転生したらルーミアだった!?   作:デスゴッド

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蜥蜴人族(リザードマン)との交渉

「首領……首領!!」

 

「なんだ?騒々しい……」

 

「侵入者です!!鍾乳洞の入り口にて、首領に会わせろと……っ!!」

 

ガビル達が湿地帯に向かって帰還し始めた頃、蜥蜴人族(リザードマン)の本拠地にて、一人のリザードマン兵士が首領にそう報告する。

 

「会おう……連れて参れ。」

 

「え!?」

 

「首領。危険なのでは?」

 

「そなたも感じるか。この妖気(オーラ)、ただ者ではない……っ!!」

 

親衛隊長にそう言いながら、首領は玉座の間の出入口の方を見る。

 

(蜥蜴人族(われら)の精鋭100名を持ってしても、勝てぬかもしれぬ……っ!!)

 

首領がそう思いながら身構えるなか、黄色いボブカットの幼い少女が、青髪に白い一本角の青年と青白い肌に尖ったギザ歯の男性を伴いながら現れる。

 

「失礼。今、ちょっと立て込んでおりましてな……大したおもてなしはできませぬ。」

 

「いえ。こちらこそ、突然の訪問すいません。」

 

玉座から立ち上がりながらそう言う首領に対し、黄色いボブカットの少女、ルーミアは一歩前に出て頭を下げながらそう言う。

 

(魔物(われら)を前にして物怖じしない態度………見た目によらず、肝が据わっているようだな……)

 

「私達は貴方方、蜥蜴人族(リザードマン)と同盟を結びたくて来ました。」

 

「はて、そちらの戦力が如何様(いかよう)なのか、(わし)は知らぬのだが……」

 

「ホブゴブリンや牙狼族を始めとする他種族が手を取り合って、町を作って生活しております。」

 

「町……風の噂で聞いたことがあるが、本当に存在するのか……」

 

「はい。僭越(せんえつ)ながら私はその町の主の片割れをさせて頂いております。」

 

「こちらにおわすルーミア様とその相方であるリムル様は樹妖精(ドライアド)より直接要請を受け、オーク軍の討伐を確約されている。」

 

「!?森の管理者が直接……っ!?」

 

「それと樹妖精(ドライアド)の話では今回、オーク軍を率いているのは豚頭帝(オークロード)で間違いないらしいです。そのことを踏まえて、ご検討した方が良いですよ。」

 

青髪に白い一本角の青年、蒼影の言葉に困惑の声を上げる首領に対し、青白い肌にギザ歯の男性、鬼鮫は笑みを浮かべながらそう言う。

 

豚頭帝(オークロード)………」

 

(やはりそうだったか……)

 

「ふんっ!リムルだとっ!!そんな名前聞いたこともない!!」

 

そんななか、一人のリザードマン兵士がそう声を荒げる。

 

「どうせそいつもそこにいる小娘も豚頭帝(オークロード)を恐れて来たのだろう!?素直に『助けてくれ』と言えばいいものの」

 

「やめろ。」

 

「え?」

 

「その口を閉じろと言っているのだ。」

 

「首領!そのような態度では()められっ!?」

 

リザードマン兵士の言葉の最中、そのリザードマン兵士の首にいつの間にか鋼糸が巻き付かれており、それによって僅かに血が流れる。

 

「い、糸……っ!?」

 

「蒼影。」

 

「!?」

 

「勝手なことしない。」

 

が、ルーミアがそう言いながらブレードに変身(トランス)させた右手で蒼影の手から伸びる鋼糸を切断し、リザードマン兵士の首に巻き付かれていた鋼糸は外れ足元に落ちる。

 

「!?右手が剣に……っ!?」

 

「鬼鮫も鮫肌に手を伸ばさない。」

 

親衛隊長がそう困惑の声を上げるなか、ルーミアはジト目で鬼鮫を見ながらそう注意する。

 

「………」

 

「ッ……申し訳ございません。ルーミア様。」

 

対する鬼鮫が不敵な笑みを浮かべながら背中に差した鮫肌を抜くのをやめるなか、蒼影は頭を下げながらそう言う。

 

「……ちょっとすいません。」

 

「な、何を……」

 

パァァァ

 

「!?傷が……っ!?」

 

「「!?」」

 

そんななか、右手を元に戻したルーミアは蒼影に負わされた傷を負わされたリザードマン兵士に近寄り、小瓶に入れた完全回復薬(フルポーション)で回復させる。

 

「対等な話し合いの場での配下の無礼、申し訳ございません。」

 

「いや。今のはこちらに非がある。同族が負った傷を癒してくれた心遣い感謝する。」

 

その後、頭を下げるルーミアに対し、首領もそう言いながら頭を下げる。

 

「つかぬことを聞くが、貴女(きじょ)が何者か、お教え願いたい。」

 

「……とある妖気(オーラ)の影響で魔人としての肉体を得た闇の精霊……種族名は『闇人(ダークノイド)』です。」

 

「「「!?」」」

 

「!?貴女は魔人であったか……なるほど……」

 

種族名を明かしたルーミアに側近のリザードマン達が驚愕するなか、首領も驚きながらも何処か納得した様子でルーミアを見据える。

 

「……さては貴女、妖気(オーラ)を抑えているな?」

 

「……私達が蜥蜴人族(あなたがた)に求めているのは同盟を結ぶための話し合いであり、殺し合いではないので……」

 

「なるほど……この森で暮らす魔物で樹妖精(ドライアド)(かた)る愚か者はいない……ところで先程、貴女に(いさ)められたそちらの二人の内、角を持つ者は私の知るそれとは内包する妖気(オーラ)が大きく異なるようだが……南西で暮らすオーガだな?」

 

「……今は少し違います。私の相方であるリムルから『蒼影(ソウエイ)』の名を(たまわ)り、鬼人に進化しました。」

 

「俺の他に六人、リムル様とルーミア様から名を授かり皆、鬼人に進化している。」

 

「鬼人……っ!?」

 

(大鬼族(オーガ)のなかから(まれ)に生まれるという上位種族……それが七人も!となればオーガ(このもの)達に名を与えたという、目の前にいる魔人の少女とその相方であるリムルとやらはそれ以上の存在……っ!!)

 

目の前にいる『闇人(ダークノイド)』という新たな種族であるルーミアの存在と、そのルーミアと相方のリムルからの名付けによって誕生した七人の鬼人の存在に首領は動揺しながらも思案する。

 

(豚頭帝(オークロード)出現のこのタイミングで強者の援軍が期待できるというのならこの話、断る理由がない………だが………)

 

「……ルーミア嬢。一つだけ条件を出しても良いかな?」

 

「……聞きましょう。」

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