転生したらルーミアだった!?   作:デスゴッド

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風と無③

「―――っていう訳なんだけど……」

 

(にわか)には信じられないけど、さっきの妙な気配の鬼達のことやこの部屋のことを考えたら、信じるしかないね……」

 

「うん……」

 

「後、私や貴女達のように異世界から転移なり転生なりした場合、『世界の言葉』っていうものによって一般的に『スキル』っていう能力が与えられるんですが……」

 

「そういえば……ここで目を覚ます前に妙な声を聞いたね……」

 

「私も……『『すきる』を獲得……成功しました』っていうのを聞いた……」

 

私がそう説明すると、二人は思い当たる節があったのか、そう言いながら納得した表情を浮かべる。

 

くぅ~……

 

そんななか、神楽と神無のお腹の虫が鳴る。

 

「「………」」

 

「あぁ……そういえば、ご飯もまだだったね……ちょっと待ってて。」

 

なんともいえない空気が流れるなか、私はそう言いながら『思念伝達』で朱菜と連絡を取る。

 

ガチャッ!!

 

「お待たせ致しました。お食事をお持ちしました。」

 

数分後、朱菜がそう言いながら、二人分の食事を乗せたお盆を持って入ってくる。

 

因みに内容は干し肉と野菜のスープに果物のジャムとパンモドキ、牛鹿の乳である。

 

「!」

 

「!良い匂い……」

 

「あぁ、別に毒とか入ってないから安心して召し上がって。」

 

私がそう言うと二人は木の匙を手に取り、スープを一掬いして食べる。

 

「!?」

 

「!?美味しい……それに温かい……」

 

「お口に合ったようで良かった……」

 

「そっちのパンモドキはそのままでもイケるけど、こっちの果物のジャムを付けて食べても美味しいよ。」

 

「へぇ……じゃむっていうのかい。この潰れた果物は……」

 

「こっちは甘い……それに美味しい……」

 

「ぱんもどきってやつも柔らかいんだねぇ……」

 

そうして二人はあっという間に平らげる。

 

「ふぅ……」

 

「美味しかった……」

 

「お粗末様でした……」

 

「ん?神無。口元にぱんもどきの屑が付いてるよ。」

 

朱菜がそう言いながら皿を片付けるなか、神楽がそう言いながら神無の口元に付いているパンモドキ屑を取ってやる。

 

「フフ……まるで姉妹みたいですね……」

 

「あ?」

 

「……みたいじゃなくて、本当の姉妹……」

 

「まぁ!じゃあ、神楽さんが神無さんのお姉さんなんですね!!」

 

「「え?」」

 

「え?」

 

「あぁ……」

 

朱菜から見たら、そう見えてもおかしくない(・・・・・・・・・・・・)かぁ……

 

主に二人の見た目(・・・・・・)的な問題で……

 

「……逆……神楽が妹で私が姉……」

 

「え?」

 

神無が告げた事実に朱菜は『嘘ですよね?』と言いたげに私に視線を送る。

 

「……残念だけど朱菜。神無の言ってることは本当だよ……」

 

「……失礼しました……」

 

「ん……大丈夫……」

 

「後は私が対応するから朱菜。

下がってて良いよ。」

 

「はい……失礼しました……」

 

「さて、まだ聞きたいこととかある?」

 

「じゃあ、後一つだけ……あたしらはあのクソ野郎……『奈落』の呪縛から解放されたってことなのかい?」

 

朱菜を退室させた後、そう尋ねる私に対し、神楽が真剣な表情でそう尋ねてくる。

 

やっぱり神楽としてはそこが一番気になるよね。

 

「うん。貴女達の本体とも云える奈落との『繋がり』は完全に切れてると思って良いよ。二人とも、この世界に適応して種族も変わっているみたいだし。」

 

因みに『人造全智存在(マザー)』が調べたところ、神楽は『疾風合成魔人(ウインドキメラノイド)』、神無は『虚無合成魔人(ゼロキメラノイド)』になっているらしい。

 

合成魔人(キメラノイド)なのは数多の妖怪の集合体である奈落の分身だからなのかな?

 

「そうか……」

 

「まぁ、とりあえず今はゆっくり休んで。で、明日は町を案内するとして……その後、どうするかは姉妹で話し合って決めると良いよ。さっきも言った通り、二人はもう自由の身だし。この町を拠点に生活するもよし。旅に出るならそれなりの用意はするから……」

 

「あ、あぁ……」

 

神楽Side

 

「それじゃあ、おやすみ。」

 

あたしらに一通りの説明をし食事をご馳走した後、『るーみあ』と名乗ったガキはそう言いながら部屋を出ていく。

 

しかし、異世界ねぇ……漸くあのクソ野郎から解放されて『自由な風』になったと思ったらこんなことになるなんてねぇ……

 

「さて、どうしたものかねぇ……」

 

あたしは軽くぼやきながら神無の方を見る。

 

「………」

 

相変わらずの無表情ではあったけど、付き合いがそこそこ長かったおかげか、多少なりとも戸惑っているのはわかった。

 

「……まぁ、なるようになるしかないのかねぇ……」

 

「……うん……」

 

あたしらはそんなことを言いながら眠りに就くのだった。

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