転生したらルーミアだった!?   作:デスゴッド

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魔王カリオン

「か、カリオン様……っ!!」

 

「よう。そいつを殺さずに助けてくれたこと、礼を言うぜ。」

 

「あんたが魔王カリオンか……態々(わざわざ)出向いてくれるとはな……」

 

そう言いながら歩み寄ってきた魔王カリオンに対し、リムルはそう言いながら少しばかし魔力を抑えるのをやめる。

 

「………」

 

私も同じように魔力を抑えるのをやめる。

 

「改めて、俺はこの森の魔物達で作った魔国連邦(テンペスト)の盟主、リムル=テンペストだ。」

 

「同じく盟主のルーミア=テンペスト。以後お見知りおきを。魔王カリオン様……」

 

「フッ。たかだかスライムと新参の魔人の小娘が国を興すとはな……」

 

カリオンはそう言いながら、リムルと私をじっと見る。

 

「……おまえ、豚頭帝(オークロード)を喰ったな?そっちの嬢ちゃんも、まさかミリムの魔素を取り込んでいるとは驚きだ……」

 

リムルはともかく私のことまで気付くなんて流石は本当の『魔王』だね。

 

「……あぁ。その通りだ。」

 

「何か問題でも?」

 

対するリムルと私は物怖じせずにカリオンの眼を見ながらそう返す。

 

「………ぷっ……ふはははははっ!!二人とも面白いな!ミリムも気に入る訳だ!!」

 

「カリオン様……」

 

「フォビオ。立て。」

 

「は、はいっ!!」

 

一頻(ひとしき)り笑った後、カリオンはそう言ってフォビオを立たせる。

 

「………」

 

「え?………ダッガァァッ!?」

 

ズガァンッ!!

 

カリオンは立たせたフォビオに歩み寄ったかと思えば、その頭を鷲掴みにし地面に(うず)める勢いで叩きつける。

 

ってあれ、マジで埋まってない!?大丈夫!!?

 

「……体育会系……」

 

言ってる場合かっ!!

 

「……悪かったな。今回、俺の部下が暴走しちまったようだ。俺の監督不行き届きってことで許してほしい。」

 

引きながらそう呟くリムルに内心でそうツッコミを入れるなか、カリオンは改めてそう謝罪してくる。

 

「今回の件は借り一つにしておく。

何かあれば、俺様を頼ってくれていい。」

 

「あ。でしたら、魔国連邦(わたしたち)と不可侵協定を結んでくれませんか?」

 

「そんなことで良いのか?」

 

「良いよね?リムル。」

 

「あぁ。そっちの方が俺達としては助かる。」

 

「良かろう。魔王の…いや、『獅子王(ビーストマスター)』カリオンの名に賭けて誓ってやる。今後、獣王国(ユーラザニア)魔国連邦(テンペスト)に牙を剥かんとな。」

 

「……あぁ。」

 

「ありがとうございます。カリオン様。」

 

「フッ……」

 

笑顔でそう言うリムルと私に微笑んだ後、カリオンは地面に埋めたフォビオを引き抜いて担ぐ。

 

「おら。帰んぞ。」

 

カリオンさんやフォビオの頭が血が一杯出てるんですけど。いつの間にかいた、最初に来た時は一緒にいた大猿の獣人さんが慌ててるんですけど!?

 

「後日、使いを送る。なに、今度はちゃんと礼儀を守らせるさ。」

 

「お、おう……」

 

「そ、そうですか……」

 

「また会おう。リムル、ルーミア。」

 

次の瞬間、カリオンはそう言いながら、フォビオと大猿さんと共に転移でその場から消える。

 

「ルーミア嬢。」

 

「ドルフさん……」

 

「説明して頂けますかな?あの大鎌と……」

 

「ん?」

 

「魔王ミリムについて。」

 

「……わかりました。」

 

真剣な表情でそう尋ねるドルフさんに対し、私はミリムが来襲したこと、なんだかんだで親友になり今は魔国連邦(テンペスト)に暮らしていることを話した。

 

『終の導き』については後日、ガゼル王とも交えた場で説明すると伝えた。

 

「なるほど……魔王ミリムが来襲したことはベスター殿からの報告で存じておりましたが、そのようなことになっていたとは……」

 

どうやらミリムが来襲したことはベスターさんが報告してくれていたみたい。

 

「何にせよ人類の脅威となる暴風大妖渦(カリュブティス)を始末できたのは僥倖(ぎょうこう)です。あの大鎌…『終の導き』についても王の前で説明して頂けるのなら、王にはそう伝えましょう。」

 

「ありがとうございます。ドルフさん。」

 

「今回は助かりました。」

 

「いえ、それでは我々はこれで……」

 

そうしてドルフさん達天翔騎士団(ペガサスナイツ)も帰っていった。

 

「しかし、見事なまでにぼろぼろになったな。」

 

「折角乙事主とゲルド達が作ってくれたのにね。」

 

「問題ありません。」

 

「すぐに直してみせます。」

 

ドルフさん達を見送った後、暴風大妖渦やメガロドンとの戦闘でぼろぼろになった街道を見渡しながらそう言うリムルと私に対し、乙事主とゲルドは力強くそう言う。

 

「二人とも頼もしいけど……ちゃんと休みながらやってね?」

 

「特に今日明日は戦闘に参加した者は全員、絶対に休め。良いな?」

 

「「「「「は、ははぁっ!!」」」」」

 

「よし。それじゃあ帰ろうか。」

 

「私達の町へ。」

 

そうして私達も中央都市リムルへと帰還した。

 

第三者Side

 

「首尾はどうだったのかしら?」

 

「上手くいったようですよ。

暴風大妖渦はミリムに倒されました。」

 

「……そう。」

 

「これで貴女の心配事も消えたでしょう……『天空女王(スカイクイーン)』フレイ。」

 

その頃、『傀儡国ジスターヴ』のクレイマン城にて、クレイマンは自分のグラスにワインを淹れながら、窓際に佇んでいるフレイにそう言う。

 

「それで?

私は貴方に何を支払えば良いのかしら?」

 

「……特には。」

 

「……何が目的?」

 

「そう警戒しないでください。

何も企んではいませんよ。」

 

「企んでいる人は皆、そう言うのよ。」

 

「でしたら今度、お願いを一つ聞いてください。」

 

「?今度?今ではなくて?」

 

「えぇ。例えば……『魔王会談(ワルプルギス)』の時にでも……」

 

「………」

 

(それが狙いという訳ね……)

 

「……良いわよ。私にできる範囲ならね。」

 

不敵な笑みを浮かべながらそう言うクレイマンに対し、フレイはその真意を理解しながらそう言って承諾する。

 

「今回の件は助かったわ……またね。クレイマン。」

 

フレイはそう言いながら、転移でその場から消える。

 

「フフフ……」

 

ミリムとフォビオを使い、フレイに借りを一つ作ることに成功したことを確信したクレイマンは静かに笑みを浮かべるのだった。




遂にサンタから送られた大鎌…『終の導き』を武器に暴風大妖渦を後一歩のところまで追いつめてみせたルーミア。

今後、『終の導き』はここぞという場面で使っていく予定です。
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