転生先はエーテリアス   作:YEX

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青溟剣・解放

side タンザナイト

 

ついに、青溟剣が解かれた……

瞬間、ストラスが瞬光さん目掛けて突撃する。

 

『キュァァァァッ!』

「ふっ!」

 

―――キンッ!……カンッ!―――キィィィンッ!!

 

凄い攻防が空中で広がっていた……くそ、俺も行かないと……!

 

『……!』

「っ!」

 

ボォォォォッ!!

 

すると、瞬光さんとストラスを包み込むような形で炎を閉じ込める……!瞬光さん!!

 

『間に合えっ!!』

 

――バリッ!!

 

雷が降ってきた速度並みに瞬光さんに接近して、剣(・)を(・)掴(・)む(・)。

 

「ッ!タンザナイト!?」

『ほう……ここまでくるか……なら、貴様ごと、その剣の力を貰うとしよう!』

『っ!』

 

マズい……炎に……意識が……瞬光、さん……

 

……

 

…

 

ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……はっ!?』

 

次に目が覚めたのは、布団らしきところだった。

ここって……俺の部屋か?

 

『確か俺……そうだ!ストラスの炎に巻き込まれて……それで……』

「う、ううん……」

『え?』

 

となりをみると、高ベットに瞬光さんが目覚める……えっ!?まさかの相部屋!?

 

「ここは……ん?――ふぇっ!?た、タンザナイト!?どうしてここに!?」

『え、いや!俺も目覚めたらここに……』

 

すると、どたどたと、何かが走ってくる音が聞こえてきた。

そこから現れたのは――リンだった。

 

「瞬光!タンザナイト!よかった、目が覚めたのね!!調子はどう?どっか具合の悪いところはない?」

「えっと、すごく……長い夢を見てたみたい……」

『俺は……うん、今は何ともないが……炎に呑まれた後のことが思い出せないんだけど……あの後何があった?』

「そうだ!お兄ちゃんはどこ!?戻って……きてくれた?」

「心配しないで。ちゃんと話すから」

 

そういい、リンの口から話を聞いた。

 

どうやら、俺たちが炎に呑まれた後、ストラスが取り込もうとした瞬間、白い一筋が、炎をぶった切ってストラス共々斬り伏せたらしい……

 

『くくく……これで―――』

 

――ピキッ!

 

『っ!なに!?』

 

――シュバァァンッ!!

 

『う゛あ゛っ!?』*1

 

その時、リンがちらっと見えたが、なにやら人(・)型(・)の(・)人(・)物(・)が(・)剣(・)を(・)持(・)っ(・)て(・)い(・)た(・)ようだったと言っていた……その後光が消え去り、瞬光と俺がゆったりとした感じで落ちてきたらしい……

 

あの後、二つに分かれたストラスが黒い霧状になって消えて、どこかへ散っていったらしい……

釈淵はいつの間にか消えていたとか……あと、『瞬光を頼みます』と書かれた紙が置かれていたらしいが……釈淵が消えると同時に残したものだろう。いつの間に……

 

「一人でどこかに行っちゃったのはてそんな……早く探さなきゃ。もし体に始まりの主の影響が残ってたら、万が一……!」

『落ち着け瞬光さん。そんな時は……えっと……し、師匠!そうだ師匠は?師匠は帰ってきた?』

「師匠は……まだ適当観に戻ってないの。釈淵さんの件で、処理に飛び回ってるみたい……でも、雲嶽山からもうすぐ、始まりの主のことを調査するために誰か来るらしいよ」

『雲嶽山から?誰だろう……』

 

まぁそこはおいおい分かるか……

 

「今までのことと、ストラスの行動を踏まえて思ったんだけど……『始まりの主』が狙ってたのは、最初から最後まで瞬光と青溟剣だったみたいだね?」

『……!そうだな、あいつ、青溟剣の力を貰おうとしていたな』

「私が自分で剣棺の封印を解くように仕向けて来たりしていたわね……」

 

……ん?なんか、リンがモジモジしているな?どうした?

