「皆、集まれぇっ!!リムル様とルーミア様からお話があるそうだ!!」
【リムル……その付け髭はなに?】
【フフフ……わかるだろ?ルーミア君。】
翌日、リグルドが村中のゴブリンと嵐牙狼族を呼び集めるなか、“念話”でそう尋ねる私にリムルは得意げにそう言う。
いや、ネタはわかるけど……
因みに私は今、丸株に腰かけ、リムルは膝の上に乗っかっている。
「一体何の話だろう?」
「何だっていいさ。リムル様とルーミア様のお言葉なんだから。」
「リムル様、今日も神々しい……」
「ルーミア様も愛らしい……」
「私、今朝、リムル様のお身体をお拭きしたのよ。」
「私なんかルーミア様の寝顔を拝んじゃった♪」
「えぇ~、良いなぁ~。」
……なんか恥ずかしいな……
「あっ、しぃー……」
私がそう思っているなか、付け髭を付けているリムルに何かを察した一人のホブゴブリンが他のゴブリン達に声をかけ、皆が静かになっていく。
「……はい。皆が静かになるまで5分かかりました。」
「「「「?」」」」
【!?俺の持ちネタが通じないだとっ!!?】
【リムル……】
乾杯だってわかんない以上、ネタが通じる訳ないでしょ……
「(ポイッ)まぁ、気を取り直して……」
なかったことにした……
「知っての通り、俺達は大所帯になった。それで昨夜のうちに俺とルーミアで話し合い、トラブルを避けるための『ルール』を設けることにした。」
「一つ、仲間内での争い事はしないこと。
二つ、進化したからって他種族を見下さないこと。
三つ、人間を襲わないこと。
この三つを守ってほしい。」
「質問宜しいですか?」
「はい、リグル君。」
「人間を襲わないのは何故ですか?」
「リムル様とルーミア様のご意志を……っ!!」
「あぁ、いいよ。リグルド。リグルの疑問は
「それはな……俺が人間が好きだからだ……っ!!」
「なるほど!わかりました!!」
わかるのか。
「リムル……流石に簡略化し過ぎ……人間は基本、集団で行動するでしょ?こちらが危害を加えれば、こちらより多い数で討伐しようとするかもしれない……進化したからって数で押し負ける可能性があるの。」
「そ、そういう訳だっ!!」
「な、なるほど……流石はリムル様とルーミア様です!!」
「まぁ、最初に言ったことも本音だけどなっ!!」
「だけど、覚えておいて。様々な種類の魔物がいるように、人間にだって色んな種類がある。私達魔物の言葉に耳を傾けてくれるような人間がいれば、逆に耳を貸さずに討伐しようとする人間もいる。」
真剣な表情でそう言う私の言葉に思い当たることがあるのだろう、皆も息を呑みながら聞き入る。
「私達を利用しようとしたり、邪魔だからと廃除しようとする奴だっている……そんな連中から攻撃されたら迎撃して構わない……とにかく自分達の命を優先して。」
「「「「はいっ!!」」」」
【そうか……その可能性は考えてなかったな……】
【ここは私達がいた世界とは違う……私達もいざという時は覚悟しておいた方が良いかもね……】
【……そう、だな……】
「他に質問ある子はいる?」
「はいッス!!」
「はい。ゴブタ君。」
「他種族を見下さないというのはなんでッスか?」
「言葉通りの意味。進化したからって他種族を見下していたら、必ず痛いしっぺ返しを食らう……だよね?絶狼。」
「はっ!仰る通りでございます。我が主。」
私と絶狼のやりとりで皆は四日前のことを思い出したのか、納得してくれる。
「他に質問は……なさそうだね。ルールはこれで良いとして、次は警備担当と食料調達担当に村の整備担当………」
「……リグルド。」
「はっ!!」
「君を『ゴブリン・ロード』に任命する。村を上手く纏めるように。」
「……リムル?」
「はっ!!身命を賭してその任、引き受けさせて頂きますっ!!」
【……リムル……今、リグルドに都合良く丸投げしたでしょ……】
【俺は口だけ番長で良いや……いずれは人間の街にも行ってみたいし……】
【それは……確かに……】
【こいつらには俺達の指示なしで動けるようになってもらわないと……】
【……だね……】
すっかりやる気に満ちているリグルドを見ながら、私達は“念話”で密かにそう話をする。
その後、食料調達のための狩猟担当、防衛のための警備担当、服を作って貰う裁縫担当、家を建て直す建築担当の四つに振り分けて、リグルドと息子のリグル、絶狼の三人に任せた。
種族:
見た目:額に紅い満月の痣がある今泉影狼
所持スキル
ユニークスキル『
スキル『猛毒』:自身の
スキル『影移動』
詳細
牙狼族の元ボスの娘で嵐牙の姉。父親がボスの座を弟に譲ったのを機に父親共々、ルーミアの直属の配下になった。普段はルーミアの影に潜み、必要に応じて姿を現す。また、基本は獣人形態で過ごしているが、状況によっては大狼形態になってルーミアを背中に乗せたりしている。