転生したらルーミアだった!?   作:デスゴッド

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リムルSide

 

「はあああぁぁぁっ!!」

 

戦闘開始の合図かのように薄い茶色の髪の少女オーガが手甲を着けた右手を握り締め、ルーミアに殴りかかってくる。

 

「………」ヒョイ

 

対するルーミアは軽やかなバックステップでかわす。

 

ドカァァァンッ!!

 

が、少女オーガの拳は先程までルーミアがいた地点を起点にちょっとしたクレーターを作る。ってはぁっ!?

 

「言ってなかったが、そいつは妹よりも小さいが力は俺達のなかでも一番の怪力だ。」

 

「気を付けて下さい!ルーミア様!!影狼殿も先程、その怪力に苦戦しておりましたっ!!」

 

「一発でも貰ったらヤバいッス!!」

 

確かに……あんなの食らったらヤバそうだな……

 

「………」

 

俺がそう思っているなか、少女オーガは拳を構えながらステップを踏み始める。

 

やっぱり素手喧嘩(ステゴロ)がこいつの戦闘スタイルか……

 

【リムル。近くで戦うとやりづらいかもしれないから私とこの子は少し開けた場所に移動するね。】

 

【わかった。気を付けろよ。】

 

俺とルーミアが“念話”でそう話しているなか、少女オーガは再びルーミアに肉簿(にくはく)し、拳を振るう。

 

が、ルーミアはその拳をかわしながら近くの大木の枝の上へと跳び乗る。

 

「鬼さん、こちら。手の鳴る方へぇ~♪」

 

「……ッ……」

 

次の瞬間、ルーミアは軽く挑発しながら、少女オーガを引き連れながら森の向こうへと移動していく。

 

チラッと少女オーガの額に青筋が浮かんだように見えたけど、大丈夫か……?

 

「余所見とは余裕だな。」

 

「ッ……」

 

そんななか、リーダー格オーガがそう言った瞬間、黒髪の大柄な体格の男オーガが大槌で殴りかかってくる。

 

「おまえは眠っとけ。」

 

スキル『麻痺吐息』

 

ドサッ!!

 

その攻撃をかわしながら、黒髪男オーガに『麻痺吐息』を食らわせて気絶させる。

 

その直後、青髪の青年オーガが刀で不意討ちしてくる。

 

ガキィィィンッ!!

 

「!?」

 

対する俺は瞬時に頑丈な鱗で覆われた右腕で青髪青年オーガの刀を受け止め、へし折る。

 

スキル『身体装甲』

 

「フッ!!」

 

ドカァァァンッ!!

 

「ぐっ!?」

 

へし折った後、俺は『身体装甲』を発動させた右腕で青髪青年オーガの鳩尾(みぞおち)を思いきり殴り飛ばし、

 

シュルルルルルルルッ!!

 

『粘鋼糸』で拘束する。

 

「はあああぁぁぁっ!!」

 

ガキィィィンッ!!

 

「ぐっ!?」

 

紫髪の女オーガと戦っていたシズさんは青い炎を纏わせた剣で紫髪女オーガのモーニングスターを弾き飛ばし、

 

「フッ!!」

 

ドカッ!!

 

「ぐふっ!?」

 

ドサッ!!

 

彼女の鳩尾に剣の柄をめり込ませ、気絶させる。

 

「おぉっ!!」

 

「流石ッス!!」

 

「……強い……」

 

「……エビルムカデの『麻痺吐息』、甲殻トカゲ(アーマーサウルス)の『身体装甲』、ブラックスパイダーの『粘糸・鋼糸』……不意討ちに対しての反応速度を見るに『魔力感知』も持っておるでしょう。」

 

リグルとゴブタ、リーニエがそう言うなか、白髪の爺さんオーガが真剣な表情でそう言う。

 

凄いな。あの爺さん……一目で俺が洞窟で捕食した魔物の種類とスキルを言い当てやがった……

 

「剣士の女も見るからになかなかの手練れ……ご油断召させるな。若。」

 

「………」

 

「……リムルさん。」

 

これ以上手の内を晒すような真似はできないな……さっきの怪力少女オーガの相手を引き受けたルーミアのことも気になるし……

 

「なぁ。もうここまでにしないか?そろそろ俺達の言い分を聞いてほしいんだけど」

 

「黙れ。邪悪な魔人め。」

 

うーん……圧倒的な力を見せつけて話を持っていくつもりだったんだけど、上手くいかないな……

 

「えーと、だからな……」

 

「確かに貴様らは強い。彼奴の相手を一人で引き受けたあの娘も同等の力を持っているのだろう。だからこそ、確信が強まった。やはり貴様らは奴らの仲間だ……たかが豚頭族(オーク)に我ら大鬼族(オーガ)が破れるなどあり得ぬ……」

 

オーク?

