転生先はエーテリアス   作:YEX

338 / 338
未知のエリアへGO!

side タンザナイト

 

話が決まった俺たちは、照さんが言っていたロープウェイへ向かう。

そこには、照さんが堂々と立っているのが見えた。

 

「やっぱり来てくれたね。君達なら、正しい選択をしてくれるって分かってたよお」

「待って、照さん。一つ聞きたいことがあるの」

「もちろん、なんでも聞いて!」

「ラマニアンホロウが不思議な拡張をしてるから、調査がしたい……って話だったけど、貴方はTOPSの人なのよね?その……わざわざ()()()()()()()()()()()()()()()()()ように見えるのは、どうしてかなって。今までのTOPSらしくないっていうか……」

「うーん……瞬光ちゃんがそう思うのもわかるけどねえ」

 

主にルクローとかフェロクスとかフェロクスとか……!大体が碌な人じゃなかったからな……

 

「あっ、TOPSのいち部門って言ったのはザオちゃんだし、黒枝とTOPSを同一視しちゃうのも無理ないって事ね。ある意味ではそれも正しいけど……あくまでザオちゃんは、TOPSっていう大きな括りそのものじゃなくて、『クランプスの黒枝』に属してるから。ザオちゃんたちのオシゴトは『審査』と『裁定』、それから、『ルール』を守らせること」

『ルール……』

「このあいだ、澄輝坪に派遣されたTOPSの役立たずな子たちが、ザオちゃんたちの『裁定』対象だったみたいにね。あんまりあの人たちと一緒くたにしないでほしいかな。それに組織って、大きくなると中がゴチャゴチャしてくるっていうのは、もう不可抗力みたいなものだから」

「その、つまり―――」

「ザオちゃんは、責任をもってこのオシゴトをしてるの。いまの澄輝坪を管理してるのが黒枝だってこと、忘れないでねえ。世の中は結局『等価交換』―――ザオちゃんたちは、澄輝坪からたくさんのものを貰ってるんだから、澄輝坪を守る責任もあるよね。もらいっぱなしじゃ筋が通らないもん」

『……』

 

等価交換……ね。なんがか、それにこだわっているように感じる……

 

「雲嶽山はどお?ラマニアンホロウは今おかしなことになってるけど、なんだかそれどころじゃないって感じだよねえ。瞬光ちゃんも、お兄ちゃんが心配で仕方ないみたいだし……確かに、ザオちゃんたち悪ーいビジネスのほうが、澄輝坪のことを心配してるみたいになっちゃう……変なの!」

「わ、私は……」

 

タジタジ担ってる瞬光さん、すかさず俺はフォローにはいる。

 

『勿論、澄輝坪が危ないのなら黙ってはいられない。でもホロウっていうのは、基本的に拡張していくものって聞いてるし、そこに異常のあるデータってのは、まだ照さんしか持っていないんだろ?』

「うんうん、流石エーテリアスくん。花マルの解答だよお!でも ザオちゃんのデータによると、拡張速度はもう、とっくに基本的ってレベルじゃないかなあ。もちろん本当のところは、ホロウの中で調べてみないと分かんないけどねえ」

『まぁそうなるか……』

「安心してよお!ホロウに入ったら、葉釈淵の手がかりもちゃんと教えてあげるよお」

 

そう言い、照さんが今回の目的を整理する。

 

「じゃあ、おさらい。ザオちゃんたちの目標は、ラマニアンホロウに現れた謎のエリアで、ホロウの拡張と異常なミアズマについて調査をして、その原因を突き止めること。目的地までは凄腕のプロキシが必要だったし……それと、白いお花と異常なミアズマの関係をハッキリさせるためには、それと共鳴できる青溟剣を扱う、剣主の協力が必要……うん、こんな感じかなあ」

『ガイドは……こっちの高性能AIがいるから大丈夫だ』

「そのなの?なら安心だねえ!じゃあ、さっそく出発~」

 

そう言い、早速目的の場所へむかうのだった……

船で向かった先は何やら船乗り場のような場所に着いた。

 

「この先は長い事廃校になってる輝磁の鉱区だよお。輝嶺石を加工する工場もあったみたい」

『へー……そんな場所が……』

「もうすぐで着くよ」

 

