なろうとかカクヨムで新しい小説書いてたんや……
side タンザナイト
『『
着いて早々、俺は手を地面に近づき、黒いオーラを纏わせ、周りのものを引き寄せる。
「なにを……!」
『この陣を―――破壊する!『
ズドォォォォンッ!!
引き寄せた大気などを一気に解放し、勢いよく辺りを吹き飛ばし、ミアズマの障壁を
[異常なミアズマ集合体の破壊を確認……ごり押しで障害をほぼ突破しました]
「ええ……もう全部あの人だけで終わりましたよ……怖っ」
「……!盤岳先生!」
すると、盤岳先生は地面に膝をつく。それを見た、みんなは盤岳先生はに近づく。
『盤岳先生……』
「……」
「まだ終わっていないのに……もう満身創痍ですか」
盤岳先生はあぐらの姿勢で座ると、胸の中心部分から何かを展開させる。
「かつての過ちは……万死をもっても贖えぬ……我輩のコアだ……持ってゆけ」
「!……知っていたんですか」
「ああ……」
「……」
「ダイアリン……」
ダイアリンは終始無言で見つめ、動き出す。
「まぁそれも、悪くないですけど……ここでひとつ、選択肢をあげます」
「……!」
ダイアリンは腰についていた電話の受話器を取り出す。
「今度は故人の言葉から……真実を聞いてみませんか?」
「っ……」
ダイアリンの受話器から天地を覆い尽くす果てしない苦痛と憎悪、呪いと絶望が混ざり合った叫び、悲鳴、告発の声が津波のように流れ込んできた……
怨嗟の声が全てを飲み込もうとした時――――突如として穏やかで澄んだ声へと変わった。暗雲を貫く光のように、安らぎとぬくもりを伴ってすべての雑音を洗い流していった
『……本当に良かった。あの馬鹿な弟は拗ねて遊びに行ったんだね……大男さん、頼みがあるんだけど、あいつを探してきてくれない?』
『この声は……さっきの奴とは違う……』
「姉……ちゃん……?」
「あいつは頑固で融通が利かないし、すぐ考えすぎるところがあるから……どうせこの先も紆余曲折の末に躓くんだろうね」
『でもどうか……どうか、辛抱強く見守ってあげて。あいつが無事に大人になれるまで……そして、私の代わりに、もっと素敵な未来を見られるように……お願い』
『この幸せな時間に固執するあまり、あれをあける決心がつきませんでした……これが、その罰だというのでしょうか……』
すると今度は男の人の声が響いてきた。
「……こ、これって……!」
『ただ……お願いです、どうか頼まれてください。僕達の子供は、まだこんなにも幼い……ミアズマに襲われる直前、せめて子供たちだけでもと……術法を使いました。この子たちは、生き延びられるかもしれません』
『こんなふうに、親の死に目を会わせたくないんです。まだ幼いこの子たちに、親しい者の死は早すぎる……どうか……さみしい思いをさせないでやってはくれませんか……』
『お願い、盤岳さん……この二人を連れて―――できるだけ遠くへ行って!釈淵と瞬光さえ生き延びてくれれば……もう、私たちは……お願いします、どうか……!』
『ありがとう……大男さん。本当に……ありがとう……』
『ありがとう……これで心残りはありません』
『……』
『いつか、あの子たちがここに戻ってくることがあったら、どうか伝えてあげてちょうだい―――お父さんとお母さんは、あなたたちを笑顔で見送っていた、と……』
死者の言葉は消え去り、最後の言葉には余韻のような安らぎさえあった……
そして、その言葉に瞬光さんはポロポロと涙を零れる。
「お父さん…お母さん…私の決心、きっと分かってくれるよね……」
「姉ちゃん……!姉ちゃん……!なんでこんな……どうしてだよ!」
そして、それは寧謙も例外ではない。
「ただ憎むだけなら楽だったのに……こんなの聞かされて、どうしたらいいんだよ……姉ちゃん……姉ちゃんに会いたい―――」
「どうですか盤岳先生。あんたのせいで消えた声と、あんたのおかげでまだ存在できてる声が……ちゃんと聞こえました?これが……『真実の重み』ってやつですよ」
ダイアリンの体が微かに揺れた。いつもの嘲りは消え、その淡い微笑みには、どこか同情めいたものが宿っていた。
それは暗雲を突き破る一筋の光のように、傷だらけでありながらまっすぐに立つ盤岳先生の身体に優しく降り注いだ……
「あのとき、あんたのアルゴリズムは生き残れる人間はごくわずかだと判断しました。助かる人だけを助けた合理的な最適解、それが『見殺し』の真実だったわけですが……あんたが今こうして立ってること―――合理的でもなんでもない、自ら死地に足を踏みいれる選択をしたことが全てを物語ってるとは思いませんか?
