side タンザナイト
「あそこは見晴らしがよさそうだ、周囲の状況もよりわかるだろう。先にそっちへ行くぞ」
『あそこね...よし、行ってみるか』
そう言い、次々に現れたエーテリアスをなぎ倒しながら進んでいくと、廃棄された建物が目に見えた。
「ここは廃棄されたようだな。だが、侵蝕が起きた時の
『そうだな...つか、この変な植物――ミアズマだっけ?多くない?』
見渡すと、いたるところにミアズマが生えまくっていた....ウワッキッショ.....
「近くにこんなミアズマがっ....この前の事故の影響でしょうか...?」
「分からないけど....用心してね、皆!」
そうやって道なりに進んでいくと、荷物が沢山ある場所へ着いた。
すると、師匠がこれから何か説明するらしい....
「リン、今から教える術法は『覚感の術』というものだ。これらは我らが雲嶽山独自の術法、何かといろいろな使い方ができて便利なんだ」
「師匠、それは一体どいう風に...?」
「その原理は、周囲のエーテル共振の周波数を感知し、エーテル共鳴を用いて、相転移を引き起こすことにある。お前さんの経路は開いておいたから、今頃はもうエーテル共振の周波数を感知できるだろう」
『へー....そういう感じなんだな』
エーテル共振と共鳴...これは使えそうだな.....
「じゃ、まず『覚感の術』のひとつ『追跡』の法から教えよう。こいつはその名の通り、辺りに残ってるエーテル、もとい侵蝕物質の痕跡を追跡できる。深呼吸して、周囲に漂うエーテルの波動を感じ取ってみろ」
「分かった師匠!」
そういうとリンは目を閉じて、そこにある侵蝕物質に立つ。
...すると、パチッとリンの目が開いた。
「うわっ!すごい...エーテルの痕跡が見える!」
『へー...どんな感じに?』
「なんか、この侵蝕物質から痕跡が繋がっている感じがする.....あっちの方だね」
『どれどれ....あー、そんな感じね』
確かにこの侵蝕物質から糸のように
「....あれ?タンザナイトも見えてるの?」
『まぁもともと、ホロウの出口を感じ取れるし....出来て当然だとは思うがな』
「......」(눈_눈)
なんだよそのどっかの青春に出てきそうな顔は....
そんなこともありつつ、痕跡を辿って行くと、ミアズマがあった。このミアズマ、異様に濃く残っているようだ....
「うーん....この残留物、なんか妙な違和感がする....地面に変なマークがあるし...いったい何が起きたんだろう....」
『変なマーク?...本当だ、何だこれ?』
なんか8の数字の中心に点っぽいものが書き加えられてるマークだが....どういうものなんだ?
「とりあえず写真を撮って、帰ってから調べることにしよ!」
リンがそう言い、カシャッと1枚写真を撮り、先へすすんだ....途中扉が閉まっていたので装置を起動させて、扉を開けた。
「侵蝕事故が起きた時、多くの人々が四方に逃げていった。これらの痕跡は、恐らくその時のものだ。そしてお前さん達は『追跡』が使える。痕跡を辿ってどこから来たものかを調べるぞ」
「分かったよ、師匠!」
そう言い、リンは早速覚えた『追跡』でエーテルの痕跡を辿って行く.....道なりに進んでいくと、そこには引壺さんとアキラが変な機械の所でボンプと共に立っていた。
「おっ!来たな!」
「潘さんにお兄ちゃん?どうしてここにいるの?」
「いくつかの観測装置からデータをコピーしてきたけど、ちょうどエーテリアスに囲まれたボンプをみつけてね、潘さんが倒してくれたんだ」
「あとで聞いてみて分かったんだが....あのボンプはロア先生が俺達の調査を手伝うために寄越したらしい。ただ、途中でエーテリアスに襲われたんだ。近くに『リフトビーコン』があったから、お前さん達ならここで休むだろうと思って、連れて来たってわけだ」
何か傘みたいに開いてる機械が『リフトビーコン』か....このエーテルの感じ、覚えておくか。
「ンナナ、ナナナナ。ンン、ナナナ(助けてくれてありがとう!僕はロア先生のアシスタントのボンプで、調査のお手伝いに来たんだよ。じゃあ、先生がマークしてくれた場所へ案内するね)」
「わかった。じゃあ、お願いするね!」
「ンンン、ナナナ。ンンナナ(この先にある高い塔は、廃棄された生産センターだよ。先生がいうには、あそこは侵蝕事件の発生地点に近くて、手がかりが沢山あるんだって)」
『高い塔?....成程、あそこだな。分かった、そっちに行ってみるよ』
そう言い、手がかりを探すため、その生産センターへ向かうのであった....
『うおっ!?なんだあの蛙!?見たことないぞ!』
「あれは『バニーレック』だ。気を付けろ、ピョンピョンと跳ね回って攻撃する」
向かってくる途中で、黒色の白い結晶を纏った蛙のようなエーテリアス『バニーレック』が現れ、立ちふさがる。
「慌てないでください、お師匠さまがついてますからっ!ささーっと片付けちゃいましょう!」
『それもそうだな....よし、『
『っ!』
バコォォォンッ!!
