「これ……天然の洞窟じゃないね。魔物の気配をあまり感じない……」
「そうだよ。ルーミアちゃん。
シズさんの案内で件の洞窟に着いた後、奥を見ながらそう言う私に対し、シズさんがそう説明してくれる。
「なるほど……」
けど、奥から嫌な気配を感じるのはなんだろう?
私がそう思いながら首を傾げているなか、見覚えがありすぎるキャンピングカーがビーストノームに引っ張られてこっちに向かってくるのが目に入ってくる。
「?皆……?」
「試験前の下見にでも来たのかな?」
シズさんと私はそう言いながら、再び陰行法と『ミラージュハイド』を使って洞窟内へと入っていった子ども達やティス先生の後を追った。
「ゲスダーさぁーん!いらっしゃいますかぁーっ!?」
「おぉーい!ゲスダーさぁーん!何処だぁーーっ!?」
「ゲスダー?」
「確かグラトル伯爵に使える執事さんの名前だよ。」
大声でそう呼び掛けながら進んでいくティス先生や子ども達の後ろ姿に首を傾げる私に対し、シズさんがそう教えてくれる。
そのまま子ども達やティス先生の後を追いながら密かに話を聞いたところ、グラトル伯爵の妻で例のAクラス担任のジェフ先生の妹でもあるウラムスさんが自身が病弱で冒険への憧れから学園に色々と支援してくれていること。
そんな話を聞いている間に子ども達とティス先生は奥の広間にまで到達する。
が、そこには今まさに先程まで誰かが食事をしていたかのような酒や肉が乗っていたテーブルが置かれていた。
?例のゲスダーっていう執事?いや、どうみてもこの量は一人じゃない……!!
「おいおい……聞いてたより来るのが早ぇじゃねぇか……」
「「「「「「「「!?」」」」」」」」
私がそう思いながら首を傾げているなか、奥から人相の悪そうな金髪の男がそう言いながら現れる。
その男に続くように六人の男達が下衆な笑みを浮かべながら現れる。
……どうみても執事や使用人処かカタギにすら見えないよね……
「あぐっ……(ムシャムシャ)……(ダンッ!!)さて、どうしたもんかねぇ……」
「ッ……貴方達、誰?此処で何をしているのかしら?」
最初に出てきた男がテーブルの上の肉を
「何をしているの“かしら”?フフフ……ハハハハハハハハハッ!!」
「「「「「「ギャハハハハハハハハハッ!!」」」」」」
「“かしら”だってよ!!」
「この中で
「ッ……」
「入ってきたのはこいつらだけか?」
「へぇ。どうやらそのようですぜ。」
「もうこいつらは殺しちまった方が良くないですか?頭。」
「いや。今、此処で騒ぎを起こせば、計画が狂う……あの男はどうした?」
「確か奥にいたと思いやすが……」
「話が違うと文句言ってどうするか聞いてこい。」
「へい。」
金髪の男…頭がそう指示した直後、魔法使いの男がそう言いながら奥へと消える。
「うん。間違いないね。こいつらは盗賊……何処で情報を仕入れたのかは知らないけど、狙いは訓練で此処に入ってきた自由学園の生徒を拐って身代金でも手に入れようって所かな……」
「皆……」
「シズさん。あの子達を信じよう。リムルに鍛えられ、上位精霊を宿したあの子達なら……」
心配そうに見つめるシズさんにそう言っている間に子ども達はティス先生を護るように前に出て、各々の武器を構える。
「おまえら、盗賊って奴か!!」
「え?えぇっ!?」
「先生は下がってなっ!!」
「ちょっとあなた達!これは訓練じゃないのよ!?」
「良いから良いから。護衛対象は大人しく護られてなって!俺達がこいつらをブッ飛ばすから!!」
「ブッ飛ばす?……はんっ、生意気なガキ共だ。」
そう言って嗤いながら剣を引き抜く頭を皮切りに盗賊達も各々の武器を手に取る。
「ティス先生。ここは僕達に任せて下さい。」
「加点してくれると嬉しいです。」
「えぇ……」
「皆。頑張ろう!!」
「ビーストノーム!ティス先生を護衛しろっ!!」
「グオオオォォォーーーッ!!」
ゲイル君がそう言った瞬間、彼の肩の上に乗っていた小鳥サイズのビーストノームが彼らの背後に降り立ちながら巨大化し、咆哮を上げる。
「「「「「!?」」」」」
「!?精霊使い!?くっ……ガキだと思って嘗めてかかると痛い目みるぞっ!
「「「「「おぉっ!!」」」」」
盗賊達は気合いを入れ直すと同時に武器を構える。
「かかれぇっ!!」
そう言う頭の言葉を合図に盗賊達は一斉に襲いかかってきた。