「……さてと、後は……」
「……えぇ……」
「あぁ……」
残りは地上の仲間に任せても大丈夫だと判断した紫苑とシズ、絶狼の三人はそう言いながら、
【どれ程の強さか、見極めてやろう!!】
「それでこそ嵐牙♪」
「油断するな!嵐牙!紫苑!!」
【相手は勇者が封印した
「うん。絶狼さんと影狼の言う通り、間違いなく魔王に近い“力”を持ってるよ。」
五人はそう話しながら暴風大妖渦へと向かっていく。
「うわああああああっ!?」
「くっ……!!」
その間にゴブタとリーニエ達はなんとか二匹のメガロドンを仕留めるものの別の二匹から襲撃に遭い、陣形を崩される。
ズババババババババババババババババババババァァァンッ×2!!
バアアアアアアアンッ×2!!
が、一瞬だけ眼光を赤く光らせた白老とブラッドレイが各々一匹ずつ細切れにしてしまう。
「ゴブタ。大丈夫?」
「うぅ……」
「情けないのぅ……」
「リーニエ君の隊と分かれて一匹ずつ仕留めて、それなりに成長はしているが……」
「油断したところを狙われ、陣形を崩されるとはのぅ……」
「リーニエ君は接近に気付けてはいたが、周りへの伝達が少しばかし遅かったのは痛いな……」
「うっ……面目無い……」
「まぁ、今回の失敗を糧に次に活かせば良かろう。」
「とはいえ、明日から修行を厳しくせねばのぅ……」
ガバッ!!
「ちょっ!!やっとこさ二匹仕留めたところに襲われたんスよ!?流石に無理があるッス!!っていうかこれ以上厳しくされたら死んじゃうッスよ!!ジジイ!!!」
「あ……」
「ジジイじゃと?」
「……ほぅ……」
ゴブタの言葉に白老とブラッドレイの眼が赤く輝く。
「え?………あ……あぁーーーっ!!?」
ルーミアSide
「ん?今、ゴブタの悲鳴が聞こえたような……」
蒼影が操っている個体以外のメガロドンが片付いた頃、リムルが首を傾げながらそう言う。
まぁ、大方白老に対する失言をしちゃったってところだろうけど……
「リムル様、ルーミア様。」
そんななか、紅丸に呼ばれ彼の目線の先を見ると、自身が先程まで操っていた最後のメガロドンを始末した蒼影が暴風大妖渦に飛び乗るのが目に入る。
後から紫苑と嵐牙、シズさんと影狼、絶狼の五人も暴風大妖渦の上に着地する。
「残るは暴風大妖渦だけか……」
「だね。」
「まぁ、彼奴らなら大丈夫でしょう。それに……」
リムルと私、紅丸の三人がそう言うなか、ドルフさん率いる
「……効いてる感じしないね……」
「……ですね……」
「まぁ、メガロドンよりも鱗は硬いだろうし、『超速再生』も持っているって話だからな……」
「にしても、再生
「「!?」」
そんななか、暴風大妖渦から赤黒い
「まさか、エフィメラ!?
ッ!『
『うん!ルーミアの見立て通り、暴風大妖渦はエフィメラを取り込んで、その『闇の力』で強化されてるよ!!』
「ッ……」
どうりで再生速度が速いと思ったよ!!
「ルーミアが今、暴風大妖渦からエフィメラの『闇』を感知した!!何が起こるかわからん……気を付けろ!!」
私がそう思っているなか、リムルが『思念伝達』でそう通達する。
第三者Side
「了解ですっ!!」
「わかった!!」
「承知!!」
「聞いていたな。影狼!嵐牙!!」
【はいっ!父上!!】
【心得ました!!】
リムルからの『思念伝達』を受け取った紫苑、シズ、蒼影、絶狼、影狼、嵐牙の六人はそう言いながら辺りを警戒する。
グギョオオオオオオオオオッ!!
「「「「【【!?】】」」」」
「!?回避!距離を取れっ!!」
直後、暴風大妖渦が唸り声を上げ、異変を察知したドルフの指示で
ズオオオォォォーーーッ!!
