side リン
『.....』ジャキッ
「く...来るよ!」
タンザナイトが武器を構えはじめ、私達を狙いを定めた....どうしても戦わなくちゃいけないの?
「リン、今は弱気になってはいかん....」
「し、師匠.....」
「あいつが道を踏み外す前に....何としてでも止めるぞ!」
「「はい!お師(匠さま、さん)!」」
師匠がそう言うと、福福さんと潘さんが同時に駆け出し、タンザナイトに攻撃を放つ。
ガッ!!
『!?』
『.....』シュゥゥゥゥ....
だけど、タンザナイトは二人の攻撃を両腕でガードする。
「くっ....せいはっ!」バッ
「たぁーっ!」バッ
『.....』フッシュッババッ
更に二人は素早い動きで追撃するけど、タンザナイトはそれを涼しい顔で綺麗に捌く.....そ、そんな....兄姉弟子が同時に攻撃しても、対するなんて....
「くっ...このぉ!」
『....』ギュム
「に゛ゃ゛ぁ゛っ゛!?」
「福姐!?....そぉれっ!!」バッ
『.....』バッ――トッ...
「なっ!?」
『.....』ギュンッ
ドコォォォォッ!
「ぐふおっ!?」
福福さんの尻尾を踏んで、怯んでいる間に潘さんの攻撃がタンザナイトに向けるが.....その攻撃にあわせ、潘さんの攻撃する腕で側転をして、回避と同時に潘さんの背中に強烈な蹴りを当てた!なんて滑らかな動きなの...!
「っつ――.....?ムギュッ!?」
「うおぉぉっ!?」ゴロゴロ....
『.....』ストッ....
あっ....吹っ飛んだ潘さんが福福さんとぶつかってこっちに転がってきた.....
「お...重いですっ.....」
「うう....」
「油断するな。いくらエーテリアスといえど、タンザナイトだぞ?戦闘技術も相当積んでいる」
「ど...どうすれば....」
「任せろ」
師匠がそう言い、タンザナイトの前にでた....大丈夫かな....
「....まさかこんな形で再戦するとはな....私も思わなかったぞ」
『......』ジャキッ....
「――こい」スッ
師匠がそう言うと、タンザナイトが急接近する。は、はやいっ!
「っ!」バッ
パキィィィィンッ!!
と、金属のような音が響き渡り、師匠とタンザナイトのつばぜり合いが始まる。
「...っ!」
『.....』
パキィィンッ!――シュシュバッ!シュシュッ!!
す、すごい....攻防だ。師匠とほぼ互角で渡り合っている....
(ミアズマが思ったより濃ゆすぎる....これは早急に手を打たねばっ!)
『....!』
「フンッ!」バキィッ!!
『.....っ』ズザッ....
師匠が一足先に蹴りを放ち、タンザナイトを吹き飛ばす。その後、タンザナイトは一回転でその場で着地をするが....師匠は次の技の準備をしていた。
「少々強引に倒させてもらうぞ....!」ピィィィ――
『....!』
「破っ!!」
ドコォォォォッ!
師匠の術法がタンザナイトの周りに囲い込み、墨汁のような水しぶきと共に、弾け飛ぶ。
「うっ....」
「やったか!」
「.....うん?」
あれ?な、なんか墨汁が空中で遅くなってない?....いや遅くなってるんじゃない!これって――巻き戻っている!?
「なっ.....!!」
「えっ....う、嘘ですよねっ!?」
「おいおい....それは反則だろ!?どんだけ型破りなエーテリアスなんだよ!?」
「師匠の.....エーテルを吸っているの....?」
数分も経たずに、飛び散る墨汁のようなエーテルをすべて吸収したタンザナイト....いくら何でも術法のエーテルを吸収するなんて聞いたことないよ!?
『......』ズズズ....
「何と言う事だ......流石の私でもちょっと泣きたいぞ」
「し...師匠!」
「っ!――ぐあっ!?」ドンッ!
『師匠(お師匠さま、お師さん)!!』
タンザナイトは急速に接近し、師匠の首元を掴み、地面に叩きつけた....やばい!やめてタンザナイト!!
『.....っ!』グゥォオォォォッ!!
師匠と馬乗りになり、首を掴んだ手を離し、攻撃を溜め始める....な、なんてエーテルの波動なの.....これがミアズマ.....
「っ.....」
『......』スッ――
タンザナイトが力を溜め終わったのか、師匠目掛けてパンチを繰り出そうとする―――や、やめて....
『......』ゴォォォォッ!!
「―――姉様っ....!」
「やめてタンザナイトっ!!」
「っ.............ん?」
『――――』
「ハァ...ハァ....と、止まった?」
ギリギリのところで、タンザナイトの拳が師匠の顔に数センチで止まった....な、なんで?
『―――.....っ!』
「っ!」
バキッ!!
「っ....たぁっ!!」シュ――シュバッ!
