数分後、蒼角が目を覚ます。
「う...うぐ....」
「蒼角、やっと目が覚めたんですね!どこか痛みますか?」
「頭が、まだ、いたーい....」
と、蒼角は頭を手に当てて言う。
「テストシステムの痛覚フィードバックが完全にオンになっているみたいですね.....すみません。先程は皆さんを確実に止められるよう、少々手荒にしましたから」
「大丈夫、頭が痛いのはナギねえのせいじゃないよ。
「ふむ、我らに起こった状況はみな同じか」
「つまり....『頭に強烈な痛みが走ったと思ったら、体が言う事聞かなくなって、仲間を攻撃し始めた...』と」
「ええ、確信を持って言えそうです。我々がまだVRシステムからログアウトできないのはアクシデントではなく、
「ああ....そうだな」
と、タンザナイトが言い、未知の声と対峙した時のことを簡潔に仲間に伝える。
「....浅ましい限りだ。そこから素性を辿れそうか?」
「今は推測するしか。ですが、我々に情報を提示してくるやり方からして、少なくとも敵はVRシステムの一部制御権を乗っ取っていますね」
「ということは....色々罠とか出てきそうだな」
「でも、だーれもいないのに、どうやってワナなんてしかけるの?」
蒼角が疑問に思っていることを星見が答える。
「ここは仮想空間、我々が感覚を同期させているだけのデータ的実態に過ぎない。敵方がシステムを掌握しているなら、それはこの世界の神も同然だ。何であれ、思いのままだろう」
「.......ですが敵は、敢えて存在を隠すことなく自らが脅威であることを伝えてきました。......あたかも、私たちがそう信じることが狙いであるかのように」
「どういうことだ?」
「驚異のなんたるかが分からなければ、恐れることもできませんから。意図的にその能力を誇示し、このシステム内で他にどんなことができるのか、
「そう判断した故を聞こう」
と星見が月城の考えを聞く。
「敵は、データ的実体を殺害することで、我々を脳死に至らしめると脅迫しました。先ほどのように体の制御を奪って同士討ちさせたのも、それが狙いかと。ですが、VRシステムの全権を掌握しているならよほど効率のいい手段が沢山あるはずなんです」
「確かに....」
「自殺命令、データの強制削除・破壊、ウイルスの埋め込み、この領域ごと消去する....そうした手段を取らないのではなく、
「......」
「わざわざ我々をバーチャル空間に閉じ込めるようなことをしたのは、現実世界では太刀打ちできないと判断したからでしょう。特に、新エリー都で当代最年少の虚狩りなんて....私が敵であれば、なおさら手段を選ぶことはできません。向こうが虚勢を張れば、それは却って、盤面上の不確かな余白を浮き彫りにするだけです。私たちにできることが、まだあるという証明と共に」
長々と説明した後、柳は言う。
「いまお話ししたことは、そうした人間の口からでたものだと理解してください。無謀ゆえにリスクを冒すのではなく、それほど状況は逼迫しているのだと。生き延びるため、私たちから行動を起こす必要があります....皆さん、私を信じてくださいますか?」
「ああ、信じる!」ドンッ!