 

「おい。一体何を言って」

 

「黙れっ!!全ては貴様ら魔人の仕業だろうがっ!!」

 

「いや、だから、それは誤解」

 

「リムルさんっ!!」

 

「!?」

 

「………」

 

そんななか、いつの間にか俺の背後に移動していた爺さんオーガが刀を振るってくる。

 

「うおっ!?」

 

シズさんのおかげで(かが)んで首を落とされるのを回避することに成功する。

 

ズバァァァンッ!!

 

が、完全に回避しきれず、右腕を斬り落とされる。ってえ?

 

「むむ……儂も耄碌(もうろく)したものよ。首をはねたと思ったが……」

 

………マジかよ。この爺さん、俺の『魔力感知』を掻い潜り、『多重結界』と『身体装甲』をあっさり破ったのか……

 

「次は外さぬ。」チャキ…

 

「……どうやら蛮勇の方だったな。右腕を失い発狂しない胆力は褒めてやる。」

 

リーダー格オーガがそう言いながら刀を構える。

 

「貴様の敗因は一人で四人のオーガを相手取ろうとしたその傲慢さだ……精々、冥府で悔やむが良い!!」

 

ズガァァァァァンッ!!

 

そう言いながら大地を割る勢いで振り下ろしてくるリーダー格オーガの刀をかわしながら、俺は斬り落とされた右腕を回収して捕食する。

 

「!?」

 

(斬られた右腕を吸収しただとっ!?)

 

「確かにな。すぐに調子に乗るのは俺の悪い癖だ。忠告痛み入るよ、ホント。」

 

「………」

 

「もっと慎重になっていれば、右腕を失わずに済んだのに。あぁ超痛い………まぁ、『痛覚無効』と『超速再生』がなければの話だけどな。」

 

捕食した後、俺は仮面を外しながら“再生させた右腕”を見せつける。

 

「っ!?ば、化け物めっ!!『鬼王の妖炎(オーガフレイム)』!!」

 

ボオオオォォォーーーッ!!

 

それを見て恐怖を感じたのか、リーダー格オーガがそう言った瞬間、俺は“炎の渦”に呑まれる。

 

「……やった……のか?」

 

「悪いな……」

 

「!?」

 

「俺に炎は効かないんだ……」

 

が、俺はそう言いながら悠然と渦の中から出てくる。

 

「本当の『炎』を見せてやろう。」

 

これで戦意喪失しないなら、今でも一人であの怪力少女オーガを相手しているルーミアには悪いが、話し合いに持っていくのは無理だ。

 

「よく見ておけ。」

 

エクストラスキル『黒炎』!!

 

ボオォオォォオォォォオオォオオオォオォォオォオオォォォオォオォォオォォォオオォオオオォオォォオォオォッ!!

 

俺はそう言いながら頭上に『黒炎』を展開する。

 

「「!?」」

 

「あ……あぁ……あ、あの炎は周囲の魔素を利用した妖術ではありませぬ!!あの炎を形作っているのは純粋にあの者の“力”……炎の大きさがそのままあの者の“力”……っ!!」

 

「どうする?まだやるか?」

 

「くっ……」

 

よしよし……そのまま降参して

 

「!?リムル様!ルーミア様とオーガの娘が戦っている方に邪悪な魔力の気配がっ!!」

 

ドカアアアァァァンっ!!

 

「「「「「「「「「「【!?】」」」」」」」」」」

 

そんななか、リーニエがそう言った瞬間、ルーミア達が戦っている方から物凄い轟音と共に凄く嫌な感じがする妖気(オーラ)を感じ取る。

 

「!?この妖気(オーラ)は……っ!?」

 

「若っ!!」

 

「あぁ……奴らがここまで来たのか……っ!!」

 

「リムルさんっ!!」

 

「あぁ、悪いが勝負は一時中断だっ!!」

 

オーガ達がそう話をするなか、俺はそう言いながら『黒炎』を捕食する。

 

「「「!?」」」

 

「絶狼と影狼はここでリグル達を護っててくれっ!!嵐牙とリーニエとシズさんは俺と一緒にルーミアの所へ!!」

 

「「【ハッ!!】」」

 

「ん。了解。」

 

「お、おい。どういうことだっ!?奴らはおまえ達の仲間じゃないのかっ!?」

 

「だから、違うっての。それと……」

 

パシャアアアンッ!!

 

パァァァ……

 

「「「!?」」」

 

リーダー格オーガにそう言いながら、俺とシズさんが倒した三人のオーガを回復させ、青髪青年オーガに施した拘束も解く。

 

「あんたらも一緒に来てくれっ!!」

 

「貴女達の仲間の少女が危険かもしれない……」

 

「ッ……」

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