リーニエが感知した強大な魔力反応、そのタイミングでの嵐牙と影狼からの『思念伝達』から私とリムル、シズさんの三人はリーニエを連れて現場へと向かう。
すると、影狼とリグル、ゴブタの三人が両手に手甲を着けた薄い茶色のロングヘアーの幼い少女とモーニングスターで武装した紫髪の女性、白髪の老人男性と戦闘しているのが目に入ってくる。
よく見ると、奥には桃色の髪の巫女のような少女とその少女を護るように立つ赤髪の大柄な体躯の鎧を着た青年の姿も確認できる。
一瞬、人間かとも思ったが、五人とも共通して頭にある角が違うと告げている。
「!?あれは……」
「鬼……?」
「違う……あれは『オーガ』よ……っ!!」
首を傾げながらそう言うリムルと私にシズさんが真剣な表情でそう言うなか、老人男性が持っていた刀でゴブタを斬り捨てようとする。
「ッ!リーニエッ!!」
「はい。」
ガキィィィンッ!!
私の呼び掛けにすぐさま反応してくれたリーニエがゴブタと老人男性の間に割り込みながら、虚空から具現化させたバトルアックスの柄で老人男性の刀を受け止める。
「むっ!?」
「え?だ、誰ッスか?」
「………」
「ウオォォォォンッ!!」
「はあああぁぁぁっ!!」
自分を助けたリーニエにゴブタが首を傾げるなか、上空では嵐牙が大槌を持った黒髪の男の鬼…否、オーガと、途中から駆けつけたのだろう、名付けで得たユニークスキル『
「リグル!ゴブタ!嵐牙!!戻れっ!!」
「絶狼!影狼!リーニエも戻って!!」
「「「【ハッ!!】」」」
「りょ、了解ッス!!」
ガキィィィンッ!!
「ん。了解。」
リムルと私は一先ず六人を自分達の側に呼び戻す。
戦っていた五人のオーガも恐らくはリーダー格であろう赤髪の青年オーガとオーガ巫女の側に集結する。
「くっ……まさか、
【申し訳ございません。我が主。ルーミア様。】
「我ら三人が揃ってもこの様とは……」
影狼と嵐牙、絶狼の親子三人がそう言うなか、他の警備隊を見る。
全員、倒れてはいるけど、命に別状はないっぽい?
「嵐牙。他の連中は……」
【ハッ。魔法で眠らされているだけで皆、無事です。】
「術者は一番奥にいる桃色髪のオーガです。他のオーガ達からは『巫女姫』と呼ばれておりました。」
「お兄様、真ん中にいるあの者の仮面……」
「あぁ、間違いなさそうだな……」
リグルとゴブタを
「ところでルーミア様、その者は?」
「あぁ、私がスキルで生み出した新しい仲間のリーニエだよ。」
「………」ペコリ
「おい!おまえら!事情はよく知らないが、うちの者達が迷惑をかけたな!話し合いに応じる気はあるかっ!?」
そう尋ねる絶狼にリーニエを軽く紹介するなか、リムルがそうオーガ達に話しかける。
比較的実力がある絶狼親子三人はともかく、明らかに実力差があるリグルとゴブタに致命傷を与えず、他の警備隊も
よく見ると、オーガ達の鎧は返り血が付いてたり、
「正体を現せ、邪悪な魔人共めっ!!」
私がそう思っているなか、リーダー格オーガがリムルと私を指差しながらそう言う。ってはいっ!?
「ちょっ、俺達が何だって!?」
「魔物を使役するなど普通の人間ではあり得ん。それに先程、
「黒幕が自ら現れてくれるとは実に好都合というもの……」
「正体を表すがいい。」
あぁ~、そういえば、リムルは今、シズさんから託された『抗魔の仮面』で
「な、なぁ。なんか誤解しているみたいだけど」
「問答無用!なにより貴様の仮面が真実を物語っている!!我らが里を襲った豚共を率いていた魔人と同じ仮面がなっ!!!」
は?仮面?
リーダー格オーガの言葉に私とリムルはシズさんを見る。
対するシズさんは首を横に振る。
そりゃそうだよね。シズさんだって森に入ったのは一週間くらい前で、数日前からは私達の町から一歩も動いてないんだから。
私がそう思っているなか、リーダー格オーガが刀を抜き、切っ先をリムルに向ける。
「同胞達の無念、億分の一でも貴様の首で
あ。これ駄目だ。私達を完全に自分達の里を襲った連中の仲間だと思い込んでる。
「……ルーミア様。」
「如何なさいますか?」
「……絶狼とリーニエはリグルとゴブタを護ってて。影狼は嵐牙と協力して奥にいる巫女姫を抑えて。殺しちゃ駄目。却って向こうの怒りを買っちゃうから。」
「「「了解!!」」」
「シズさん、イケるか?」
「うん。お爺さんはちょっと厳しいけど、他は一人くらいなら……」
「リムル。手甲を着けた薄い茶色は私が。」
「わかった。なら、シズさんはリグルが相手していた紫の奴を頼む。」
「任せて。」
「後は俺がやる。」
【我が主。それでは主一人だけで四人のオーガを相手することに……】
「大丈夫。負ける気がしない。」
「だね。」
「えぇ。」
そうして私達三人は前に出て構える。
「真勇か蛮勇か……いいだろう。その度胸に敬意を払い、挑発に乗ってやる……後悔するなよ……」
対するオーガ達も闘気を高めながら構えた。