と、即答したのは、タンザナイトだった。
「.....えっと、話を聞いてましたか?」
「ああ聞いた。なんかちょっと理解できてないこともあるけど....それでも俺は月城を信じる!」
「――それは何故?」
と、月城が言うと、タンザナイトは答える。
「短い時間だったけどこんなにもすげー奴らがいるんだぜ?それに、対ホロウ6課の実力は俺が一番知っている」チラッ
「....フッ」
とタンザナイトはちらりと星見の方へ向く。
「それに今の俺達は共に戦う『仲間』だ!仲間を信頼してこその、対ホロウ6課じゃねぇのか?――心配すんな、もし違ったとしても、またその時、考えればいいさ!」
「......」
その答えに唖然となる月城だった。
「....柳、全てはお前の推測にすぎない。抜け目があれば、事態は取り返しのつかないことになるだろう.....しかし、私もこいつと同じように信じる。何が起ころうと、その責は課長である私のものだ。お前はただ、我らに次の動きを示すだけでいい」
「....ありがとうございます、皆さん」
と信じることを決意した皆に感謝する月城だった。
「具体的な動きですが....皆さんは覚えていますか?先ほどの戦闘テスト終了時点で、まだ3体のエネミーが残っていたことを」
「ああ、覚えてる。それを片付ける前に、
「はい。それでは、
「なるほど。テストステージに戻り、残る3体を消し去るというわけだな」
月城の説明に納得する星見だった。
「そうです。現時点で判明している情報に基づいて、これが最も試す価値のあるアプローチかと。とはいえ敵も、みすみす分かりやすいところを放置したりはしないはずです。相手はシステム権限を使って、必ずや私たちを
「ナギねえ、心配なことでもあるの?」
と蒼角が月城を心配する。
「いいえ、心配をしなければならないのは敵の方です。――聞こえていますか?頭を隠しておしりを隠さない、そこの貴方に言っているんですよ!貴方が相手にしているのは、新エリー都でも最強のエリートたちです!」
「.....びっくりした」
そう言い、対ホロウ6課達はVRテストへ向かうのだった。
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「目標は、もう一度テストステージを起動して、残りのテストモンスターを倒すこと――皆さん、準備はいいですか?準備が出来たら、あの....合言葉を一緒に言いましょう」
そう言い、一緒に合言葉を言う。
「「「「都市を守るため....我、浅羽悠真(星見雅、蒼角、月城柳)....光とならん」」」」
すると、目に映ったのは....テスト用ではなく、工事現場みたいなまったく別の場所だった。
「わぁ!?違う場所になったよ!」
「....如何やら敵はステージを操作する権限を持っているようですね 」
「でもやることは変わりない.....出てくる敵を粉砕するのみ!」
タンザナイトがそう言うと、出てくる敵をバッタバッタとなぎ倒す。
「....っ!」
「テストターゲットを発見しました!前方にいます!」
見つけると、そのテストターゲットは逃げる。
――すると、そこから敵が出てくる。
「構ってる暇はねぇ....『
回転しながら、敵を切り飛ばすタンザナイトだったが....
ドォォォン!!
「うおっ!?」
「タンザナイト!大丈夫ですか?」
「大丈夫....くそ、この敵改造してやがる....気をつけろ皆!」
切り飛ばした瞬間、爆発が起こり、タンザナイトはダメージを少し負う。
「いずれも規格外な相手です。皆さん気を引き締めてください!」
そう言いながら先へ進んでいくと、テストエネミーを発見した。
「見つけた...」バリリッ
「待たんかいゴラァ!!」ダッダッ!!
発見した月城とタンザナイトは追いかけてみると....
「なっ....」
「うわっ!?んだこれ!」
そこには、初期mmdみたいなポーズをとった大量のテストエネミーだった。
「はぁ....またですか」コツコツ
「.......」
そう言いながら歩く月城に、それを見るタンザナイトだった。
そして、月城が最後まで見終わると、振り向いて言う。
「課長!今です!」
「っ!」
「隙ありぃ!!」バッ!!
グサグサッ!!
「うぐっ!?」
テストエネミーが動いた瞬間、タンザナイトが双剣で串刺しにした。
「ナイス、月城....」
「ふふ...本能には抗えませんね」
すると、あれだけいた沢山のテストエネミーは消えた。
「現実に戻る方法を教えなさい、さぁ!」
「っはは....貴様らは....永遠に出られん....!」
それだけ言い残し、テストエネミーは消えた。
「「「「!」」」」
テストエネミーを倒したのか、全員、HIAのところに戻ってきた。
「これは....」
「協会の部屋に戻ってる!ナギねえ、タンザナイト!やったね!」
「流石だ」グッ
「ふふっ」
「ははっ...」
と、星見が親指を立てるのだった。
テストエネミーは残り二体、あともうちょっとである――
ツール・ド・インフェルノのボス候補は決まってるけど迷ってるんだよな....どうしよ
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ポンペイ「もどき」
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「ぺらっぺらの正義のなぁ!!」
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「許可なく見上げるな小僧」
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「チャオ~」
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「アークライズ.....」