転生先はエーテリアス   作:YEX

312 / 330
プロローグはおわり

side リン

 

朝、早速イドリー達と会うために、ホロウに来た私達...イドリー達がいるシェルターへ向かおうとしていたら、意外な人物?が出迎えた。

 

「ん?あれって...」

 

「なんか人形みたいなのがいないっスか?」

 

「あれは.....インフィニティ!?なんでここに....タンザナイトと一緒にいたんじゃ...?」

 

「....!ミー!!」ピョコピョコ

 

と、インフィニティが気づいたのか、私達に駆け寄る。すると、何か必死に伝えようと足を引っ張る。

 

「ミーミー!」

 

「なになに?何かを伝えようとしてる?」

 

「...ひょっとして、タンザナイトさん達に何かあったんじゃ....」

 

「ミーミー!」トテテ....

 

「あっ、もしかしてついて来てっていいたいのかな?行ってみようよ!」

 

そう言い、私達はインフィニティの後を追うことにした.....

 

いざ、目的の場所へ着くと、そこには―――タンザナイトが倒れていた!

 

「っ!?た、タンザナイト!?」

 

「タンザナイトさん!大丈夫っスか!?」

 

急いでタンザナイトの方へ行き、駆け寄った。

―――すると、タンザナイトは意識を取り戻した。

 

「...う、うう...ここは....」

 

「タンザナイト!よかった....無事で...」

 

「タンザナイト、どうしてここに?イドリーと一緒ではないけど....」

 

「イドリー...?―――っ!そうだった!急いであそこに行かないと....ぐっ!?

 

と、ケガしているのに無理に動いたのか、傷がしみだしてタンザナイトは苦しみだす。

 

「まだ動かない方がいいっス!結構ひどい怪我っスよ.....」

 

「だ、大丈夫....ここにはエーテルが漂っているから....時間経過で回復する.....」

 

「わー....やっぱり不思議な体をしてるんだね~....ねぇねぇ!また後で君のことを聞いてもいいかな!」

 

「リュシア!お前、一回空気読め!タンザナイトさんが重傷だろ!」

 

「本当にエーテリアスには目がないなあ....」

 

と、リュシアの奇行に呆れた。

 

「そんなことより....講堂に行かないと.....イドリーはそこに...いる!」

 

「講堂って...なんでそこに?」

 

「あの後、モスが.....訪ねてきやがったんだ.....見せたいものがあると.....罠だと思って身構えていたが....と、とんでもない真実を知った...()()()()()()()()を.....!」

 

「この『町』の真実?....それって一体何なの?」

 

「話は後だ....一刻も早く....イドリーさんのとこへ向かわないと....!手遅れになる前に!」

 

と、タンザナイトが気力を途切れ途切れに失いながらも、私達に緊急事態だということを知らせる。

 

「わかった...取り敢えず講堂に行けばいいんだね!真斗くん、タンザナイトを」

 

「了解っス!タンザナイトさん、ちょっと失礼するっス」

「っ....」

 

真斗くんはそう言いながら、タンザナイトをおんぶする形で担ぐ。

そうして私達は、タンザナイトが言ってた講堂へ向かうことにした....

 

side タンザナイト

 

狛野の体温を感じながらも、『町』へ着いた皆....講堂へ向かおうとしてる途中、パウルが講堂の前へいた。

 

「パウルさんだ....講堂の前で何しているのかな....」

 

そう思ったリンは話しかけると、パウルは弱々しく声を出す。

 

「....そろそろ澄輝坪に戻ったほうがいいのか....」

 

「気がかわったの?」

 

「実は....『町』を探し回って、たくさん飛箋を拾ったんだが、そこにうちの親が飛ばしたものがあってな。見たら『伏汐祭を、毎年家族で過ごせますように』ってあってよ....たったこれだけの願い....なのに、今じゃもう叶わない....こんなはずじゃなかった....パウルっつう人間は傍にいてやるべきだったんだ。どんなに力を手に入れたって、なんの意味もねぇ.....」

 

「.....まだ踏みとどまっているなら、間に合うと思うぞ」

 

「た、タンザナイトさん!大丈夫っスか!?」

 

「ああ、ある程度回復したから....ありがとう、狛野」

 

そう言って、俺は狛野の背中から降りる。

 

「そっか、お前もそう思うか....お前ら、イドリーを取り戻しに来たんだよな?彼女は講堂の扉の向こうだ。モスが言うには、彼女は終わりなき闇の中で永遠の眠りにつくらしい....」

 

「っ!なんだと...!」

 

「本当に彼女をここから連れ戻せるなら....その時は俺も、お前達と一緒に澄輝坪に戻るべきかもな」

 

「パウル...お前....」

 

「行け。モスが偵察から戻ってくる前に、講堂の扉をあけるんだ」

 

「わかった....ありがとう!

 

「...礼はいいさ」

 

 

そうして、俺たちは急いで講堂の扉の前に立ち、勢いよく開ける。

 

―――その瞬間、禍々しいオーラが勢いよく俺たちに襲い掛かる。

 

「っ....!」

 

「な、なんスか!このオーラみたいなのは!?」

 

「ふ、吹き飛ばされそう....」

 

「.....くっ!」ズザッ

 

『タンザナイト(さん)!』

 

俺はオーラに吹き飛ばされそうになりながらも、前へ前へとイドリーさんまで歩き続ける。

 

「い.....イドリーさん!」

 

「この声....来てはダメ....ここは危ないわ...」

 

色々な人の声の幻聴を受けながらも少しずつ近づいていく.....

