「ハァ....」
あれから数時間たった今、ジェーン・ドゥは頭を抱える...それは、予想外でセス達を人質にとったことだった。
(あの無鉄砲バカ、ほんとにただ巻き込まれただけなのね....しかも、絵にかいたような真面目君....彼に実際の計画を教えたとして、万一にも口を滑らせたらたまったもんじゃないわ)
(しかもあの弟さん...確かブレイドって言ったっけ?そいつも目を光らせとかなきゃ....何かして、台無しになったら溜まったもんじゃないわ....少しは警戒して、慎重に行動するように祈りましょう)
そう言い、ジェーンは今後の行動の為、情報を探してまとめに入った....
色々あって、セキュリティを突破するための仕掛けには特製のカードが必要だと分かったり、食料や薬の問題など頭の中でそのことについて考えていた。
(....うん、どうやら一度外に出ないといけないみたいね。治安局の分署からこっそり万能カードキーを拝借してこなきゃ.....ん?)
ジェーンはおしりのポケットに違和感を感じ、そこをまさぐると、なんとポケットから『万能カードキー』が出てくる。
(....間違いない、これ治安局のカードキーだわ。でもいつの間にカードキーが....?)
「うわぁぁっ!?」
と、ここで構成員が驚いた声がした。
「!」
「おい、どうした!」
「そ、それが、よくわかりませんが、空から急に食料と薬が落ちてきて...!」
「はぁ?....ほ、本当だ!まじもんの食料だ!」
(これは...一体?)
ジェーンが不思議に思っていると、ふと、
(...まさか、弟さん?あり得るわね、あのニネヴェって言われてるからそんなことも可能だと思うけど.....ちょっと待って?それだとあのエーテリアス、外に出てない?......やめましょう。考えるだけで頭がこんがらがるわ....)
ジェーンはそう思うと、考えることをやめた。
「ん?おい!とまれ!なんでまた人質を牢屋から出してんだ!?」
「あ、ああ、人質を便所に連れて行くところです」
「また便所か?何回行けば気が済むんだ?」
「お前達のせいだろ!あれから3倍の水飲ませやがって、こうなるのに決まっているだろ!」
(あー...色々あって忘れてたわ)
実はジェーンが構成員にセスに与える水を三倍して与えるという命令を出してたのが当の本人が忘れていた。
「牢屋で直接したら解決だろうが?」
「はぁ?お前には羞恥心ってもんがないのか?みんなが見てる中でしろってのか?」
「まぁ...もう何度か『解決』してるんだ。ただ、これ以上は牢屋がな」
「おい!?言うな、そんなこと...!」
と、顔を赤らめるセスにジェーンは笑いながら言う。
「アハハ、連れてってあげなさい。治安官の坊やにも尊厳ってものがあるんだから。そうそう、エーテリアスがいるかもしれないし....見張りを何人かつけてあげようかしら?」
「いやいやいや、便所はすぐそこだし、姉御のお気遣いは不要です。それに、このへんの裂け目やら近道やらは、隅々まで知ってますから。すぐに戻ります!」
そう言い、人質を連れて、便所まで行くのであった。
数時間後....
「うーん....なかなか戻ってこないわね。ねぇ。アンタたち、人質に何を食べさせてるの?」
「え?そりゃ...あっしらと一緒でさぁ。乾パン少しと、水が少し。ああ、そうそう!ジェーンの姉御の言う通り....あの治安官のガキにはたらふく水を飲ませてまさぁ!食いもんも、一番マズい魚の塩漬け味のビスケット!」
「薬は?」
「筋弛緩剤のことですかい?あれも言われた通り、量を減らしたやつを一回だけ.....それっきりでさぁ!」
「そう...なら、どうしてこんなに遅いのかしら」
「まさか、紙がないとか?」
すると、構成員の一人が慌ててやって来た。
「た、大変だ――!!!見当たらない!どこにも....!」
「ははぁ、やっぱりな!ほらよ、チリ紙はいつも持っとけってのがお袋の教えなのさ!」
「え?か、紙...?」
「そうさ、便所に紙がねぇんだろ?」
「何言ってんだ...!人だよ!人が消えちまったんだ!」
「え?」
と、如何やら紙がないことに慌てたのではなく、人質たちが消えたことに慌てていたのだった。
「人質に見張り、あの治安官も!誰もいない!!便所の近くにいた見張りは気絶させられてた。見張りの誰かが俺達を裏切って人質と一緒に逃げたんだ!!」
「何ですって...!?」
「見張りの奴が、もうボスに報告しに行ってる!ボスは裏切りを絶対許さねぇ...きっとすっ飛んでくるぜ。とっととあいつらを捕まえねぇと全員が痛い目を見ることになる!」
「あの坊やが...