船から降りて、少し歩いた後、瞬光さんが突然足を止め、青溟剣の剣棺を見つめた……

 

「気のせいかな……いま、青溟剣が震えたような……?」

『早速反応が……?瞬光さん、何かあったらすぐ言ってくれよ。一回戻って確認してもいいんだからな?』

「そ、そんな大げさな感じじゃないから……剣棺の中の青溟剣が、何かと共鳴したみたい。ここのエネルギーかな……」

「やっぱり?何か関係があるとは思ってたけど、早かったねえ」

 

照さんがそう言うと、『Fairy』が伝えに来る。

 

[マスター、このエリアから検出されたミアズマはことのほか異常です]

『確かに……明らかに変だ。今までのミアズマとは全然違う……』

「違うって?濃度のこと?」

『濃度……じゃないな、この感じ……』

 

この辺のミアズマ、今までより胸がザワザワする……

 

「ちなみに、ザオちゃんが調べた感じたと、ここは廃坑になって、もうずっと使われていないみたい。ここで何があったかなんて、もう誰も覚えていない……それどころか、『始まりの主』の力を持った怪物を君達が倒すまで、入口さえなかったんだから。本当なら、『無人区域』なのは明らかだねえ」

『無人区域……』

「情報共有はこれでおしまい。葉釈淵をみかけた具体的な座標も、いまみんなに送ったからね。ザオちゃんが調べたいのはあっちだから、ここからは別行動。お兄さんの痕跡を探した後に、4また合流しよお」

 

えっ?ここから別行動?一緒に行ってくれるんじゃねの?

 

「んー……君達は、ザオちゃんの調査を手伝ってくれて、ザオちゃんが、葉釈淵の手がかりを教える……それが、『等価交換』だったよね?でも、お兄ちゃんの調査を手伝うってお話はしてたかなあ?ザオちゃん、タダ働きはしない主義なんだあ」

「そ、そんなつもりで言ったわけじゃ……!」

『誤解だって照さん!瞬光さんはタダ、心配してるだけだよ!こんな場所だし、一緒に動いたほうが安全だろ?』

「君の目の前にいるのはねえ?いま黒枝にいる裁決官で唯一、()()()()()()()()()()()()()()()()……人呼んで『常勝不敗のザオちゃん』だよお。自分たちの心配をした方が、よっぽどいいと思うなあ」

 

一度も、か……そんなことを言うってことはよっぽどの自信を持っているのか……

 

君達は葉釈淵のこと、ザオちゃんはホロウ拡張と異常なミアズマの原因調査……それぞれやることやって、終わったら、埠頭で合流しよお。なるべく早く来てねえ」

 

そう言うと、照さんは俺たちに引き留める隙も与えず、行ってしまった……

 

「『常勝不敗のザオちゃん』……そんなに凄い人なら、本当に心配いらないのかな……」

『さあな……自分で言うんだから相当自身があるんだろうな……』

「はあ。教えてもらった座標に沿って、まずは倉庫を調べてみましょ」

 

そうして、俺と瞬光さんは照さんから貰った座標に沿って向かうのだった。

 

途中、襲ってくるエーテリアス達をなぎ倒しながら進んでいると……なんか見られないボンプがいるな……?

 

「異常なミアズマが……ますます強く……っ!?」

『あっ』

 

俺たちを見かけるやいなや、倉庫の奥へ入っていった。

 

『ここって『無人区域』だろ?なんでボンプが?』

「それに、今『異常なミアズマ』って言っていたわ……後を追ってみましょう!」

 

急いで、謎のボンプの後を追い駆ける。

途中、()()()()()とかもあったが、そんなのは関係なく何とか謎のボンプが見える所まで来た。

 

[マスター、前方に正体不明のボンプを確認。型式番号を照合……失敗。新エリー都の公式データベースに、該当するボンプは存在しません]

『え?ないの?』

[警告:対象のボディから、高レベルの知能データ体を検出。構造は既存サンプルと部分的な類似が見られますが、完全に一致していません。警戒しつつ接触することを推奨します]

 

『Fairy』がそう言い、慎重に近づいてみると……そのボンプは機械的な言葉を淡々と放っていた。

 

「エラー……データエラー……再編成を試行……」

「この子……共通語を話してない……!?独り言?それとも言語モジュールに不具合があるのかな……」

『ちょっと怪しいが……話を聞いてみるか……』

「データ……再編成……統合……」

 

