転生先はエーテリアス   作:YEX

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決定的な証拠

side タンザナイト

 

なんか()()()()()()()()()()()()()を片付けて先へ進むと、引壺さん達がそこに立っていて、引壺さんが話しかける。

 

「お師さん!」

 

「ああ、そっちは片付いたか?何か新しい発見は?」

 

「例のホロウレイダーの本拠地に乗り込んで、連中のリーダーを張り倒してきたんだが....ただの雇われチンピラだった。全員追い払ってやったから、もう調査の邪魔はしてこないはずだ」

 

「あとそれと、労働者たちの服用記録を見つけたんだ。多分証拠として使えると思うよ」

 

「本当お兄ちゃん!助かる~!帰ったら分析して、手がかりがないか見て見るね!」

 

「よくやった潘」

 

おお、これでまた一歩近づいたな!

 

「これでホロウレイダーはもはや脅威じゃないが、気は抜かない方がいい。周りを調べておいたんだが、労災が起きたエリアはこの先のようだ....気を付けて進むんだぞ。まぁお師さんもいることだし、心配はいらないかもしれないがな!」

 

と、笑い飛ばす引壺さん。

そうしてこの先を進んでいくと、見慣れた人物がいた.....ロアさん?

 

「えっ?あれって....ロア先生?他のエリアを調査していたんじゃ....」

 

『何でそんなところに...』

 

「うーん....ちょっと状況を聞いてみましょうか」

 

そう思い、ロアさんのところに行ってみると、目が合った瞬間、ロアさんが喜ぶ顔をした。

 

「来てくれてよかった!もうおしまいだと思っていたよ....」

 

「あれぇ?ロア先生、外周を調査してたはずですよね?どうしてこんなところにいるんですか?」

 

「侵蝕症状のサンプルを採るために、ちょっとした抜け道が使えないかと思ったんだが....エーテリアスに追われて、こんな所まできてしまったんだ。君達が来てくれて助かったよ...ふう。そうだ、証拠集めの方はどうだい?」

 

「うん、道中でロア先生のボンプに会って....あの子のおかげもあって、証拠はそこそこ集まったよ!」

 

「よかった!それで証拠としては十分だろう。こっちもエーテル侵蝕のサンプルがずいぶんたまったんだ、証拠の裏付けになるかもしれない。この先は侵蝕が爆発的に増えたエリアだ。」

 

「僕としては、そこでもう少しだけ侵蝕のサンプルを集めておきたいところだが....叫び声のようなものを聞くに、エーテリアスが徘徊していることに間違いはないんだ」

 

成程な...だから困っていた顔していたんだな....

 

「心配ご無用です!あたしたちが様子を見てきますねっ!もしエーテリアスがちょっかいを出して来たら、ついでにお掃除しておきます!」

 

「素晴らしい!それなら、ぜひお願いするよ!」

 

そう言って、先にすすむと.....エーテリアス達が現れるのだが、なにやら様子がおかしい。

....なんか変なオーラ持っていない?

 

「このエーテリアス、なんか変....みんな気を付けて!」

 

「この子...ミアズマに何かされたみたいですっ。なんか、とてつもなくばっちぃ感じがしますっ...!」

 

「福福、油断はするんじゃないぞ。こいつの繰り出す技に注意しつつ、速やかに片付けるぞ」

 

「任せてください、お師匠さま!好き勝手にさせません!」

 

『っ!』バシュッ!

 

あっ!あの蛙が、変な液体を福福さん目掛けて飛ばした!

 

『危ない福福さん!―――防護結晶(カーテン・コール)』っ!*1』パラパラ....

 

「へっ?――きゃっ!」

 

俺の結晶の粉末を福福さんに纏わせ、コーティングし、蛙の変な液体を防ぐ。

 

ベチャッ!!

 

「橘先輩!大丈夫!?」

 

「福福!」

 

「うっ......うう?」ドロドロ

 

福福さんに纏わりついた結晶が変な液体と共に落ち、当の本人は無傷だった。

....よし、間に合った。

 

「あれぇ?な...何ともない?」

 

『間一髪だったな....』

 

「すまんなタンザナイト...助かった」

 

「もしかして、お弟子さんが福福を守ってくれたんですか?あ、ありがとうですっ!」

 

『お礼は後、ちゃっちゃと片付けるぞ』

 

「そうですねっ....よくもばっちいもの福福に打ちましたね!許しませんよ!」

 

と、福福さんは丸っこい機械のようなものの尻尾?を掴み、それをぐるぐると回し始める。俺もそれに合わせ、右腕を槍に変換し、構える。

 

「喰らいなさいっ!」 『『爆戦 グングニル』っ!』バシュッンッ!!

 

『!!』

 

 

チュドォォォォンッ!!