 

「えっと、その……なんか感じなかった?」

「感じたって?」

「んー例えば、体のこととか……少なくとも見た目には変化したように見えたんだよね……あの時光が強くて見えなかったけど……」

「あっ……ひょっとして、代償のことを心配してくれてるのね?安心して、私はちゃんと何もかも覚えてるもの!お兄ちゃんが託してくれた言葉も、タンザナイトが駆け寄ってくれたことも……もし不安なら、テストしてくれてもいいわよ。術法の暗唱とか……雲嶽山の掟、第何条とか。それか、貴方たちと出会ってから出来事を順番に言っていくってのはどう?」

 

……うん、そこまで言うなら大丈夫そうだな。

 

「あはは……本当に大丈夫だね?それならよかった……」

「そうね。普段は私、あんまり運には恵まれない方なんだけど……たまにはこのくらい、いいことがあってもいいわよね!まぁ、せっかくお兄ちゃんを見つけたのに、またすぐいなくなっちゃったんだけど……」

「うん……でも釈淵さんは、サラや始まりの主に唆されてたわけじゃなかったし……それどころか、師匠と連絡を取ろうとしてたんだもんね?」

 

確かにな……その為の黒い鳥だし……

 

「サラ的には、私と青溟剣の繋がりを断てるって言えば、お兄ちゃんを引き込めると思ってたのかもしれないけど……」

『あれを見る限り、協力するふりして、始まりの主を完全になる前に始末をつけるかんじだったな』

「逆に私は、自分と青溟剣が狙われてたなんて夢にも思わなくて……まんまと引っ掛かってあの場に行っちゃったんだよね。はぁ……でも、もう危機は一旦去って、お兄ちゃんだってサラ達と縁を切れたのに、どうしてま(・)だ(・)戻(・)っ(・)て(・)き(・)て(・)く(・)れ(・)な(・)い(・)ん(・)だ(・)ろ(・)う(・)……?」

 

うーん……ますます謎が深まるな。

 

「取り敢えず、今の瞬光たちに必要なのは、しっかり休んで、早く元気になることだからね!本調子に戻ったら、なる早でまた釈淵さんを探しに行こ!今度という今度は、絶対に逃がさないんだから!」

 

不安げだった瞬光さんの目が、ふと力が戻る。

それは、不安を一時的に押し込めるように力強く頷き、その瞳に再び希望の希望の光を灯した……

 

side リン

 

瞬光たちの様子を見終わったあと、ダイアリン達が何か悩んでいる様子で立っていたので話しかけてみた。

 

「あ、瞬光ちゃん、タンザナイトくん、どうでした?目を覚ましたばっかりですし、みんなで押しかけてあれこれ聞けないですから」

「タンザナイトの方は大丈夫だけど、瞬光はまだ釈淵のことは引きずってる……けど、あの怪物を倒して、お兄さんもその場から脱出してたって教えたら少しは安心したみたい」

「うむ。おぬしには心労をかけるが……ここ数日は、タンザナイトと瞬光の精神状態により一層留意してもらえるだろうか」

「安心して、盤岳先生。あの子が青溟剣を抜いたのは、私たちの為でもあったんだもん。責任をもって付き添うよ」

「……」

 

そう言うと、盤岳先生はなにか訝(・)し(・)む(・)様(・)子(・)を見せる。

?……なんでだろう。

 

「ま、あの子はあたしたちが思っている以上に強いですからね……だから余計に心配したくなるところもあるんですが――さて、本題に入りましょうか」

 

ダイアリンの目がキリッとした感じに変わった。

 

「『共鳴する信号』……でしたっけ?おふたりが言っていたあれは、一体なんなんですか?」

「僕から説明しよう。あの時は突然のことで確証が持てず、すぐには伝えられなかったのだけれど……始まりの主……というか、瞬光たちが撃退?した謎の力が弾けた時、ラマニアンホロウ内で同時に、一瞬だけ極めて相似したエネルギーの信号が観測されたんだ」

「四か所?それぞれどこなんですか?」

 

ダイアリンがお兄ちゃんに観測された場所を聞く。

具体的な場所が分かっているのは四か所のうち、三つ……

一つは、始まりの主が現れた鉱区跡地。

次に讃頌会の司教メヴォラクと対峙した所。

そして、昔日の丘でミアズマに包まれていた『町』の場所らしい……

なんか――

 