「へ、へぇ!」
「ふぅ...とんだサプライズだわ....」
そう言い、ジェーンは逃げた人質たちのとこへ向かった。
....そこにはセスと説得に成功した人しかいなかった。途中息切れしたのですこし止まった。
「はぁ――!はぁ――!ひぁぃ――!」
「...こんなことになるんだったらあの時、お前も一緒に人質と共に送ってもらえばよかっただろ?」*1
「はぁ――!だ...だってよぉ、お前に頼りきりじゃ....俺のプライドが許してくれないだろ?それに、すこしでもお前に手助けしたいんだ!」
「....そうか」
「...お兄ちゃん」
「なんだ....ブレイド?」
と、ブレイドが禍々しい声でセスに聞いてくる。
「お兄ちゃんも一緒に行けばよかったのに....」
「何を言う、ブレイド。俺は治安官だぞ?自分より、無実の人達を優先するのは当たり前だろ?」
「むぅ....」
「......」
「どうした?」
「セスの兄貴....俺、マジででていいのかな?本当に....足を洗えるだろうか?俺みたいなやつに....まだチャンスがあるんだろうか?」
と、不安がっている構成員をセスは鼓舞する。
「...それは俺が決めることじゃない。けど、お前がここに残るなら、永遠にその答えを知ることはない!」
「....ありがとう、セスの兄貴、俺は――!」
「待ちなさい――!」
そうしていると、ジェーンが追い付いてきた。
「クソッ....追手か」
「く、来るなぁ!おおお、俺は足を洗う道を選んだんだ...!ジェーンの姉御もそうしたわうがいい!」
「黙って聞いて!アンタ達にはまだ、他の道が...!」
「他の道だと?」
『!?』
籠った声が聞こえ、その先を見ると、そこにはレイザーの姿がいて、山獅子組の追手の主力達が周囲を囲んでいた。
「お前は...レイザー!!――俺の後ろにいろ!」
「ストリートの掟、組の掟、オレ様の掟....どの掟に照らそうが、裏切り者は許さねえ。なぁジェーン...こいつらに、他にどんな道があるってんだ?」
「....もちろん、投降して服従することよ」
「ほう?裏切り者は死ぬより過酷な罰を受ける....それが掟だ。だが、ジェーンに免じてチャンスをやろう。貴様、その治安官をやれ。そうすれば、軽い罪だけで容赦してやる」
「え...?」
「三秒で決めろ。3....」
「2、1!....フン、お断りだ...!」
銃声が鳴り響き、狂猛な弾の破片がセス達に降り注ぐ。無情な火力は裏切り者を一瞬で地に伏せさせた。
「うわぁぁぁ―――!」
「とっとと死にてぇのか、裏切り者め!大人しくしやがれ!」
「...こいつは『他の道』を拒絶した。ジェーン、どうするか分かっているな」
「放せ――!!そいつに手を出すな!」
「....」
「ゴホッ....!お、俺は....もう一度チャンスが、欲しいんだ....」
と、フラフラになりながらも、立ち上がる構成員。
「やめろ、ジェーン――!やめてくれ!君はまだ引き返せる!」
「.....」
ジェーンが黙ると、その構成員の首根っこを掴むと、建物の外枠まで移動する。
「言い残すことはある?」
「俺は....じ....人生をやり直す...!」
「....そうね、できるわ――」
ジェーンが、構成員を落とそうとした瞬間―――!
