あと兄弟子....お前、きえるのか?
やだやだやだ!消えてほしくない!最初なんか裏切りそうと思ってたけどイゾルデみたいに消えないでほしいよ!
ヘェェェェェェェィ!!アァンマァリダァァァァ!!
ふぅ....(うわぁ!急におちつくな!)
side タンザナイト
朝起きて、外へ出てみると....シードがスタンバっていたので声をかけてみた。
『あれ、シードじゃん』
「やっほ~プロキシ君、騎士君、おはよ~!今日は『脱走大作戦』の打ち合わせに、プロキシ君達を招待しに来たんだ!」
「そろそろ市民の避難を始めるの?」
「んー...まあ、つまらない言い方をするとね、プロキシ君達を今日の作戦会議に連れて行くために来たんだ。確かに市民の避難とかなんとかに関することだよ」
『んじゃ...早速行くとするか...』
シードと一緒に、澄輝坪の広場へ向かった...
『『シード』隊員、プロキシ君、騎士君!来たか!これでオボルス小隊は全員到着だ。大佐、作戦会議を始めてくれ!』
「....」
鬼火が報告すると、イゾルデが手を振り上げると、さっきまで騒いでいた兵士たちが静かになった...
「『オブスキュラ』と呼ばれるエーテル実験装置は、かつてポーセルメックスと讃頌会によって、ホロウと衛非地区の双方にかなりの量が設置された。『サクリファイス』を収容して成長させるという特性をオボルス小隊が発見し、この事態は他の部隊によっても確認されている―――以上が、私達で把握している情報だ。」
「そして今この瞬間にも、衛非地区に、未処理の『オブスキュラ』が大量に眠っているこれまでのと調査では、ホロウ以外のオブスキュラにもサクリファイスが潜んでいるという証拠は見つかっていないが....」
「市民の未知のリスクに晒すわけにはいかない...でありますよね?イゾルデ大佐?」
「その通りだオルペウス隊員。よって我々は、この『ホロウ災害』を対処すべく、澄輝坪市民の避難誘導を開始する。オブスキュラをすべて排除するまで、市民たちは、都市部まで避難してもらおう。避難誘導そのものには、少将直属の主力部隊があたる予定だ。オボルス小隊には、遊撃部隊として、緊急時に迅速な対応ができるよう、待機を命じる」
『遊撃部隊、か...つまり好きに動けということだな』
「だれが自由行動だと言った。いつでも動けるようにスタンバイしていろということだ、『鬼火』隊長」
『はっ、了解であります大佐ぁ!オボルス小隊は鉄の意志で、不断の待機を貫き通す所存です!』
と、何か高らかに喜ぶ音程で言う鬼火...あからさますぎない?
「わたしも『鬼火』隊長を見張るよ!オボルス小隊が『自由』に行動しちゃわないようにね」
「何やら、君達の言動に
『言われるまでもない!彼らは我々の『VIP』様だからな。そうだろ?プロキシ君達』
「『VIP』と言えば....ロレンツ少将とルクロー氏を筆頭としたポーセルメックス上層部も、市民と共に衛非地区から退避する」
『フン、お偉いさんどもは逃げるのが待ちきれないと言った感じだな』
「それだけ、サクリファイスという潜在的脅威を無視できないということだろう。『お偉いさん』にも各々考えがあるということだ....」
多分金儲けしか考えてねえぞ、そいつら....
「さて、私はそんな『お偉いさん』の避難に向けて、準備を進めてくる。オボルス小隊は解散してよし」
『イゾルデ....』
「まだ何かあるのか、『鬼火』隊長?」
『イゾルデ大佐。もし私が、お前の命令に従わなかったとき....お前はこの銃を許すだろうか...?』
と、鬼火らしからぬ弱気な態度でイゾルデに聞いてきた。
「隊員の前で言うべき冗談ではないな。だが....君の決断である以上、きっと、『納得がいく理由』があるんだろう」
「仰る通り、そうなったとして隊長には、きっと隊長なりの理由があるはずですであります!」
「オルペウス隊員、隊長と命令に違反する気は満々のようだな?」
「ええっ!?あえと、自分はただ....」
『コホン...こいつが命令に違反しないよう、私が目を光らせておく』
「ふええっ!?」
哀れなり、オルペウス....
「何があろうと、私達は同じ道を歩む戦友....そうだろう、『鬼火』隊長?」
『...当たり前だ』
「それを聞いて安心したよ」
そう言い、イゾルデの『解散!』の号令と同時に、広場に集まっていた兵が次々と離れていった....
