任せてみた結果、リグルが主として動く狩猟担当と絶狼が主として動く警備担当は特に問題はなかった。
が、リグルドが統括して動かす裁縫担当と建築担当が問題だった。
「……建て直してこれなのか?」
「面目ないです……」
目の前にある、如何にも素人が作りましたと云わんばかりの掘っ立て小屋を見ながらそう言うリムルに対し、リグルドは申し訳なさそうにそう言う。
「いや、リグルドが悪い訳じゃないよ。知識も技術もなきゃあ仕方ない……」
「ルーミア様……」
「服の方も似た感じなんだっけ?」
「はっ。ルーミア様が教えて頂いたおかげでハルナを始めとする一部のゴブリナ達が多少なりとも縫えるようにはなりましたが……」
「……布の面積が増えただけ……だもんね……」
リムルの問いにそう答えるリグルドにそう言いながら、今のゴブリン達の格好を見る。
裁縫を覚えさせたことで身体を隠す布の面積が増え、際どい格好からは脱却した。
が、
リグルドを始めとする
「……技術者との繋がりが欲しいな……」
「だね。どうにかしないと……」
「あ!」ポン
ん?
「今まで何度か取り引きをした者達がいます!器用な者達なので家や服の作り方を存じておるのやも!!」
取り引き相手……
「どんな連中なんだ?」
「ドワーフ族です。」
「ドワーフ!!」
「ドワーフっていうと鍛冶の達人って云われているアレ?」
「ご存知でしたか……」
ゲームや映画でね。
「ドワーフの王国が大河沿いに北上して二ヶ月かかる距離にあります。嵐牙狼族の脚なら更に早いかと……」
「じゃあ、俺とルーミアが直接交渉してくるよ。」
「悪いけどリグルド、準備をお願いしていい?」
「!昼までに整えますっ!!」
「おう。よろしくな。」
「……ドワーフの王国か……」
一旦どんな所なのかな……
村をリグルドと絶狼に任せ、リムルと私は通常の嵐牙狼族と同じサイズになった嵐牙と、嵐牙と同サイズの若干赤めの黒い大狼形態になった影狼に乗って、大河を北上してドワーフ王国へと向かって駆ける。
お供にはリグルの他にホブゴブリンとゴブリナが数名ずつ、一度だけドワーフ王国に行ったことのあるゴブタを連れている。
【ルーミア様……お身体は大丈夫ですか?】
「大丈夫だよ。影狼……『
因みにリムルは『粘糸』で固定を落下防止をしている。
時速80Kmで受ける風が気持ちいい……
「影狼は今の身体には慣れた?」
【はい。
「そう……なら良かった……」
【ただ……】
「ん?」
【失礼ながら、ゴブリン達が少し心配です……】
影狼に言われ後ろを振り向くと、確かに(特にゴブタ辺りが)凄いことになっていた……
【
【だね。でも、このスピードじゃ会話もままならないし……】
〈告。牙狼族より獲得したスキル『思念伝達』を使用しますか?〉
リムルと私が“念話”でそう話をするなか、『大賢者』さんがそう提案してくる。
あぁ、そういえばリムル、そんなスキルをGETしてたね。
【おーい。おまえら、大丈夫かぁー?】
「リムル様?」
私がそう思っているなか、リムルは早速スキルを使って後方にいるリグル達に声をかける。
『あ。今、スキル『思念伝達』を覚えたよ。』
仕事が早いね。『
【ご心配には及びません。進化したおかげで我々も体力が上がり、身体も前より頑丈になりましたから……】
【そうか……そういえば、リグルの兄貴も誰かに名前を付けてもらったんだよな……】
【その子は進化したの?】
【はい。って言っても我々程ではないですが……】
【ふぅーん……】
【誰に名前を付けてもらったの?】
【魔王軍幹部のゲルミュッド様です。昔、村に立ち寄って頂いた時に兄に名付けをしたようです。見込みがあって
【ふぅーん……】
名付けによって魔物は進化する。でも、その進化の度合いは名付け親によって異なる。ってことか……
しかし、魔王軍か……ゲームや映画みたいに人類に攻撃とか、世界征服しようとしたりするのかな……
その場合、私とリムルはどっち陣営になるのかな……
私はそう思いながら、大河沿いを駆けていった。