side タンザナイト
それは、師匠がミアズマのエーテルに侵されていた時のこと....
「『中和作用』....だと?」
『ああ、俺は今まで、ミアズマを如何にかするには、俺のエーテルエネルギーで殺すしかなかったが....それだと、大量にエネルギーが消費する羽目になり、戦闘時にガス欠になりやすくなる....だが、俺のエネルギー.....もとい細胞をミアズマと結合して無毒化することで吸収できるし、これを機にミアズマに感染した人たちを治すことだってできるはずだ....』
「....だとしても、それは可能なのか?――ゴホッ...」
『実際俺はミアズマに感染したことがあるから可能性は低くはない.....だけど、成功するとは限らない。もしかしたら、俺の細胞は、またミアズマに負けてしまうかもしれない.....』
「.....」
『どうするかは師匠、あなた次第です』
こればっかりはどうも、やってみないと分からないからな....師匠は黙って考え、口を開いた。
「....分かった、タンザナイト。お前さんを信じてみるとしよう」
『師匠....!』
「お前さんの姿を私はずっと見ていた...人々を助けるために危険だと顧みず動いたこと...お前さんの人当たりのよさ....そしてそれを実現するための力....そんなお前さんがいうんだ、師匠として、信じる価値は十分にある」
『師匠.....分かった、絶対に成功させてみるよ!』
そうして、俺は師匠の体に俺の細胞を注入させ、師匠の体に入っているミアズマを中和するため、奮闘する。
side 儀玄
「ぐっ....ああっ!」
『師匠、大丈夫か?』
「ああ....苦しいが....だいぶ楽になった.....」
私はタンザナイトの細胞が私の体にあるミアズマと退治している真っ最中、冷や汗を出しながら戦っていた。
ぐっ....やはり、普通にはいかないか....!
―儀玄、あなたは...私やみんなとは違う―
「っ!この声は.....」
これは...ミアズマの幻聴か?姉様の声が私の耳にこだましていた....
―あなたの才はみんなを守る武器になる.....いずれ私達より遠くへ.....―
やめろ!これは....ミアズマの見せる幻だ!!
「....ハッ!?」
次に私の目に映ったのは...真っ白な世界に黒い墨の土台に立っていた....すると、そこには『青溟鳥』がいた....
『見知らぬ人...』
「っ!これも....幻か?」
『妹に伝えてほしい....』
「あるいは....記憶?」
『あの子の姉は偉大でも....高潔でもなかったと....今夜、悲劇を止めないと.....私の儀玄がエリー都と共に散ってしまう.....』
「....姉様」
姉様は....私のことを.....
『世の為でなく、あの子のため.....儀玄のため....』
「っ....!」
『どうか生きて....それが、私たちの約束.....』
「っ......」ツー.....
そこで私の見たものは途絶えてしまった.....私が一粒涙を流したその時にはもう、ミアズマに感染していた苦しみはすっかりなくなっていた。
『し、師匠?大丈夫か?』
「....ああ、大丈夫だ。少しばかり、姉様を知った....」
『?』
姉様....こんな形であなたを識り、あなたを成るとは......見ててください。雲嶽山第十三代宗主....儀玄。世の諸悪を、灰燼に帰します....!
~~~~~~
side タンザナイト
『ふっ!!』バシュシュシュ!!
所変わって、今司教と対立中、司教のミアズマを完封した俺は、すかさず司教に向って、手の甲から、針状の結晶を飛ばした。
『うっ!?』グササッ!
『.....』
司教の体に刺さり、その後数秒で体にの中に入っていった。
『くっ....?何でしょう、痛みは一瞬だけでしたが....何ともないようですね......まぁいいでしょう―――効かないなら八つ裂きにするのみです!』
と、司教は剣にミアズマを纏わせようとするが....
『はぁぁぁぁっ....!な、何ですかこれは....主の加護が.....消えて...』ズルズル....
「あっ!あの人、体からミアズマが出て来てますよ!!」
「こりゃあ一体....」
思ったように力が出ず、それよりか司教の体に纏わりついたミアズマがでろでろに落ちてきた。その姿は、初めて会った時の白い礼拝の服の姿に戻っていた。
「馬鹿な...私の体に、何をしたんですか!!」
『さっき打ったのは、俺が....命を懸けて作り上げた、
「何ですって...!」
「嘘っ!?タンザナイトの細胞ってそんなこともできちゃったの!?」
「もういよいよエーテリアスっていう種族からはみ出してきたぞ」
「ふっ....始まりの主とやらに見てもらうがいい....讃頌会の陰謀が終わるところを!」
「おのれ異端者め.....いや、タンザナイト....タンザナイトォォォォッ!!―――っ!!」
「『......』」ギュゥォオオオオオオッ!!
怒り狂う司教の前に、俺と師匠が片手の右手と左手を互いに上下を支え合う構図で白と黒のエネルギー体を作り出す。*1
「す...すごいエーテルの波長.....これがタンザナイトと師匠の合体したわざなの....」
「いや、凄すぎですよっ!?」
「行くぞ、タンザナイト。世の諸悪を、灰燼に帰す!」
『ああ!行きますよ、師匠!!』
「なっ!まっ―――」
「『『
ドリュリュリュリュリュッ!!
二人の息の合った攻撃は、極太のビームを放ち、司教をエーテルエネルギーに包み込む!
『いっけぇぇぇぇぇっ!!』
「ぐぁぁぁぁぁぁっ!?」
カッ―――ズドゴォォォォンッ!!
「お....のれ....雲嶽山......タンザ....ナイト....!これで.....勝ったと....思わないで....くださいよ....!
主よ.....再創を.......」
それだけ言い残し、エーテルエネルギーの渦に巻き込まれ、消滅した.....すると、先ほどまで濃ゆかったミアズマが徐々に消えていった....ホロウの中は依然として危険に満ちているものの、暗闇の中に渦巻いていた悪意が退いていくのを感じる。
『フゥ.....勝った....勝ちましたね師匠!』
「ああ、お前さん本当によくやったぞ」
「タンザナイト!!」
『ん?....あがっ!?』
「もう!ほんとにほんとに心配したよ!!もしかしたらまたミアズマに....って!」
『ちょ...ギブギブ...苦しい、リン』
「まったく、お弟子ちゃんも無茶するな....」
ひとまず周囲の様子を確認した後、雲嶽山のみんなは閉じ込められていた人々をホロウから送り出し、治療を施した。
讃頌会の陰謀に終止符が打たれ、長き夜にも、一筋の暁光が差し込んできた。
ねじれポイント
儀玄の覚醒イベはタンザナイトの進化と前倒しになった