ルーミアSide
「スライム……と少女?」
「む……スライムで悪いか?」
「あ。いや……」
「ほい。この仮面、そこのお姉さんのだろ?」
エクストラスキル『黒稲妻』で最後の巨大妖蟻を撃破した後、リムルはそう言いながら拾った仮面を助けた黒髪の女性に手渡す。
って今、気付いたけど後の三人、『封印の洞窟』で見掛けた人達じゃん。
「すまんな。まだスキルが上手く使えなくて……」
「怪我しなかった?」
「えぇ、大丈夫……ありがとう。おかげで助かったよ……」
こっちはこっちでドワルゴンのエルフのお姉さん達の店で水晶に映っていたリムルの『運命の人』だし……
名前は確か……シズエ=イザワだっけ……
割りと早く会えたね、リムルの『運命の人』……
ドサッ!!
そんななか、シズエさん以外の三人が急にへたり込む。
「ん?どうした?おまえら。」
「何処か怪我でもした?」
「いやぁ……精神的な疲労というか……」
「あっしら、三日間も巨大妖蟻に追われてたんでやんす……」
「荷物はどっかに落としちまうし……」
「逃げ切ったと思って休めば、寝込みを襲われるし……」
「装備は壊れてぼろぼろだしぃ……」
うわぁ……
「……リムル。」
「仕方ないなぁ……簡単なもんで良ければご馳走するよ。」
「え?スライムさん達、この辺りに住んでいるの?」
「あぁ、正確には引っ越してきたの……ちょっと事情があってね……」
「今は町を作ってるんだ。」
「魔物が町作り?」
「なんか怪しくないっすか?」
「でも、一人は可愛い女の子だしぃ。大丈夫だと思うけど……」
怪しまれてる……まぁ、自分はともかく
【……どうする?リムル……】
【仕方ない……アレをやるか……】
【……何する気?】
「俺はリムル。『悪いスライムじゃないよ!!』」
異世界に転生してリムルの二度目のネタかまし。
それが通じる訳
「ぶふっ!?」
通じたっ!?シズエさんが仮面を着けたまま吹いた!?
「どうしやした?シズさん。」
「ううん、なんでもない。それよりも……」
「!」
「お邪魔しよう。この子達はきっと信用できる……」
シズエさんがそう言いながらリムルを抱き上げる。
「町はこっち?」
「う、うん。そうだよ……」
「あの……自分で歩けるんだけど……」
「スライムさん達の国は何処?」
「国って程の規模はないよ。」
「町の名前も決めてないしな。」
「……さっきの言葉、『ゲーム』の台詞でしょ?」
「「!?」」
やっぱり、この人……
「私はよくわからないけど、同郷の子が教えてくれてね……」
同郷……
「スライムさんの国は?」
「……日本。一緒にいるルーミアも同じ。」
まぁ、私は自分が元日本人だということを思い出したのはつい最近なんだけどね。
ドワルゴンでの一件の後、ヒナタ=サカグチとの関係については未だにわからないけど、自分が日本人だったということは朧気ながらも思い出したんだよね。
「やっぱり!私と一緒だね。会えて嬉しいよ……」
私がそう思っているなか、シズエさんは仮面を持ち上げながら笑顔でそう言う。
「あ。お腹が空いてるんなら、町に着くまでの間にどうぞ。」
そんななか、私がそう言いながらここに来るまでにおやつ用に取っていた林檎をシズエさんを入れた四人に手渡す。
「ありがてぇっ!!」
「ありがとうっ!!」
「助かりやす!!」
三人はそう言いながら、笑顔で食べ始める。
シズエさんも食べ始めるが……仮面のままで食べてる……どうなってるの?あの仮面……
後の三人も唖然としている……
私がそう思っているなか、私達の町へと辿り着いた。