転生したらルーミアだった!?   作:デスゴッド

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スキルと耐性

町に着いた後、改めて事情を聞いたところ、彼らは森の調査に来た冒険者パーティーでシズエさん…シズさんは森を抜けるまでの臨時メンバーとして今回は偶々、同行していたらしい。

 

尚、調査にきた理由はヴェルドラが消えたことで魔物の動きが活発化するのを懸念してのことだとか……

 

またしても、私達絡みか……

 

ついでにシズさん以外の三人のことも教えてもらった。

 

盗賊(シーフ)のギド。バンダナと顔に似合わず素早い動きと隠密スキルが得意らしい。

 

重戦士(ファイター)のカバル。サバサバした性格なのか大物なのかパーティーではリーダー的存在。が、迂闊に突っ込んではいらぬトラブルを引き起こしがちな一面がある。

 

法術士(ソーサラー)のエレン。カバルに近いものを感じるが、気遣いができる良い子。けど、人間にしては魔力が多いような……?

 

ジューッ!ジューッ!

 

「「「………」」」ゴクッ

 

その三人は今、広い鉄板で焼いている肉を見ながら、唾を飲みながら食べ時を見極めている。

 

そんななか、ギドがエレン側のお肉を引ったくるや否や口の中に持っていく。

 

「あぁーーーっ!?」

 

エレンが悲鳴を上げるもお肉はギドのお腹の中に収まってしまう。

 

「ギド、ひどぉーいっ!!よくも私のお肉を!!」

 

「食卓は戦場でやんすよ、エレンの(あね)さん。」

 

「………」

 

「良いわよぉ……じゃあ、カバルのを貰うから。」

 

「ぎゃーーっ!?丹精込めて育てた俺の肉が!?」

 

「ま、まだおかわりもあるから……」

 

「騒がしい奴らだなぁ……」

 

「スライムさん、スライムさん。」

 

「?」

 

「鉄板に身体触れてる。」

 

「!?」

 

「なんか音がすると思ったら……」

 

ジュージューと焼けて……焼けたスライムってどんな味がするんだろうか……

 

「おいっ!なに考えてんだ!?ルーミア!!」

 

「………別になにも。」

 

「なんだよ!今の間は!!たくっ……溶けるかと思った……」

 

リムルはそう言いながら水を飲む。

 

「フフ……そうならなかったところを見ると、熱に対する『耐性』があるのかな……」

 

「「耐性?」」

 

「異世界から渡る者はその際、強く望んだ能力を得る。それが『スキル』だったり、『耐性』だったりするの。」

 

首を傾げる私とリムルに対し、シズさんはそう説明してくれる。

 

あれ?私のこの姿やスキルは殆んど『人造全智存在(マザー)』が独断でやったものなんだけど……もしかしなくても私、かなり特異な存在?

 

〈解。個体名リムル=テンペストは『熱変動耐性』を所持しています。〉

 

私がそう思っているなか、『大賢者』さんがそう言う。

 

「あぁ……そういえば、前世では刺されて死んだんだっけ……」

 

刺されてっ!?なにそれ初耳なんだけどっ!!?

 

シズさんも驚いているのか、リムルの方を見る。

 

「その時、『刺された背中が熱い』だとか『血が抜けて寒い』だとか考えてたから多分、それで手に入れたんだろうな……」

 

「そっか……大変だったんだね……」

 

「まぁな……」

 

シズさんとリムルはそう話しながらお茶を飲む。

 

なんか二人、良い感じ。

 

「……シズさんだっけ。あんたも苦労してたんだろ?」

 

「さっきの巨大妖蟻との戦いでは炎を操ってたけど……あれは望んで得た“力”なの?」

 

「……少し違う……炎は私にとっては『呪い』だから……」

 

「?呪い?」

 

「どういう意味だ?」

 

「……私が元の世界で最後に見たのは辺り一面の炎だった……怖い音が鳴り響くなか、住み慣れた町が紅蓮の色に染まっていった……」

 

それって……

 

「もしかして、空襲?」

 

「うん。今じゃ『東京大空襲』って言うんでしょ?前に教え子の一人が同じ日本の出身で教えてくれたの。歴史の授業で習ったって……」

 

「それじゃあ、シズさんはそれで死んでこっちの世界に」

 

「ううん。私は死んでない(・・・・・)よ。」

 

「「え!?」」

 

「……ある男に召喚された(・・・・・)の……でも、その(ひと)が召喚したかったのは別の誰かだったみたいで酷く落胆した様子だった……」

 

「「………」」

 

「だから、すぐに私に興味を失くしてたけど、ふとした気紛れからか彼は私に炎の精霊を憑依させた。」

 

「「………」」

 

「それは私に炎を操る“力”をくれたけど、同時に『呪い』だった……この炎のせいで私は大切な人達を亡くしたから……」

 

「ッ……」

 

その言葉だけでシズさんの過去に何があったかが容易に想像が着いてしまった。

 

恐らくシズさんは憑依された当初、その“力”を制御できなかったんだ。そして、その“力”で近しい者を……

 

「だからかな。人と親しくするのは少し怖かったんだけど……」

 

シズさんはそう言いながら、未だにお肉の取り合い合戦をしているカバル達を見る。

 

「……やっぱり『仲間』は良いね。『最後の旅』で楽しい人達と出会えた。彼らはお互いを信頼して、遠慮なく喧嘩もできる……良い冒険者だよ。ちょっと危なっかしいけどね……」

 

シズさん………

 

「なぁ。シズさん、腹ごなしに散歩に行かないか?」

 

「?」

 

【ルーミアも来るか?】

 

【私は良いよ。リムルの邪魔はしたくないし。】

 

【ちょっ!?なに言ってんだ!!?】

 

【頑張ってね♪】

 

私の“念話”での応援にリムルは(スライムだけど)顔を若干赤らめながらシズさんと一緒に出ていった。

 

頑張ってね。リムル……

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