side タンザナイト
あ、ありのまま今起こったこと話すぜ....突如空が変になったらと思ったら謎のエーテリアスが現れやがった....何を言っているかわからねぇと思うが、俺も何を言っているのか分からねぇ....もっと恐ろしい片鱗を味わったぜ....
「って、何呑気に感想をふけってんのよ!早く逃げようよ!」
「お、おう」
そう言って、俺たちは謎のエーテリアスから逃げるのであった....
「やばっ、行き止まり!?」
「っ!危ねぇ!」
道がなくて留まっていると、謎のエーテリアスがリンに攻撃するのを見て、俺は飛び出し、守った。
ズバッ!!
「ぐあっ....い、いっつ.....」
「っ!?た、タンザナイト、大丈夫」
うわぁ痛っ!?痛いんだけど!?やばい人の感覚に近いのかすっげぇ痛ぇ!?血が出そう.....いやこの場合どうなんだよ、エーテリアスが血を流すのか?ってそんなことより、リンを安心させないと....
「だ、大丈夫だ....っ!リン、あそこに隙間がある!そこに逃げよう!」
「う、うん!待ってて今担ぐから....」
『....』ヌッ
「チッ――その手は喰らわねぇよ!」バチッ―――パァァンッ!!
『!』ズズズッ.....
俺はデコピンの形で、重力を込めて放つと、謎のエーテリアスは後ずさりした。その隙をついて俺たちは隙間へ逃げ込む。
「足音がしなくなった...どっか行ったのかな」
「油断はしない方がいい、またどこかに潜んでいるかもしれない...痛っ....」
「ねぇ本当に大丈夫?さっきのは深いよ絶対....」
「幸い血は出てないから....中身はまだエーテリアスだからその内回復するはずだ」(多分)
「....ならいいけど」
大丈夫、大丈夫、まだ背中痛いけど血が出てないからたぶんセーフ。*1
隙間から脱出すると、まだ後ろに謎のエーテリアスが現れる。
「ファッ!?こいついつの間に後ろに!?」
「リンちゃん、タンザナイトさん!そっちはどうっスか?」
「真斗くん、もうすぐ出口に着くよ!...タンザナイト、ごめんけど急いで!」
「ああ.....っ.....」
「オレらもっス!」
段々と狛野の声が近づいていくと....横から狛野たちが飛び出し、リンはそのままぶつかる。
「きゃっ...」
「おお!?」
「どうしたの....っ!タンザナイトくん、後ろに切り傷かあるよ!」
「なんだと!?出血は!?」
「幸い、血は出てないけど...赤くはなってるね...」
「っ!気をつけろ...まだ霧の中にエーテリアスがいる!」
『!!』
俺が言っていると、霧の中から謎のエーテリアスが飛び出してきて、襲われそうになった瞬間―――
ガガガガガガガガッ!!
『!?』
突然、後ろから結晶の剣が、飛び出してきて謎のエーテリアスに当てる。
後ろを振り向くと....意外な人物が現れる。
「あれって....」
「....アン...ビー?」
「いや....なんか違うぞ」
「ミー」
「.....」
その姿は顔はアンビーだが、恰好が黒いスーツっぽい服装をしていて、黒い手袋をはめ、胸の中心のところにワームホールが取り付けている人物がいた.....
『.....』ヌッ
「あっ帰っていくよ!」
謎のエーテリアスはスッと霧に紛れて帰っていった.....するとアンビーに似た人物が口を開く。
『....無様な姿だな』*2
「あ゛あ゛っ!?」
なんだてめぇ!開幕から喧嘩うってんのか!!
「お、落ち着くっス。それ以上昂ると怪我が悪化するっス.....えっと、とりあえず....助けてくれたんスよね?どうもありがとうっス。―――で、あんたの名前は...?」
『...俺にはそんなものはない―――あるのはただの『虚無』。好きに呼べばいい』
「じゃあはい!私が命名するね!―――無って言っているから今日から君は『ゼロ』ちゃんね!よろしく!」
『....勝手に言っていろ』
と、リュシアが勝手に謎の人物、『ゼロ』と名付けられた。
「あ、アンビーにそっくり....!?だけど、なんか....随分ガラが悪いような....」
「お前、なにモンなんだよ....」
『ふ、別に?だか、
「....?」
なんだ、こいつ...一体何を言ってやがる?....そんなことを考えていると、アキラから連絡が入った。
「リン、タンザナイト!やっと繋がった!もうさっきからずいぶん....えっ?だれ?タンザナイトは?それに...アンビー?スーツの姿をしているが、一体どうなっているんだ!?」
「えっと...何て言ったらいいのかなぁ....」
「多分っスけど、どうせ幻覚の類っスよ...ホロウから出れりゃ消えるんだ...多分」
『たとえここを出たとしても、一時的に消える....だが残念ながら、俺という
「そっかぁ....タンザナイトくんってほんとは、スーツで固めるのが夢だったんだ....」
「いやそこは人間にだろリュシア!?というかそんな単純なワケねぇーだろ...おいメモンんな!こんなん怪談のネタになるか!」
『....ふっ』
と、ゼロは不敵にも笑う。
『それはそうと...モス、だったか?あいつは何か言っていたはずだろう?』
「え?...そ、そういえば確か....自分たちに名前をつけるとしたら、『夢縋り』だって....」
『....成程、多少は的を射た表現だな』
すると、さっきから話がついていけないアキラが言う。
「さっきから話についていけないのだけれど....ホロウで一体何があったんだい?アンビーっぽい人はいるし、なんか知らない人もいるし....訳が分からないよ」
[ターゲットの組成を分析中。助手二号の隣に
「つまり...ミアズマが姿を変えたってこと?昔、タンザナイトが考えてた理想の姿に?...だけど、どちらかというと、今のタンザナイトが理想の姿に近い方だけど....」
