転生先はエーテリアス   作:YEX

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こっから先はリン視点で進めるよ。(タンザナイトがダウンしているから)


これから....

side リン

 

タンザナイトが暴走を止め、ホロウから帰ると、もう辺りはすっかり夜だった....一旦タンザナイトを寝かせ、私たちだけでこれまでのことをまとめた。

 

「裏で糸を引いていたのは、讃頌会のだったか....治療という建前で行われていたのは、讃頌会による生贄の儀式....」

 

「なるほど...ロア先生が意図的に虚言を広め、対立を煽っていたのは....人々を欺き、薬を飲ませるためだったのですね。それの行きつくところが、所謂『儀式』であったと。讃頌会め....軽蔑に値する所業です」

 

「お弟子ちゃんの活躍もあって、何とか生贄は間に合いましたが.....ただ、見てることしかできませんでした.....でもそのせいで、お弟子ちゃんが.....讃頌会も、ロア先生も....あたし、ぜっっっったいに許しません!!

 

と、涙目になりながら強く訴える福福さん....そうだね、私も許さないよ。タンザナイトをここまで苦しませた人達を!

 

「ああ!福姐の言う通りだ!あんな罰当たりども、何があろうと許してなるものか!」

 

「うん。いつか絶対にこの落とし前をつけさせるけど.....まずは次の狙いを阻止しないと。ロア先生が『治療』したのは、あの場所にいた人たちだけじゃない....今も沢山の人達が、命の危険に晒されてるの。今はタンザナイトは寝ているから、みんなの侵蝕症状は対処できない....いつ一線を越えてもおかしくないから.....被害者がどれくらいいるか、急いでハッキリさせないと!」

 

「...いっそのことお弟子さんはずっと寝といたほうが安全だと思いますが....」

 

「おい...!兄弟子!おまえ、なんてことを....」

 

「だってそうでしょう...?話に聞くと、お弟子さんはミアズマによって暴走しているんです...これで侵蝕症状の患者のミアズマを吸って、また暴走したら彼だけじゃなく、我々雲嶽山の不評も広がってしまう....そうなれば、お終いです

 

「むむむ.....」

 

うう....確かに、葉さんの言う事は分かる....また暴走してしまえば、今度は止められるかわからないし....

 

「とりあえず今は、讃頌会の次の目的を知ろう....そうだ、ロア先生の診療所に手がかりがあるかもしれない。まずはあそこに行ってみるのはどうだろう?」

 

「うん、私が行ってくるよ。手がかりがないか調べてくるね」

 

「お弟子ちゃん、危ないからあたしも一緒に行きます!讃頌会の人達が出てきたら、お弟子ちゃんの分も福福の鉄拳をお見舞いしてやりますよっ!」

 

と、根気強く言う福福さん。なんて頼もしい存在なんだろう....なんだか安心してしまう。

 

「潘、釈淵、労働者達にこのことを知らせて来い。これ以上被害者が増える前にな」

 

「ええ、僕と潘にお任せください」

 

「あいあいさぁ!すぐ互助会に連絡を取って、真実を伝えてくるぞ!」

 

そうして、各自行動し、私と福福さんで診療所へむかった。

....到着して扉に手をかけると、ドア鍵をかけておらず、中には一人もいない状態だった。

 

「うーん....だ~れもいませんねぇ....いつそ、讃頌会の手先が出てきたら懲らしめてやれたのに~....!」

 

「姉弟子さん?ほんとに讃頌会の人達が出てきちゃったら、帰ってややこしくなるんだから!にしても、ここにあるものは、そのままにされてるみたいだね。特に壊されたりもしてないし....」

 

「まぁ、こんなに早く薬のことがバレたあげく、ホロウの奥まで踏み込まれるなんて....向こうも思わなかったのかも。じっくり探してみよ。きっと手がかりがあるよ!」

 

そう言い、私達はせっせとロア先生の机や棚など調べるが、大したものはなかった....

 

「うーん....引き出しを見てるんですけど、たいしたものは入ってないですねぇ~....小銭とガラクタがちょっとだけ...まあ大事なものはそうそう、こんなとこに置きませんよねぇ~」

 

「引き出しの裏は見た?ストリートでブイブイ言わせてる友達がね、よくそういうとこにものを隠してるから.....」

 

「うーん....見てみますねっ....あっ!ほんとに隠しスペースがありました!中にはIDと、これは....メモリディスクです!役に立ちそうですかね?お弟子ちゃん」

 

「うん、ひょっとしたら手がかりかも!とにかく持って帰ろ!」

 

「はいっ!無駄足にならなくてよかったですねぇ~!」

 

他に手がかりがないことを確認し、その場を離れようとした時、見覚えのある姿が現れた。

 

「あれ、リンちゃん...ロア先生には会えたんスか?」

 

「あれ、狛野くんだ?どうしてこんなとこに?」

 

「実は....パロが、病院に運ばれてきたんスよ....他のメンバーも大量に運ばれてきたんス。幸いホロウでの侵蝕はなかったんスが....疲労で倒れていると言われてたんスよ。リラちゃん、とっても悲しそうな顔をしてて....だから、一体何があったのかロア先生に聞こうとしたんだが....何かあったんスか?」

