「―――という訳で俺は『イングラシア王国』に行こうと思っている。」
議事堂に集めた皆にシズさんと子ども達について、説明した後、リムルは改めてそう言う。
「さっきも説明したけど、その子達がシズさんが魔王レオンに会おうと決意した理由の一つなの。」
「そして、俺達はその子達も救うことをシズさんと約束した。だから、俺が会いに行こうと思う……」
「リムルさん……」
「はぁ……お話はわかりましたが、リムル様お一人で旅立たれるというのは……」
「左様じゃな。
「リムル君に万が一のことがあれば、折角纏まりだした『ジュラの森大同盟』も根底から崩壊するかもしれんぞ?」
「大丈夫だよ。リグルド。白老。ブラッドレイ……リムルの強さはよく知ってるでしょ?」
「それに一人って言っても影に潜んだ嵐牙も連れていくし……」
私が三人にそう説明するなか、リムルはそう言いながら蒼影と鬼鮫、私の三人を見る。
「俺達の分身体を一人ずつ、リムル様との連絡係として同行させる。」
「勿論、リムルさんの護衛役も務めてみせますよ。」
「私の分身体も就けるから大丈夫だよ。」
「あの!なんでしたら私も!!」
紫苑……人の話聞いてた?
「あのなぁ……俺は人に化けられるし、蒼影達は嵐牙と同じように影に身を隠せるから良いとして……おまえの場合、角が目立つだろ?」
「そ、それは帽子でも被ればなんとか!!」
いや。無理がある。
「確かに紫苑は無理ですが、藍なら大丈夫なのでは?確か
「確かに……
「確かに朱菜殿と紅丸殿の言う通り、『イングラシア王国』にも立ち寄ったことがありますので案内できますが……」
「藍はあくまでルーミアの配下で秘書だからな。紫苑にも悪いし……」
「案内役なら他にも当てがあるしね。」
「?当て……と言いますと?」
「カバルとエレン、ギド達だよ。」
「今、ゴブタとリーニエに交渉に行ってもらってるよ。」
首を傾げながらそう尋ねてくる紅丸に対し、リムルと私はそう答える。
「なるほど……あの三人ですか……」
「あぁ、イングラシア王国に行くにはどのみちブルムンドを経由しなきゃだし。」
「三人ならリムルがスライムだってことを知ってるしね。」
「確かに……人間の国に行くのに私達魔物が付いて行っては却って火種になりかねませんし……」
そう言う朱菜を始め皆、納得した表情を見せる。
シュン
「リムル様。ルーミア様。ただいま戻りましたッス。」
「案内の件、大船に乗った気でいてくれと了承を得ました。」
そんななか、リムルと私の影からゴブタとリーニエがそう言いながら飛び出してくる。
因みにリーニエもゴブタと一緒にいる内に覚えたのか、いつの間にか『影移動』を収得している。
「おう。ご苦労さん」
「リーニエもお疲れ様。」
「という訳で皆。」
「納得してくれた?」
「はい。ですが、十分ご注意して下さいね?リムル様。」
「あぁ、わかってるよ。」
「リムル様に何かあれば、我らは……っ!!」
「十分気を付けるよ……」
リグルド、そんな号泣しなくても……
「リムル様のことを頼んだぞ。蒼影。鬼鮫殿……」
「あぁ……」
「任せて下さい。」
私がそう思っているなか、紅丸と蒼影、鬼鮫の三人はそう話をする。
翌日、カバル達と合流したリムルは皆に見送られながら旅立っていった。
「ところでシズさん。今、思い出したんだけど……」
「?どうしたの?ルーミアちゃん。」
「……あの三人、前はシズさんに頼りっぱなしじゃなかった?」
「……リムルさんもいるから大丈夫だよ………多分………」
シズさん………