転生したらルーミアだった!?   作:デスゴッド

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お調子者(ガビル)、登場!!

第三者Side

 

「ルーミアさん。こちらにいるとお聞きしましたが、今、入っても大丈夫ですか?」

 

ブラッドレイ、鬼鮫、ピッコロの三人が新たな仲間になってから数日後、織物工房で朱菜達が制作した衣服をルーミアが試着している最中、出入口の向こうからそう確認してくる鬼鮫の声が聞こえてくる。

 

「すいません。鬼鮫様、もう少しお待ち下さい。

ルーミア様は今、帯を結んでいる最中でして……」

 

「はい……これで大丈夫ですよ。ルーミア様。」

 

そんな鬼鮫にハルナがそう言うなか、朱菜がそう言いながら帯を結び終える。

 

「ありがとう。朱菜……入っていいよ。鬼鮫。」

 

「失礼します……よく似合ってますよ。

ルーミアさん。」

 

ルーミアの許可を得てから入った後、鬼鮫は満月が描かれた黒い着物に赤い帯を巻いたルーミアを見ながらそう言う。

 

「ありがとう。それで何かあったの?」

 

「例の蜥蜴人族(リザードマン)の使者が訪ねてきました。リグルドさんと蒼影さんが今、リムルさんと他の鬼人の方々に報告に行ってます。」

 

「……やっぱりこっちにも勧誘に来たって訳ね……

わかった。私達も行こうか。」

 

「わかりました。」

 

「ルーミアちゃん。私も同席して良いかな?」

 

シュン

 

「ルーミア様。私達も。」

 

蜥蜴人族(ヤツラ)の思惑を知りたい。」

 

シズが同席を希望するなか、ルーミアの影から影狼と絶狼もそう言いながら現れる。

 

「シズさんに影狼に絶狼……わかった……」

 

そうしてルーミアは鬼鮫を入れた四人と一緒に使者と会うことにした。

 

ルーミアSide

 

「あ。リムル……」

 

「リムルさん……」

 

「ルーミア、それにシズさん……」

 

シズさん達と一緒に使者の元に行くと、リムルとリグルド、紅丸、白老、紫苑、蒼影、萃香、ブラッドレイ、ピッコロ、リーニエの十人と合流する。

 

リグルドと鬼人組はともかく、ブラッドレイ達三人は白老についてきた感じかな?

 

「それで……使者さんは何処に……」

 

私がそう尋ねると、リムル達は一斉にある方向に目を向ける。

 

見ると、軽鎧を着た二足歩行の蜥蜴(トカゲ)蜥蜴人族(リザードマン)が列を成しているのが目に入る。

 

え?どの蜥蜴人族(ヒト)

 

ザッ!!

 

私がそう思っているなか、リザードマン達は一斉に地面に槍を突き刺す。

 

すると、先頭に立っていた三人のリザードマン達が二手に分かれ、奥から竜みたいなのに乗った一人のリザードマンが駆けてくる。

 

アレがそうかな?

 

そのリザードマンは恐らく配下なのだろう他のリザードマン達に槍を地面に突き刺す行為をやめさせるや否や大きくジャンプし、着地する。

 

直後、配下に盾で反射させた光を当てさせる。

 

いや、その演出は痛くない?

 

「我輩は蜥蜴人族(リザードマン)のガビルである!!おまえ達も配下に加えてやろう!光栄に思うがいい!!」

 

「よっ!ガビル様!!カッコいい!!」

 

「然り!!」

 

「イカしてるぜ!大将!!」

 

「「「「「「「「「「「「「……はぁ?」」」」」」」」」」」」」

 

うわぁお……なんとも息の合った冷たい返事……

 

「あはは……」

 

シズさんは苦笑いしているし……

 

っていうかあのリザードマン、名持ち(ネームド)なんだ……

ヴェルドラ以来、始めから名持ち(ネームド)の魔物は初めて見たかも……

 

「おまえ達、よくご尊顔を拝めるがいいぞ!!」

 

「このお方こそ、次の蜥蜴人族(リザードマン)の首領となられるお方!!」

 

「ふぅーん!!」

 

「ガビル様であるぞっ!!頭が高ぁいっ!!!」

 

「「「「「「「「「「「「はぁっ?」」」」」」」」」」」」

 

あ。なんかヤバいかも。うちの子達の不快妖気(オーラ)が高まってる……

 

ミシミシミシミシ

 

って!?紫苑、無意識に力が入ってリムルを潰しかけてる!!?

