side タンザナイト
先へ進むと、あたり一面白い花だらけの場所に着いた。
「ここにも白い花がいっぱい……えっ?待って――」
『ん?……!?なんだあれ……』
白い花に囲まれている中、一つだけ
すると、その周りにあった白い花も変色しつつあった……
「っ!見て、他の花も……」
「危ない―――!」
『!』
すると、突然上級エーテリアスがミアズマを纏いながら現れる。
「このエーテリアスたち……異常なミアズマの気配が濃くない?」
『そうだな……気を付けて迅速に倒すぞ!』
「はいはーい」
『っ!』
―――バババンッ!
賊害侵蝕体・憤怒悪鬼が装着した銃で攻撃し、俺たちは熟練の動きで対処する。
『んっ!』ガキキキッ!
俺が盾で攻撃を防ぎ――
「ちょあー!」ズドンッ!
照さんが大剣で攻撃し――
「せいっ!」ズバッ!!
『GU……Aaaa……』
瞬光さんが止めを刺す……完璧な連携でそこにいたエーテリアス達を討伐する。
こうして、襲ってきたエーテリアス達を倒した後、早速黒い花を調べることにしたのだった。
「この黒い花、ずっと異常なミアズマを放ってる!すごい破壊的な気配……今まで見てきたどのミアズマよりも強いわ!」
『ああ……感じるぜ。普通の人がここにいたらあっという間に侵蝕される……体も精神も深刻なダメージを受けるぜ……』
「こんなの……危険すぎるわ!ホロウの中だからって、放っておくわけには……」
『さて、どうするか……』
俺たちが対処に悩んでいると、照さんが瞬光さんに聞いてくる。
「瞬光ちゃん、君の青溟剣、今は反応してる?」
「うん、さっきからずっと微妙に震えてて、異常なミアズマに反応してるみたい……待って、青溟剣の力を使えば、このミアズマを浄化できるんじゃないかな?」
『っ!?待って瞬光さん―――』
俺が剣を使おうとした瞬光さんを止めようとした瞬間、瞬光さんは突然、ぴたりと動かなくなった……
「……この子ったら、また青溟剣の力を使おうとして」
『お前は……もう一人の瞬光さん!』
「ふふ……また会ったわね。後輩くん♪覚えててくれて嬉しいわ~」
そう言い、俺のところに近づき、頬を指先でなぞった……
わ、わぁ……なんかいつもの瞬光さんと違うギャップでドキドキする……
その時、もう一人の瞬光さんがまるで一時停止を押されたかのように動きを止める……そして―――
「……はあ?ダメよ。ダメったらダメ。アタシ言ったわよね、これ以上青溟剣に触ろうもんなら、アタシたち――……チッ、いいわよ。折れてあげる。でも知らないわよ』
『もしかして……いつもの瞬光さんと話してる?』
「ええそうよ……この子が強く思ってることはアタシにも伝わるのよね。全くこの子ときたら、ほんとになんて言ったらいいか……ままならないわよね。アタシはただ生きたいだけなのに」
そう言うと、瞬光さんが突然、剣を構えた……
「『この血を以て、魂を契る』―――」
『っ!ちょっ、待って―――』
「『――散れ』!」
――パシッ!フワァァ……
俺が瞬光さんの
その時は、いつの間にか元の姿に戻っていた……
「……ごめん、変なとこみせちゃって……」
「へぇ、君には『もう一つの顔』があるんだねえ?おもしろーい。それも青溟剣のおかげなの?」
「私にも、よく分からないの……青溟剣のせいかもしれないし、私自身の問題かもしれない……」
『ええ?もう一人の瞬光さんのこと知ってたの?全然そんな素振りなかったんだけど……』
「本当にごめんなさい!いるのは知ってるし、時々表に出てるなって感じることもあるの……でもあの夜は……その、貴方に変なことしてたから……どんな顔して説明したらいいか分からなくて、とぼけたふりしちゃった……許して!この通りだから!」
『全然いいが……それよりも青溟剣!さっき思いっきり使ってたけど、大丈夫か?気分は?』
もしこれで瞬光さんに支障がでたら……おれは、悲しくて涙がでそうだ……?また……俺は……何を?
「えっと、それは……あの子に剣を抜いてって頼んだの、私だから。この黒い花は、どうしても浄化しないといけない気がして……あの子、自分で力を使う分には、私がやるよりずっと安全だって思ってるみたいだった……でも、やっぱりそうだったわ!私今のところ、何もへんな感じはしないもの」
『……瞬光さん、俺行く前に何言ったか覚えてる?』
「わ、わかってるわよ!ただ―――」
「ごめん、言わなきゃいけないことがある……先ほどから、僕達を観察している存在がいる」
「ボンプちゃんも感じた?きっと……あっちのほうだねえ」
え?そうなのか?全然気がつかなかった……
そう思いながらも照さんが指した方向を見てもみる。
「……っお兄ちゃん!?」
『?どこだ……?―――ん?なんか奥に何かあるぞ』
俺はドラム缶の上に紙らしきものかがあったので、近づいてみる……そこには釈淵が瞬光さんと俺あてに書いた一通の手紙が……
掻い摘んで言うと、釈淵はまだやるべきことがあることと、その間、瞬光さんを俺に託しますとのことだった。
「……」
『釈淵がくれたこの手紙、なんか俺たちに何かを伝えようしてる?この書き方だと、今いちハッキリしないが……』
「お兄ちゃんが、私を避けてる……ってことはわかるわ。どうしてこんなことをしたのかわからないけど……私にたくさん隠し事してるってこともわかる。お兄ちゃんのるに映る私は今でも……守ってあげなきゃいけない子供のままなのよね」
『……瞬光さん』
「どうして?私、もう小さな子供じゃないのに……こうやって強くなったのに、みんなの重荷を分けてもらうことすらできない……ごめん、また弱気になっちゃった」
そう呟く瞬光さんに俺はなんとか励ます。
『えっと……釈淵は多分、やむを得ない事情があったはず……もし、そうじゃなかったら、こんな手紙残さないだろうし……だから、信じよう。それが、血が繋がった兄妹としての出来ることだ』
「……そうよね!お兄ちゃんだって、楽しくてこんなことしてるわけじゃ絶対にないんだから」
「んー……瞬光ちゃんって、本当に性善説で動ける子なんだねえ」
「そ、それってどういう意味?妹が血の繋がった兄を信じて、何がいけないわけ!?」
「なんにもいけないことなんてないよお。ただ、瞬光ちゃんは、色んな人に大切にされてきたんだなあって。葉釈淵が、君の信頼に応えてくれるといいねっ」
……なんだろう、照さん時々意味深な言葉を吐いてるような……?
