転生したらルーミアだった!?   作:デスゴッド

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爆炎の支配者(シズエ=イザワ)

リムルSide

 

タタッ!タタッ!! 

 

「わぁ……っ!!」

 

リグルドの家から出て、嵐牙に乗って森のなかを駆けるなか、シズさんはそう感嘆の声を上げる。

 

ルーミアめ……変な気遣いやがって……

 

「凄く速いね。嵐牙狼族(テンペストウルフ)だっけ?聞いたことないけど……」

 

「そうだよ。名は嵐牙(ランガ)だ。」

 

「嵐牙……ご主人達をちゃんと護るんだよ。」

 

【無論です。我が主達の朋友(ほうゆう)よ。】

 

「………」

 

「どうした?シズさん。」

 

「さっき、町に入る時に出迎えてくれたホブゴブリンもそうだけど、流暢に話すなぁって……」

 

出迎えてくれたホブゴブリン←リグルド

 

「珍しいのか?」

 

「凄くね。魔物が町を作ってるのも珍しいけど……」

 

「……俺達の町は気に入ってくれたか?」

 

「えぇ、とっても……」

 

俺の問いにシズさんは仮面を左にずらして笑顔でそう言う。

 

……なんか照れ臭いな……

 

「そうだ。折角だから一つ、面白いものを見せてやるよ。」 

 

「?」

 

(『大賢者』。『思念伝達』でシズさんに俺の記憶の一部を見せたい。)

 

〈了。〉

 

「見えるか?シズさん。」

 

「これは……誰かの部屋?」

 

「って!?間違えたっ!!今のなしっ!!」

 

「?綺麗だったよ?」

 

あっぶねぇぇぇっ!間違えて前世の俺の部屋、しかもPC画面が開いた状態を見せるところだった!!

シズさん、気付いてなかったみたいだけど!!

 

「……なにやってるの?リムル……」

 

今、カバル達と一緒に肉食ってる筈のルーミアの呆れた声が聞こえた気がするが……多分、気のせいだろう……

 

「はぁ……俺が見せたかったのはこっちだよ……」

 

「?これは……?」

 

「俺も直接見た訳じゃないけど……」

 

そう言いながらシズさんに見せるのは、再現ドラマとかで放映された、終戦後の復興に励む人々の姿と少しずつ甦りながら発展していく町の風景だ。

 

「これが……あの炎に包まれた町?」

 

「あぁ、皆、頑張ったんだ。」

 

「そっかぁ……こんなに綺麗になったんだね。」

 

自分がこっちに来た後に平和で綺麗になった日本(せかい)を見て、シズさんは嬉しそうだ。

 

「俺もルーミアもこっちで今の人達と同じように『皆が楽しく暮らせる町』を作るつもりだ。」

 

特にルーミアなんか前に行ったドワルゴンが良い刺激になったのか、寝床と服作りが落ち着いたらカイジン達を巻き込んで色々とやろうと計画しているし……

 

第三者Side

 

「また遊びに来てくれ。町はまだまだ発展させるつもりだが、同郷のシズさんに第二の故郷と思ってもらえたら、俺も嬉しい。」

 

「……ありがとう。きっとお邪魔するね。」

 

ドクンッ!!

 

「!?」

 

その時、シズの中で『何か』が鼓動する。

 

リグルド邸・・・

 

「!?」

 

(なに?……今の嫌な感じは……っ!?)

 

その頃、カバル達と一緒に肉を食べていたルーミアもまたその『何か』の気配を感じ取る。

 

「?ルーミアの姉御?」

 

「どうしたの?」

 

「?」

 

そんなルーミアの様子にカバル達三人は首を傾げる。

 

「……嫌な予感がする……」

 

「あっ!?ちょっと……っ!!?」

 

次の瞬間、ルーミアはそう言いながら、リグルド邸を飛び出していった。

 

(まさか、もう……っ!?)

 

「そ、そういえば、シズさんを召喚したのは誰なんだ?異世界から人ひとりを喚び出すなんて人間業とは思えないけど……」

 

一方その頃、シズの僅かな異変に気付いていないリムルはそう尋ねる。

 

「ッ……あの人はこの世界の頂点の一角………『魔王レオン=クロムウェル』。」

 

「魔王!?」

 

(思わぬところで名前が出たな……しかもイケメンそうな名前。なんかムカつく……)

 

(早すぎる!?このままだとこの子を巻き込んじゃう!早く離れないと……)

 

「さっき、『最後の旅』って言ってたけど、ひょっとしてその魔王に……シズさん?」

 

「………」

 

「……嵐牙。止まれ。」

 

【ハッ!!】

 

「どうしたんだ?顔色が……」

 

「ッ!!」

 

「!?」

 

バシィッ!!