 

「ちょっ、紫苑!ストップ!!ストォーップッ!!」

 

リムルのスライムボディがスリムボディになっちゃうっ!!

 

私はそう言いながら紫苑から無理やりリムルを回収する。

 

「す、すいません!リムル様!!」

 

「おぉ……た、助かった……ルーミア……」

 

「ふぅ……え~と、ガビルさん……でしたっけ?配下になれというのは豚頭族(オーク)の侵攻に対抗するための申し出と受け取って間違いありませんか?」

 

「ほぅ……我輩の言葉でそこまで理解するとは話がわかって助かる……」

 

ちょっと。なんで私を見て赤らめながら固まるの?

 

【イフリートの時もそうだけど、おまえって妙な奴に好かれるよな……】

 

【茶化さないで。】

 

「ガビル様、ガビル様。」

 

「ハッ!お、おっほん……そこまでわかっているなら話が早い!!このガビルが!お嬢さんを護ってやろう!!麗しきお嬢さんは勿論、周りの貧弱な……貧弱な……」

 

私(闇人(ダークノイド))

リムル(スライム)

リグルド(ホブゴブリン)

絶狼、影狼(暗黒人狼(ダークネスウェアウルフ))

紅丸、白老、紫苑、蒼影、萃香の五人(鬼人)

ブラッドレイ(闇人造人間(ダークホムンクルス))

鬼鮫(闇魚人(ダークマーマン))

ピッコロ、リーニエ(闇魔人(ダークデモンノイド))

シズ(人間)

 

「………」

 

「え~と……なんかごめんね?」

 

うちには蜥蜴人族(きみたち)が言うような『貧弱な種族』はいないんだ。

 

「……なぁ。ゴブリンは一匹もいないみたいなんだが?」

 

「あれぇー?」

 

「確かにここはゴブリンの村の筈……」

 

「っていうかあの集団のなかに貧弱な種族はあまりいなくないか?」

 

なんかしゃがみこみながら先頭の三人とひそひそ話を始めた……

 

【どうする?リムル。】

 

豚頭族(オーク)との戦いに備えて、蜥蜴人族(リザードマン)との共闘も視野に入れてはいたけど……アレに背中を預けるっていうのはな……】

 

【私は嫌いじゃないけど……ちょっと心配になるよ……色々な意味で……】

 

【『有能な敵より無能な味方の方が恐ろしい』って確かナポレオンの言葉だったっけ……】

 

【だねぇ~。】

 

「あぁ~、おほん。聞くところ、ここには牙狼族を手懐けた者達がいるようだな……そいつらは幹部として迎えてやる。連れてくるがいい。」

 

「……リムル様。」

 

「なんだ?紅丸。」

 

「こいつ、殺していいですか?」

 

「フッ……良いよ。」

 

「いやいや!なに許可出してるの!?紅丸も落ち着いて!!」

 

「ルーミアさん。彼奴(あいつ)、削りましょうか?」

 

「鬼鮫は鮫肌を閉まって!!」

 

「ふむ……前にシズ君から聞いたんだが、蜥蜴の丸焼きはなかなか美味いらしいな。」

 

「そういえば『人造全智存在(マザー)』が寄越した本人(オリジナル)の記憶の中の悟飯はチビだった頃、修行中、でかい蜥蜴の尻尾をよく焼いて食ってたな……」

 

「ブラッドレイとピッコロは物騒な話をしないで!!」

 

「……お調子者なのかな……」

 

私がそうツッコミを入れながら抑えるなか、シズさんは苦笑いしながらそう呟く。

 

「えっと……おほん。手懐けたっていうか仲間にしたのは私とここにいるリムルだよ。」

 

「なんと?お嬢さんはまだしもスライムが牙狼族を?冗談であろう?」

 

いや。なんで私ならまだ納得するの?

