対ホロウ6課がHIAに到着した。
そこで浅羽(タンザナイト)は今――
「ヤバい、こんな至近距離でマサマサが見れるの初めてなんだけど!かっこいいし、髪の毛サラサラだし、守護者バッチも超似合ってる!しかもほのかなハーブの香り、え、これってフェロモン?フェロモンだよね!?」
「悠真さん、教えてください!好みのタイプは?冬と夏、どっちが好きです?普段使ってるシャンプーは?それから、弓の練習は何処で?グラスファイバーとカーボン、どっちの弓が好きですか?」
「あ、あはは....取り敢えず落ち着こうよ、ね?」
浅羽のファンたちにどっぷり絡まれている最中だった。
「忙しそうですね、浅羽隊員」
「副課長!?見てないで助けてくださいよ!?」
と、タンザナイトは月城に助けを求めた。
「助ける?構いませんけど、条件がふたつ、週末の残業は遅刻しないこと、それと報告書をきちんと提出してください」
「えっ?あっ、はい....わかりました?」
月城の条件に戸惑いながら承認するタンザナイトだった。
「.....コホン、浅羽隊員、任務が間もなく始まります。貴方の弓がなければ、街が危険にさらされることでしょう。速やかにファンに別れを告げ、センターに来てください」
「りょ、了解です、副課長!」
と、月城の助けもあって、タンザナイトは浅羽のファンと別れ、HIAに入る。
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月城が先にスタッフから説明をもらったので仲間たちにささやかな説明会を開く。
「今回の任務は、HIAの最新VRシステムを使用した試験稼働...部署の枠を超えた協力となります。こちらの最新VRシステムですが、特徴を簡潔に述べると『感覚神経を、かつてない深度で同期できる』というものです」
「ふむふむ....」
「これにより脳が効果的に『騙し』、光学的な刺激だけではなく、本当の体験だと体に信じ込ませることで訓練の成果を高める狙いがあるようですね。もちろん、今回のテストは
(なんかワクワクしてきたな....)
「スタッフさんのお話では、我々の戦闘データをシステムの上限値として設定するそうです。そこで求められるのはシミュレーション内で『十分な戦闘を行う』こと....我々の仮想データのモデリング完了を似て、任務終了となります。何か質問がありますか?」
と、これまでの説明に星見が手を挙げる。
「質問あり」
「任務完了後、先方で報告書をまとめて提出していただくようお願いします。課長は終わり次第、部長に声をかけるだけでいいですよ」
「質問なし」
(すげぇっ.....!?)
まだ何も言っていないのに的確に質問の答えを言う月城に驚きを隠せないタンザナイトだった。
「ハーイ!ハイハイ!」
今度は蒼角が質問するが.....
「HIAは食事をだしてくれてますし、おやつ休憩もありますよ。蒼角のぶんは多めにと伝えてありますから」
「やったぁ!ナギねぇ大好き!」
と、これまた何も言っていないのに的確に質問の答えを言う月城、するとタンザナイトも質問する。
「僕も質問いいですか?」
「休暇の受理以外ならいいですよ?」
「何故それが最初に来るんですか?しかもなんか圧強いし!....コホン、『十分な戦闘を行う』って言ってましたけど、具体的にはどれだけ戦うんですか?」
と、本体が休み魔だろうか、休暇の受理が最初に来たことにスルーしつつ、質問した。
「時間制限があるわけではないので、HIAの要求に基づいて....ということになると思います。ただし、今回のテストに用いられるシステムの設計上、我々が『すべてのテストエネミー』を倒せば強制的に終了となるかと」
「なるほど....ところで副課長、その手に持っている本は?」
と、質問の答えに納得すると、月城が持っている本に目が入る。
「最新VRシステムの技術マニュアルです。スタッフさんから借りてきました。いま浅羽隊員に答えた内容も、こちらに記載があったものですよ」
「.....えっと、その273ページにはなんて書いてますか?」
「シミュレーション内でセーフモードを立ち上げる3つの方法、及びそれらが適用されるシナリオについての分析、です」
「すげぇぇぇぇぇっ!?」
と、短時間で開きもしないでスラスラと読み上げるぐらいまで暗記した月城に驚くタンザナイト。
「さて....変な質問はこれくらいにして、テストの準備にかかりましょうか」
「ねーねーナギねえ、これから行く「ばーちゃる」世界はさ~....見たことないキケンなのがいるかなあ?」
「心配いりません。テストが順調に行われるよう、HIAのスタッフさんが全ての行程で我々を守ってくれていますから。それに....私がいます。私が皆さんをサポートします」
と、心配してる蒼角を安心させる。
(改めて見ると....すごいな、対ホロウ6課は)
こうして、VRテストを行うため機械でバーチャル世界に行くのであった。
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HIAから合言葉を言うと、場面が変わり、オレンジ色の光でタンザナイト達のモデリングを形成した。
「スゴーイ!お外とおんなじだ!おっ――プレゼントも!」
「重さもリアルだ....凄い」
「『スパパッ――』手ごたえも悪くない...よく再現した、見事だ」
と、バーチャルなのに現実と同じ感覚なことに全員が感心する。
「おおぉ...雅さんに褒められたこと、忘れません!!そうだ、テストがスムーズにいくよう進捗マーカーを実装しました。緑になれば、データ収集完了です!」
そう言い、みんなの周りに立っている中心に円状のホログラムが出てくる。
――すると、敵エネミーが多数現れる。
「早速敵のお出ましか....」
「皆さん――始めましょうか!」
と、データ収集の戦闘が行われようとしたが.....タンザナイトはとあることに気づく。
(.....あれ?そうえば――俺、浅羽の戦闘について知らねぇえぇぇぇっ!?)
