転生したらルーミアだった!?   作:デスゴッド

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進化と宴

「……不思議だなぁ……」

 

「?どうかしましたか?ルーミア様。」

 

三日後、リグルド親子の家にて、未だに低位活動状態(スリープモード)になっているリムルを撫でながらそう言う私に対し、近くで軽く掃除をしていた、新成人の女性のような姿にまで急成長したハルナは首を傾げながらそう言う。

 

「いや、何も……確か今は進化してゴブリナになったんだっけ?」

 

「はいっ!名前を付けて頂いたルーミア様のおかげですっ!!」

 

「……ん……んん……」

 

「あ。リムル。」

 

「お目覚めになりましたか!リムル様!!」

 

「んっ!?」

 

今、リムルがハルナの……見事に実っているモノを凝視している気がする……

 

リグルド様(村長)を呼んできますね!!」

 

「あぁ、頼んだよ。ハルナ。」

 

【おい!ルーミア!!どういうことだ!?あの子はおまえが名付けたハルナなのか!?】

 

ハルナがそう言いながら出ていくなか、リムルが“念話”でそう尋ねてくる。

 

「リムル……驚くのはまだ早い……」

 

「は?それってどういう」

 

「お目覚めになられましたか!リムル様!!」

 

「その声はリグルド?さっきの子なんだけど」

 

リムルがそう言いながら振り向く。

 

が、聞き覚えのある声と共に入ってきた、緑の肌の筋肉隆々なマッチョマンに思わず固まる。

 

【誰だよっ!?】

 

【リグルド。】

 

【いやいや!三日前はヨボヨボの爺ちゃんだったじゃん!?】

 

【名付けしたじゃん。あれで進化したらしいよ。】

 

「さぁ、こちらへ。宴の準備はできております。」

 

私がリムルに“念話”でそう説明するなか、マッチョマン…ホブゴブリンに進化したリグルドがそう言ってきた。

 

 

 

 

 

【なんか……皆、でっかくなってるよな……】

 

リグルドに連れられ家から出た後、村のあちこちにいるハルナと同じように進化したゴブリナ達とマッチョマン(リグルド)程ではないが、新成人の男性くらいの姿にまで進化したホブゴブリン達を見ながら、リムルは“念話”でそう呟く。

 

【リムル。気持ちはわかるけど、ゴブリナ(女の子)達の身体をあまり見ない。】

 

【うい。】

 

因みにリムルがリグルの次に名付けたゴブタだけはあまり変化がなかった……なんでだよ……

 

【ご回復、心よりお慶び申し上げます!我が主よ!!】

 

「……嵐牙……だよな?」

 

【はっ!!】

 

【こいつもでかくなってる……よな?】

 

【進化して今は『嵐牙狼族(テンペストウルフ)』らしいよ。新たな長となった嵐牙と『繋がり』がある他の牙狼族も同じように嵐牙狼族に進化している。】

 

三日前より一回りも二回りも大きくなり、二本の角が生えた姿に進化していた嵐牙を見ながら、“念話”でそう言うリムルに対し、私は同じように“念話”で説明する。

 

【後、驚くことはまだあるよ。】

 

【は?これ以上に何が】

 

「リムル様!!」

 

「ご回復おめでとうございますっ!!」

 

「ん?」

 

そんななか、右目に傷痕がある黒髪の青年と額に赤い満月の痣がある若干赤めの黒髪のロングヘアーの女性が声をかけてくる。

 

二人には共通して犬耳と狼尻尾があった。

 

【いや!今度こそ、誰だよっ!?】

 

【牙狼族の元ボスとその娘さん。】

 

『つまりは嵐牙のお父さんとお姉さん。』

 

【人型になってるんですけど!?】

 

【二人は私の直属の配下になりたいって言うから名付けたらこうなった。】

 

『種族は『暗黒人狼(ダークネスウェアウルフ)』だよ。』

 

【種族からして別物(べつもん)かよっ!?】

 

【不思議だよねぇ~。魔物って……】

 

「ご回復おめでとうございます、リムル様。この度、我が主、ルーミア様の直属の配下として名を賜りました、元牙狼族族長の絶狼と申します。」

 

「同じく、ルーミア様の直属の配下として名を賜りました、影狼と申します。以後、お見知りおきを。」

 

人造全智存在(マザー)』も含めて、リムルと“念話”でそう話をするなか、絶狼と影狼は片膝を着きながらそう挨拶をする。

 

「お、おう……これからもよろしくな。絶狼、影狼。」

 

「「はっ!!」」

 

そうしている間に宴の準備が完全に整ったのか、他のゴブリンと嵐牙狼族達が村の中央に終結する。

 

「それでは、リムル様、ルーミア様。お言葉をお願いします。」

 

【リムル、任せた。】

 

【おまえ……】

 

「え~と……それじゃあ、皆の進化と(いくさ)の終結を祝して……かんぱぁーいっ!!」

 

私をジト目で一睨みしてから、リムルはそう言いながら水の入ったコップを掲げる。

 

「「「「?」」」」

 

が、ゴブリン達は首を傾げる。

 

【……あれ?】

 

【リムル……魔物に『乾杯』の風習があると思う?】

 

【あ……】

 

「あの……リムル様にルーミア様。かんぱいというのは?」

 

リムルに“念話”でそう言うなか、リグルドがおずおずとそう尋ねてくる。

 

「あぁ、ごめんね。『乾杯』っていうのはお祝い事とかがある時にこうやって互いのコップを軽くぶつけて祝うの。ただ皆と合わせてコップを掲げるだけでも良い。」

 

「おぉっ!なるほどっ!!」

 

「それじゃあ、気を取り直して……かんぱぁーいっ!!」

 

「「「「かんぱぁーいっ!!」」」」

 

そうして私に合わせてゴブリン達はコップを傾げたり、隣同士でコップを軽くぶつけたりして祝い始める。

 

(ふむ……)

 

ゴブリンや嵐牙狼族達が思い思いにはしゃいでいるなか、私は目の前にある生の果物と焚き火で焼いただけの牛鹿(うじか)(牛みたいな鹿)のお肉を見る。

 

一応リムルが寝ている間に焼くことを覚えさせたけど、まだまだ食事情を向上させたい……塩とか胡椒とか調味料が欲しい……(切実に)

 

「………」チラッ

 

お肉を食べながら、今度はゴブリン達を見る。

 

進化前は小さな身体だったから隠れていたけど、進化した今となっては(特にゴブリナ達が)(きわ)どい……魔物だからか、羞恥心もないし……

 

【家もボロいし……課題が山積みだなぁ……】

 

【だなぁ……】

 

あ。リムルも同じこと思ってた。

 

そうして私とリムルは今後のことについて、お互いにため息を吐きながらも今の宴を楽しむことにした。




絶狼(ゼロ)

種族:暗黒人狼(ダークネスウェアウルフ)

見た目:右目に傷痕があり、犬耳と狼尻尾が生えた、『牙狼』の涼邑零

所持スキル

ユニークスキル『魔鎧(マガイ)召喚』:銀の狼を模した鎧を召喚し、装着して自身を強化するスキル

ユニークスキル『蒼炎』:蒼い炎を操るスキル

ユニークスキル『魔獣形態(ビーストモード)』:銀のメタリックな巨大な狼に変身するスキル。魔素の消耗が激しい。

スキル『影移動』

詳細

牙狼族の元ボスであり、嵐牙と影狼の父親。リムルの危険性を見抜けずに軽んじた己を恥じ、ボスの座を一族内で唯一気付いていた嵐牙に譲った後、娘の影狼と共にルーミアの直属の配下となった。
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