第三者Side
「ベスターに買収されていた代理人は先程、捕縛致しました。」
「そうか……公正なる裁判を
「はっ!!」
「……暗部よ。あの者達の動向を監視せよ。」
「はっ!!」
「決して気取られるなよ。」
「この命に代えてでも……」
(あれは一種の化け物だ。まるで
ベスタ―への処分を下した後、ガゼル王はそう思いながら配下に指示する。
(あの魔人の娘もなかなかに厄介だ……
ガゼル王は裁判の時、傍聴席から向けられたルーミアの視線を思い起こす。
(……相手の心の深奥を覗くつもりが、
「……俺もヤキが回ったか……」
「王?如何致しましたか?」
「いや。別になんでもない。」
「はぁ……」
(もし、叶うならあのスライムと魔人の娘とは話してみたいものだ……)
配下にそう言いながら、ガゼル王はそう思うのだった。
ルーミアSide
「いやぁ~、一時はどうなるかと思ったけど………まっ、結果オーライだな!!」
「ドワルゴンを出禁になったんだけど?」
「目的は果たしたんだから良いんだよ。ルーミア君。」
「はいはい……そうですねぇ~。」
ドワルゴンから追放された後、私とリムルはそう話しながら森の入り口付近でキャンプしていたリグル達の元にカイジンさん達を案内する。
「ご無事でなによりです。リムル様、ルーミア様……まさか、裁判とは……」
「俺の日頃の行いが良いから助かったって感じだけどな。」
「日頃の行い……ね……」
あれはどうみてもガゼル王に上手い具合に助けられた感じだったでしょうに……
「とりあえず紹介するよ。彼は武具製作職人の……」
「………」
「?カイジン?」
「どうかした?」
カイジンさん達が静かなので見てみると、四人が何故か顔を青ざめながら固まっていた。
「嵐牙狼族に驚いているのでは?」
「あぁ、なるほど……」
「皆、あまり怖がらせないでね。」
私がそう言うと、嵐牙狼族達がすり寄ってくる。
「よしよし……」
「まぁ、いいや。紹介を続けるぞ。武具製作職人のカイジン。」
「三兄弟の長男のガルムさん。腕の良い防具職人だよ。」
「次男、ドルド。細工の腕はドワーフ随一だそうだ。」
「三男のミルドさん。基本無口だけど、器用で建築や芸術に詳しいよ。」
「約束したのはカイジンだけだったんだけど、どうせ皆、国にいれなくなったんだし……」
「まとめてスカウトしてきた……ぶい。」
「流石です。リムル様、ルーミア様。」
「それじゃあ帰るとするか!ほんの数日なのに、ゴブリン村が懐かしいよ……」
ん?なんか忘れてるような……
ドドドドドドドドド……ッ!!
「ひどいッスゥーーッ!!!」
「「「あ……」」」
ドワルゴンから涙を流しながら、嵐牙狼族に乗って駆けてくるゴブタを見て、私とリムル、影狼の三人は思わずそう言う。
ごめんっ!!忘れてたっ!!
「わ、悪い。今度、ちゃんと可愛いエルフのお姉ちゃん達がいる店に連れてってやるから……」
「絶対にッスよ!?」
血涙流してる……
「お、おう……」
「やったぁーっ!!」
ゴブタ、喜んでいるところ、悪いけど私達、ついさっきドワルゴンを出禁になったから、その『夢』が叶うのはまだまだ先かな……
【ところで、リムル。】
【……なんだ?】
【私達、嵐牙狼族は置いてってたよね?】
【だな。】
【ゴブタ、今、ドワルゴンから嵐牙狼族に乗ってきたよね?】
【……だよなぁ……】
「「………」」
……まぁ、良いか……
私はそう思いながら、リムル達と共に帰路に着くのだった。
第三者Side
「そうか……報告ご苦労……」
その頃、ブルムンド王国、
「今日を含めて三日間、休暇をやる。
その後、またあの森に調査に行ってくれ。」
「「「………」」」
「もう行っていいぞ。」
十分後、街中・・・
「『もう行っていいぞ。』じゃねぇよっ!!!」
「それ、ギルマスの前で言ってほしかったでやんす。」
「ホントよねぇー。」
不満を口にするリーダー、
「うぐっ……」
「あーぁ、三日後にはまたあの森かぁ……」
「短い休暇でやんすねぇ……」
「失礼。君達はひょっとして『ジュラの大森林』に向かう予定か?」
そんななか、仮面で顔を隠した長い黒髪の女性剣士が三人に話しかけてくる。
「私の名はシズ。邪魔でなければ、同行させてもらえないだろうか……」