 

「……嵐牙。」

 

【ハッ!此方に!!】

 

そんななか、リムルは私の影から嵐牙を呼び出す。

 

「絶狼と影狼も元の大きさの狼形態で嵐牙と一緒にガビルさんの相手をしてあげて。」

 

「「ハッ!ルーミア様!!】】

 

私も絶狼と影狼に呼びかけて、二人は嵐牙と同じくらいの大きさの狼形態になりながら嵐牙と並ぶ。

 

同時に三人はスキル『威圧』を発動して、周囲のリザードマン達を萎縮させる。

 

「あれ?俺達と戦ってた時より大きくなってません?」

 

「あれが彼奴(あいつ)らの本来の大きさなんだよ。」

 

「普段は周りの被害を抑えるために獣人形態になったり、小さくなってもらってるけど、『威圧』するにはあのサイズが丁度良いんだよ。」

 

【主達から命を受けた。】

 

【貴様の話を聞いてやる。】

 

【さっさと話すが良い。】

 

「おぉ……貴殿らが牙狼族の族長達か……」

 

【お。他の奴らは萎縮しているのに彼奴は堂々としているな……】

 

【意外と根性があるんだね。】

 

嵐牙達親子三人とガビルのやりとりを見ながら、リムルと“念話”でそう話をする。

 

「鋭い眼光に美しい毛並み、威風堂々とした佇まい………しかし、か弱きお嬢さんを護るために仕えるのは理解できるが、スライムの下にも就くというのは理解できぬな……」

 

「あん?」

 

「あっ……」

 

「どうやら貴殿らとお嬢さんはあのスライムに騙されているようだな……良かろう!我輩が貴殿らを操る不埒なスライムを倒してやろう!!」

 

「ガビル様、カッケェーッ!!」

 

「やっちまえっ!!ガビル様!!」

 

「「「ガ・ビ・ル!!」」」

 

「あっそれ!!」

 

「「「ガ・ビ・ル!!」」」

 

【蜥蜴風情が……我が主達を愚弄するか……】

 

【身の程知らず共が……】

 

【引き()ぎってくれる……】

 

ヤバい。嵐牙達親子がぶちギレてる……

 

ガビルさん、死んだかも……

 

「あれ?皆して何しているッスか?」

 

「え?ゴブタ!?」

 

「おまえ、(紫苑の手料理のせいで)死にかけてたんじゃ……っ!?」

 

『あぁ~、なんか紫苑の手料理を抵抗したおかげで『毒耐性』を身に付けたみたいだね。』

 

まさかのゴブタの登場に困惑の声を上げる私とリムルに対し、『人造全智存在(マザー)』がそう教えてくれる。

 

っていうか毒って……いや、それは今は置いといて……

 

「ゴブタ。ちょっとおいで。」

 

「?なんスか?ルーミア様。」

 

「ちょっとそこに立ってて。」

 

「?」

 

私はそう言いながらゴブタをガビルさんと対峙させる位置に立たせる。

 

「すいません。そこのお兄さんの槍を貸してくれませんか?」

 

「この槍をですか?」

 

「お互いに同じ武器で勝負した方が公平でしょ?」

 

「勝負……なるほど……確かにお嬢さんの言う通りであるな。槍をお貸しして差し上げろ。」

 

「ハッ。ガビル様。」

 

ガビルさんからも指示を受けたリザードマンは自身の槍をゴブタに貸し出す。

 

「壊すような真似はするなよ。」

 

「え?え?」

 

「頑張ってね。ゴブタ。」

 

「いや、ルーミア様。一体何がどうなって……」

 

「ガビルさん。貴方がゴブタ(この子)に勝ったら配下の件、ご一考させて頂くということでよろしいですか?」

 

「構いませんぞ。部下にやらせれば、恥は掻きませんからな……なぁ。スライム殿?」

 

「ゴブタ。遠慮はいらん。思いっきりやったれ。」

 

「いやいや、リムル様にルーミア様。一体なんでこんなことに」

 

「勝ったら、黒兵衛に頼んで武器を作ってやる。」

 

「後、リーニエとの一日デートも付けてあげる。」

 

「え?マジッスか!?『デート』の意味はわからないッスけど、なんかやる気が出てきたッス!!」

 

「負けたら『紫苑の手料理』の刑な。」

 

ドォンッ!!

