こっちだってブン屋に垂れ込んでやるからな!」
と、今でも一触即発な感じが漂う....なにやら大事のようだな....
「ふん...よく考えたほうがいいぞ。ダミアン様が賠償されると仰った以上、それは必ず守られる。ポーセルメックス責任者としての彼の責務だからな。お前達がその責務を軽んじ、いたずらにことを大きくしようとするなら....のちにどうなろうとも、それはお前達の責任だ」
「忘れるな。我々ポーセルメックスはTOPS最強の弁護士団と、必要に応じて行使できる数多くの手段を擁している」
「....え、えーと...こう言っていることだし、もう少し待ってみるか....?」
さっきまでの勢いが嘘のように消え、待ってみると考え直す。
....威しか、よくないなぁそう言うの....
「くっ...三日だ!三日後にまだ音沙汰がないようなら、ダミアン直々に落とし前をつけてもらうからな!」
そう言い、周りの労働者たちはしばらく話し合った後、解散していった。
「あれぇ...?あの騒ぎは何だったんでしょうね、今にも取っ組み合いになりそうな剣幕でしたけど....」
『何やら賠償金やら聞こえたが....どっちにしろ碌なものではないことは確かだな....』
「確かに、ここのTOPS側の責任者はダミアンってみたいだけど、なーんか隠してる予感だね」
「はえ~鋭いですねぇ!まぁTOPSの子会社なんて、いかにも悪いことしてそうですけど~...あたしなら、そんな悪い奴らにはドロップキックで目にもの見せてやります!『燃えよタイガー』の主人公みたいに!」
『『燃えよタイガー』?』
と、何ぞやそれと思っていると、リンがそれを知って説明する。
「その映画知ってるよ!主人公が修行を積んだ虎のシリオンで....えーと、なんて名前だっけ?」
「『虎威威』ですっ!小さい頃は憧れでしたねぇ~....でも、後になって知ったんですけど....威威を演じてたのは虎じゃなくって、猫のシリオンだったんですよねぇ....」
『そうなん?』
「はい....しょうがないですけどね。あたしたち虎のシリオンって、ほんとに数が少ないので....」
「福福先輩って虎のシリオンだったんだ.....ほら....苗字に入っている『橘』って、オレンジのことでしょ?だからてっきり....」
「ああっ、聞き捨てなりませんよっ!ひょっとして福福のこと、茶トラ猫ちゃんだと思いましたね!?」
と、ぶくっと福福さんのほっぺが膨らむ。
フフッ、カワイイッ!!
「茶トラのシリオンだってすっごくかわいいんだから!福福先輩?ちょっと偏見があるんじゃない!」
「えっ...?ええっ!?そ...そういうことでは....ないんですけど....でも茶トラ猫ちゃんはぐうたらで....えっと、あんまり強くないし...あたしとはタイプが違うっていうか....」
『はいはい、それ以上先輩をからかうんじゃないよ、リン』
と、リンの反撃でしどろもどろになる福福さんを俺が止める。
「コホン!とにかく、茶トラの猫ちゃんにはどんな偏見もありません!以上!これが姉弟子としての結論ですっ!ほらほら、茶トラの猫ちゃんはもういいですから、早く適当観に戻りましょう!みんな待ってますよっ!」
と、福福さんが無理やりしめて、適当観へ向かうのであった。
『ここが適当観か....』
着くとそこには、古風で重厚感があり、そこそこの年代物のように見える....あっ福福さんが勢いよく開けた。
「じゃじゃーん!ここが天下に名を轟かせるあたしたちの『適当観』ですっ!」
『わー...凄い!』
見渡すと、そこには歴史を感じさせる古い木材造りの建物があった。
....ん?屋根の上に誰かいるぞ?
「潘さん!釈淵さん!見て下さ――『シッ――』ムグッ!?」
「っ!」バッ
パンダのシリオンが手でバッテンを作り、眼鏡の人が上を指していた。その先を見ると、猫が屋根から今にも落ちそうな場面だった。
――あっ落ちた。
「あっ、猫ちゃん!」
「っ!」バッ
俺が構える瞬間、福福さんがいち早く素早く駆け寄った。パンダと眼鏡の人も同様、福福さんのとこに集まり、猫を受け止める準備をしていた。
『っ!?』
三人が目にしたのは、上空にホロウの裂け目が現れた場面だった。
「ね...猫ちゃんはどこに?」
「にゃーん...」
「えっ?...ああっ!」
福福さんが振り返ると、そこには猫をキャッチしたタンザナイトがいた。
....咄嗟に『
『やっぱ便利だな...これ』
「さっすが、タンザナイト!」
「嘘....」
「はははっ!」
福福さんだけでなく他二人も唖然とする中、どこかで笑い声が聞こえた....あっ屋根に師匠が座ってる。
「あ...師匠!」
「バタバタしてすまないな....ようこそ適当観へ」
その場で降りて、兄姉弟子の門下生たちが集まり、二人を歓迎した....
試しに変えてみたけど、評判次第で変更したりしなかったりする。