「だが……過去はどうあっても……」
「そうですね、過去はどうあっても書き換えられません。まったく……死んだ殺したの『負債』はきっちり覚えてる割に、今際の際なみんなから託された『約束』は、綺麗にすっぽ抜けてるんですから....ここで死ぬことが立派な償いになると本気で思ったんですか?そんなの、あたしに言わせれば
「……」
「せっかく感情や自我があって、痛みが感じられる『人』の形をしてるんですよ?日々過去のことを向き合って、終わりのない罪悪感と戦うにはうってつけじゃないですか。だからこそ生きる―――それが正解の答えなんです。あんたが救った人達に感謝され、受け入れられ、疎まれ、怖がられ、憎まれる...そうやって亡くなった人たちと約束をはたしてったらいいんです」
そう言い、ダイアリンは盤岳先生に光が灯った瞳で見つめる。
「最後まで続けたら、いい償いになりますよ。なので、ぜひ残された時間をフルに使ってやってみてください。異常が、黒枝の裁決官として、『パージユニット・ゼロ』あらため『盤岳』に下す最終的な裁定です」
ダイアリンのはきはきとした言葉に、盤岳先生の身体がかすかに震えた。
長年にわたって横たわり続けた枷。冷たいアルゴリズムと果てしない殺戮、自己嫌悪と誤解によって形作られ、魂を押しつぶしかねない重圧が....
彼の真っ直ぐに伸びた背筋と共に―――音を立てて崩れ去った。
「瞬光、寧謙、我輩は―――」
「ううん……いいの、盤岳先生。実は私...このあいだ故郷の橋を渡ったとき、もう全部重い出してたから」
「なんと……!?」
もう既に知っていたことに盤岳先生は驚く。
「先生が自分のことを、まるで加害者みたいに思ってるのが、意外だった。だって私とお兄ちゃんにとってあなたは、お父さんとお母さんが命と引き換えに示してくれた、『生きる道』だったから。それにきっと両親は、私達兄妹と一緒に、あなたにも一人の『人』として、生きる道を託したんじゃないかなって思うの」
「……」
「だからダイアリンの言う通りだと思うよ。亡くなった人への後ろめたさは消えないけど、背負って前に進むことはできる。その手で命を奪ってしまったことに後悔があるなら、同じ手で、それより多くの人を救いましょ。だから私、盤岳先生を責めたりなんてしない」
瞬光さんの目が輝きを持つかのように盤岳を見つめる。
「私と両親の想いは一緒だったんだってわかって、すごくうれしかったくらい。ありがとダイアリン。2つの最後の言葉を、もう一度聞くチャンスをくれて……」
瞬光さんの両親は優しい人たちだったんだな……そして瞬光にも、立派に二人の意志を受け継いでいる……!!
