転生先はエーテリアス   作:YEX

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2.1の事前情報見た一言....ふふ、メックス!!




side タンザナイト

 

ミアズマに感染から記憶がない自分が目覚めたのは....適当観の天井だった。そこには、リン達がいて、釈淵さんにホロウで起こったことを聞いていた....

 

ロアについて、讃頌会について、そして....俺がミアズマに感染したところについても.....俺は、その話を聞いて、俺の感情はグチャグチャに混ざっていた.....数分も経つと、師匠が入ってきて、横にすわると、口を開いた。

 

「....タンザナイト、お前さん、起きてるだろ」

 

『....気づいたか』

 

「ああ、エーテルの波動が動き出したからな」

 

『....そうか』

 

「『..........』」

 

お互いに無言で見つめ合うと、師匠のほうから話しかけてきた。

 

「....実はお前さんに聞きたかったことがあるんだ」

 

『なんだ?』

 

「タンザナイト、お前さんがミアズマに触れた時、何か変わったことがおきなかったか。例えば....過去の光景がみえたり、といったような」

 

『...そうえば、確かに記憶の一場面みたいなのがみえたな....』

 

母さんと父さんと一緒にご飯食べたり、遊園地につれていったり....ここに残りたい、そんな楽し気なものがあったけど....最後の時だけ、なんかおかしかったな.....まるで別の人の記憶を見たような...そのことを師匠につたえると、師匠はすこし悲し気な表情をした後、話してくれた。

 

「やはり、お前さんにも見えたか....」

 

『?....師匠は何か知っているのか?』

 

「それは...私の記憶の断片だ」

 

『!....あれ師匠のだったのか?』

 

最期の場面の記憶は師匠のものだったと分かり、驚く俺....そのことを師匠は説明してくれた。

 

「私がはじめてミアズマと....それにあてられた人間に出会ったのは、随分昔のことだ。お前さんが言ったように、彼らも温かな思い出と美しい過去に浸っていたそうだ。ミアズマから離れたくないと言うやつまでいた」

 

「だがそのまま放っておけば、美しい思い出はやがてただ誇張された夢となり....少しずつ自分の意思では抜け出せなくなる。そうして完全に侵蝕されていくんだ」

 

『幻覚って聞いて、師匠がすぐに薬とミアズマを結び付けたのはそう言う事だったんだな....』

 

「そうだ。私も当時、ミアズマの侵蝕を受けたことがあったからな。ただ....私が見た幻覚は皆と違ったんだ。それは温かい思い出などではなく、冷たい残酷な記憶だった」

 

『残酷な記憶....それが俺が見た師匠の断片だったんだな』

 

師匠はしばらく沈黙した。次に紡ぐべき言葉から意図的に逃げてるみたいに....そうして、やっと師匠の口が開く。

 

「タンザナイト、かつて私はこう言ったな。衛非地区にいる労働者の多くは、旧都陥落のときに雲嶽山が助けた人々だ。だがその後、雲嶽山は適当観を....衛非地区を放棄し、そこに住む人々の一切を気に掛けなくなった。それどころか、あの場所をTOPSが支配することを許したんだ。これは全て、我ら雲嶽山がかつて犯した過ちに起因する」

 

『過ち...?』

 

旧都陥落だ。あのとき、雲嶽山は軍の緊急招集を受けて山門を開け放ち、門下総出で作戦に協力した。にもかかわらず結果として任務は失敗し、雲嶽山の十二代門下生は全員が零号ホロウの中で犠牲となった。....私を除いてな

 

『....っ!』

 

「これにより雲嶽山の伝承が殆ど失われたばかりか、任務の失敗はTOPSにも財政的損失をもたらした。死に人である先代宗主は、それでも責任の追及からは逃れられず、最終的に我らは、TOPSと協定を結ぶこととなったのだ。雲嶽山は衛非地区から退去し、その代わりにTOPSが輝磁生産のかたわら、難民の収容を引き受ける....」

 

『じゃあ...さっき見た記憶の断片の人物って.....』

 

「ああ。先代宗主、儀降(イーシャン)だ.....」

 

師匠はまたしばらく沈黙する。彼女が二の句を継ごうとした時、突然、適当観の外から悲鳴と騒々しい声が聞こえてきた。

 

『な、なんだ?』

 

「外で何かあったようだ....見てくるが、お前さんはここで大人しくしていろ。まだ病み上がりだからな」

 

『だが....』

 

「心配するな。お前さんはちと働きすぎだ。しばらく、これからのことを考えておけ」

 

『これから?』

 

「ああ。あのホロウを通して、今自分がどうなるべきか....それを考えろ。じゃあ行ってくるから、話の続きは終わってからだ」

 

『....』

 

師匠はそう言い、外へ出た.....その姿を見つめ、再び俺は布団にくるまった。

 

 

 

 

 

 