 

次の瞬間、シズがリムルを掴むや否や投げ飛ばす。

 

「リムル!!」パシッ‼

 

その直後、駆けつけたルーミアがリムルを受け止める。

 

ルーミアSide

 

【我が主!ルーミア様!!】

 

「ルーミア……なんでここに?」

 

「説明は後……それよりも……」

 

嵐牙がそう言いながら駆け寄るなか、そう尋ねるリムルにそう答えながら明らかに様子が変わっているシズさんを見据える。

 

少なくとも、リムルと一緒に出ていく際に着けていた仮面は完全に外れ、足元に落ちている。

 

〈対象シズエ=イザワの魔力が増大しました。〉

 

『気を付けて!!』

 

ゴオオオオオッ!!

 

「「【!?】」」

 

『大賢者』さんと『人造全智存在(マザー)』がそう警告した瞬間、圧倒的な殺気と共に炎がシズさんの足元から立ち上る。

 

……そういうことか……

 

「ルーミアの姉御!一体どうし……げっ!?」

 

その『炎』を見ながら私がある確信を抱くなか、後から追ってきたカバル達が現場に出会(でくわ)す。

 

「あれは……シズさんか?何がどうなって……」

 

「……ん?」

 

「どうしたの?ギド。」

 

「シズ……シズエ?シズエ=イザワ?え?まさか、あの……??」

 

「………」

 

ドォンッ!!

 

「「「「【!?】」」」」

 

そんななか、シズさんが右手の人差し指でクイッとした瞬間、地面から火柱が噴き出し襲いかかってくる。

 

「ユニークスキル『寡集(コレクト)』!!」

 

シュウウウ……ッ!!

 

が、私が寡集(コレクト)して防ぐ。

 

「大丈夫?」

 

「あ、あぁ……」

 

「ありがとう……」

 

「けど、これではっきりしやした。間違いありやせん……彼女は『爆炎の支配者』、シズエ=イザワ……イフリートを宿した最強の精霊使役者(エレメンタラー)でやんす……っ!!」

 

「イフリートォッ!?めっちゃ上位の精霊じゃねぇか!!」

 

「冗談でしょ!?伝説的英雄じゃない!!」

 

【うるせぇっ!!】

 

【っていうか今まで気付かずに付き合ってたのか……】

 

「あんたら、危ないから逃げ」

 

「冗談じゃねぇ……あの人がなんで殺意剥き出しにしてんのか知らねぇが……」

 

「あの人はあっしらの仲間でやんすよ……」

 

「放っておけないわ!!」

 

リムルの言葉を遮りながら、そう言いながらカバル達三人は各々(おのおの)の得物を手に取る。

 

……貴女の言う通り、彼らは良い仲間だよ。シズさん……

 

「……わかった。」

 

「でも、無茶はしないでね。」

 

「ハナ……レテ……モウ……オサエキレナ……イ……」

 

カバル達三人にリムルと私がそう言うなか、シズさんが苦しそうにしながらそう言ってくる。

 

『どうやら彼女と同化している炎の上位精霊(イフリート)が彼女から主導権を取り戻そうと暴走しているみたいだね。』

 

そんななか、『人造全智存在(マザー)』がそう教えてくれる。

 

やっぱりそうか……

 

「安心しろ。シズさん……あんたの『呪い』は俺達が解いてやる……」

 

私がそう思っているなか、リムルも『大賢者』さんから同じ報告を受けたのか、そう言いながら嵐牙に飛び乗る。

 

「貴女は十分頑張った……後は私達に任せて。」

 

「………オネガ……イ……」

 

「目標はイフリートの制圧……」

 

「そして、シズさんの救出……」

 

「ハハッ……まさか、過去の英雄と戦う日が来るとはね……」

 

「人生何が起こるかわかりやせんね……」

 

私達はそう言いながら戦闘態勢を取る。

 

「「行くぞ(よ)。」」

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