 

「うん....実は――」

 

私は狛野くんにホロウの中で起こったことを話した。そして、『解脳水』の真相について簡潔に説明した。

 

「はあ?そりゃどういうことっスか...!?讃頌会とかいう連中に...ロア先生まで....?んなもん...んなもん、ぜってぇ許しちゃいけねぇでしょうが!一体それでタンザナイトさんがどれだけ苦しんでいたか...!」

 

と、狛野くんが怒りをあらわにしているのを私は落ち着かせる。

 

「気持ちはすっごくわかるよ。でも、ここは冷静になってほしいの。ねぇ狛野くん、今までにあの薬を飲んだことがある人たちに伝えて!もう絶対に騙されちゃ駄目だって!」

 

「そうなんですっ!あたしたち、もっとたくさんの人達にこのことを知らせなくちゃいけなくて!」

 

「....押忍、ジブンにも手伝わしてください。みんなに伝えてきます!犠牲者を増やさないのが先決っスもんね....こんなひでぇこと、二度とさせてたまるかよ!

 

そうして、狛野くんと別れ、私達は急いで適当観へ戻って手がかりを調べることにした。

戻ってみると、お兄ちゃんが出迎えてくれた。

 

「リン、調査のほうは何か分かったかい?危険な目には遭わなかっただろうね?」

 

「危ないことはなんにもなかったですけど、たいしたものも見つからなくって...診療所で見つかったそれっぽいのはこのメモリディスクだけなんです。中身もなんなのやら~....」

 

「よし、僕が中身を解読してみよう。」

 

そう言い、福福さんがお兄ちゃんにメモリディスクを渡した...あっそうだ。

 

「そうえば、タンザナイトの容体は?」

 

「タンザナイトはまだ眠っている....相当負荷がかかったんだろう....」

 

「そうなんだ....潘さん達は?」

 

「このあたりの労働者には伝えましたが....やはりそう簡単には受け入れてもらえませんね。『ポーセルメックスの流したデマだ』と、取り合ってれなかった方もいました。」

 

「ああ。あのロアとかいうヤブ医者、ずーっと前から労働者達に吹き込んでやがったんだ!『TOPSはきっと、あの手この手でお前らの治療を阻んでくる。どんなネガキャンも、ダミアンが捏造したやつだから信じるな!』ってな!用意のいいこった」

 

「そっか.....讃頌会が仕込みを始めたのは、昨日今日のことじゃないみたいだね。そんな風に信じ込ませて、こんなに沢山の人を巻き込んで.....」

 

「安心してくれ。おれたちを信じて、みんなに伝えると、請け負ってくれた人もいるぞ」

 

そうなんだ....よかった、私たちのことを信じてくれる人がいて....

 

「幸い、お弟子さんが治療した患者が多数いたので、何とか他の人達が取り合ってくれてますが....この時間はまだほとんどの労働者がホロウにいますから、広めてもらうにしても、交代まで待つ必要があります。それにエリックさんや互助会の方々に連絡しようとしたのですが、彼らもホロウにいるようでして....」

 

「大丈夫。エリックさんたちの誤解さえ解ければすぐにたくさんの人達に広まる....そうなったら、きっと私達のことをみんなに信じてもらえるはず!」

 

「その通りです、お弟子さん。ですが、僕にはもう一つ考えがあります。此度の真相を、ダミアン氏に知らせるのはどうでしょうか」

 

ええ...ダミアンに?どうして?

 

「あれでも、企業から衛非地区における責任者を任された人物です。情報を広めるうえで、効果的な手段を持っているかもしれません」

 

「つってもよぉ、兄弟子ぃ....ヤブ医者が何を吹き込んだにせよ、ダミアンのやつに人望がないのは元からだぞ。あいつを頼っていいもんかね?」

 

確かにそうかもしれないけど....時間がないし....

 

「大兄弟子の言う通り、讃頌会を止めるためなら、動かせる人は総動員していかないと。ダミアンを完全に信頼したわけじゃないけど....讃頌会を止めるなら、あいつの力でも借りたい気持ちかな!」

 

「そう、ですね...お師匠さまにも聞いてみましょうか...ってあれ?お師匠さまは?」

 

あれ?ほんとだ。一体どこに....

 

「お師さんなら、お弟子ちゃんのとこでずっと看病しているようだが....そういや、ずっ、ホロウを出てからずっとご様子がおかしかった気がするなあ」

 

「そうですね....ずっと浮かない顔をされてて.....あんなお師匠さま、あたし見たことありませんでした」

 

「まさか、ホロウでミアズマに立ち向かったとき、侵蝕をくらってしまわれたのか?」

 

「そ、そんなことあるはずがないですっ!お師匠さまは、そんなやわじゃありません!」

 

「憶測はよしましょう。とりあえず、今はこれからのことを考えましょう」

 

「そうだね....師匠、大丈夫かな....」

 

そんな思いを持ちながらも、讃頌会やロア先生を止めるか話し合い続けた....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「タンザナイト、お前さん目が覚めているだろ」

 

『.....気づいていたか』

 

「ああ」

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