「ルーミア……おまえ、凄いな……あのピッコロまで生み出すとか……」
「言っとくけど、そうそうポンポンと生み出せないよ。今だって三人も創造と名付けをしたことでギリギリなんだし……」
シュン
「大丈夫ですか?ルーミア様。」
リムルとそう話しているなか、影の中から影狼がそう言いながら現れる。
「あぁ、大丈夫だよ。影狼。」
「リムル様ぁー。ルーミア様ぁー。」
「お。紫苑。」
「お昼ご飯の用意ができました。」
そんななか、紫苑がそう言いながら駆けてくる。
「今日は私が作ったんですよ。」
「おぉ……そうか……」
「「「!?」」」
ん?今、紅丸、白老、萃香の鬼人三人が身震いしたような……
「紅丸もこの後、一緒にどうだ?」
「あぁ、いえ、自分は遠慮しておきます……」
「そうか……」
「……リムル、ごめん。私も三人も創造と名付けをして疲れたから、テントで一眠りしてから食べるよ。」
「そうなのか?じゃあ、行こうか。紫苑。」
リムルはそう言いながらスライム形態に変わる。
「はい♪リムル様♪」
対する紫苑は笑顔でそう言いながらリムルを抱き抱え、その場を後にする。
「……紅丸。紫苑ってもしかして……」
「……察しが良いですね。ルーミア様……」
そんな二人を見送った後、そう尋ねる私に対し、紅丸は青ざめたまま、そう答える。
そう言うってことは……
「……リムル、大丈夫かな……」
「……リムル様の無事を祈りましょう……」
「無事って……」
そんなに酷いの……?
「ま、まぁ、私は朱菜やシズさん達の様子を見に行ってから休むことにするよ……影狼。狼形態で運んでくれる?」
「
そう言う私に対し、影狼はそう言いながら狼形態に変わる。
「よっと……それじゃあ、紅丸。また後で……」
「ハッ。どうぞお休み下さい。ルーミア様。」
そうして影狼の背に乗った私は朱菜やシズさん達がいる織物工房へと向かった。
「朱菜ぁー、シズさん。調子はどう」
「ん?ルーミア?仮眠はもう良いのか?」
「え?リムル!?」
私がそう言いながら獣人形態に戻った影狼を伴って工房に入ると、そこには朱奈の前で複数の木板に絵を描いて説明しているリムルがいた。
いや、なんで!?紫苑と一緒に食堂に行ったんじゃないの!!?
「いやぁ~、朱菜達に普段着とか作って貰おうかと思ってな……」
「そ、そうなんだ……」
今、木板に描いてるのはそれか。
「……シズさんは?」
「あぁ、シズさんでしたら
「う~ん……ちょっと恥ずかしいかな……」
「大丈夫ですよ!シズ様!!折角リムル様とルーミア様がいらしているみたいですから、見てもらいましょう!!」
朱菜がそう言いながら左手で指し示した先からそう言うシズさんとハルナの話し声が聞こえてくる。
次の瞬間、ハルナに押される形で赤い着物を着たシズさんが出てくる。
「おぉっ!!」
「よく似合ってるよ、シズさん。」
「ありがとう。リムルさん、ルーミアちゃん。昔、お母さんが私に何時か、こんな着物を着せてもらう約束をしていたことを話したら、皆が用意してくれたの。」
「シズ様のお話を聞いて、是非ともお母様との約束を果たしてあげたいと思いまして!!」
「そうなんだ……ありがとうね。ハルナ。それに皆も……」
「これからもシズさんに似合うものをどんどん作ってくれよ。」
「はいっ!!」
「お任せ下さい。ルーミア様、リムル様。お二人の分も含めて素晴らしい服を作ってみせます。」
そう言う私とリムルに対し、ハルナと朱菜は笑顔でそう言う。
「じゃあ、行こうか。折角の紫苑の手料理が冷めちゃうしな。」
「はい♪」
「えっ……」
直後、そう言うリムルと紫苑のやりとりに、朱菜の顔色が即効で青ざめる。
「………」
私はそんな朱菜の隣に
「………なぁ。ルーミア。やっぱりおまえも一緒にどうだ?」
「ッ……」
そんななか、そう言うリムルの言葉に私はリムルには見えないように、朱菜の服の裾をくいくいと引っ張って助けを求める。
「あぁ……ルーミア様はこの後、先程のリムル様の普段着について、採寸とご相談がありまして……」
朱菜、ナイスッ!!
「そう?じゃあ、また後でなぁ~。」
私がそう思っているなか、リムルはそう言いながら紫苑と共に織物工房を後にする。
「……ルーミア様。先程のお話、紫苑が料理を……?」
「作ったみたいだね。紅丸や白老の反応からヤバいってわかって私も上手く誤魔化してこっちに来たけど……」
「リムル様も工房に寄るという考えは同じだったみたいですね……」
「迂闊だった……」
危うく私も紫苑の手料理コースになるところだった……
「……ありがとうね。朱菜。」
「いえ。とりあえず解毒薬と胃薬をご用意しますね。」
「解毒薬って……」
最早毒物レベルなの……?
「うぎゃあああぁぁぁーーーっ!!?」
「「「「「!?」」」」」
その後、朱菜に解毒薬と胃薬を用意してもらい、ハルナに採寸とかしてもらっているなか、ゴブタの断末魔の叫びが聞こえてくる。
「ッ!!影狼っ!!」
「はいっ!!」
「私も行くよっ!!」
私と影狼に冒険者服に着替え終わったシズさんの三人はすぐさま現場へと向かう。
が、ゴブタの魔力反応を追って着いた先は食堂だった。
まさか……
「ゴブタ!しっかりして!ゴブタ!!」
私がそう思いながら影狼とシズさんと共に食堂に入ると、のたうち回るゴブタに呼びかけるリーニエの姿が目に入る。
他には青ざめた表情で二人を見守るリムルと紅丸、白老、萃香の四人に困惑の表情を浮かべる紫苑。
いやいや!マジで何があったの!?
私がそう思いながら辺りを見渡すなか、リムルの前に置かれた皿に盛られた……紫の怨念のようなものが宿ったナニカが目に入る。
リムルの前にあるってことは……アレ、紫苑の手料理?いやいや!最早メシマズや毒物通り越して魔物の類いでしょ!?アレ!!紫苑に『
っていうかこれ、リムルが助かりたい一心でリーニエと一緒に入ってきたゴブタに無理やり食べさせたってこと!?やりやがったなこの野郎!!
「り、リーニエ………」
私がそう思っているなか、ゴブタがそう言いながらリーニエに手を伸ばす。
が、その手は届くことなく力尽きる。
「「「「「「「「………」」」」」」」」
「……あれぇ?」
『あれぇ?』じゃないよ。紫苑……
「……紫苑。」
「は、はいっ!!」
「これからは飲食物を作る時は紅丸の許可を得てからするように。」
「!?」
「はいぃ……」
【ちょっ、リムル様!!あんまりですっ!!】
【知らん。監督責任はおまえに任せた。】
「なんだろう……初めて食べ物を見て、『命の危険』を感じた気がする……」
紅丸とリムルが『思念伝達』でそう話をするなか、シズさんは遠い目をしながらそう呟いた。