それから二日後、裁判が始まり、私と影狼は一応関係者ということで傍聴席に座らせてもらっている。
尚、裁判で自由な発言が許されているのは伯爵以上の爵位の貴族だけであり、裁判長はこの国の王、ガゼル=ドワルゴその人が務めるらしい。
……無敗の王なだけあってかなり強そう……
【それにしても、リムル達の弁護人、なんか胡散臭くない?】
【だ、大丈夫だろ!何度も打ち合わせしたし】
「このようにして被告人、カイジン達は店で寛いでいたベスター氏に因縁をつけ、複数で暴行するに至ったのです。」
【うおおおおおいっ!?】
「それは
「店からも調書を取ってあります。」
【……しっかり買収されてるじゃん……】
それにあの店の人達がそんな
原告のベスターにいたっては……そんな大怪我してなかったでしょ……
(にしても……)
ガゼル王の方をチラリと見る。
なんか弁護人やベスターの話を聞いてないような……
「王よ!どうかこの者達に厳罰を!!」
「……カイジンよ……」
「……はっ!!」
「……久しいな……息災か?」
ん?
「はっ……王はご健勝でなによりでございます……」
「よい。それよりも戻る気はないか?」
……そういうことか……
ガゼル王にとってベスターが仕掛けた今回の裁判は単なる『茶番』。
どんな形であれ、ガゼル王はただカイジンさんと話がしたかったんだ。
それがたとえ
「恐れながら王よ。今の私には二人の『主』がおります。王の命令といえど、主達に背くことはできません……」
「……であるか……」
……多分、この裁判が、ガゼル王とカイジンさんの『別れの場』になる……
「判決を言い渡す―――カイジン及びその仲間達は国外追放とする。今宵、日付が変わる以降はこの国に滞在することは許さぬ……即刻、余の前から消えるが良い!!」
……ごめんね。ガゼル王……でも、カイジンさん達は大切にするから……
私はそう思いながらリムルやカイジンさん達と一緒に法廷を後にした。
ベスターSide
「……ベスターよ。」
「は、はっ!!」
「……これらを見よ。」
カイジン達が去った後、王がそう言った瞬間、台車に乗せられた大型の魔物の首と一瓶のポーションが目の前まで運ばれてくる。
!?ちょっと待て、この魔物はまさか……っ!?
「
魔鉱石を大量に摂取していた
「それにこの……ポーションは……」
「それは警備隊長から余ったものを預かった……暴れまわる
「!?まさか、
知りたい……その製造方法を……っ!!
「……惜しいな……そのような目を持つ臣を失うことになるとは……」
「!?お待ち下さい。王、私は」
「その
「!?」
「おまえの行いが
王の言葉が酷く重くのし掛かってくる……
先程まで原告だった自分が今度は『裁かれる側』になったようにすら感じる……
「ベスターよ。何か言いたいことはあるか?」
「わ、私は……」
何故、私は今、王に問い詰められているのか……
ふと思い出すのは幼き日に見た、凱旋する王の姿……
あの姿を見て誓った。あの王にお仕えするのだと。お役に立つのだと……
「………」
あぁ、そうだったのか……
「何も……何もございません。王よ……」
私は道を誤ったのだ……カイジンに嫉妬したあの時から……
「……であるか……」
「………」
「……王宮への出入りを禁ずる。二度と余の前に姿を見せるな……」
「……はい……」
「だが、ベスターよ。」
「………」
「おまえのこれまでの働き………………大儀であったっ!!」
「っ……うっ……うぅ……うおおおおおおおっ!!」
一人残された法廷で私は堪らず涙を流し、
今更気付き、反省したところでもうカイジンも、
手遅れだとわかっていながも涙を流さずにはいられなかった。