side タンザナイト
奥へと進んでいくと、トリガーが何かを察知する。
「近くに起動されていない『オブスキュラ』を発見しました」
「怪物たちは、あの装置から出てきたのであります!」
『このあたりの『オブスキュラ』を破壊するぞ、禍根はここで断つ』
『おう!―――『羅戦 グングニル』!!』ギャルルッ!
「『ビック・シード』、いっくよ~」ドドドドド!!
『!?』
出てくるサクリファイスを撃退しながら、『オブスキュラ』の活性を鎮圧する。
「『オブスキュラ』の活性が失われたことを確認しました」
「この『オブスキュラ』の位置は....大佐の情報にはありませんでした」
「情報に洩れがあるかもな....プロキシ君、周辺の『オブスキュラ』を探してくれ」
「うん、分かった.....ん?」
『.....』
「どうしたの、タンザナイト?黙り込んじゃって」
『....ん、あ、ああ....ちょっと考え事を....』
「?....いいけど、あんまり無茶しないでね?」
『ああ、分かってる....分かってるさ...』
どうにも、イゾルデが讃頌会と繋がっているとしか考えられない....もし最悪の場合が起こったとしたら.....
『っ!おい、サクリファイスが来るぞ、警戒しろ!』
『っ!.....今はこっちに集中するか』ジャキッ
と、俺は一旦片隅において、サクリファイスを退治する。
『ホロウの外で活動できる怪物か....恐ろしい武器だ』
「うう....騎士殿みたいに友好的なサクリファイスはいないんですか?」
『敵意むき出しの時点で察しろ』
「....本当、タンザナイトみたいなのが奇跡なんだよね....」
ホントにな、と呟きながら襲い来るサクリファイスを倒し、先へ進む。
「ロレンツ少将は、この先に撤退したのであります」
『引き続き前進だ。気に食わんやつだが....危険な目に遭わせるわけにはいかない』
『...ん?おい、あそこのトラックに誰かいるぞ!!』
俺が指を指した方向には倒れている人たちがちらほらいた....すると、見たことある人物が横転したトラックに背もたれていた。
「この遺体は、もしかして....」
『ルクローじゃねぇか....』
「もしかして、少将も....」
『急ぐぞ。失敗した作戦の報告書であれこれ弁解するのはごめんだ!』
と、死体のルクローに軽く合掌した後、急いで先へすすんでいくと....一人の子供がいた。
「あっ....防衛軍のお姉ちゃんたちだ!」
「男の子であります!サクリファイスの襲撃で、山道に閉じ込められたものと推測します!」
『お前は....ダンテじゃねぇか!どうしてここに?』
「フワッ!?....タンザナイトさん!?それにリンお姉ちゃんもここに!?僕、メローや
ここであの
「メローと月は山道から泅瓏囲まで戻れたけど、僕はここに閉じ込められちゃって....」
「もう大丈夫だからね、ダンテ。防衛軍のお兄ちゃんやお姉ちゃんたちが来てくれたから、安全だよ」
「この子とはお知り合いでありますか?」
「うん、この子は泅瓏囲に住んでるダンテ。叔父さんがね、みんなと同じ防衛軍の兵士だったんだよ」
『兵士...だった?』
すると、『兵士』という言葉に反応した。
「ダンテの叔父さんも『鬼火』隊長の仲間たちと一緒に11年前の旧都陥落で戦ったから、それで....」
『そうか...戦友たちの親族だったか』
「戦友....その、鉄砲さん...ていうか、鉄砲のお姉ちゃんは、叔父さんと『戦友』だったの?」
『ああ....坊やの叔父上と私は....戦友だ』
その言葉にダンテは嬉しそうに言う。
「わぁ...!じゃあお姉ちゃんは、きっとすごい兵士なんだね!叔父さんもすごい兵士だったんだって!でも、帰ってこなかった....お姉ちゃんたちは....お姉ちゃんたちは、ちゃんとお家に帰ってね!帰りを待ってる人が...きっといるから!」
『.....』
「勿論でありますダンテくん!ご安心くださいっ!」
『ダンテ君、もし叔父上の仇を討つことができるとしたら.....お前はどうする?』
鬼火...お前....
