side 狛野真斗
「....本当にここにいるのかぁ?」
そんな独り言のように呟く俺だった....それを一人の少女が興奮気味でいう。
「そうだよ!あの人からご丁寧に位置情報を送られてきたんだし....間違いないはずだよ!」
髪は白めの空色で、お団子にして髪をまとめているヤギのシリオン、『リュシア』が早歩きで進む....
「あらあら...リュシアったらあんなに興奮して...よほど楽しみなんですね、その人に会うのは」
髪が金髪で所々紫のようなメッシュがある四本のたこ足が尻らへんについているシリオン、『イドリー』が笑いかける....いやそれはいいんだが...
「....なんでオフ会の場所が
事の発端は、リュシアからだった....リュシア―――もとい『夜魔の語り部』っていうHNで活動していた時、ふととある小説が目についた....『朧の宝石』っていうHNが書いた小説が如何やら、リュシアの興味を引き立てたらしい。
そんで、リュシアとその『朧の宝石』とネッ友になって、色々話ていくうちにリュシアが『私たちの友達と一緒にオフ会しようよ!』と誘ったらしい。
それで、『朧の宝石』がOK出して、いざ集まろうとしたが....まさかホロウとは、思ってもいなかったな。
「しっかし、何でホロウだ?何か外だと不都合なことがあるのか....?」
「うーん...もしかして、その人は人見知りだったりとか!」
「人見知りだとしても、ホロウに呼ぶのはどうかと....」
「.....なぁ、今思ったが―――
俺たちがホロウに入って数分経ったような感じだが....一向にエーテリアスっつう怪物が出会っていない....ここのエーテル活性は高くて数歩歩けばエーテリアスと出くわすはずだが....
「そうですね...今でも出て来てもおかしくないとは思いますが...」
「あっ、集合場所についたよー!」
と、リュシアが手を振ってこっちを見る。
そこは広く開けたところで辺りが見渡せる広さの場所に着いた。
「ここが『朧の宝石』が言っていた集合場所か....」
「難なく来れましたね」
「うーん、早く着きすぎたのかな~?....あー早く話したくてうずうずしちゃう!」
と、リュシアがその場でピョンピョンと跳ねる....どんだけ意気投合したんだよ....
「随分と嬉しそうですね....それほど感銘をうけたものだったんですね」
「そうそう!はじめに見た奴なんだけど....とてもすごくってさぁ!主人公がエーテリアスの怪物に変えられて...」
ガサッ....
『?』
リュシアが熱く語ろうとした時...なにやら音が聞こえた。その音を目を向けると、壁の端から手が出てきた。
「何だあれ....人か?」
「あっもしかして、『朧の宝石』かな?....すみませーん!もしかして、『朧の宝石』ですかぁー?私でーす!『夜魔の語り部』でーす!」
その言葉を聞いたのか、壁から身を出してきた――――エーテリアスという身から。
「!?」
「っ!」
「およ?」
そのエーテリアスは白色の筋肉質の体に顔や腹らへんが黒く、右腕が青い結晶で出来ていた....間違いねぇ、あれは『ワンダリングハンター』!!前見た奴と色が違うが....それでもあいつとほぼ変わらねぇ!
「まさか、ここでエーテリアスに出くわすとはな.....気をつけろ皆!」
「ええ....?あの、真斗さん....あのエーテリアスの手が持ってるのって...」
「ああ?.....あれは――スマホか?」
と、イドリーが指摘した所を見る、あいつの手にはスマホが握られていた....え、何で?
『......』ピッピッピッ
すると、そのエーテリアスは慣れた手つきでスマホで何かを打った....というか何でエーテリアスがスマホ打ってんの?―――手が止まった瞬間、リュシアのスマホの着信がなった。
「?....あっ!」
「ど、どうしたリュシア?」
リュシアがスマホを取り出し、確認すると...なんでか嬉しそうな表情をする。
....え?いや、ないよな?そんな思いを頭の片隅で考えていたが、リュシアが振り向き伝える。
「間違いないよ!この子、『朧の宝石』だよ!しかも...顔文字付きで返信してきたよ!!」
「「 」」
それを見せつけられた俺は目を見開く。多分イドリーも同じ表情だろう....というか何だよ顔文字って、エーテリアスが顔文字使うとかどんなパワーワードだよ。
「にしても....まさかまさか!あんなに熱く語っていたネッ友がエーテリアスだったなんて....凄い凄ーい!!」
『っ!』Σ(・□・;)
「たくましい体つき!なんかすっごい右腕!青く光るなにか!....うんうん、インスピレーションが湧いてくるかもー!!」
と、リュシアがあの青いエーテリアスを観察しながらべたべたと触りつけてるのを困った表情で見ていた....なんだあのエーテリアス、顔ですらないのに表情が分かるんだけど。
「はー....おい、やめてやれリュシア。こいつが困ってんだろ」
「あう!」ガシッ
と、なんか戦闘態勢に入っているのがバカらしくなってきたので、解いてリュシアを回収した。
『....』(^_^;)
「あーその...あんたが『朧の宝石』でいいんだよな?」
『...』コクッ
と、エーテリアスは頷く。
───マジかよ、受け答えできんのかよ。
「な、成る程...だからホロウで待ち合わせにしたんですね」
「...あれ?」
「どうした、リュシア?」
「でも『朧の宝石』さん、ポートエルプスの屋台インターノットにあげてなかった?」
『───ハッ?』
リュシアの突発的な言葉に見事にハモった...いやいや、
『....』コクリ
『 』
頷いたっ!?えっ、何?出れんのお前!?何なのお前!?
「えー!凄いすごーい!なら今度六番街でビデオ屋で映画見ようよ!あなたなら『インベージョン:ニュージェネレーション』とかよさそうだよ!」
『....』(*'▽')
「....随分と、熱中してますね」
「ハァー....頭が痛てぇ光景だ....」
余りの場違いに俺は頭を抱えることになった....
ベニトアイト
転生したら『ワンダリングハンター』の人
あまりしゃべれないが表情が分かりやすい。
もし喋れるとしたら『Arrr....』とか『プ....プロキシ』とか感じ、クリップボードの方がいいかも?
偶々拾ったスマホが使える状態だったので、エーテルで改造し、ネット小説を趣味で書いたらなんか予想以上に好評だった。
タイトルは『虚ろの英雄』、主人公がエーテリアスになってヒロインのためにこの身をかけて敵に挑む内容、異形×人間の甘酸っぱい恋愛に惹かれるとか....
HNは『朧の宝石』
リュシア
ヤギのシリオン
オフで会ってみたらエーテリアスだったことに興奮した人。
あの後、小説の感想だったり、ベニトのことを観察したりするかも...
イドリー
蛸のシリオン
オフであったらエーテリアスだったことに驚いた人。
とりあえず敵意はないので様子見。
紅茶で楽しみながら小説の内容を話し合っているかも?
狛野真斗
犬のシリオン
オフであったらエーテリアスだったことに頭抱えた人。
何とも規格外なことがあるが、リュシアのハティの件で、「まぁそういうやつがいてもありえるか?」で踏みとどまる。
後にたまに弟たちの面倒を見てもらってるほど仲が深まる
タンザナイトにヒロインはいる?
-
いる
-
いらない
-
ハーレム一丁!!