「と言っても……寧謙さん、これはあくまで私たちの選択だから。あなたが盤岳先生とどう向き合うかは、自分で決めるべきだと思う」
瞬光さんは震える彼の肩を優しく叩いた。そんな寧謙さんの声はもう涙でかすれている。
「すみません……師範…僕…ずっと間違った人を恨んでたんだ……って……姉ちゃんは、あなたに希望を託してたってのに……」
「忘れもせぬ。おぬしの姉君はあのホロウの深きで我輩を見つけてくれた恩人。その最期の願いもまた、鮮明に記録されている。我輩が救うことのできなかった、数多くの面影と同じく……けして色あせることはない。葉兄妹を救い出したのち、衛非地区でお主を捜し回ったが、徒労に終わった。だが、幾年もたったのち、道場にふらりと現れた時は……すぐ彼女の弟だとわかったものだ。その頃、お主は姉君と同じ目をしていたゆえ」
「……そんな、師範は最初からご存知だったんですか?なのに、弟子として迎え入れてくれたばかりか、なにひとつ惜しむことなく指導を……?――ぼ、僕なんです!僕があのサラとかいうやつと組んで、師範が陣法を起動するよう仕向けたんです……」
そう言うと、寧謙があの陣法について知っている限りのことを話す。
「あれはミアズマを吸収するって話だった……それで救われる人もいるだろうし、僕は復讐を果たせるしで、一挙両得だと思ったんだ……」
「彼女にとって、寧謙さんは、使い捨てのきく盤上の駒にすぎなかったんです。肝心のミアズマですけど、これが本当に浄化されてるのか、どっかに吸い出されてるのかは、まだわからないんですよ。事態はもうあんたが想像してねより、ずっと込み入ってます。あたし達全員、知らないうちにもっと深いとこにある策略に巻き込まれてる……」
「皆さん、こんなこと今さら言ったって手遅れかもしれないし、瞬光先生に合わせる顔も無いけど……正直に打ち明けなきゃてけなてことがあるんだ……釈淵先生から、あることを頼まれていたと」
『えっ!?釈淵から!?』
「お兄ちゃんは、なんて!?」
「彼は、僕とサラの関係を知らないようだった。それで僕に……『盤岳先生の弟子なら、『黒い鳥』を探せ』と言ったんだ」
黒い鳥……もしかして師匠のあれか!?
「まさか師匠、青溟鳥を使ってお兄ちゃんと連絡を取ってたの?」
「内容が分かりませんが、もしかしたら、何か伝達とかあったりして……」
「寧謙、瞬光よ。此の地は危険だ。おぬしらの状態を鑑みれば、即刻退くのが吉であろう。他の修行者と適当観に戻り、儀玄の援護を待つべきだ」
「確かに……今ここに残っても、僕は足手まといになるだけです。師範……皆さん、くれぐれも気を付けて。儀玄宗主が見えたら、すぐに状況を報告しておくよ」
「私は……さっきからこの辺りで、青溟剣が以上に反応してるの……きっとこの先に、私が向かうべきものが待ってる。だから引けないわ。盤岳先生、私、ここへ来る前にタンザナイトと話したの。もうお留守番はしない……大切な人がホロウで危ない目に遭ってるのを、見過ごしたりなんてしないって!」
ここまで決心がついているんだ……俺も、瞬光さんを信じるしかないな!
『盤岳先生、ここまで瞬光さんが言っているんだ。信じようぜ?』
「全くです。ただでさえ時間がない上に、実のアニが生きているかどうかも分からない状況で回れ右しろなんて……そんな道理は通りませんよ。どうするんです、盤岳先生?瞬光ちゃんを気絶させて連れ出すか、彼女の決心を尊重するかの二択ですよ」
「……っ!皆の者、下がれ!」
『っ!』
――シュシュシュ!!
「きゃっ!?」
「っとぉ!?」
すると上空から、斬撃が俺たちに襲い掛かり、その場で避ける。
「今の斬撃は……」
『あいつもいるということは薄々勘付いてたが……ここにいたのか!『オルカ』!!』
『……ケッ』
『……』
「それに……『バジリスク』もいるね」
「貴方たち!何故私たちの邪魔するの!」
『あ゛?決まってるだろ……ストラスが言う、儀式が完了するまでの足止めだ』
『!!』
その言葉にみな驚く、くそっ今早く行かなきゃいけないのに!
『だったら……お前らをぶっ飛ばして、その儀式を止めてやるよ!』
『はっ!やってみろ……できるならなぁ!!』ジャキッ!!
『……』バチチッ!!
「来る……!」
「もー!いつもめんどくさい敵が来るんですからね!」
両者武器を構え、今止める戦いが始まった!