「か....かたき?でも叔父さんが帰ってこれなかったのは.....みんなを守るためだったなんでしょ?」
『お前の叔父上を死なせた悪を....いや、傷つけた怪物を倒せるといったら、それはお前にとって...慰めになるか?』
「なぐ、さめ.....もちろん、悪い怪物だったらやっつけてやりたいよ!でも....でも、やっつけたからって、叔父さんはもう帰ってこないんでしょ?叔父さんが兵士になったのはきっと、怖い怪物と戦わなきゃいけなくても、みんなを守りたかったからだもん」
「だから僕、怪物を倒すよりも、みんなを守る兵士になって....母さんを泣かせない男になる方が大事だと思うんだ!だからお姉ちゃんも、元気てお家に帰ってね!お母さんとか、弟とか妹さんたちを....泣かせちゃダメだよ!」
『....』
ダンテ君、健気すぎひん?多分エンポリオか早人並みの黄金の精神してるぞ。
『...ああ、そうだな。ダンテ君も早く家に帰るんだ。今頃...お前の母親が、家で心配してるだろうからな』
「ええ、防衛軍と雲嶽山のお兄ちゃんお姉ちゃんたちが、きっとあなたとお母さんを守ってみせるであります!」
「うん、急いで帰るよ!」
無線で援軍の兵士を呼び、ダンテを泅瓏囲の家のほうまで送ってもらうことにした。
「ダンテ君、いい子ですね」
『ああ。ロレンツのゲス野郎は....あんな子の家族を、何人死地に送ってきたんだろうな...?』
「『鬼火』隊長....」
『さぁ、引き続き進むぞ』
『....』
鬼火は声を抑え、静かに進むように命じた。目標は、ロレンツ少将。
静かに怒りを露になっている鬼火を止めながら、ロレンツのところへ着くことができた。
鬼火とオルペウスがロレンツの前に立ちはだかり、イゾルデ大佐の告発を突き付け、対峙する。
「.....『鬼火』隊長、その根拠のないでたらめをどこで耳にした?」
『ロレンツ少将、私が冷静さを欠かない内に、『イエス』か『ノー』で答えろ』
「こ、これは上官に対する深刻な侮辱行為だ!しかるべき裁きの場でも、重罪は免れないだろう!あるいは、こうして俺にあらぬ疑いをかけ、先の独断出撃を有耶無耶にするのが狙いか!?」
『もう一度言うぞロレンツ『イエス』か、『ノー』かだ』
「くっ...!11年前の旧都陥落で、俺が指揮を執った小隊は数えきれない!重圧に苦しんでいたのが、前線にいたお前達兵士だけだったとでも?」
と、睨み続ける鬼火に折れたロレンツは話し始める。
「あのときお前達が喫した敗北の数々が、どれだけ俺の顔に泥を塗ったと思っている!連中の底なしの欲望を満たすために俺がどれだけのものを犠牲にしなければならなかったか...!戦争、政治、そしてこの街の存亡はな....お前たちごときが前線で何かを撃っていれば解決するようなものじゃないんだ!お前の脳みそが...その体に、脳みそのようなものがまだ存在しているのかは知らんが....これを理解できるとは到底思わん。だが、一つだけ忠告しておこう―――忘れるな、お前の後ろには、まだオボルス小隊の面々がいることを」
『....それは脅しか?いくら少将でもちょっとおいたがすぎるんじゃあないか?』
「...やれやれ、どいつもこいつも甘ちゃんめ。この俺と刺し違えようという覚悟は買おう。だが、残される部下のことくらい、考えてやったらどうだ。お前は少々利己的に過ぎるぞ、『鬼火』隊長。仮に何もかも告発の通りだったとして、だからどうしたという話ではないか。俺は清廉潔白さや正義感を武器に、今の地位に就いたわけではないんだからな!」