「どれも……私とお兄ちゃん、タンザナイトが行(・)っ(・)た(・)こ(・)と(・)あ(・)る(・)場(・)所(・)だね」

「それはまことか?」

「んー……どれもラマニアンで人気の観光スポット、ってわけじゃないですもんね?」

「奇妙なのはそれだけに留まらない。もっと気になるのは、最後の四つめなんだ……『Fairy』?」

[はい。この『共鳴する信号』を構成する最後の四つ目は、発進座標が極(・)め(・)て(・)不(・)安(・)定(・)であり、存在が観測されるのみに留まりました。強力なエネルギーの干渉によって、正確な位置特定には至っていません。信号のピーク時、瞬間的なミアズマのエネルギーレベルは、ラマニアンホロウ内における既知のあらゆる記録を上回るものでした]

 

他の三つは信号に応えて、遠い場所から帰ってきた『返事』……そんな感じだった。

だけど、すぐ途切れて、その後は気配を消しちゃったけどね。

 

「これはきっと偶然じゃない。そのうえ『Fairy』でさえ特定できないほどの深度にある座標なんて……一体どこなんだろう?」

「共鳴する四つの信号……これは、我輩たちが未だ与り知らぬ繋がりを示しているに違いない……」

「ふーむ。あの気持ち悪いフクロウも始まりの主からしたら、ちょっとした『探り』を入れてただけだったのかもしれませんね。あれが何であれ……見えない所からこっちを窺いつつ、何か企んでいるに違いありません。情報は黒枝で共有して、引き続きホロウの変化は気に掛けておきます」

「うむ。我輩も、更なる探査を続けるとしよう」

 

黒枝と盤岳先生が揃って動いてくれるなら、すっごく心強いよ!

 

「なら私は、瞬光とタンザナイトに付き添いつつ、お兄ちゃんと一緒にアンテナ張っておくね」

「さて、いつまでもエピローグの気分でいちゃダメですよ。今はただ、嵐の前の静けさかもしれないですから……」

 

まだまだ謎が残っているけど……これまでのピンチは乗り越えることができたし、明日はまた考えることにしよう……

 

NOside

 

夜も更け、何もかもが静寂に包まれている適当観。朧月のもと、一つの部屋から淡い光が蛍火のように漏れていた……

 

「……覚(・)え(・)て(・)る(・)。あの時、大してお金を持っていないとき危うく質屋にお世話になることも、タンザナイトとリンにであって様々なことをしたのも……金木犀のケーキの分量も……覚えてる」

 

それは、まるで記憶をなぞるように沸々と瞬光の口から言葉が出てくる。

 

「あの時、青溟剣を確かに使った……だけど、代償が起こってないわ。何で?……あの瞬間、タンザナイトが剣に触ってから……青溟剣は変わったの?」

 

そのとき、ふと瞬光はあることを考える。

 

「もしかして……代償は、タ(・)ン(・)ザ(・)ナ(・)イ(・)ト(・)に(・)移(・)っ(・)た(・)の(・)?(・)……まさか、そんなわけ……ないよね……」

 

色々と不安を抱く中、当の本人は屋根の上で月を見ていた。

―――それは何かに引き込まれるようなくらい、ずっと見つめていた。

 

『……』

 

その時、タンザナイトはポロッと呟くように言葉が零れる。

 

『俺に――――姉っていったけ……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある場所……そこにはオルカが何かを持って見つめていた。

 

『……』

『オルカ、彼の残骸は?』

『ああ?……ここにある』

 

そう言い、見せたのは禍々しい色の玉のようなものだった。

 

『ふーん……どうしようか?』

『どうするって?……ハッ、何言ってやがる。弟(・)の(・)意(・)志(・)は俺が引き継ぐ』

『え?』

 

―――ゴクンッ!

 

オルカは亡きストラスの残骸を丸飲みしたのだった。

*1:
肩らへんから斜めに斬り伏せる




ver2.4完!

瞬光、なんか調子がいいみたい……おや、タンザナイトの様子が?
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