転生したらルーミアだった!?   作:デスゴッド

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お別れと災厄の兆候

「それじゃあ、そろそろお(いとま)するとするかね。」

 

「だねぇ~。」

 

「了解でやんす。」

 

翌日、カバル達三人はそう言いながら身支度を整える。

 

「国に帰るのか?」

 

「あぁ。森の調査結果とシズさんのことをギルマスに報告しなきゃならねぇからな……」

 

ギルマス……ギルドマスターの略かな?

 

「ギルドがあるのか?」

 

「あぁ、自由組合って言ってな。多くの冒険者が所属してんだ。」

 

「ふぅーん……」

 

「勿論、ここのことは悪い様に報告はしない。」

 

「リムルさんとルーミアちゃんのこと、ギルマスに話しとくね。」

 

「旦那と姉御も何か困ったことがあれば、頼ると良いでやすよ。」

 

「あぁ、そうさせて貰うよ。」

 

「気を付けてね。」

 

「あっとそうだ。最後にシズさんにお話があります。」

 

「?どうしたの?」

 

カバルの言葉にシズさんは首を傾げながら三人と向き合う。

 

「「「シズさん!今までありがとうございましたっ!!」」」

 

「「「!?」」」

 

すると次の瞬間、三人は一斉にシズさんに頭を下げながらそう感謝を述べてくる。

 

「俺……貴女に心配されないようなリーダーになりますっ!!」

 

「貴女と冒険できたこと……生涯の宝にしやすっ!!」

 

ガバッ!!

 

「!?」

 

「ありがとう……シズさんのこと、お姉ちゃんみたいって思ってました……っ!!」

 

「……うん。三人とも元気でね。何時(いつ)でも遊びに来て良いから……」

 

抱きしめながら、泣きながらそう言うエレンに対し、シズさんもそう言いながら抱きしめ返す。

 

「しかし、おまえらの装備、随分とぼろぼろだな。」

 

「「「ひどっ!?」」」

 

「リムル……」

 

「あはは……」

 

いや、確かに三人の装備はイフリートとの戦闘とかでぼろぼろだけどさぁ……

 

その後、カイジンさん達の鍛冶工房に移動し、三人に新しい装備を渡す流れになった。

 

「おぉぉぉっ!?憧れのスケイルメイル!!」

 

「凄いっ!!この服、軽い上に頑丈、それにめっちゃ綺麗っ!!」

 

「い、良いんでやすか、あっしには勿体無い代物でっ!?牙狼の毛皮まで使われてやすよ!!?」 

 

「餞別だよ。うちの職人達の力作さ。」

 

「紹介するね。右からカイジンさん、ガルムさん、ドルドさん、ミルドさん。」

 

「力作ってもまだ試作品のやつだけどな。」

 

「着心地はどうだい?」

 

「細工は隆々ってね。」

 

「………」コク…コク…

 

「喋れよっ!!」

 

「「あはは……」」

 

「カイジンってあの腕利きで有名な鍛冶職人のっ!?」

 

「一緒にいるのはあの『ドワーフ三兄弟』のっ!?」

 

「うおおおおおっ!家宝にするでやす!!」

 

「色々あってドワルゴンから引き抜いたんだけど……思ってた以上に有名人だったんだね。カイジンさん達……」

 

「シズさんの新しい装備も今、作ってもらってるから少し待っててくれ。」

 

「うん。ありがとうね。リムルさん。」

 

その後、三人は興奮覚めやらぬまま笑顔で帰っていった。

 

「なんていうか……最後まで騒がしい奴らだったなぁ……」

 

「だね。まぁ、それがあの子達の良いところだと思うけど……」

 

「……改めて、これからよろしくね。リムルさん、ルーミアちゃん。」

 

「あぁ、よろしくな。シズさん。」

 

「アギトも。一応私もフォローするつもりでいるけど、シズさんを頼んだよ。」

 

パァァァ

 

「はい!母様!!」

 

私の呼び掛けにシズさんの中から出てきたアギトが肩に乗りながらそう言う。

 

「アギトも少し姿が変わったよな。」

 

リムルの言う通り、ただの黒炎だった髪が『夜空』みたいな色合いの炎の髪に変わり、肌はシズさんと同じ肌色に、目も赤目から白目、瞳は黄色から紫に、腰の羽は剣みたいになっていた。

 

「種族も進化して今は確か『夜炎の剣精(ナイトフレイムスピリット)』……だっけ?」

 

「うん!これでもっとシズさんの“力”になれるよ!!」

 

「フフ……頼りにしてるね。アギト。」

 

「はい!!」

 

「さてと、シズさんのテントもすぐに用意するから。」

 

「ありがとう。リムルさん。」

 

「いっそのこと一緒のテントに住んじゃえば良いのに……」

 

「バッ!?それはダメに決まってるだろ!!」

 

「私は別に良いんだけど……」

 

「シズさんっ!?」

 

「フフ……」

 

カバル達を見送った後、私、リムル、シズさん、アギトの四人はそんなことを話しながら町の中へと戻った。

 

この時の私はまだ気付くことができなかった。

 

森全体に牙を剥く闇の手が迫ってきていることに。

 

第三者Side

 

「はぁ……はぁ……」

 

とある場所、大地がひび割れ、草木が枯れている地を一人の豚頭族(オーク)が息を切らしながら歩いていた。

 

ドサッ!!

 

が、限界がきたのか、力尽きて倒れる。

 

「おまえに食事と……名をやろう。」

 

そこに鳥のような仮面、所謂ペスト仮面を着けた者がオークに語りかける。

 

「……貴方は……?」

 

「ゲルミュッド……俺のことは父と思うがいい。」

 

「………」

 

「ここで死ぬか?」

 

「……名を……そして、食事を……」

 

「おまえの名は『ゲルド』。やがて『ジュラの大森林』を統べる豚頭魔王(オークディザスター)となる者だ……」

 

ゲルミュッドは名付けをするや否や血の(したた)る肉を差し出し、名を与えられたオーク…ゲルドはその肉を(むさぼ)るように喰らう。

 

そんなゲルドに対し、ゲルミュッドは更に紫の薔薇(バラ)のようなものを差し出す。

 

「?それは……?」

 

「『エフィメラ』。この花を使えば、おまえは更なる“力”を得られる……」

 

そう言うゲルミュッドから紫の薔薇…エフィメラを受け取った瞬間、エフィメラから赤黒い邪悪な妖気(オーラ)がゲルドに流れ込んでくる。

 

「!?グおぉオおぉオオおぉォおぉォぉオォおオォおおオォぉオォおぉオおぉオオおぉォおぉォぉオォおオォおおオォッ!!!」

 

次の瞬間、ゲルドは雄叫びを上げながら筋肉が発達していき、その目が赤く染まっていく。

 

この時、『ジュラの大森林』を、否、世界を侵食しようとする『闇』が生まれ、その『闇』は時空を歪ませ、更なる『闇』を呼び寄せるのだった。




アギト

種族:夜炎の剣精(ナイトフレイムスピリット)

見た目:髪が『夜空』みたいな色合いの炎の髪に腰の羽は剣みたいになった『リリカルなのは』のアギト

詳細

シズの身体に残されていたイフリートの残滓とルーミアの『闇生命力(アンダークエナジー)』と魔素が混ざり合って生まれた、実質ルーミアとイフリートの娘のような存在。生まれながらに父親であるイフリートの暴走(やらかし)(過去のも含めて)には思うところがあり、贖罪の意味も込めて父に代わってシズと正式に契約し、シズに宿った。現在、シズとは良好な関係を築けている。何時か、父親であるイフリートには一発殴りたいとは思っている。
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