 

 

「ふっふーん...やりましたね、お弟子さん!」

 

『ああ』

 

福福さんと同時に攻撃を放ち、エーテリアスを爆殺させ、片付ける。

....ん?ロアさんが侵蝕サンプルを採取してる。

 

「ふう...なんともリスキーな調査だったよ。皆さんの助けがなかったら、僕はどうなっていたことか。いやはや、本当にありがとう。僕たちは十分な証拠を集められたと思う。」

 

「エリックたちはちょうど交代で休んでいるだろうから、このままホロウを出て調査の進歩を伝えてくるよ。そうなればいよいよ、皆を集めてポーセルメックスとの賠償についての協議だ。雲嶽山の皆さんも、手伝ってくれてありがとう!」

 

「いえいえ!元々、今回の事故を調査するつもりで来たわけですし....丁度よかったですね」

 

「本当になんとお礼をいったらいいか...おかげで、()()はスムーズに進みそうだよ」

 

『...計画?計画って、なんの?』

 

「エリックたち互助会のメンバーと一緒に、ポーセルメックスに抗議するプランを考えたんだ。ついに、全てを行動に移す時が来たよ」

 

『....』

 

なんか、妙な違和感がしたが....きのせいか?

そんな思いを片隅にしまって、俺たちはホロウから出るのだった.....

 