「―――やあ友達、見えてるよ。会えて嬉しい、僕はロックスプリングだ。見ての通り、壊れかけのボンプさ」

『シャベッタァァァッ!!』

「君だってエーテリアスなのに喋っているじゃないか」

『おう、急なマジレスやめーや』

「えっと……貴方、どうして一匹でこんな所にいるのよ?道に迷っちゃった?」

「ごめん。それは僕にも分からないんだ。記憶モジュールに問題が起きてるらしい……状況を認識したときには、もうこの辺りにいたんだよ。ずっと歩き回ってたみたけど、出口が見つからない。()()()湿()()()()()()()を堂々巡りしたりして……けど幸い、僕は型式番号と作られた理由を記憶してた。だから自分を見失わずに済んだ」

 

そうして、謎のボンプ「ロックスプリング」の話は続く……

どうやら、このボンプを作ったのは、『初代虚狩り』の一人、『ミス・サンブリンガー』らしい。当時のマルセルグループのCEOでボンプを発明した人だ。

そんな凄い人物に作られたのか……このボンプ。

このボンプは初期に製造した『高火力型戦闘用ボンプ』。型式番号は『GU-0001』……なんか物騒なボンプだな……

どうやらこの機種は運用開始から間もなく、様々な理由で生産中止になったらしい。長い年月が経った今では、ロックスプリングと同じ機種はほとんど廃棄されている。

新エリー都じゃあ見かけていないから、このボンプが唯一最後の機種になっているだろうな……

 

「でも今のボンプって、みんな大体戦闘のサポートができるわよね?」

『確かにな……』

 

色んな陣営のボンプを見てきたが、結構戦えていたぞ。

 

「そうだよ。けど、僕はそういうボンプとは違う。簡単に言えば……()()()()がずっと高いんだ。今はこんな感じだけど、全盛期の僕は、結構攻撃的だったんだよ」

『えっそうなの?』

「そうだよ。あ、もちろん、戦闘モジュールはもうとっくに壊れているから、危害を加えることはない。安心してもいいよ」

 

にしても『高火力型戦闘用ボンプ』か……きっと『ヒャッハァー!汚物は消毒だぁ!』とか言いそう。世界が世紀末に近いから……

 

『というか、何で戦闘用ボンプを作ろうとしたんだろう……』

「ミス・サンブリンガーが創り出したボンプには、すべて設計段階から、使命が与えられてたんだ。退屈で煩雑な作業を肩代わりするためのボンプもいれば、日常の中で、ただ寄り添うためだけに生まれたボンプもいる。そして何より,ミス・サンブリンガーは、人類を誰よりも深く愛していた

『人類を……愛していた?』

「そう。だからどんな形であれ、ボンプという存在は全て、人類に尽くすためにあるんだ。彼女が『高火力型戦闘用ボンプ』を造った理由も、僕達の深層コードに刻み込まれている。それは、たったひとつの最上位命令―――『人類を守ること』。僕は人類を守るために創られた」

 

そんな理由で造られたのか……サンブリンガーは本当に人類を尊重しているんだな……

 

「でも今や、その使命を果たすための力はもうない……『守る』ことも、出来なくなった。たぶん僕の行きつく先は、仲間たちと同じだ。あの冷たい廃棄処理場で、静かに忘れ去られていくんだろう……」

「そ、そんなこと言わないで愛して私がホロウから連れ出してあげる、外に出たら、きっと直す方法も見つかるわよ!」

「もう時間が経ちすぎた。きっと、今の新エリー都に、僕みたいなタイプのボンプがいたことを覚えてる人なんていない。ましてや、修理してくれる人なんていないよ――でも本当にありがとう」

 

と、ロックスプリングはお礼を言う……

にしても……純粋の疑問なんだが―――

 

『なんで生産終了したんだろう?戦えるボンプなんて、機種としてはいいのに……』

維持コストが高すぎたことと、他のモデルに比べて、故障もしやすかったせいだと思う。僕がその一例だ。今は記憶モジュールも、戦闘モジュールも、言語モジュールさえ損傷してる」

 

結構深刻な重症だった!?それでなんで動けんだよ!?