少しすると、再び動き出し、攻撃を開始するけど、師匠はなんとか回避し、そのまま私達の所まで戻って来た。
「お、お師匠さま!大丈夫なんですか!?」
「ああ、なんとか....だが、何故あ奴は攻撃をやめたのだ?」
「わ、分かんない...無我夢中で叫んでみたけど、それなのかな?」
「....よし、福福、少し時間を稼いでくれないか?」
「ええ!?私ですか!?」
自分が抜擢されたことに驚く福福さん...そりゃ驚くよね...
「今私では迂闊に攻撃できないからな...頼りにしているぞ」
「ええ?ほ、本当ですか...?そ、そういうことなら....大姉弟子としてやってやりますよ!」
と、自信満々で応える福福さん....ちょろいな。
「行きますよ、お弟子ちゃん!誤った道を止めるのも姉弟子の仕事ですよーっ!がぉー――!!」
す、すごい!なんだか虎の気迫が見えてきたような気がするよ!
「てやぁーっ!!」バッ
『....』フッ
「そぉーれ!」ブォンッ!
『....』スカッ――ドォォンッ!!
うーん...やっぱり福福さんの攻撃をいとも簡単に回避してる....
「......」ジー....
「もーうっ!いい加減当たってくださいよっ!」ブォン
『.....』スポーンっ!
「ふぇっ!?」
あっ!福福さんが投げた武器を上に流した!そんなこともできたの!?
『....』スッ
「!」
『.....』スッ――――パカァァァンッ!!
「あぎゃっす!?」
そしてそのまま、福福さんの武器を弾き返して、顔面に当てた...うわっ痛そう....
「お弟子ちゃん、いろいろと技術覚えすぎじゃないか?」
「だ、大丈夫福福さん!」
「うう....いつっ...こ、これくらいなんともないです」
『....』ヌッ
すると、タンザナイトが構えらしきポーズを取っていると、ミアズマのエーテルのオーラが全身にあふれ出し、それが赤紫色の虎のような形に変化する。
....な、何て波動なの....福福さんの虎が可愛く見えるぐらい強烈な力....
『『時空真拳
スッ.....ドドドドドドンッ!!
タンザナイトの声が機械のようなノイズ声で言うと、その場で飛び、強力なエーテルエネルギーを数発、虎のオーラと共に福福さんに襲い掛かった!
「ぎょっ...ぎょえぇぇぇぇっ!?やっぱり、ピンチですっ!!??」ダッ!
大きな爆発が数回流れる中、福福さんは涙目になりながらも必死に避ける。なんとか避けきると、地上に降りて、タンザナイトが急接近し始める。
『....』ダッ!
「ひょええええ!?今度はこっちに来ました!!」
「!」
「また止まった!」
『―――』
「ほ、ほぉー....助かりました.....」
「.....」
『―――.....っ!』ダッ!
「って!また動き出しました!?」
「っ!そうか.....もしかすると―――」スッ...
師匠がそう呟くと、札を使って何かを検知している。何か分かったの?
「....やはりな」
「やはり?お師さん、何か分かったのか?」
「ああ、如何やらまだ元に戻す算段が残っているようだ」
「ほ、本当なの!師匠!」
「本当だ....よし、福福戻れ、後は私がやる」
「お師匠さま!後は頼みますよ!」ピュー!
福福さんがそう言うと、私たちのとこへ戻って行き、師匠はタンザナイトへ前に飛び出す。
『....!』
「破っ!!」
ズドォンッ!!
『っ!?』
師匠が懐に入り、勢いのある拳でタンザナイトの腹に強打させ、術法をタンザナイトに流し出す。そんなことをすれば、たちまちパワーアップするはずじゃ....
「さっき私のエーテルを吸収したことが幸いした!術法のエーテルを
『―――っ!?』
そ、そうか!だから、動きが止まったんだ!タンザナイトはミアズマによって暴走してるから、それを何とかすれば、タンザナイトは元に戻る!
「いい加減、戻って来い!馬鹿弟子!!」キュォォォォォォッ!!
『~~~っ!?』
ブシャァァァァァッ!!
やっやった!タンザナイトからミアズマを吐き出すことに成功した!
『―――』
「ハァ...ハァ....」
―聞いて―
「!」
―受け入れよ....真実を.....―
「...今のは」
『――』フラッ
ドシィィィンッ....
っ!タンザナイトが倒れた!
そう思い、私は師匠の所へ急いで向かった...
「師匠!タンザナイトは....師匠?」
「.....」
師匠は何も言わず、自分の手を確認していた....何か、あったの?
「お、お弟子ちゃん!一応、暴走しているお弟子ちゃんですから無事かどうか一旦、確認しないと....」
「...安心しろ、ミアズマがなくなったから、しばらくの間寝ているだけだ」
「ほ、本当ですか!?よ、良かった~.....一時はどうなることかと....」
「....」
「お師さん、どうしたんですか?」
「...いや、何でもない....取り敢えずはここを離れよう」
師匠がそう言い、私達は倒れているタンザナイトを担ぎ、このホロウから脱出した....