 

「頑張るッスゥーーーッ!!!」

 

「おぉ……ゴブタが黄金の妖気(オーラ)を纏ってる……」

 

「彼奴……(スーパー)サイヤ人だったか?」

 

「ははは……やはり鍛えがいのある若者だな……」

 

「そうですのぅ……」

 

「それじゃあ……始めっ!!」

 

正に『背水の陣』と言わんばかりにやる気全開(マックス)になるゴブタを見てリーニエとピッコロ、ブラッドレイと白老がそう言うなか、私は開始の合図を出す。

 

後、ピッコロ。ゴブタは超サイヤ人じゃなくてホブゴブリンです。

 

「偉大なるドラゴンの末裔である蜥蜴人族(リザードマン)がホブゴブリンごときに遅れを取るなど」

 

「フッ!!」

 

「うおっ!?」

 

なんか口上を垂れてるガビルさんの言葉の最中、ゴブタは借りた槍を思いきり投擲(とうてき)する。

 

小癪(こしゃく)なっ!!」

 

紙一重でかわしたガビルさんはそう言いながら槍を振るう。

 

「!?」

 

が、そこには既にゴブタの姿がなく、空を切る。

 

「一体何処に……っ!?」

 

シュン

 

「とうッス。」

 

ドカァァァンッ!!

 

「ガハッ!?」

 

ドサッ!!

 

次の瞬間、ガビルさんの背後の影から飛び出したゴブタが回し蹴りを後頭部に食らわせ、意識を刈り取る。

 

「勝者、ゴブタ!!」

 

ワァァァーーーッ!!

 

私がそうゴブタの勝利宣言をすると、紅丸やリグルド達がゴブタに群がり胴上げを始める。

 

【マジか……ゴブタの奴、いつの間にか『影移動』まで身に付けてやがったのか……それにあの回し蹴り、前に俺が食らわせたやつだよな……?】

 

【言っとくけど、ゴブタは結構戦士としては優秀だよ?ただ周りが言わないだけで……】

 

【マジか……俺はてっきり】

 

【『ゴブタがやられたのを大義名分にして皆でフルボッコにする』つもりだと思ってた?】

 

【そ、そんな訳ないだろ!!】

 

【ふぅーん……】

 

「よ、よくやったな。ゴブタ。約束通りに黒兵衛に言って作ってもらうからな。」

 

「ありがとうございますッス!リムル様!!」

 

ジト目で見る私の視線を誤魔化すようにそう言うリムルに対し、ゴブタは笑顔でそう言う。

 

……まぁ、いいか……

 

私はそう思いながらリムルを紫苑に預け、ゴブタが投擲した槍を回収する。

 

「お貸し頂いてありがとうございます。」

 

「あ、あぁ……」

 

「皆さんも見て頂いた通り、勝負はこちらの勝ちです。なので配下の件はお断りさせて頂きます。豚頭族(オーク)に対抗するために共闘するのは前向きに検討しますのでそこはご安心ください。」

 

槍を返却した後、私は(うやうや)しく頭を下げながらリザードマン達にそう言う。

 

「今日のところはどうかお帰りください。あ。多分、大丈夫だとは思いますが、もしガビルさんが一夜経っても目覚めないなんてことになったらこちらをどうぞお使い下さい。」

 

私はそう言いながら瓶に入れた完全回復薬(フルポーション)を手渡す。

 

「あ、あぁ……」

 

「あ。後、一つだけ。ガビルさんに名付けをしたのは誰ですか?」

 

「魔王軍幹部のゲルミュッド様だ。」

 

ゲルミュッド……ここでもその名が出るとはね。

 

「教えて頂きありがとうございます。どうか道中お気をつけてお帰り下さい。」

 

「あぁ……お気遣い感謝する……」

 

「い、いずれまた来るぜっ!!」

 

「然りこれで終わりではないぞっ!!」

 

完全回復薬(フルポーション)を受け取った後、リザードマン達はそう言いながら気絶したガビルさんを連れて去っていった。

 

「さてと……今後の方針を決めないとなぁ……」

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