 

~~~~~

 

「リン、アキラ、タンザナイト、最近の調査はご苦労だった...ホロウの環境には馴染めそうか?」

 

「うん、とりあえず平気!」

 

「僕もだ」『俺も』

 

「それは何よりだ。お前さんは術法を覚えるのが早い、素質の兆候だ。だが、こと修行に関して焦りは禁物だ。休みながらバランスよくやれ」

 

「僕も早く術法を覚えたいな....」

 

「慌てるな、 お前さんも時期に覚える」

 

と、リンを褒めている師匠にアキラは早く覚えたいと待ち望みしているのをなだめる。

 

「ここで暮らすことになった以上、何か欲しいものがあれば福福や引壺を呼べ。すぐに用意してくれるだろうさ」

 

『わかった!』

 

「調査の方は時間をかけて進まねばならないし....今のうちに休んでおくといい」

 

「うん、そろそろ頃合いだね」

 

そう言い、俺たちはしばらく休んで、疲労した体を元気づける。

 

リンと一緒に見て周っていると、福福さんがなにやらブツブツと言っていた。

 

「ええと....これをやったら、次はあれをして...」

 

『福福さん、何をしているんですか?』

 

「あっお弟子さん達!今計画を立ててたんです!ここを綺麗に掃除したら、床を新しく張り替えて....張り紙をはがして、壁を塗りなおさないと。そうだ、綺麗な観葉植物なんかも植えましょう...!あの場所はがらんとしてますし、木は2列で植えてもいいですよね!道沿いに、証明なんかをつけちゃってもいいかもしれません」

 

と、何やら早口でやることを言う...凄い量だ....

 

「ひょっとして、適当観をリノベ―ションする...とか?」

 

「ご名答です!お師匠さまから任された重大な任務なんですよ!しばらくはここで寝泊まりするんですから、いくら『適当観』だからって、いつまでもいい加減じゃいけません」

 

『まあ確かにな....』

 

「それに、お師匠さまと約束したんです。ただいっとき滞在するだけの場所じゃなくて、適当観をしっかりと切り盛りして、昔みたいに大勢の人が訪れる、賑やかな場所にしますって!」

 

「昔?」

 

「あたしも実際は見たわけじゃないんですけど...この辺に住んでいる人たちから聞いたことがあるんです。旧都陥落前の適当観は、とても賑やかだったって!ただ、旧都がああなっちゃってからは、雲嶽山のほとんどの人がここを離れちゃったみたいで...定期的な連絡や掃除を担当する修行者だけがここに残ったんです。それで、次第に寂れていったとか....」

 

成程...どうりでゴミとかがあるわけだな....

 

「ですが、あたしたちがこうして適当観にもどってきたのも何かの縁だと思います!そんな今こそ、当時の賑やかさを取り戻すときですっ!」

 

「そっか....福福先輩、手伝えることがあったら遠慮なくいってね!」

 

『俺も手伝うぞ!』

 

「一緒に頑張って、適当観を見違えるほどに綺麗にしましょう!それで、皆を驚かせましょうね!」

 

そうして、リンと俺はこの適当観を賑やかにするため、福福さんの手伝いをする。

経営でモノを開発したり作ったり販売もしたり、お使いのルートを計画したり、飲茶仙の依頼の手伝いをしたり、後途中でなんかやばいエーテリアスと対面したりなど....色んな事が起きて、もうすっかり夕暮れになっていた。チュカレタ.....

 

「適当観の経営、少し良くなってきましたね!あなたたちのおかげです。本当に助かってますっ!」

 

「えへへ...でも、皆も頑張っているよね」

 

「はい、適当観のみんなだけじゃなく、衛非地区の住民の皆さんにも、たくさんご協力いただいてますから、期待を裏切るわけにはいけませんよ~。これからも頑張りましょう!適当観の復興っていう最終目標まで、まだまだ遠いですし、やることもたくさんありますから!」

 

『....ウスッ』

 

や....やることが、やることが多いっ!!

と、疲労した体を少し休ませ、丁度釈淵さんがいたので話しかけてみた。

 

「お弟子さん達、このところは本当にお疲れ様でした。師匠がいうには、あなたは術法の際に恵まれているのだとか....実によいことだと思います。――ああ、もちろんタンザナイトも師匠から凄いと言っていましたよ。かねてより、あなたたちには素質があると思っていました....やはり、僕の見込んだ通りですね」

 

『えへへ....』

 

と、さすがに俺達はべた褒めに照れる。

 

「そういえば....もう一つ話がありました。さきほど、師匠があなた達のことを探していましたよ。経路の調子を整えてやるから、今夜のうちに顔を出せ...とのことです。時間をみつけて、彼女のところに行ってみてください」

 

『おう、わかったよ』

 

「とはいえホロウから出てきたばかりですので、何か食べて、休んでからでも遅くはないとおもいます。潘が食事を用意してくれたそうですし、しばらく休んで行ってはどうですか?」

 

「やった!ちょうどお腹が空いてたんだ!」

 

と、空腹だったリンが喜ぶ。

...そうだな、色々仕事して疲れたし、食ってからでもいいか。

 

「そうだと思いました。それでは、先に食事にしましょう」

 

そうして、引壺さんが豪華な料理をご馳走してくれた...小籠包から炒め物まで、多彩な料理が揃っている....うん!うまい!うまい!!うまーいっ!!これには箸が止まらず沢山食べてしまう....我に返るころにはもうすっかり夜になっていた....

 

その後、新たにアキラも加わり、師匠の所へ向かう。

 

「リン、アキラ、タンザナイト、時間があるならもう一度経路を調節して、前回の成果をより確かなものにするぞ。空いているなら、今から始めるとしよう」

 

「いいよ!今暇だから!」

 

「僕も、いよいよ術法が使えるとなるとウキウキしてしまうな」

 

「ああ、今回は場所が違うんだ、今から案内しよう」

 

そう言って、師匠に案内されたまま、決められた時刻に指定された静寂な場所にやって来た。そして師匠の指示通りに、足を組んで座り、目を閉じて呼吸を整えた。

師匠はそっと、背中に手を当ててきた。慣れ親しんだ温かみが、ゆっくりと体内に巡り、また一つにまとまった...夜の静けさの中、再び世界のすべてが止まったかのように感じる。

 

「よし、これでお前さん達のエーテル感知能力は完全に安定したぞ。アキラの方は最初だからおいおい調節するが....リン、筋がいいとは思っていたが、『覚感の術』をこうも早く会得するとはな。なかなか稀に見る才といっていいんじゃないか」

 

「ほんと?でも、師匠のご指導のおかげだよきっと!それか、たまたま上手くいっただけか....」

 

「謙遜するな。誰の目にも明らかだ」

 

すると、師匠が懐かしいような目で語り始める。

 

「思い出すな....メイフラワーが以前、私に虚狩りの称号はいらないからと打診してきたことがある。()()()()一度は辞退したが....まぁ、修行時代の私は同期達のなかでも頭抜けて才能があったからな。とはいえお前さん達も、当時の私に引けを取らないくらいじゃないか」

 

『そうか?俺はまだまだ先だなと思うが.....』

 

「そうだよ。私なんかが、師匠に引けを取らないだなんてそんな....」

 

「いや、私が山門をくぐったばかりの頃は、随分長いこと修行に明け暮れた。お前さんみたいに余裕綽々とはいかなかったぞ。私の師は実直な人間だったが、堅苦しいやり方を好む節があったからな。彼の元で修行を始めたころはまあ辛かった。その後、宗門では色々なことがあって....今日に至るまで、残ってるのは私だけだ

 

「そうなんだ....なんか、色々あったみたいだね」

 

「ああ。お前さん達も雲嶽山の術法を会得したことだし、そろそろ宗門の昔話を聞かせてもいい頃合いかもしれないが....」

 

そう言い、師匠は少し考えると....首を横に振った。

 

「いや、今夜は早めに休んでおけ。経路を整えた後は、しばらく心身の乱れを避けるべきだ。明日のよるまで待て、話の続きはその時にしよう」

 

『わかった。師匠も休んでな!経路を整えてありがと!』

 

「私も、術法の修行、がっかりさせないからね!」

 

ほんのわずか、師匠の口元に、かすかな笑みが浮かんだ。

 

「ああ、お前さん達はよくやってる。師を失望させることはないだろう。だがいつか精魂尽きて、もう頑張れないとなったときでも....何かしら考えてやるさ。私はお前さんの師匠だからな」

 

そうして、師匠に別れを告げ、自分の部屋にもどり、次の日まで休むのであった....

 

 

 

 

 

 

 

 

「....タンザナイトから、凶運が見える....これが最悪な方向に進まなければいいが.....」

*1
自身の結晶を変化させて相手や自身に纏わせ、薬品や毒液から身を守る。

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