ルーミアSide
「そうだな……」
リムルはそう言いながらフューズさんの紹介で知り合った現
「懐かしいなぁ……ユウキは元気にしてた?リムルさん。」
話を聞いていたシズさんが笑顔で尋ねる。
なんでも例のヒナタ=サカグチと同じシズさんの元教え子なんだとか。
「あぁ、勘違いで俺に蹴りを繰り出そうとするくらいには。」
「え?」
「あ。でも、すぐに誤解は解けたし。漫画を渡したら凄く喜ばれて師匠なんて呼ばれるようになったから。」
一瞬固まるシズさんに対し、リムルはすぐさまそう説明する。
……それって所謂買収なんじゃ……
「リムル様、イングラシアで先生になられたと
「あぁ、ユウキの紹介でな。シズさんが受け持っていた子ども達の担任になった。」
「どうだった?子ども達の様子は……」
「そうだな……初日、教室に入った瞬間、炎の斬撃が襲ってきた。」
「……はい?」
「いやぁ……シズさんがいなくなってから俺が着任するまでずっと担任を務められる人がいなかったみたいでな……」
「……元担任のシズさんを前にこう言うのもなんだけど……見事に学級崩壊してるじゃん……」
「ごめんなさい。リムルさん……」
「いいって別に。子ども達の気持ちもわからなくはないからな……」
確かに……いきなり
因みにリムルは初日、子ども達の実力を知るという名目でテストを行い、なんとか子ども達の信用を得たらしい。
「大人げない真似してないよね?リムル。」
「す、する訳ないだろ!!」
あ。この反応はしたな。
「あ。シズさんのこと、子ども達に話したら凄ぇ嬉しそうにしてたよ。ルーミアにも会ったら是非お礼が言いたいって。」
私がそう思いながらジト目で見ていると、リムルがあからさまにそう話題を変える。
……逃げたな……
「それは私がやりたくてやったことだから別に良いんだけど……実際に会ってみてどうだった?リムルのスキルでどうにかなりそう?」
「あぁ~……悪い、無理だ。ユウキからも話を聞いて、王立魔導図書館の本も網羅してから子ども達と会うまでの間、俺が子ども達から余分な魔素を補食して安定化させるとか方法は考えてはいたんだけどな……『大賢者』曰く『膨大な魔素が融合レベルで魂と結びついてる』……ということらしい。」
「……そっか……」
「やっぱり『精霊の棲家』を見つけて、上位精霊と同化させるしかないってことだね。」
「それしかないですのぅ……」
「
「ゴブタ君やリーニエ君達以上に過酷な訓練を強いたところで獲得できるとは限らんからな……」
「シズ殿に施したようにルーミア様とリンクさせる方法では駄目なんですか?」
「私もそこまで万能じゃないよ、紅丸。シズさんの場合、元々同化していたイフリートが抜けてから日が経ってなかったことと私の魔力と
「まぁ、子ども達については現状、俺がイングラシアで先生として面倒見ながら、『精霊の棲家』についての情報を集めようと思っている。」
「お願いね。リムルさん。」
「
「あぁ……そういえば、町の運営は順調か?」
「つつがないですよ。ルーミア様が召喚なされたナイチンゲール殿の医療技術のおかげで乙事主殿とゲルド殿達の負担が減ったこともあって、ブルムンドまでの道中に設置する簡易宿の工事にも着手したようです。」
「ブルムンドと言えば、そこから来た商人の一人が
「おぉ……っ!!」
「あぁ、ガルドさんね。」
リグルドからの報告にリムルが嬉しそうに反応するなか、私は相手のことを思い起こしながらそう言う。
ガルド=ミョルマイル。ブルムンドの大商人で見た目は恰幅の良い悪人みたいな顔つきだけど、団子屋で団子を奢ってくれた気の良いおじさん。
後で私が盟主の片割れだって聞いた時は驚いてたけど(笑)
「確かイングラシアに行商に行くとか言ってたっけ?」
「ですね。リムル様もイングラシアにお戻りになられた後、お会いするかもしれません。」
「それじゃあ、俺はそろそろ戻ってってん?」
「ん?」
「………」
リムルがそう言いながら戻ろうとするなか、凄い形相でシュークリームを見つめる紫苑の姿が目に入る。
妙に静かだと思えば……
「何やってんだ?紫苑。」
「このシュークリムル……これ以上食べたら、工事現場で働いている乙事主とゲルド達の分が!……でも、美味しくて美味しくて……っ!私はどうしたら良いのですか!?リムル様!!」
リムルがそう尋ねると、紫苑は頬を朱く染めながら困ったようにそう言う。
……うん……気持ちはわかる。
「食べていいよ。まだあるから。」
「ほ、本当ですか!?」
「では、私も……」
「待て!トレイニー殿はもう四つは食っただろ!!」
「若……」
そう言いながら紫苑に便乗してシュークリームを手に取るトレイニーさんにそう言う紅丸に対し、白老はなんともいえない表情でそう言う。
「いたのか、トレイニーさん……」
「あはは……しかも四つ……」
「ところでリムル、このシュークリームを作ったのってもしかして異世界人?」
「あぁ。前にエレンが言ってた店に行ってみたら、
「なるほど……この腕前は是非
「それな、俺も何度か声掛けたんだけど、『イングラシアの人達に恩があるからダメだ。』って。」
「でも、諦める気はないよね?」
「当然。」
「ルーミアさん、乙事主さんとゲルドさんをお連れしましたよ。」
「リムル様がお帰りになられると聞いたのに遅れて申し訳ありません。」
「父王共々、只今参りました。」
そんななか、鬼鮫がそう言いながら乙事主とゲルドの二人を連れてくる。
もう少し遅かったら(シュークリームが)無くなるところだったよ、三人とも。