 

「何言ってんだ....んなもん、百の承知だ!」

 

「私はずっと.....流れに身を任せてきたの.....そうすれば、みんなの物語に溶け込めると思っていたから....」

 

段々と幻聴が大きく響き渡り、今でも気が狂いそうになる....

 

「けど、結局みんな離れていく....わたしはここに残る....私を呼ぶ声が....彼らをおい行けないわ....わたしは....真なる渇望を受け入れなければ.....」

 

その声に...耳を....向けちゃダメだ!!

 

「タンザナイト!」

 

「無茶っス!巻き込まれるっスよ!」

 

「うおぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

傷ついた体で、なんとかイドリーさんの前まできた俺は、イドリーさんの手を必死に掴み取った!

 

「あっ...ダメよ、もう物語は終わったのだから....わたしはもう眠りにつかなきゃ....だから....」

 

「お前の....物語はぁ....まだ――――プロローグしか終わってねぇだろぉ!!

 

ザパァァァァンッ!!

 

俺は今を持てる力でイドリーさんを禍々しいオーラから解放させた。

 

「や、やった!」

 

「す、すげぇス。やっぱりタンザナイトさんは....」

 

二人が感心している中、イドリーさんは呟く。

 

「私の....物語....」

 

「ハァ....ハァ....そう。だから、ここで寝ちゃダメだ.....プロローグだけかいて打ち切りなんて、読者として俺は絶対認めない....」

 

「うぅ...わたしは....」

 

イドリーさんを解放した余波で、散々うるさかった幻聴は一気に消え去り、元の講堂へと戻った。

 

「ふぅ....」

 

「大丈夫、イドリーさん?気分は?」

 

「悪夢を、見てい気がするわぁ....締め切りに苛まれる悪夢を.....」

 

「このまま寝たら、その悪夢は現実になるぜ?」

 

「ごめんなさい、タンザナイト。また君に助けられちゃったみたい....」

 

「いいって事よ。イドリーさんが無事ならこんなの勲章だ」

 

「ふふ...ありがとう」

 

すると、リン達が寄ってきた。

 

「ふぅ...ひやひやしたぁ....ところで、なんでここに戻ってきちゃったの?後、タンザナイトが言っていたこの『町』の真実って....」

 

「....それは、ここの地下に行けば分かる」

 

「地下...スか?んなのどこに....」

 

「案内するぜ...ちょっと待ってて」

 

そうして、俺たちは地下へと続く階段に降りてその場所につくと、リン達は驚く。

 

「な、なんスか。この繭のようなものは....」

 

「これがモスが言っていた真実....『夢縋り』の本体だ

 

「本体って.....まさか、この繭に囚われてるの全員住民ってこと!?」

 

「そうだ」

 

そう言い、俺はリン達にこの繭のこと、どうやって『町』はできたかを説明した。当然唖然とした顔をする。

 

「....んなの、実質人質みたいなものじゃないっスか!?」

 

「ええ....それに、強引に繭を壊せば、中の人はエーテリアスになってしまうって....」

 

「だからモスは、イドリーがこの町のものだって...じゃあ彼が最初の住民?」

 

リンがモスが最初の住民だったと質問するが、イドリーさんは否定した。

 

「ううん....この町に一番執着しているけど、最初の人間ではないの」

 

「え?じゃあ誰なの?」

 

「それは、ランタンベアラーとワンダリングハンターだ

 

『!?』

 

と、聞きなれた声がして、振り返ってみると....

 

「町の人々にとっては、畏怖の対象であり、決して拒めない来客でもある」

 

「....モス!」

 

そこにはモスがぬっと現れたのだった。

 

「まさか君がまだ生きていたなんてね、ゼロ、だったか?随分爪が甘い人だ.....だけどしてやられたよ、タンザナイトくんが介入したことで、君は『眠る』ことを拒むようになってしまった。彼女に別の夢を見せられて、他人の物語を垣間見るだけでは、もう満足できなくなったかい?」

 

「モス...お前、そんなことを...!」

 

「....私は繭たちを捨てたくないし、タンザナイトとの約束だって捨てたくない。私、捨てられるのが何よりも嫌だから。きっと今度は、両方を守れる結末を見つけてみせる」

 

「ああ、そうだ!とっととこんな場所おさらばしてやるさ!」

 

すると、リンが『輝磁の匣』を掲げると、繭は反応し、内部から眩い光を放った、ただそれもほんの数秒のことで、その後は何も反応がなかった。

 

「あんまり反応しない....『輝磁の匣』がこんなにあってもダメなの...?」

 

「待て、何だいそれは...?こいつも繭が反応するのか!?ダメだ、危険すぎる。こちらに渡してはもらえないだろうか?」

 

「お断りだよ。すっごく大事なものなんだから」

 

「タンザナイト、あれ使えるの?ほら、時空なんとかで」

 

「ごめん、あいつとの戦いで使っちゃったから今は無理だ」

 

あの野郎、領域勝負に()()()()なんて....

 

「ハァ...少しずつでも導きを与えれば、いずれは『町』の一員に...と思ったが、こうも意固地だとな。あくまで『町』の人々を攫おうとするなら、こっちも強硬手段に出ざるを得ない。語るべきことは山ほどある。ランタンベアラーに、ワンダリングハンター、そして未だに繭の外にいる君のことも....だが、もうお互いに我慢の限界みたいだ。まぁ君達を繭に入れて、同胞にしてからでも遅くはない」

 

「っ!待て!」

 

モスは言うこと言って、意味深な笑みを浮かべ、姿を消した。

 

「私達も行きましょう、繭のことをみんなに伝えないと」

 

「おう!」

 

そう言って、俺たちは急いで講堂の外へ出るのだった....

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。