そんなことを思っていたら、傍らのロックスプリングから突然奇妙な音が響いてきた……
「……再起……動。再起動をリクエスト。データに深刻なエラー。エラー。エラー」
『ろ、ロックスプリング!?』
なんかエラーとか言い出したぞ!?そろそろここでないとやばいって感じかあ?
「だいたいは調べ終わったから、そろそろここを離れよっかあ。ホロウの拡大と異常なミアズマの繋がりが見えてきたし、君達も、葉釈淵の手がかりを見つけた……たくさん収穫があったねえ!どれもいいニュースじゃないのが残念だけどっ」ボソッ……
『えっ』
「さあ、行こう騎士君。ここからは、ぜーんぶ君にお任せ!」
そうして、あらかた調べた俺たちは澄輝坪へと戻ってきた……
「うんうん、これぞプロのお仕事だねえ。ザオちゃんの想像以上だよお。それじゃあ、最後にまとめね」
照さんはこれまで起きたことをまとめる……
ラマニアンホロウは異常な速さで拡張している。原因は中で発生してる異常なミアズマで、中にある白い花に付着すると、黒い花に変わる。しかも変異した花は侵蝕が異常なほど早く、人体や精神を傷つける。青溟剣を使えば―――いや、これはやめよう。他の打開策を考えよう。
色々話をまとめていると、ロックスプリングが再び奇妙な音が発した。
「再起動―――全システムの再起動をリクエスト――」
「あ、そうよね。ロックスプリングを直してあげなきゃ」
「うん。これは結構めんどちい予感がするよお?」
『……あれ?照さん、まだいてくれんの?てっきりここで一度、黒枝に帰ると思っていたけど……?』
「このボンプちゃんは、とっても役に立つからねえ。ちゃんと面倒を見てあげないと。それにザオちゃん、今はそんなバタバタしても仕方ないタイミングだから、君たちともうちょっと一緒にいようかなって」
あ、そうですか……でも、手伝ってくれるならありがたい。
『たしか……あ、澄輝坪にいないが、そういうの得意人がいるんだ。ちょっと連絡してみるよ』
「ほんとう?なら、お願いしちゃおうかな」
取り敢えず、ボンプのことなら知ってそうな『エンゾウ』さんに俺は電話してみることにした。
『「――なんだ、タンザナイト?お前からかけてくれるのは珍しいな」』
『もしもし?エンゾウさん、実は聞きたいことがあって……ホロウで『高火力型戦闘用ボンプ』に出会ったけど、知ってる?』
『「!?―――とっくに生産中止になった、あの『高火力型戦闘用ボンプ』のことか!?」』
『そうそう。実は澄輝坪にいるんだけど、故障してて……今から来れます?』
『「もちろん行くさ!なんならあんたの空間移動とかで今すぐ送ってほしい!」』
『―――空間……移動?』
『「おいおい、ボケたのか?あんた、こういうのは直で送っていたが……?」』
『……あ、ああ……今ちょっと……調子が悪くて……ごめん』
『「?……まあいいか、澄輝坪だな?まってろ、今すぐ行く!」』
『えっと……どこに待ってれば?』
『「澄輝坪にある『不隠れ』って店に、『高火力型戦闘用ボンプ』の資料があるらしい。そこで集合だ!」』
そう言って、エンゾウさんは電話を切る……俺たちは『不隠れ』に向い、エンゾウさんを待つことにした。
途中、店主とマニュアルの取引をしつつ待つこと数分、ターボ掛かった音が聞こえてくると、エンゾウさんが駆け寄ってきた。
「このチビが……例の『高火力型戦闘用ボンプ』ってのは」
「この子の名前は『ロックスプリング』よ!とってもかわいいボンプなんだから」
「ロックスプリングか?こりゃあ確かにひどいザマだ……だが心配ない、俺がきっと直してやるからな!」
『あ、どうぞ。これマニュアル』
そういい俺はエンゾウさんに『高火力型戦闘用ボンプ』の修理の原稿を渡す。
「おお、流石だな!やっぱあんたは頼りになるやつだ!よし、道具も全部揃っているし、すぐにでも修理してみせよう!」
「えっ、ここで直すの……?」
「ああ、心配はいらん。ここの店長にはもう挨拶してある。あんたらに用事があるなら、先に行っててくれ。ちっと仕事に集中させてもらおう。修理が終わったら、こっちから連絡するさ!」
『おう、わかった』
そうして、エンゾウさんはロックスプリングと共に店の中へ入っていった……
この後、照さん一度黒枝に戻り、俺たちは適当観へ帰ることにした。