『理想...か。その理想ならお前が一番知っているはずだろう』
「.....」
あいつが言ってる俺が思っている理想......それは―――
「タンザナイト、あまり調子がよくなさそうだ...一度戻るのはどうだろう?」
「そうっスね、タンザナイトさん背中にダメージ負っているみたいだし...」
『...フン、さっさとここから出ると言い。だが、忠告しておこう―――
「.....」
いちいち感に触るヤツだなと思いながら、俺たちはホロウから出る....あいつはホロウを去るのをただ何もせず見送っていた。
―――しばらくして、俺たちは澄輝坪へと戻ると、出待ちしていた柚葉と出会った。
「おかえり~。怪談のネタ集めに行くってリュシアから聞いてたけど、収穫あった?」
「聞いてよ柚ちゃん、もう散々だったよ!ジンジャー糖水ね、全っ然効き目がなかったの!」
『...そこじゃねぇだろ』*3
「....えっと?」
「あー、オレから説明するわ....」
そして、狛野は旅の途中で起きたことを全て話した。
「『夢縋り』に『町』、それに『人間になった』タンザナイトと『ゼロ』という謎の人物....ふーん。柚葉がお店番してる間に、変なことがたくさんあったんだね」
「ミアズマっていうのは、触れた人の記憶のもとに幻を見せることがわかってるけど....そういう意味では、子供の頃の夢だって記憶の一部だよね」
「ミアズマに侵蝕されると、
「うーん....それだとモスさんとタンザナイトの違いが説明できないんだよね。確かにモスさんは一人しか見かけていなかったし、他にペアになってる『住人』がいたわけでもない...ミアズマの影響が直接本人に作用してたっぽく見えるけど....タンザナイトの場合、自称「夢縋り」とは別に、本人も無事でその場にいたわけじゃん?....人間にはなっていたけど」
『確かにな....』
『夢縋り』にも色んなタイプがあるのか...?
「姿が見えないからっていないと決まったわけじゃないし~....ジェムゴーレムみたいに、本体はどこかに隠れてるだけって可能性もあるよ」
「あー....もう一人のモスはちゃんといて、ずっと隠れてただけっていう...?なるほど、難しく考えすぎてたね。『夢縋り』は最初から最後まで、その人にそっくりだったミアズマおばけのパターン一種類だけ....」
確かに、それだと辻褄があうな....ということは、本体はどっかに隠してる?
「じゃあ、なんスか....あの『町』にはハナッから、人間なんていなかったてことかよ....」
『いや、その可能性は低い....確かあいつ、『出たとしても、一時的に消える』って言っていた...つまりこの『町』に少なくともいるということになる....』
「チッ、どこにいるかもわかんねぇんじゃ、バウルを助けようがねぇ...」
「うーん...あるとしたら、『町』の近くとか、ひょっとしたら地下があるとか?」
地下......っ!地下と言えば―――
『講堂...!確かモスはそこに、『大事なもの』があるって言っていた。もともとリュシアとリンと共に忍び込むつもりだったんだよね......ってあれ?リュシアは?どこ行った?』
ふと、目を離していたら、リュシアの姿がいなかった。
「そういや何処行ったんだ...?ついさっきまでいたっスよね?...ま、あいつのことはほっといていいんで。『町』にいたときも神出鬼没だったしな....講堂の件だけど、たぶん行ってみるしかねぇ。モスが簡単に入らせてくれるとは思えねぇけど.....」
「ねぇ、みんなを追い回したっていうエーテリアスもさ、この感じだと、夢縋りの一味って可能性あるんじゃない?講堂にたどりつくのは一筋縄じゃいかないと思うし....柚葉も行く」
「オマエは店番があんだろ?安心しろ、他に助っ人を探してくっから
最悪ポーセルメックスにツラ貸してもらうしよ...そろそろ連中にもひと働きして貰わねぇとな。まぁ、適当観の先生たちがいてくれたら百人力なんだか....」
『あー.....今、師匠たちはいないから、俺とリンとアキラぐらいしかいないから俺たち二人だけしかホロウに入れないんだよね....』
くそ....ここで師匠がいないのは痛いぜ....
「マジすか、こりゃついてねぇな....」
「んー?適当観なら、さっき誰かいたよ。灰色の髪と、
うわーリュシア!?お前いつの間に来たん!?...というか、今なんて?ライオン?
「うん、灰色の髪なら多分お兄ちゃん...ってちょっと待って、適当観に行ってきたの?」
「うん、いま行ってきたよ。ジンジャー糖水がどっかで手に入らないか、オシシちゃんに聞こうと思ってね」
お前、まだ諦めてなかったのかよ....ジェムゴーレム....
「そっか...じゃあ、私は戻ろっかな。リュシアの言っていた『おっきなライオン』がちょっと気になってきたし...」
『俺も』
「押忍、じゃあいってらっしゃいっス。とりま帰ったらゆっくり休んでもらって...進展があったら、こっちから連絡するんで」
「うん、ゆっくり休んで~でも寝ちゃダメだからね」
『???.....え、何で?』
人には睡眠をとらなければ色々と回復しないのだが...?*4
「それはね...こんな時間にうっかり寝ちゃったら、夜魔が夢に出て来て―――」
「リュシア!...ったく、気にしないでください。今日はキツイ1日だったし....わざわざ寝つけなくなるような怪談に、耳を貸す必要もねぇっス」
そう言って俺たちは分かれ、リュシアが言っていたライオン?を会うために適当観へ戻っていくのであった.....
ねじれポイント
狛野の代わりにタンザナイトが夢縋り?に会ってしまう。