そう、入れ替わっているので浅羽の戦闘スタイルが全く分からなかった。
(やべぇ...これやっべぇよ。浅羽の戦闘の仕方知らねぇよ....でも行くって言っちゃったしな....つか今思うとなんだこの武器!?どういう仕組みで弓が剣に何のこれ!?)
「どうした浅羽?敵が来るぞ?」
「えっ?あっはい!今行きます!」
(くっそぉぉぉ....もうどうにでもなれ!どっかの桃太郎みたいなやつも言ってた『戦いってのはノリがいい方が勝つ』と!....だったらなるようになれだ!うおぉぉぉぉぉぉっ!!)
っと戦闘について葛藤しながらも襲ってくる敵エネミーをなぎ倒すのであった。
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数分後、バーチャルの闘技場に満ちていた『殺気』急に消えた。凶暴なデータ人形たちが思い思いのポーズのまま静止し、そこへHIAのスタッフがひずんだ声が空間に突き刺さり、反響した。
「データの収集が完了しました。テストは終了です。執行官の皆様、ご協力に感謝します!」
「偽りを似て真を乱す....悪くない戦いだったな。惜しむらくは早く終わりすぎたことか。このままでは報告会に間に合ってしまう」
「どんだけ報告会に行きたくないんですか課長.....」
と、タンザナイトは星見を細い目で見る。
「確かに、想定よりも早く終わったことは確かです。データの収集は順調ですか?」
「順調です!皆様がすぐお仕事に戻れるよう、バックグラウンドにてデータをモデリングするプロセスを始めましたから」
「そんなことが...マニュアルには記載がなかった気もしますが、とにかくご苦労様です。集合写真を撮影しますか?ご協力しますよ」
「集合写真?なんの集合写真です?」
(.....ん?)
「あら?6課にご足労頂いた際、記念に写真を、と伺った記憶があったのですが」
「あ、ああ~確かにそうでしたね!ですが6課の皆様は公務でお忙しいですし、そんな些細なことでご迷惑をかけるわけには....!ぜひ、このままH.A.N.D.にもどっていただいても全然かまいませんまで!」
と、何だか少し慌てた様子で言う。
「え~?もう帰っちゃうの?ごはんは!?」
「あああそうですね。お食事の方は....うちのスタッフに、後から届けさせましょう!まずはログアウトするためのメニューを呼び出す必要がありまして、その後にお手数ですが、そちらの『確定』ボタンを押していただけますと....」
「ありがとうございます。それでは、今すぐログアウトさせて頂いてよろしいでしょうか」
(........)
月城がそう言うと、空間に、半透明のダイアログボックスが浮かび上がり、システムが『実行を確定しますか?』と尋ねてきた。6課の面々は一斉に、虚ろに点滅する『確定』ボタンに指を伸ばした。すると.....
[マスター、気を付けてください。何者かの介入が入り込んでます]
「....えっ?」
『$$&&%%、ロ、ログアウトに、成、成功しま$%&&%.....(''\\\――』
タンザナイトが呟いた声はバグり始めた音声と共に消えた――
ツール・ド・インフェルノのボス候補は決まってるけど迷ってるんだよな....どうしよ
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ポンペイ「もどき」
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「ぺらっぺらの正義のなぁ!!」
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「許可なく見上げるな小僧」
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「チャオ~」
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「アークライズ.....」