 

「理論上、とっきに廃棄されててもおかしくない。なのにどういうわけか、意識だけは残ってるんだ。もうどこにも行くところがない。だからこうして、毎日この廃墟をさまよい続けてる」

「大丈夫よ、私達についてきなさい!外へ連れてってあげるから!そうだ、自己紹介がまだだったわね。私は葉瞬光。瞬光って呼んでくれたらいいわよ。こっちは私の弟弟子、タンザナイト」

『よろしく』

「私たち、雲嶽山の弟子なの。ここに来たのはお兄ちゃんを探すためで……あっ、それと、この辺りで起きてる異常を調査するためなの」

『そういえば、さっき『異常なミアズマ』って言っていたが……それって?』

「僕は戦闘用ボンプだから、周囲の環境の微妙な違いに気づけるんだ。最近この辺りで、前とはまったく違うタイプの異常なミアズマを観測してね。それが白い花に付着すると、花が変異するようなんだ。あの時はエーテリアスに追われてて、変異の過程を見届けられなかったけど……」

 

白い花に、異常なミアズマ……!照さんが言っていた通りだな。

 

「ねぇ、その花ってどこにあるかわかる?」

「白い花はたくさんあるから……あの見張り台に登って、探して見るといいかもしれない。このエリアで一番高い場所だから、周囲を一望できるはずだよ」

「いい考えね!タンザナイト、急いでいきましょ!」

『OK』

 

そうして、俺たちは戦闘用ボンプ「ロックスプリング」と一緒に見張り台まで移動することとなった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

特に理由のない幸せが男子生徒を襲う(作者:ガチャ石は貯めない)(原作:ブルーアーカイブ)

元アリウス一般男子生徒が、自由に過ごしながら幸せになる話。▼なお、男子生徒の意見は聞かないものとする───▼「なんでさ!?」▼本編は終了済み▼


総合評価:2421/評価:6.35/短編:86話/更新日時:2026年03月02日(月) 13:01 小説情報

新エリー都に住む『あなた』とエージェントのお話(作者:ぽこちー)(原作:ゼンレスゾーンゼロ)

▼ これは、新エリー都に住む『あなた』と、『あなた』の特別な人物との日常を描いた短編小説集です。▼ ※アキラ/リン×エージェントのカプ小説ではないので、カプ厨の方はご注意ください。▼『あのキャラの話を書いてほしい』『こんなシチュを書いて欲しい』等のリクエストがありましたら↓にコメントくれると嬉しいです。▼参考にさせていただきます。▼https://syose…


総合評価:2066/評価:8.85/連載:47話/更新日時:2026年06月17日(水) 13:32 小説情報

ZZZ × 555(作者:びぎなぁ)(原作:ゼンレスゾーンゼロ)

ゼンゼロ世界にファイズをぶち込みたかった。▼それだけである。


総合評価:2037/評価:8.54/連載:314話/更新日時:2026年06月17日(水) 12:00 小説情報

銃弾が飛び交う学園都市?!んでもって銃の耐性なし?!・・・やってやろうじゃねえかこの野郎!!(作者:オーバジン)(原作:ブルーアーカイブ)

突如としてキヴォトスに来てしまった何も知らない無知無知な男子高校生!ブルーアーカイブをやったことない?!噓だろ!マジかよ!▼何とかお情け程度であった特殊能力を活かして生き残れ!銃弾一発が致命傷だゾ!▼そんな男子高校生が歩むキヴォトスでの笑いあり、涙あり、曇らせあり、恋愛あり、シリアスありの、青春物語です。良ければどうぞ見ていってください。


総合評価:1324/評価:6.67/連載:67話/更新日時:2026年06月18日(木) 02:57 小説情報

あれは四角い先生? 【現在1年間休載中】(作者:メタ(ル))(原作:ブルーアーカイブ)

スティーブは遊んでいる最中に匠ことクリーパーに爆破され、リスポーンしたと思ったら別ディメンションことキヴォトスに飛んでいた。生徒が主役の物語…ではなくスティーブがほぼ主役の座を奪いまくるような、ギャグとシリアスが混同しているかのようなそんな物語。▼マイクラ歴約7年の現役マインクラフターの主が書く、マインクラフトとブルーアーカイブのクロスssです。▼内容として…


総合評価:1847/評価:8.19/連載:85話/更新日時:2026年04月26日(日) 10:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>