「ゴブタはこれから行くドワーフ王国に物々交換しに行ったことがあるんだよな?」
「どんな所なの?」
その後、日が暮れて野宿するなか、リムルと私はそうゴブタに尋ねる。
「え、ええっとッスね……正式には『武装国家 ドワルゴン』というッス。天然の大洞窟を改造した美しい都ッス。」
「ふぅーん……」
やっぱりドワーフだから、洞窟に住んでるのかな?
「ドワーフの他にエルフや人間もたくさん住んでるッス!!」
「エルフ……ねぇ……」
チラッと膝に乗せているリムルを見る。
案の定、何かを考え込んでいる。
「……はっ!別に
「ふぅーん……」
「まぁ、会ってはみたいな。純粋な気持ちで!!」
「はぁ……ところで魔物である私達が入っても大丈夫なの?」
「問題はありません。ドワルゴンは中立の自由貿易都市で王国内での争い事は王の名の元に禁じられていますから。」
十中八九下心があるリムルに呆れながらもそう言う私に対し、リグルがそう説明してくれる。
「なんでもこの千年、ドワーフ王率いる軍は一度も敗北したことがないとか……」
「エル…千年っ!?」
なるほど……無敵のドワーフ王を敵に回そうっていうバカはいないって訳ね。
っていうかリムル、ついさっきまで脳内をエルフに侵食されてたでしょ……
「じゃあ、こっちが手出ししなきゃ大丈夫ってことか……」
「えぇ……」
「……(ボソッ)自分が前に行った時は門の前で絡まれたッスけど……」
「トラブルなんてあり得ませんよ。」
ん?今、なんかフラグが立ったような……?
それから二日後、本来ならゴブリンの足で二ヶ月はかかる距離を影狼と嵐牙達の頑張りのおかげで三日で走破し、ドワルゴンに辿り着いた。
そして、ドワルゴンにはリムルと案内役のゴブタが行くことに。
「本当にリムル様とゴブタだけで行かれるのですか?」
「あぁ、大勢で行ったら目立つからな……」
「しかし!」
「大丈夫だよ。リグル……トラブルは起こらないんでしょ?」
「それは……そうなんですが……」
「それじゃあルーミア、此処を頼んだ。」
「うん。行ってらっしゃい。」
……この時の私は……二日前にフラグが立っていたことを忘れていた……
リムルとゴブタを見送って暫くすると、ドワルゴンの方から森へと逃げ出すように駆けてくる人達を見かける。
「スライムが巨大な魔物になった」とか「凄い咆哮だった」とか言いながら。
「………」
「る、ルーミア様、リムル様は大丈夫なんでしょうか?」
頭を抱える私にリグルがそう声をかけてくる。
……なにやってんの。リムル………
「……うん……リムルが無駄に騒ぎを起こすとは思えないけど、確かめに行く必要がありそうだね。ただリグル達は見た目からして、ゴブタの仲間だってことがわかるからややこしくなるかも……」
私の言葉にリグル達は「確かに……」と言わんばかりの表情を浮かべる。
「……影狼は
「はい。ただ少しばかり神経を使うので、戦闘時は引っ込めることができませんが……」
「じゃあ、私と影狼が人間のふりして様子を探ってくるよ。リグルと嵐牙は引き続き、此処を護ってて。」
「はっ!!」
「ルーミア様、姉上。ご武運を……」
そうして今度は私と影狼がドワルゴンへと向かうことになった。