転生したらルーミアだった!?   作:デスゴッド

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子ども達と魔国連邦(テンペスト)の現状

ルーミアSide

 

「そうだな……」

 

リムルはそう言いながらフューズさんの紹介で知り合った現自由組合総帥(グランドマスター)である神楽坂優樹(ユウキ=カグラザカ)とのことを話してくれた。

 

「懐かしいなぁ……ユウキは元気にしてた?リムルさん。」

 

話を聞いていたシズさんが笑顔で尋ねる。

 

なんでも例のヒナタ=サカグチと同じシズさんの元教え子なんだとか。

 

「あぁ、勘違いで俺に蹴りを繰り出そうとするくらいには。」

 

「え?」

 

「あ。でも、すぐに誤解は解けたし。漫画を渡したら凄く喜ばれて師匠なんて呼ばれるようになったから。」

 

一瞬固まるシズさんに対し、リムルはすぐさまそう説明する。

 

……それって所謂買収なんじゃ……

 

「リムル様、イングラシアで先生になられたと以前(まえ)の定期連絡でお聞きしたと思うんですが……」

 

「あぁ、ユウキの紹介でな。シズさんが受け持っていた子ども達の担任になった。」

 

「どうだった?子ども達の様子は……」

 

「そうだな……初日、教室に入った瞬間、炎の斬撃が襲ってきた。」

 

「……はい?」

 

「いやぁ……シズさんがいなくなってから俺が着任するまでずっと担任を務められる人がいなかったみたいでな……」

 

「……元担任のシズさんを前にこう言うのもなんだけど……見事に学級崩壊してるじゃん……」

 

「ごめんなさい。リムルさん……」

 

「いいって別に。子ども達の気持ちもわからなくはないからな……」

 

確かに……いきなりこの世界(こっち)の国の人達の身勝手な都合で親元から引き離されて召喚され、帰してもくれず、おまけに長く生きられない身体にされたんだから。反発的になるのも当然か。

 

因みにリムルは初日、子ども達の実力を知るという名目でテストを行い、なんとか子ども達の信用を得たらしい。

 

「大人げない真似してないよね?リムル。」

 

「す、する訳ないだろ!!」

 

あ。この反応はしたな。

 

「あ。シズさんのこと、子ども達に話したら凄ぇ嬉しそうにしてたよ。ルーミアにも会ったら是非お礼が言いたいって。」

 

私がそう思いながらジト目で見ていると、リムルがあからさまにそう話題を変える。

 

……逃げたな……

 

「それは私がやりたくてやったことだから別に良いんだけど……実際に会ってみてどうだった?リムルのスキルでどうにかなりそう?」

 

「あぁ~……悪い、無理だ。ユウキからも話を聞いて、王立魔導図書館の本も網羅してから子ども達と会うまでの間、俺が子ども達から余分な魔素を補食して安定化させるとか方法は考えてはいたんだけどな……『大賢者』曰く『膨大な魔素が融合レベルで魂と結びついてる』……ということらしい。」

 

「……そっか……」

 

「やっぱり『精霊の棲家』を見つけて、上位精霊と同化させるしかないってことだね。」

 

「それしかないですのぅ……」

 

人間(ヒト)の身に余る程のバカでかい魔素を安定させる程のスキルとなりゃあユニーク級だからな。」

 

「ゴブタ君やリーニエ君達以上に過酷な訓練を強いたところで獲得できるとは限らんからな……」

 

「シズ殿に施したようにルーミア様とリンクさせる方法では駄目なんですか?」

 

「私もそこまで万能じゃないよ、紅丸。シズさんの場合、元々同化していたイフリートが抜けてから日が経ってなかったことと私の魔力と闇生命力(アンダークエナジー)を受け入れられる土台が出来ていたから出来たことなんだから。」

 

「まぁ、子ども達については現状、俺がイングラシアで先生として面倒見ながら、『精霊の棲家』についての情報を集めようと思っている。」

 

「お願いね。リムルさん。」

 

魔国連邦(こっち)でも引き続き情報を集めてみるよ。」

 

「あぁ……そういえば、町の運営は順調か?」

 

「つつがないですよ。ルーミア様が召喚なされたナイチンゲール殿の医療技術のおかげで乙事主殿とゲルド殿達の負担が減ったこともあって、ブルムンドまでの道中に設置する簡易宿の工事にも着手したようです。」

 

「ブルムンドと言えば、そこから来た商人の一人が上位回復薬(ハイポーション)を大量購入していきましたな。」

 

「おぉ……っ!!」

 

「あぁ、ガルドさんね。」

 

リグルドからの報告にリムルが嬉しそうに反応するなか、私は相手のことを思い起こしながらそう言う。

 

ガルド=ミョルマイル。ブルムンドの大商人で見た目は恰幅の良い悪人みたいな顔つきだけど、団子屋で団子を奢ってくれた気の良いおじさん。

 

後で私が盟主の片割れだって聞いた時は驚いてたけど(笑)

 

「確かイングラシアに行商に行くとか言ってたっけ?」

 

「ですね。リムル様もイングラシアにお戻りになられた後、お会いするかもしれません。」

 

「それじゃあ、俺はそろそろ戻ってってん?」

 

「ん?」

 

「………」

 

リムルがそう言いながら戻ろうとするなか、凄い形相でシュークリームを見つめる紫苑の姿が目に入る。

 

妙に静かだと思えば……

 

「何やってんだ?紫苑。」

 

「このシュークリムル……これ以上食べたら、工事現場で働いている乙事主とゲルド達の分が!……でも、美味しくて美味しくて……っ!私はどうしたら良いのですか!?リムル様!!」

 

リムルがそう尋ねると、紫苑は頬を朱く染めながら困ったようにそう言う。

 

……うん……気持ちはわかる。

 

「食べていいよ。まだあるから。」

 

「ほ、本当ですか!?」

 

「では、私も……」

 

「待て!トレイニー殿はもう四つは食っただろ!!」

 

「若……」

 

そう言いながら紫苑に便乗してシュークリームを手に取るトレイニーさんにそう言う紅丸に対し、白老はなんともいえない表情でそう言う。

 

「いたのか、トレイニーさん……」

 

「あはは……しかも四つ……」

 

「ところでリムル、このシュークリームを作ったのってもしかして異世界人?」

 

「あぁ。前にエレンが言ってた店に行ってみたら、吉田(ヨシダ)(カオル)っていう日本人だった。」

 

「なるほど……この腕前は是非魔国連邦(うち)にスカウトしたいなぁ……」

 

「それな、俺も何度か声掛けたんだけど、『イングラシアの人達に恩があるからダメだ。』って。」

 

「でも、諦める気はないよね?」

 

「当然。」

 

「ルーミアさん、乙事主さんとゲルドさんをお連れしましたよ。」

 

「リムル様がお帰りになられると聞いたのに遅れて申し訳ありません。」

 

「父王共々、只今参りました。」

 

そんななか、鬼鮫がそう言いながら乙事主とゲルドの二人を連れてくる。

 

もう少し遅かったら(シュークリームが)無くなるところだったよ、三人とも。

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