第三者side
「こんな感じでどうだべ?」
「うん!良いねぇ!これなら彼奴らも喜ぶだろう……ありがとうな!黒兵衛!カイジン!!」
その後、黒兵衛の工房にて、早速出来上がったケンヤ用の剣、ゲイル用の盾と槍、リョウタ用の弓矢、アリス用の数本のクナイ、クロエ用のレイピアを見て、リムルは嬉しそうにそう言う。
「本来なら所有者に合わせて調整するもんだがな。そうじゃなきゃ、バランスが取れねぇだろ?」
「んだ。マジックウェポンなら魔法で勝手に調整されるんだが、ここにあるのはそこまで期待できないだよ。」
「まぁ、まだ子どもだし、大丈夫だと思うよ。これからの成長に合わせなきゃいけないだろうし。」
「ルーミアの言う通りだな。今はまだ練習用に使う方が良い。」
武器の性能について、そう捕捉説明をするカイジンと黒兵衛にそう言うルーミアの言葉に、紫苑の腕の中にいるスライム態のリムルはそう言って同意を示す。
「さてと、後は……」
「?リムル。」
「まだ何か?」
「いやぁ、子ども達を乗せる馬車をどうしようかと思ってな。」
首を傾げながらそう尋ねるリムルと紫苑に対し、リムルはそう言って打ち明ける。
「大人一人に子ども達五人が寝泊まりできる広さの奴があると良いんだが……」
「あるぜぇ。」
「あるの!?」
「前に旦那が言ってただろ?豪華な馬車で確か『キャンピングカー』だったか……」
「んだ。ルーミア様と相談して試しに作ってみただよ。」
「マジか!黒兵衛!カイジン!ルーミア!!グッジョブだ!!」
スライムの姿でサムズアップしながらそう言うリムルに合わせ、黒兵衛とカイジン、ルーミアの三人も答えるようにサムズアップするのだった。
ルーミアside
「よしっ、これで大丈夫だな……」
「そういえば、野外訓練って具体的にどんなことをするの?」
子ども達の装備やキャンピングカーを『胃袋』に閉まった後、そう言いながらイングラシアに戻る準備をするリムルに対し、私はそう尋ねる。
「あぁ、それはな……」
対するリムルの説明によると、訓練の内容は二つ。
一つは護衛訓練。学園から南にあるグラトルの町に五日から七日かけて、各チームが引率の教師を護衛しながら旅をする。教師は生徒達の対応力を評価する採点役を務めており、訓練中での手助けは禁止されている。
もう一つはグラトルの町の郊外に作られた洞窟の探索訓練。洞窟の奥にある攻略書を持ち帰ればクリア。魔物に対する対処の仕方や掛かった時間等を総合的に評価されるんだとか。
因みに一番評価が良かったチームの担任にはボーナスとして金貨十枚が贈られるらしい。
……リムル?
「まさかとは思うけど、金貨が目当ての参加じゃないよね?」
「あ、当たり前だろっ!!」
今、一瞬だけ反応した。金貨が本命の参加ではないにしろ、多少意識はしてたね。これ。
私がそう思っている間にリムルを見送るために皆が再び集まる。
「リムル様。お気を付けて。」
「なるべく早く帰ってきて下さいね。」
「待ってます!パパ!!」
「宴会の準備はお任せ下さい!!」
「皆、ありがとう!じゃあ、行ってきまぁーす!!」
「アオーン!!」
パァァァ
嵐牙の遠吠えと共に
「リムル様ぁーっ!!!」
リグルドが思わず叫んだ直後、リムルはイングラシアへと戻っていった。
……野外訓練か……よし。
「という訳で当日は私も陰ながら子ども達の様子を見ようと思うんだけど……シズさんもどう?」
その日の夜、私はそう言ってシズさんを誘う。
「そうだね……私も今のあの子達がどれくらい成長したか気になってたし。一緒に行くよ。」
「決まりだね。昼間にリムルから当日の子ども達の通るルートを聞いておいたから、今のうちに確認しておこうか。」
そうして私はリムルから聞いたルートを記した地図を広げ、シズさんと一緒に確認した。