すると、オルペウスがコソコソと俺たちの名前を言う。
「プロキシ殿...騎士殿っ!」
「コソコソしてどうしたの?オルペウス。そんなことしていたら怪しまれちゃうじゃん」
「隊長からの伝言であります...!『一緒に行動すると目立つから、後で密かに合流しよう』とのことです」
『いや隊長後ろにいっけど?』
「...隊長は声が大きすぎて、内緒話に向いていないからであります....!」
うーん、納得....そうして、オルペウス達と一緒にロープウェイ駅に向かう。
向かう途中で予想していたどおり、避難する市民たちが混雑していた...
『プロキシ君、騎士君、今の話は聞いたな?オボルス小隊の撤退における任務は『不断の待機』だ』
「つまり、自分たちが今からこっそりホロウに入って行動しても、誰にも気づかれないのであります!」
『コホン....なにが『こっそりホロウに入って』だ!衛非地区にいる市民の安全を守るため、秘密裏にホロウにて調査を行うんだ!』
「隊長の仰る通りでありますっ!」
『撤退する中で混乱は避けられないだろうが、それこそが我々の出撃する好機だ!』
「なんだか自分たちに色々と好都合でありますね...?もしかしてイゾルデ大佐、自分たちがやろうとしてることを知ってて....」
『まあ、可能性としてはあり得るな』
なんか薄々察してはいた様子だったし....と、思っていると鬼火が怒りながら言う。
『フン、あの女には関係ない!仮に見つかったとして、軍令違反の責任を負うのは私だ!善は急げだ、準備が整い次第出発するぞ、プロキシ君、騎士君!』
『おう!』
そうして、俺たちはホロウの中へ進んだ。
~~~~~
「今日この時が...なんとあの頃に似ていることか」
「上に立つ者にとって、私達の命は勝利を掬い上げ味わうための道具に過ぎない」
「『庶民』も『兵士』も....大いなる獣たちが潰し合うなか、足元にいただけの塵芥なんだ」
「何も終わってなどいない、オルフェウス」
~~~~~
ある場所まで着くと、ここは以前俺たちが掃討した拠点あたりだった。
「あれ?讃頌会の隠れた拠点を探していたはずでは...どうしてまたここに戻って来たのでありますか?」
「実はね...『Fairy』の計算だと、『盲点』のあった座標に最短で辿り着ける裂け目が、丁度このエリアにあるみたい。つまり私達、みすみす目の前で讃頌会に逃げられちゃったってことになるね」
『チッ。ロレンツ少将とルクローの横やりがなければ、とっくに気づけてたかもしれないものを....』
「裂け目はこの付近にあるはずだ。『Fairy』の計算では、これ以上の精度は望めない。あとはみんなの眼で確かめてもらうほかない。」
『各員、行動開始!任務目標は、周辺に存在する空間の裂け目だ!』
「はっ!『鬼火』隊長!」
そうして、探索を開始すると、丁度裂け目があったので、奥へと進むことにしたのであった。
[一つ目の回折信号源を確認―――]
「二つ目の信号源を見つければ、正確な座標データをキャリブレートできるよ....」
『存在しない専門用語でハッタリをかまそうって魂胆じゃなてだろうな?本当は、裂け目の位置が記されたマップをとっくに用意しているのでは?』
「ちょっと、私のプロキシとしての腕を疑わないでよ!....でも、このデータの誤差...なんかきれいすぎるんだよね....まるで....意図的に仕掛けられた謎解きみたい」
『えっそれ大丈夫か?罠とかじゃない?』
「うーん...でもやってみないと分からないし、行くしかないよね」
そう言い、俺たちは探索していると、二つ目の信号源が発見し、ボンプを使って装置を解読させる。
[装置の動作プログラムを解析中....]
「この装置....ミアズマを誘導して集めてるみたい」
『そんなことまで分かるのか?』
「あちらさんのエンジニアが、丁寧にコメント残してくれてるからね。『最後の牲祭』...『ミアズマを活性化させる大規模実験』....」
何やらやばい項目が聞こえたようながするが....リンの考えが大方まとまったのかそのことを伝え始める。
「讃頌会はミアズマを沢山必要としてるし、きっとこの装置が鍵なんだよ。讃頌会の拠点にミアズマがいっぱいあるのも、これのせいだったりして」
[解析完了、装置の位置を特定しました。H.D.Dへアップデート中....]
「『盲点』の座標、見つけたよ!」
『おお、マジかっ!』
[裂け目の座標を特定中―――]
「おい...そこの部隊!」
『...ん?』
突然声をかけられたので、振り向くと―――そこにはロレンツ少将の直属の部下が現れた!
.....いや何でここにいんの?