色々言っていたけど、要は自身の保険の為じゃん....と、思いながらも、ロレンツはオボルス小隊を置いて歩き出す。『鬼火』の引き金は微かに揺れ動いたものの、結局引かれることは無かった。
『.....』
「『鬼火』隊長....」
「『鬼火』隊長...あんたにとって、どれだけ残酷なことだったかはわかってるけど....我慢したのは正しかったと思うよ」
『あいつの言う通りだ、私の後ろには隊員たちやプロキシ君がいる。いっときの感情に流されて、好き勝手をやらかすことはできない。イゾルデもきっとそうさせまいと思っているはず....あいつがこのタイミングで私に真実を伝えたこと、きっと何か理由かあるはずなんだ』
「イゾルデ大佐は今、何処にいらっしゃるのでありましょうか....?」
『.....』
と、遠目からロレンツの会話が聞こえる。
「証拠もなしに、好き勝手言ってくれたものだ....これは評価に響くぞ」
『....』
「これでもう、誰も防衛軍の駐留を阻めんな」
「その通り....」
「!」
ロレンツが船へ向かっていると、その船から見知った顔が現れた。
「あなたはここに留まることになる」
「イゾルデ?」
『...!?』
「撤退するぞ、大佐――今回はお手柄だったな」
「『お手柄』?―――かつて捨て駒にした、あの兵士たちもか...?」
『!―――』スゥゥッ....
「彼らもまた....『お手柄』か!」スチャッ!
パンッ!!
イゾルデが手早い手つきで、ロレンツに発砲した。
『.....』スゥゥゥっ
「っ!....お前は―――」
「えっ!?...嘘、タンザナイト、いつの間に!?」
―――が、タンザナイトが素早く、『時空モード』でイゾルデの発砲を防いだ。
『っ!』バッ
「しまっ」
ドンッ!!
そのまま、イゾルデを掴み、地面へ叩き伏せ、取り押さえる。
「ぐっ....あぁぁぁぁぁぁ!?何故だぁ!何故止める!!」グッ...クグッ
『確かにこいつは救えんクズ野郎だ!正当性など微塵もない!―――だが、やり方が違うだろ!』
「っ!―――来いっ!ストラス!」
『何ッ――』
ビュン―――ドゴォォォ!!
イゾルデが叫ぶと、一瞬炎が光り、取り押さえた俺に激突し、壁に埋め込まれる。
『っ....お前は!』
『久しいな....『蒼光の騎士』』ボボボボボ.....
防御した目の前には炎の翼を纏ったストラスの姿があった。
「タンザナイト!?」
「少将閣下!」
「くっ...撃て!裏切りものだ!」
ロレンツがそう言い、部下に武器を構えさせるが....
『....っと』バリリリリッ!!
『ぐあぁぁぁっ!?』
「....バジリスク」
と、上から蜥蜴の仮面が現れ、尻尾から電撃を放ち、身動きを止める。
『....ねぇ、どうするイゾルデ?』
「....」
『っ.....うぉあぁぁぁぁ!』ドッ!!
『おっと....』バサッ...
「....チッ、撤退だ」
『
ストラスを弾き返したのをみたイゾルデは、撤退する命令を出す。
そして、ストラスも船に戻るが、させまいと追い打ちをかける。
『させるかよ!!』ドッ!
『『
『うおっ!?』スッ
すると、海から無数の牙の形をした弾丸が放たれた。それを回避すると、海からオルカが現れる。
『お前は....オルカ!!』
『けけけ....』チャポン――
『っ!ああ、クソッ....逃げられた』
『...イゾルデ』
こうして、突然の裏切りや三幹部の猛攻によりイゾルデが船を使って、ホロウへ向かっていった....
ねじれポイント
ロレンツが生きている(本来ならイゾルデによって殺されている)
別にいなくてもいいけど、タンザナイトだからね、助けちゃうよ