「っ....ブレイドォォォォッ!!!」
ピィオォォォンッ―――
バチバチバチッ!!
『!?』
突然セスの後ろに巨大な魔法陣が出現する。
「な、何だ!?」
「ま....魔法陣!?」
「....何あれ?」
「あれって...たしか、人質を脱出するために使った....でも見た時より大きいぞ...!?」
ブォォォォォォッ!!
『ぎゃああああっ!?』
「っ!?―――っとととっ!?」*2
「うわっ!?」
皆あっけにとられていると、魔法陣から何かのエネルギーが漏れ始め、そこにいた構成員たちは吹き飛ばされる。
ズッ....ズズズッ....
「お...おいなんだあれ?」
「知らねぇ....なんだよおいっ!」
「ゴクッ―――あれが....『ニネヴェ』」
魔法陣から手が飛び出し、そこから這い上がるかのように顔を出した―――その姿は、青と白の色合いをし、まるで花が咲いたような男の体つきをした巨大なエーテリアスが現れる。
「なんだ...この化け物は....」
『....』ピッ
ブレイドは指で斬るような動作をすると、セスが縛られた結束バンドを切った。
「ありがとうブレイド....さて」
『!?』ビクッ
「お前達には黙秘権がある―――遠慮はなしだ!」
「.....ふ、ふざけやがって!山獅子組の名がこんな化け物風情に負けるかぁぁっ!!」ガシャコン
レイザーはそう言い、戦闘準備をする。
「そうか...なら、裁きを受けろ!」
『お兄ちゃん、俺、あいつ、嫌い!!』
「ああ....俺もだ!!」ピュオォォン...
セスはそう言い、右手から魔法陣を展開する。
「ジェーン!俺の後ろに!」
「えっ....ええ」コソコソ...
ジェーンは裏切った構成員と共にセスの後ろに回ると、ブレイド手を翳し、そこからエーテルエネルギーが溜まり始める。
「『
ギュォォォォっ!!
「なんだあのエネルギーは!?」
「『アポカリプス』っ!!」
ピュー――ンッ.....
ドコォォォォォンッ!!
『ぎゃあああああっ!?』
ブレイドから放たれた紫色の光が一本線に飛び出した後、レイザーの周りから爆発が起こった。
「「 」」
「ば....ばか、な――」ガクッ
「牢屋で.....反省するんだな!」バンッ!
こうして、無事に?山獅子組が逮捕されたのであった。
ブレイド
割と死なない程度に本気出した人。
ジェーンについて知っていたので何とかなるだろうと思っていた。
ちなみにカードと食料はこいつのせい
セス
マジメすぎた人。
構成員を説得して、人質を逃がすことができた。その後、兄弟の力でレイザーをk.oした。
あの後、ジェーンについて朱鳶から聞かされて、驚いた。
ジェーン
へたしたら巻き込まれた人。
最初からできるんだったら、もう全部あいつ一人でいいんじゃない?とわりと思った。
...でも、その素直さは嫌いじゃないわ――と思っている。
割とマジで死ぬかと思った。
おまけ
朱鳶「外が騒がしいと思えば...これは!」
青衣「ふむ...如何やら、セス坊の弟によって連れてこられたようだな...この者たちからどこにいたのか聞き出せば、セス坊たちの居場所も分かるかもしれん」
朱鳶「....あの、先輩」
青衣「なんじゃ?」
朱鳶「このまま進めば、セスくん一人で鎮圧できませんか?―――その過程でジェーンさんワンちゃん弟さんの攻撃にやられませんか?」
青衣「あっ....」
朱鳶・青衣『.........』
青衣「....うむ、少しまきでいこう」
朱鳶「ジェーンさんどうか無事で.....いや、本当に!」
コラボへんの続きって見たい?
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見たい!
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別にいい