「「「【【!?】】」」」
「!?鱗がっ!?」
次の瞬間、先程まで暴風大妖渦を護っていた鱗がひとりでに剥がれていく。
「ぬわっ!?」
「くっ!?」
「うわっ!?」
「キャッ!?」
【【!?】】
その勢いに押された六人は暴風大妖渦の上から振り落とされる。
【くっ!紫苑!!】
【シズ殿!!】
嵐牙と影狼はそう言いながら、すぐさま二人を回収しながら着地。
蒼影と絶狼も上手いこと着地する。
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!
そんな六人に剥がれた鱗がまるで弾丸のように襲いかかる。
「くっ!?」
「避けられん……っ!!」
蒼影と絶狼は短距離の『影移動』と身のこなしで回避を試みる。
が、完全に避けきれず、蒼影は頬を、絶狼は脇腹に掠る。
「避ける?」
ガァンッ!!
「何を甘えたことを!!」
ガガガガガガガァンッ!!
紫苑はそう言いながら剛力丸を振るい、向かってくる鱗を捌ききろうとする。
ドカッ!!
「ぐっ!?」
が、太めのブーメラン程の大きさはある鱗を腹に食らい、
ドカァンッ!!
「がはっ!?」
ドサッ!!
続けて顔にも受けて倒れ込む。
「紫苑!!」
「ウオオオオオオオンッ!!」
「ガアアアァァァッ!!」
「『『火竜一閃』!!』」
バチチチチチチチイイイィィィンッ!!
ゴオオオォォォーーーッ!!
ゴオオオォォォーーーッ!!
倒れ込む紫苑に絶狼が声を掛けるなか、嵐牙と影狼とシズは黒雷と猛毒の吐息と豪炎を放つ。
が、鱗はまるで意志があるかのようにそれらをかわし、宙を舞う。
「「「「【【はぁ……はぁ……】】」」」」
【ッ……父上。蒼影……貴方方は『影移動』で退避を……】
【我と姉上が紫苑とシズ殿の盾となろう!!】
「!?嵐牙、急に何を……死ぬ気かっ!?」
「影狼も……っ!!」
【フッ……リムル様とルーミア様のお二人なら……】
【生き残る確率が高い方をお選びになる筈です……っ!!】
「生き残る確率か……なら、俺も残ろう。あぁ、勘違いするなよ?死ぬ前に本体は撤退させるから気にするな。」
「フッ……蒼影らしいな……」
「我も当然残る。父親として娘と息子を戦地に残す訳にはいかないからな……」
「なら、皆で生き残ろうっ!!」
六人はそう話しながら、向かってくる鱗を迎え撃とうとする。
「おまえらって本当にバカだよなぁ……」
「シズさんも絶狼も影狼も……こういう時くらい私達を頼ってよね?」
「「「【【!?】】」」」
「!?リムル様!?ルーミア様!?」
が、そんな六人の前に
ルーミアSide
「リムル。お願い。」
「あぁ、『
ズオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!
リムルがそう言いながら突き出した左手から黒い魔素の渦が生まれ、鱗を全て呑み込む。
「「「【【!?】】」」」
「!?あれだけあった鱗が一瞬で……っ!?」
ユニークスキル『
「後は俺達がやる。」
「貴方達は少し休んでて。」
「ッ!我らはまだお役に……っ!!」
「慌てるなって。」
「……あれを見て。エフィメラの『闇の力』も加わって、鱗が凄まじい速さで再生を始めてる……」
「次に放たれたら、また護ってやれるかわからないからな。」
「暫くは私とリムルが相手をするから。シズさん達は戻って体力を回復させたら、紅丸とブラッドレイの指示で攻撃をお願い。」
「わかった……ルーミアちゃん。リムルさん。気を付けてね……」
「承知しました。」
「ご武運を。ルーミア様。リムル様。」
「お気をつけて。」
【我が主達よ!!】
【すぐに応援に戻ります!!】
「行くぞっ!ルーミア!!」
「うんっ!!」
シズさん、蒼影、絶狼、紫苑、嵐牙、影狼の言葉を背に、リムルと私は暴風大妖渦へと向かっていった。