『自分が....どうなるべきか.....』

 

~~~~

side 儀玄

 

私が部屋から出ると....街の中に散らばったエーテルが漂ってくるのがわかる。

....何故だか分からんが、何かやばい状況のようだ....

 

「うわぁぁぁぁっ!?」

「きゃぁぁぁっ!!」

 

「ぐわぁぁぁぁっ!?」

 

外へでると、人々の叫び声が鳴り響き、火事や物の崩壊など、目で分かるほどの災害だった....

 

「まずいな、皆の侵蝕症状が暴走し始めた....」

 

私は急いで、近くの苦しんでいる市民に様子を見た。

 

「痛い...全身の骨が痛む....どうしていきなり....侵蝕症状がここまで....?ちゃんと解脳水を飲んできたはずなのに.....定期的に飲めば治るって、ロア先生も言っていたのに....今日はむしろ前よりもひどくなってる.....」

 

「深呼吸しろ、私が助けてみせる」

 

私は、患者の体内にあるエーテルの流れを感じ取り....徐々に外へと送りだしていった。

――よし、これで侵蝕症状を一時的に抑えられたはずだ。たが....

 

「皆の侵蝕症状は悪化し続ける一方だ....急いで食い止めなければ。早くしないと、手遅れになってしまう....」

 

そうして、私は次の侵蝕症状を起こしている人へ向かっていく....

 

「えっと....君....雲嶽山の先生か?頼む助けてくれ!骨まで焼かれてる感じがするんだ....体の中に熱く溶けた金属が流れてるみたいで....ぐあぁぁ!あの儀式から逃げ出せば大丈夫だと思ってたのに....症状が更に悪化するなんて....」

 

「持ち堪えろ、私が何とかする」

 

そう言い、さっきもやったように、患者の体内にあるエーテルの流れを感じ取り、徐々に外へと送りだしていった。

――これでまた侵蝕症状を一時的に抑えられたはずだが....流石に多い....

 

「大変ですっ!みんな、次々に侵蝕症状が出ちゃってます!こ、こんなに沢山.....全員なんてとても助けられませんよぅ!でも早くしないと、あの人たちからどんどんエーテルが出て街全体が覆われちゃいます!」

 

と、福福が慌てた様子で言ってくる.....タンザナイトがいれば、なんとかなるだろうが....だが今は病み上がりで、負担をかける訳にはいかない...なら....

 

『アレ』しかないか.....皆、近くに寄れ!このエーテルを調伏する術がある」

 

全員が集まると、私は手を差しだすように言い、その掌に呪符の印を残した。

 

「これをもって方々へと散り、そこらにエーテル共振の印を置いて来い。しかるべきところに全て置かれ次第、私が()()()()()エーテル同士を共鳴によって散逸させる。人々の侵蝕を和らげることができるはずだ。準備が終わったら知らせろ、いいな?」

 

『はい!』

 

「では行け!陣を敷いて来い!」

 

そうして、皆散り散りになって、陣の準備を始めた....

 

「お師匠さま、準備が整いましたっ」

「こちらも配置に着いた!」

「師匠、準備はできています」

「私も準備オッケーだよ」

 

「よし、そろそろ始める頃合いだ」

 

陣が完成し、各々の準備が整うと、私は呼吸のリズムを丁寧に整えていく....周囲の時の流れまでもが、緩やかになったように感じた。

 

「頃合いだ....今はこの方法しかないからな、これ以上ためらうことは許されない。心念至るところ、万物を空にして明らかにせん。穢塵皆清、無痕無影。

 

「皆、いいですか?――開!」

 

『はっ!』

 

皆、呪符を一斉に地面に叩きつけると、光柱が四本現れる。

 

「無象の気を集め.....穢れを祓わん....っ!」カツッ!

 

その四本の光柱を繋ぎ合わせ、一つの四角い箱にする。

 

「.......はっ!

 

そして、この結界の中に入っている患者のエーテルを操り、外へ放出させる。

 

「....起っ!」

 

そして、その放出したエーテルを集めて、操作し、私自身でそのエーテルを受け止める。

 

「――――っ!!」

 

ぐっ....なに....タンザナイトが体を張っていたんだ.....これくらい、なんの....!

 

「息子が...助かったわ!」

「ああ、ありがとう!」

 

人々が感謝しているところを見て、私はもうひと踏ん張り、このエーテルを受け止める。

 

「―――――はっ!!パァァァンッ!!

 

エーテルが黄金に輝いて散ると、侵蝕していた患者がすべて和らぐ。

 

「侵蝕が和らいだわ!」

「僕たち、助かったんだな!」

 

「ハァ....ハァ....」

 

何とかなったが....ぐっ...流石にきついな....

 

『師匠(お師匠さま)!』

 

すると、皆が私の所へ集まった....

 

「やりましたね!地区内のエーテルはほとんど消散しましたよっ!侵蝕症状が現れていた人たちも治っていってます!さっすがお師匠さま!」

 

「我らの雲嶽山に、このような術法があったとは....」

 

「えっへへ!あとで絶対お師匠さまに教えてもらわないと!いいですよねっ、お師匠さま!福福、きっと真面目に勉強しますよ!練習も毎日しますから~!」

 

「ゴホッ....」

 

...いかん、思ったよりミアズマのエーテルが多かった.....

 

「お、お師匠さま!?」

 

「お師さん!どうしたんだ!」

 

私は体がふらつき、隣にいたアキラが急いで支えてもらった....

 

「大丈夫ですか?一体どうしちゃったんです!?」

 

「なに、術法の副作用が来ただけだ....もし私がまた思うように動けなくなっても....リンの指示を仰ぎつつ、引き続き讃頌会の動向を追え。末の弟子ではあるが、その分気が利くこともあるだろう。何より、ホロウを良く知るしいう意味では、ここで彼女に並ぶ者はいない....ゴホッ....ゴホゴホっ!

 

「お師匠さま...ひとまず休んでてください!」

 

「その通りだ!あとのことはお弟子ちゃんと俺たちに任せてくれ!」

 

「お前さん達は、先に侵蝕症状の出た者たちを助けて来い。私はこのまま、タンザナイトの方へ様子を見るため、もどるとするさ」

 

そう言い、後のことは弟子に任せ、私はタンザナイトの所へ戻って行った.....

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