リムルSide
「占い?」
「そう。得意なの。私。スライムさんの『運命の人』でも占ってあげようか?」
「へぇ~、なんか面白そう……占ってもらったら?リムル。」
「お、おう……」
『運命の人』か……前世では無理でも、今世では遂に嫁が……っ!?
あ、いや、でも、俺は今、スライムだし……
『運命の人』=嫁とも限らないんだよなぁ……俺とルーミア、ヴェルドラの出会いもある意味運命だし……
「あ。視えてきたよっ!!」
「!?」
嫁かっ!?
俺がそう思いながらお姉さんの水晶を見ると、五人の少年少女達と一緒にいる長い黒髪の女性が映っていた。
「へぇ~……綺麗な人だね……」
「ん?うーん……」
「?リムル?」
この女の人……会ったことないのに、何処かで見たことあるような……
あ!生前最後に視た夢!あれに映っていた俺こと美少女(若しくは美少年)に似ているんだっ!!
「ん?おい。この女……『爆炎の支配者』、シズエ=イザワじゃねぇか!?」
「知ってるんですか?カイジンさん。」
「
シズエ=イザワ……
【なんか日本人みたいな名前だよね?】
【だよな……】
もしかしなくとも同郷者か?
「ルーミアちゃんも将来の『運命の人』、占ってみようか?」
「あ。いや、私は」
「是非とも頼んます。」
「リムル!?」
ルーミアの『運命の人』……どんな
俺がそう思っているなか、お姉さんの水晶に先程のシズエ=イザワとは違って短い黒髪に鋭い目付きをした女性が映りだす。
「!?」
「おいおい……英雄の次は『聖人』、ヒナタ=サカグチとはたまげた」
ガシャーンッ!!
「おいっ!?嬢ちゃん!?」
「どうしたっ!?ルーミア!?」
突然、持っているグラスを落としてしまうルーミアに、カイジンや俺を始めとする周りがどよめきだす。
「ヒナタ………サカグチ………」
対するルーミアはそう呟きながら、水晶に映る女性…ヒナタ=サカグチから目を離せずにいる。
「ぐっ!?」
「!?ルーミア!?」
「「「!?」」」
が、ルーミアは頭を押さえながら
「おいっ!ルーミア!!」
「大丈夫かっ!?」
「ぐっ……大丈夫……ちょっとお手洗い借りたいんですが……」
「あぁ、そこを右に曲がった先よ。ちょっと付き添ってあげて。」
「は、はい……っ!!」
そうしてルーミアは一人のエルフのお姉さんに連れ添ってもらいながら一旦席を外す。
「どうしたんだ?嬢ちゃん……」
「………カイジン、さっき言いかけてたヒナタ=サカグチについて、教えてくれないか?」
「知らないのか!?リムルの旦那は!ヒナタ=サカグチと言えば、旦那のような魔物の殲滅を教義とする『ルミナス教・西方聖教会』の聖騎士団の団長だぞ。」
「それってつまり対魔物戦のエキスパート中のエキスパートってことか?」
「あぁ、
「………」
ルーミアは俺とほぼ同じタイミングで『封印の洞窟』内で転生し、それ以降はずっと俺と行動を共にしていた。転生してから今までヒナタと知り合うタイミングは皆無の筈。だとしたら……
「……(ボソッ)前世での関係者……なのかもな……」
「ん?」
ルーミアには俺とは違い、前世の自分自身に関する記憶がない。あるのは漫画やアニメ、社会に関する知識だけだ。
「………」
ふとルーミアが行った先の方を見る。
まだ知り合って
きっと周りの皆とは勿論、俺とも同じようで違うと感じているのかもしれない。
もし、ルーミアの失われた
「……その『鍵』はヒナタ………なのかもな……」
「?旦那、一体何の話」
「おいっ!
「で、ですが、魔物と言いましても、とても紳士的なスライムさんですし……」
「なにぃ?スライムは魔物じゃないって言うのか!?」
そんななか、新しく来た客がママさんと言い争っていた。
「っ……まずいな、ベスタ―だ……」
ベスタ―……カイジンの言っていた大臣か……
俺がそう思っているなか、ベスタ―が突然、バーカウンターにあった並々水の入ったピッチャーに手に……
ルーミアSide
ジャー……キュ……ッ!!
「ふぅー……」
「大丈夫?ルーミアちゃん。」
「はい……ありがとうございます……」
心配そうな顔でそう言うお姉さんに対し、私はそう言いながらタオルを受け取り、顔を拭う。
さっき、水晶に映っていたヒナタ=サカグチという女の人……
私は彼女を
「……彼女に会ったら、何かわかるのかな……」
「ルーミアちゃん?」
「あぁ、いや、なにも……それじゃあ、リムル達の所に戻」
ドンガラガッシャーンッ!!
「「!?」」
突然の物音に慌てて戻ると、何故かリムルがびしょ濡れになっていて、カイジンさんがさっきまではいなかった、なんか偉そうな格好のドワーフを殴り飛ばしていた。
何があったの!?
「よくも俺の恩人にケチを付けてくれたな!!」
「き、き、貴様、誰に向かってこんなことを」
「あ"ぁっ!?」
「ヒィッ!?お、覚えてろっ!!」
メンチを切ったカイジンさんに怖じ気づいた相手のドワーフがそう捨て台詞を吐きながら店を出ていく。
「すまないな。ママさん、店を汚しちまって……」
「それは良いんだけど………」
「大丈夫なのか?カイジン。相手は大臣なんだろ?」
カイジンさんとママさんがそう話をしているなか、身体を拭いてもらったリムルがそう言ってくる。
大臣!?それってマズくない!!?
「なぁに……俺の『帰る場所』はあんたらが用意してくれるんだろ?」
「良いのか?この国の王のために今まで頑張ってきたのに……」
「やっぱり、そんなことを気にしてたのか……恩人を蔑ろにして仕えたところで王は喜びやしねぇ……
「………その言葉を待ってたよ……カイジン………」
なんかカイジンさんとリムルの間で良い感じに話が纏まっている……
うん……とりあえず誰か、状況を説明して……切実に……