どっかの海賊王よろしく、腕を伸ばしながら発射し、地面にバウンドさせ、不規則な動きでバニーレックのあご?に食らわせる。
『っし....初めてにしてはうまくいったな』ビシッ
「な...なんですか今のは!まるで生きている蛇のように跳ねていきましたよ!」
「ますますエーテリアスという生体から遠ざかっているね....」
「ははは!やはりお前さんは面白いなっ!」
そんな感じで襲い来るエーテリアス達をなぎ倒して進んでいると....生産センターに登るエレベーターがあったので乗り込んでみた。
「外周区域だというのに、これほどミアズマが多いとは....」
「このホロウ、なんか変な感じです....」
『...ん?なんだこれ』
着いて早々、俺が目にしたのは、赤く光る鉱石だった。
「リン、いい機会だ、『覚感の術』の『崩解』の法について教えよう。エーテル共振の周波数を強制的に乱し、短時間で
「わかった師匠、やってみるね」
そう言ってリンは赤く光る鉱石に立つ。
「まず、侵蝕物質の周波数を感じ取ってみろ。周囲のエーテルを活性化させて、共振を起こすんだ。そのうえで周波数を変えれば、均衡を崩すことができる」
「....えいっ!」
バキッ!
と、一部が崩れると、ドミノ倒しに周りの鉱石も崩壊した。
すげぇ!これが『崩解』か!
「へ....できちゃったんですか?」
「うん...師匠の言った通りにやったら、なんか...思ったより、うまくできちゃった」
「お弟子ちゃんの才能が、福福はちょっと怖いです...!」
「つくづく覚えが早いな。お前さんの素質には、師匠も驚きだ」
と、師匠たちも驚いていた。
....えっなに?これって普通の人だと結構かかるの?
「お、大袈裟だって師匠...ホラ、たまたまってこともあるかもだし。さっ調査を続けよ!」
と、リンは自分を謙遜しながら、崩壊した先へ進む。すると、師匠がしかめっ面な様子でこの場所を見る。
「この場所のミアズマ、異様に濃く残っているようだな....」
「そうだね、この残留物、なんか妙な違和感がする....」
『なんかさっき見たマークもあったし....一体なにがあったんだ?』
「とりあえず写真を撮って、帰ってから調べることにしよ!....取り敢えず、事故のあった場所があっちだったよね?」
「よーし、行ってみましょう!」
そう言い俺達は、エレベーターで事故に遭ったエリアへ向かう....
「このあたりのエーテル濃度が高まってきてるようだ。これは侵蝕症状が出た痕跡だろうな。やはり....周りはすっかり汚染されてる」
「ホロウでずっと働いてて、本当に侵蝕症状が良くなるんでしょうか?かえって悪循環だと思うんですけど....」
すると、先にアキラと引壺さんがそこに立っていたので、話しかけた。
「お前さん達も来たのか?調査の方はうまく言っているか?」
「そこそこ収穫があったよ、兄弟子さんたちの方は?」
「近くでホロウレイダーの連中に出くわしてね...兄弟子がいたおかげで返り討ちにして、あたりの状況を聞きだしたんだ。どうやら連中がいうには、このあたりが例の労災が起きた場所らしい」
「ああ、ポーセルメックスが去った後、インターノットでここの生産設備を高値で買い取った人間がいてな....やつらはその設備を解体をしに来たんだ。その過程で妙な薬のデータも見つかったんだが、全部ゴミとして捨てたんだと」
薬のデータ?....もしかしてそれって――
「なんだか、労災に関する情報が中に入ってそうな気がしますね....」
「ああ、おれもそう思ってたんだ。お弟子ちゃんに頼まれた観測データは全部揃えたから、今からホロウレイダーのやつらの本拠地に行って、まだ捨てられてない手がかりがないか、確認するつもりだ」
「流石に危ないんじゃ...?兄弟子さん、1人で本当に大丈夫?」
「安心しろ、心配すべきは俺じゃなく、あいつらの方だ」
「ですねっ!潘さんはとっても強いんですから。安心してお任せしちゃいましょう!」
「なら、君達は引き続き手がかりを探してくれ、僕は潘さんと一緒にホロウレイダーの件を片付けてくるから、終わったらすぐ合流するよ」
「休息が必要なら、一度戻っていいぞ」
そうして、引壺さん達と別れ、先へ進んでいくとより一層、ミアズマの植物が多く生えていた...
「侵蝕物質の残骸が増えてきたな。エーテリアスが引き寄せられてくるかもしれない。皆、気をつけろ」
「タンザナイトも、エーテル濃度が濃い方に寄り付かないでね?」
『虫かおれは』
「っ!注意してください!厄介そうな子が現れましたよっ!」
と、そんな会話をしていると、俺と同じタイプのエーテリアス、『デュラハン』がそこに立っていた。
『よし、任せろ!―――『
『!』
「うわっ!?でっか!?」
俺の右腕がみるみると大きくなり、『
『『
ドコォォォォォンッ!!
『――――』
『 』
「ほぉ...」
巨大化させた腕で、デュラハンを吹き飛ばすことに成功し、腕は元のサイズへと戻る。
『....よし』
「ひょええ....上級エーテリアスを一発で....本当にこの人が味方でよかったですっ....」
「あはは....ん?あれって....」
と、リンが何かを見つけた。
....これって吊り橋か?
「どっかに吊り橋の制御する機械があるかもしれないね....ちょっとさがしてみよっか」
『だな』
そう言い制御盤を探して見ると、発見したが....なんかおかしい。
「ふむ...装置の中にあるエーテルの流れがおかしいな。リン、今のお前さんはエーテルの周波数を感じ取れるはずだ、試しにこれを直してみろ」
「わかった、やってみる!」
「落ち着いて、エーテルの周波数をじっくり感じ取るとよい」
リンが機械に向かって、何かを感じ取ってみると....吊り橋が下へ下がって行く。
『おお』
「やった、これで通れるよ!」
これで事故のあったエリアに行けるぜ!
そう思い、吊り橋を渡って、施設らしきところに入って行った.......
「『キャロット』のデータによると、事故のあったエリアはこの先だよ。もしかしたらその先に手がかりがあるかも....行ってみよう」
その手がかりがみつかるといいがな.....